『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』企画、演出、出演の尾上菊之助さんインタビュー。菊之助さんはファミコン時代からゲームを愛し『FFX』に衝撃を受けたゲーマーだった! | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 スクウェア・エニックスから2001年7月19日に発売されたプレイステーション2用ソフト『ファイナルファンタジーX』。その『FFX』が大長編歌舞伎『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』となり、2023年3月4日(土)より、IHIステージアラウンド東京(豊洲)にて上演される。

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 この『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』は 新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』など新しい歌舞伎の舞台を創り出している尾上菊之助さんが企画、演出、出演。中村獅童さん、尾上松也さん、そして中村錦之助さん、坂東彌十郎さん、中村歌六さんら豪華歌舞伎俳優陣も出演する。
 上演する劇場の“IHIステージアラウンド東京”は、周囲を取り囲む360度すべてに展開されるステージと、その中心に巨大な円形の観客席を配置し、巨大なお盆に乗った観客席自体が回転しながら、舞台、映像、音楽などと画期的な方法で融合することで、これまでにない感覚や“没入感”を楽しむことができるのが特徴だ。

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『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』が2023年春に東京・豊洲の“IHIステージアラウンド東京”で上演されることが発表。ティーダとユウナたちのスピラを巡る物語が“大長編 歌舞伎”で描かれる。

 2022年9月14日からチケットの超最速先行(抽選)受付が公演公式サイトでスタート。超最速先行では席種はSS席限定で、非売品オリジナルCGビジュアルアクリルスタンドも付く。受付期間は10月2日(日)23:59まで。

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2022年9月14日、2023年春に東京・豊洲の“IHIステージアラウンド東京”で上演される“新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX”について、最新情報が発表された。

 本稿では、そんな『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』の企画・演出、そして出演もする尾上菊之助さんへのインタビューをお届け。尾上菊之助さんはファミコン時代からゲームを愛し、『FFX』に衝撃を受けたゲーマーだった!

尾上菊之助(おのえ きくのすけ)

歌舞伎俳優。1977年生まれ。1984年2月に『絵本牛若丸』の牛若丸で六代目尾上丑之助を名乗り初舞台。1996年5月には『弁天娘女男白浪』の弁天小僧菊之助ほかで五代目尾上菊之助を襲名。立役・女方として、時代物、世話物、舞踊と幅広いジャンルで活躍。テレビドラマ出演のおもな作品には、TBS日曜劇場『下町ロケット』や『グランメゾン東京』、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』などがある。

目次閉じる開く

『FFX』を改めてプレイして歌舞伎化の想いが爆発
ビデオレターも作ってスクウェア・エニックスにアタック
前編3時間、後編3時間の約6時間の大長編歌舞伎に
歌舞伎固有のテクニックや古典の技術と最新鋭の演出が融合
歌舞伎界にもゲームファンは多い!?
新作歌舞伎は歌舞伎の入門編。歌舞伎を知らなくても楽しめる!

『FFX』を改めてプレイして歌舞伎化の想いが爆発
――まずは今回、『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』を企画することになったキッカケは何だったのでしょうか?
菊之助新型コロナの影響が大きかったですね。2020年からのコロナ禍で歌舞伎がほとんど中止になり、すごく不安になったのです。自分でもこの先どうしたらいいのかわかりませんでした。そのときゲームが日本の文化を明るくしている様子を見て、ひさびさに『FFX』で遊んでみようと思ってリマスター版をプレイしたのがキッカケです。
――ひさびさに、ということはPS2版のオリジナル版もプレイはされていたと。PS2版をプレイされたのは発売されてすぐのころでしょうか?
菊之助そうですね。発売が2001年ですから……21年前ですね。舞台出演が増え忙しくなってきた時期でしたが、PS2で初めて発売される『FF』シリーズの最新作ということで夢中でプレイしていました。アルベド語辞書を集めたり、七曜の武器(最強武器群)を強化したりとかなりハマりましたね(笑)。
――やり込んでいたのですね(笑)。ちなみに、『FFX』以外の「FF」シリーズもプレイされていたのですか?
菊之助はい。『FFI』から『FFX』までは欠かさずプレイしました。ジョブが自由に選べるようになった『FFIII』もすごくやり込んだ記憶があります。忍者が強かったですよね。『FFX』以降は、仕事が忙しくなってきたというのもありましたが、『FFX』が好きすぎて、ほかのRPGになかなか手が伸びませんでした(笑)。
――かなりゲームがお好きなのですね。
菊之助はい。ファミコン世代ですし、RPGでは「ドラゴンクエスト」シリーズなどもプレイしてきました。ファミ通も読んでいましたし、いまファミ通さんの取材を受けているというのが不思議な気分です(笑)。

――ファミ通も読んでくださっていたとは(笑)。ありがとうございます。そんなゲーム好きな菊之助さんが、とくに『FFX』に惹かれたのはなぜなのでしょう?
菊之助圧倒的な映像美や心に残る物語はもちろん、いままで自分が体験していたRPGとの違いに驚き、そして惹かれました。
――“自分が体験していたRPGとの違い”とは?
菊之助それまでのRPGは、プレイヤーが物語の主人公になる作品が多かったですよね? ですが、『FFX』は主人公であるティーダというキャラクターが持つ心理的背景や、彼の起こす行動の全てがこと細やかに描写されていて、とても引き込まれました。物語と登場人物に感情移入できる点が衝撃でした。
――たしかに、『FFX』はシリーズで初めてボイスが入ったこともあり、キャラクターが立っていましたよね。そんな『FFX』でとくに印象に残っているシーンを挙げるとすれば、どこでしょうか?
菊之助『ザナルカンドにて』が流れるオープニングのシーンはいまでもグッときますね。あとは、やはりマカラーニャの森の泉でのティーダとユウナの……。話していてもため息が出るほど美しいシーンです。もはや映画を超えていましたよ、あれは。
――そんな『FFX』を20年以上経ったいま、ひさしぶりにプレイしてみていかがでしたか?
菊之助あらためて衝撃を受けました。ティーダとユウナの立場が逆転してしまうようなストーリー展開は歌舞伎の中でも見当たりませんし。「いなくなってしまった人たちのこと、時々でいいから…… 思い出してください」という最後のセリフも心に刺さりましたね。

ビデオレターも作ってスクウェア・エニックスにアタック
――そして、「これを歌舞伎にしたい」という想いが芽生えたと。その発想自体が驚きなのですが、そうした発想は新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』の経験が大きかったのでしょうか?
菊之助『風の谷のナウシカ』の経験も大きかったです。コロナ禍になりメッセージ性の強いものを打ち出したいと仲間と話し合ったとき、『FFX』はまさにいい題材だと。そう思い立ってすぐにスクウェア・エニックスさんにビデオレターと企画書を送らせていただきました。
――ビデオレター! スクウェア・エニックスの担当の方も驚かれたのでは?
菊之助コロナ禍で直接お会いすることが難しかったですし、自分の熱量を伝えるには、それしかないと思いました。ビデオレターは自宅で撮影したこともあり、照明もよくなかったので手作り感満載だったので、そういった意味では驚かれたかもしれません(笑)。

ビデオレターだけではなく、もちろん企画書も。企画書も菊之助さんの情熱が込められたものだった。

――そうした熱意がスクウェア・エニックス側に伝わって、実現の運びになったと。スクウェア・エニックスの方々からは何かリクエストはありましたか?
菊之助ここはこうしてください、というリクエストはとくにありませんでした。私は、原作と歌舞伎の両方を尊重することを第一に考えています。歌舞伎のテクニックだけに落とし込んでしまうと原作の魅力を失くしてしまう恐れがありますし、原作重視だと逆に歌舞伎の味がなくなってしまいます。『FFX』を歌舞伎にしていいとおっしゃっていただいた以上、『FFX』の世界観を大事にしつつ、歌舞伎の味も大切にしたいですね。そこは、ビデオレターや企画書でもお伝えした部分です。
――コロナ禍になってからのお話しですから、それが2年半くらい前ですよね? かなり急ピッチで進められたのですね。
菊之助そうですね。『風の谷のナウシカ』の準備期間は5、6年ほどでした。今回は、コロナ禍の日本を元気にしたい、ゲームと歌舞伎という相互の文化の発展にもつながってほしいという想い、また、『FF』シリーズの35周年という節目ということもあって、かなり駆け足で進めました。
前編3時間、後編3時間の約6時間の大長編歌舞伎に
――『FFX』のストーリーはかなり長いですが、壮大な物語をまとめるだけでもたいへんそうですね。
菊之助そうですね。壮大な物語を脚本に落とし込むにあたって、最初はゲーム中のセリフを文字に起こすことから始めました。
――手作業で!? スゴい!
菊之助その地道な作業があったからか、作品への理解度はかなり高くなりましたね(笑)。セリフを文字起こしした段階で、歌舞伎的な場面割りも考えていきました。
――『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』だと、物語はどうなるのでしょう? 
菊之助歌舞伎には“通し狂言”と言って、ひとつの狂言を序幕から大詰(おおづめ。最終幕)まで全幕、またはそれに近い場割りで、朝から夜まで通して上演するものもあったりするのですが、それに近いイメージで前編3時間、後編3時間の約6時間にゲームの物語をまとめる予定です。
――大長編ですね。
菊之助ゲームファンの方には、1日がかりの超大作の歌舞伎を体験していただきたいです。今回はティーダとユウナはもちろん、アーロンやワッカ、シーモアなど、登場人物全員に感情移入できるよう、各場面でそれぞれの見どころがあるよう心掛けています。そうして作った脚本を鳥山さん(鳥山求氏。『FFX』のイベントディレクター)に監修していただき、ようやく後編まで脚本が完成しつつあるところです。

――そこまで脚本が辿りつくまでにどれくらいかかりましたか?
菊之助2年ほどでしょうか。
――ご自身が好きな『FFX』を作った方とのやり取りはいかがでしたか?
菊之助胸が熱くなりましたね(笑)。今後はセリフの調整などをしつつ、舞台装置などについても考えていくことになります。
歌舞伎固有のテクニックや古典の技術と最新鋭の演出が融合
――舞台装置については、会場となるIHIステージアラウンド東京は周囲を取り囲む360度のステージや高さ8メートルの巨大スクリーンなどもあり、スゴい歌舞伎になりそうですね。
菊之助そうですね。高さ8メートルという巨大スクリーンの中で歌舞伎をやるというのは初めての試みですし、『FFX』のゲーム映像も使わせていただきますので、『FFX』の世界に没入していただける舞台を目指して、脚本の八津さん(八津弘幸氏)、演出の金谷さん(金谷かほり氏)といろいろと練っている最中です。
――さきほどお気に入りのシーンとしても挙げられていた、マカラーニャの森の泉のシーンも見どころのひとつになりそうです。
菊之助あそこはぜひとも綺麗に描きたいです。金谷さんは『ドラゴンクエスト スペクタクルツアー』で映像と演者を見事に融合されていたので、金谷さんのアイデアと私の持つ歌舞伎ならではの工夫が合わさればいいなと思っています。
――バトルシーン……立廻りもあると思うのですが、モンスターはどう表現されるのでしょうか?
菊之助歌舞伎は、藤の花が擬人化されて“藤の精”として踊ったり、桜の木から“桜の精”が出てきたり、そういった擬人化のテクニックに長けているんです。シンのコケラとのバトルなども、そういったテクニックを使って表現する予定です。また、召喚獣の演出についても楽しみにしていただきたいですね。立廻り以外に、日本舞踊にも注目していただきたいです。日本古来の舞い踊りによって、異界送りを表現する場面もあります。古典の技術やテクニックと最新鋭の演出を融合させて、観に来てくださったお客様を新たな『FFX』の世界に誘いたいとも考えています。
――ブリッツボールやアルベド語といった要素は登場するのでしょうか?
菊之助本水(実際の水を使った演出のこと)を使うかどうかはまだ決まっていませんが、様々な趣向を凝らす演出を考えています。アルベド語は難しいかもしれませんね(笑)。脚本にはしてみたのですが、なかなか伝わりづらいのでおそらく出てこないと思います。字幕を出すことも検討したのですが、目線が散ってしまうのでそれもなしだろうと。

――オリエンタルな雰囲気もある『FFX』ですが、衣裳や音楽はどうされる予定ですか?
菊之助衣裳については、原作のデザインを尊重して、そこに和のテイストを加えています。ユウナやアーロンはもともと和の雰囲気がありますし、歌舞伎とは比較的相性がいいのではないかと思っています。音楽については『ザナルカンドにて』や『素敵だね』など植松さん(植松伸夫氏。『FFX』の音楽を担当)が作られた曲を大切にしつつ、和楽器でアレンジしていこうと思っています。
――ファンとしては『ザナルカンドにて』や『素敵だね』がどんなアレンジで、どう使われるのか気になるところです。
菊之助私のお気に入りの2曲でもありますし、こだわりたい部分ですね。

歌舞伎界にもゲームファンは多い!?
――出演者には中村獅童さんや尾上松也さん、そして中村錦之助さん、坂東彌十郎さん、中村歌六さんなど錚々たる方が名を連ねていますが、誰がどのキャラクターを演じるのか気になるところです。
菊之助発表を楽しみにしていてください。出演者はキャラクターにぴったりの配役になっています。
――菊之助さんのイメージに合う配役になっていると。『FFX』を知らない出演者の方もいらっしゃったかと思いますが、そうした方にはどう説明されたのですか?
菊之助まずは資料を読んでいただきました。松也くん(尾上松也さん)や梅枝さん(中村梅枝さん)、萬太郎さん(中村萬太郎さん)は『FFX』を遊んだことがあったようでした。歌舞伎界にはゲーム好きの方も多いです。スタッフの方々にも、「『FFX』で新作歌舞伎をやりますので力を貸してください」とお声掛けしたときに、「やったことあるよ」とよく言われました。
新作歌舞伎は歌舞伎の入門編。歌舞伎を知らなくても楽しめる!
――菊之助さんが新作歌舞伎を作られるのは『FFX』で4作目になると思うのですが、原作があるものを歌舞伎として作られる際には、どのような点に気を使われていますか?
菊之助海外の文学、神話、日本のマンガを題材にして作ってきましたが、それらの世界と歌舞伎の世界、どちらの世界も壊してしまわないように、偏りすぎないようにすることは意識しています。ただ、歌舞伎で守らないといけないルールはいくつかあって、それは守りつつも、歌舞伎をご覧になったことがない方、古典を身近に感じたことがない方にハードルが高いと感じられないような言葉選びをしています。ですので、新作歌舞伎は歌舞伎の入門編として観ていただきたいですね。
――敷居が高いと感じている人もいるかもしれませんが、そんなことはないと。
菊之助「歌舞伎を観に行く」のではなく、「『FFX』の世界に遊びに行く」という感覚で来ていただけたらと思っています。そのためにグッズ展開であったり、皆様に楽しんでいただけるよう様々なコンテンツを考えていますので、楽しみにしていただければと思います。
――このインタビューが公開されるころには、チケットの超最速先行(抽選)も始まっています。公演に向けて、ひと言お願いします。
菊之助ファンの皆様が愛してらっしゃるように、私も『FFX』を愛し、この世界を表現しようとコロナ禍の2020年から制作を進めてまいりました。スクウェア・エニックスの鳥山さんにも監修していただき、皆様の期待を裏切らない、『FFX』の世界に没頭していただける作品になっていると思いますので、劇場でお楽しみいただければうれしいです。

新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX

日程:2023年3月4日(土)~4月12日(水)
会場:IHIステージアラウンド東京
出演:尾上菊之助 中村獅童 尾上松也 
    中村梅枝 中村萬太郎 中村米吉 中村橋之助 上村吉太朗 中村芝のぶ
    坂東彦三郎 中村錦之助 坂東彌十郎 中村歌六 ほか

主催:TBS/ディスクガレージ/ローソンエンタテインメント/TopCoat
後援:TBSラジオ
原作・協力:スクウェア・エニックス
IHI Stage Around Tokyo is produced by TBS Television, Inc., Imagine Nation B.V., and The John Gore Organization, Inc.

…以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202209/14275606.html

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