2023年6月30日にNintendo Switchで発売予定の『超探偵事件簿レインコード』。本作は、『ダンガンロンパ』シリーズを生んだトゥーキョーゲームスの小高和剛氏、小松崎類氏、高田雅史氏が手掛ける最新作にして、スパイク・チュンソフトとのタッグによる完全新作のダークファンタジー推理アクションだ。
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雨が降り続く奇妙な街“カナイ区”を舞台に、記憶喪失の探偵見習いユーマ=ココヘッドと彼に取り憑いた死に神ちゃんが、数々の未解決事件に挑む。
本作の発売に先駆けて、メディア向けのハンズオン(いわゆる体験会のようなもの)が実施された。本稿では、ハンズオンで体験できたゲームの魅力をお伝えしよう。ストーリーやトリックのネタバレには十分配慮しているので、安心して読み進めてほしい。
3Dで表現された街中や現場を探索する調査パート
今回のハンズオンでは、1章の途中からスタートし、1章のエンディングまでプレイできたが、ゲームを体験可能な時間は4時間ほど。ボイスを聞きながらプレイすると、時間内にエンディングまでたどり着けないとスタッフから教えられたので、ボイスは泣く泣くスキップしながら進めている。
ユーマ役の福原かつみさんや死に神ちゃん役の鈴代紗弓さんを筆頭に、出演声優陣は豪華。発売後は、ボイスをじっくり堪能しながらプレイしたい。
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推理ゲームファンは必見! 心をくすぐられる魅力的な物語と登場人物
1章でユーマと死に神ちゃんが挑むのは、カナイ区で有名な“怪人クギ男”の都市伝説の内容に酷似した、“連続密室殺人事件”。都市伝説の内容は、憎い相手の名前を札に書き、その人物に見立てた人形とともに教会裏の森の木に打ち付けておくと、怪人クギ男がその相手を殺してくれる……というもの。
カナイ区では、クギ男が犯人と思われる密室殺人事件が続いていたが、ついに犯人であるクギ男が逮捕されたという。だが、容疑者の息子である少年は、街を支配する超巨大企業・アマテラス社保安部による誤認逮捕だとしてユーマたちに助けを求めてきた――。
これが1章で巻き起こる事件の導入部分だ。密室、連続殺人、怪人……と、ミステリー好きにはたまらないキーワードが続々と登場し、序盤からストーリーにグイグイと引き込んでくれる。
ユーマの相棒(?)となる死に神ちゃんや、事件の調査をサポートしてくれる超探偵のハララ=ナイトメアも、ユーマをいい感じに振り回してくれるので、やり取りを見ていて微笑ましい。
とくに死に神ちゃんはころころと変わる表情や動作、ハララは爽快なアクションシーンが披露されるイベントシーンに注目を! 想像していた以上にキャラクターが動くので、いい意味で驚かされたし、キャラクターの魅力をより強く感じることができた。
死に神ちゃんは、ふだんは人魂のような姿をしているが、後述の謎迷宮に入るときは人型の姿に変身! 見た目はかわいいのに、女の子らしくないシーンも……。一応、本作のヒロインです(たぶん)。
ハララは、カナイ区へ派遣された超探偵のひとり。つねに冷静で的確な判断力の持ち主で、これまでにも数々の難事件を解決してきた……のだが、お金以上に信じられる物はないと考えている。相手が誰であれ、無報酬で依頼を受けることはない。
メインキャラクターだけではなく、事件に関わる登場人物たちもクセモノ揃い。調査で訪れた教会では、人相の悪い神父や言動が乱暴なシスター、クギ男に心酔している男などが登場。いずれのキャラクターも怪しいので、「こいつが犯人じゃないか!?」と、推理するのも一興だ(ちなみに、裏を読みすぎて筆者の推理は大外れでした)。
3Dで表現されたカナイ区で事件を調査
事件の証拠を集める調査パートでは、カナイ区を移動しながら事件の調査が行える。カナイ区はいくつかのエリアに分かれており、訪れる場所によって異なる顔を見せてくれる。1章で探索できたのは、おもにカマサキ地区とギンマ地区のふたつのエリア。
カマサキ地区は、カナイ区内でもっとも雑多で活気のある場所。店や屋台が立ち並び、多くの人々が暮らしており、階段や歩道橋によって多層構造のようになっているのが特徴的だ。かなり入り組んでいるので、路地裏に迷い込んだような感覚で探索できた。
多くの人々で賑わうカマサキ地区。
一方のギンマ地区は、カマサキ地区と比べて整然とした街並みで、青い照明が落ち着いた雰囲気を演出している。 喫茶店やレストランなどの商業施設のほか、美術館や時計塔など、ランドマークとなる建物も多く、ちょっとした観光気分を味わえる。街で見かける住人たちも、ドローン傘を愛用しているなどオシャレな雰囲気だ。
高級商業地として発展したギンマ地区。
各地には、探索を盛り上げる要素が散りばめられているのもうれしい。今回のプレイでは、住人たちから“依頼”を受けることができた。依頼の内容は、行方不明の子どもの捜索やひったくり犯の追跡など種類が豊富。
依頼を解決すると探偵ポイントを獲得でき、ポイントが一定数溜まるとユーマの探偵ランクがアップするメリットも。探偵ランクが上昇すれば、謎迷宮の攻略に役立つ多彩なスキルを覚えられる。スキルはプレイヤーが自由に習得できるので、プレイスタイルに応じてユーマをカスタマイズする楽しみも体験できる。
ちなみに、探偵ポイントは住人の話を聞いたり、街中のオブジェクトを調べたりして入手することも可能。今回のプレイでは体験できなかったが、ほかにも“記憶の断片”と呼ばれる死に神ちゃんそっくりな像を集めるコレクション要素も収録されており、探索意欲をますます高めてくれそうだ。
記憶の断片はキャラクターごとに色わけされており、ひとつ手に入れるたびにエピソードがアンロックされ、ユーマと超探偵たちとの思い出エピソードを閲覧できる。
超探偵の“探偵特殊能力”を使った調査が新鮮!
事件の調査は、“探偵特殊能力”と呼ばれる特別な力を持った超探偵と行う。1章では先述したハララがユーマの頼れるパートナーに。ハララの探偵特殊能力は“過去視”だ。
過去視の能力があれば、過去に起きた連続殺人事件の第一発見時の現場も調査できる。
過去視のような能力があれば、何でもアリじゃないかと思うかもしれないが、推理モノとして破綻しないように配慮されているのでご安心を。探偵特殊能力はあくまでも事件の調査のための能力であり、ハララも過去のすべてを見られるわけではない。つまり、事件が起きた瞬間を過去視で見て、犯人を突き止めるといったことはできないのだ。
この過去視を使った調査方法が独特で新鮮だった。通常の推理アドベンチャーゲームだと、事件直後の現場を調査して証拠を集めることが多いが、過去視の能力を使うと、事件現場の現況と、第一発見時の状況を切り換え、見比べながら調査を進められるので、本作独自の調査が堪能できた。
ちなみに、本作を手掛けた小高和剛氏によると、今後発生する事件も、パートナーとなる超探偵の探偵特殊能力を使った独特の調査方法が用意されているとのこと。事件が発生し、現場を調査するパートは、同じことのくり返しで物語が進むほどマンネリ化しがちだが、本作は新鮮な調査が楽しめそうだ。
また、3Dで表現された事件現場を歩き回って証拠を集めるのも、『ダンガンロンパ』シリーズでは体験できなかったので、非常に新鮮。調査すべきポイントは、マーカーが表示される親切設計なので、調べ忘れた場所があって物語が先に進まないといったことが起こりにくいのも好印象だった。
ユニークな謎解きやほどよいアクションが楽しめる謎迷宮パート
調査パートで事件の証拠を集めると、死に神ちゃんが人魂のような姿から、人型の姿に変身して謎迷宮パートがスタートする。謎迷宮は、現実世界で起きた事件の謎が具現化した場所。この謎迷宮を踏破すれば、現実世界ではたどり着けない事件の真相を解明できる。
と、わかったように説明したものの、謎迷宮がどのようなものなのか、正確に把握していたわけではない。謎迷宮は、 “事件の謎が具現化した場所”と言われても、筆者のようにピンとこない人は少なくないハズだ。
筆者は今回のハンズオンで謎迷宮パートをプレイし、この場所がどういうものなのか、ようやく理解することができた。謎迷宮は、ユーマたちが会話しながらダンジョン内を移動するパートと、さまざまな形式で出題される謎を解くパート、 そして謎怪人との推理デスマッチの3つパートに分類できる。
謎迷宮では、先に進むたびに内部の構造が変化していく。キャラクターの掛け合いも用意されており、移動するときも楽しみながら遊びやすい。
謎を解くと迷宮の先へ進めるようになり、 先へ進むと事件の全容が明らかになっていく。すなわち、迷宮の攻略と事件の推理が同時に進行していく構造になっているのだ。ここからは、とくに重要な謎解きと推理デスマッチの特徴や魅力を紹介しよう。
出題される謎解きはバラエティー豊かでゲーム性もバッチリ
迷宮内ではさまざまな形式で謎が出題され、それらを解決していくのだが、出題される謎解きの形式がバラエティー豊か。三択問題などのオーソドックスなものから、“死に神ちゃん危機一髪” や“大進撃 死に神ちゃん”といったアクション性の高いものまで用意されている。
“死に神ちゃん危機一髪”は、緩やかに回転する樽の表面に書かれた文字を解刀で突き、答えとなる単語を作るユニークな謎解き。死に神ちゃんの水着姿にも注目!
“大進撃 死に神ちゃんの謎解き”は、巨大化した死に神ちゃんがトゲや城壁といった障害をものともせず突き進み、悪あがきをする謎怪人を追い詰めるというもの。
ほかにも犯行現場となった密室を謎迷宮内で再現し、そのトリックを暴く“密室再現”や、『ダンガンロンパ』シリーズの“クライマックス推理”のように、一連の事件を総まとめする“超推理フィナーレ ”などの謎解きも収録。出題される謎ごとに、異なるゲームが楽しめるので、謎迷宮を通して新鮮な気持ちでプレイできた。
“密室再現”は、3Dで表現された事件現場を歩き回り、実際にトリックを再現するのがおもしろい。
“超推理フィナーレ”は、『ダンガンロンパ』シリーズのファンには懐かしい形式の謎解き。
ちなみに、迷宮の構造は事件の内容に影響されるため、章ごとに雰囲気が大きく変化するとのこと。犯人がミスリードや罠を仕掛けていれば、謎迷宮も複雑なものとなっていくので、探偵特殊能力を使った調査と同じく、謎迷宮の探索も章ごとにやりがいがありそう!
手に汗握る謎怪人との推理デスマッチ
ユーマたちの行く手を阻む、謎怪人との推理デスマッチも謎迷宮の重要な見せ場のひとつ。謎怪人は、事件の真相解明を阻もうとする人物の意思が具現化した敵。ユーマたちが事件の真相に近づくと姿を現し、直接対決の推理デスマッチを仕掛けてくる。
推理デスマッチでは、謎怪人の発言を左右への移動やしゃがみ、ジャンプで回避しつつ、主張の中に矛盾を見つけて反論することで、物語が進行していく。この推理デスマッチは、ひとつの謎迷宮を攻略するまで何度も発生する。
一見するとアクション性の高いシーンのように見えるものの、シンプルな操作でプレイできるうえ、先述したスキルでプレイヤーの弱点をカバーすることも可能。アクションゲームが苦手な人も楽しめるようなバランスに調整されていると感じた。
超探偵の探偵特殊能力を使った調査や、謎解きと事件の推理が同時に行える謎迷宮などを実装することで、既存の推理アドベンチャーゲームとは一線を画す内容となっている『超探偵事件簿 レインコード』。
事件のトリックも本格的なものが用意されているので、『ダンガンロンパ』シリーズのファンはもちろん、推理アドベンチャーゲームが好きな方も必見だ。新感覚の調査や謎解きが味わえる本作の発売をお楽しみに!
なお、ハンズオンの直後に開催された小高和剛氏と榊原昌平氏のインタビューも公開中。こちらも併せてチェックを!
...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202306/02303916.html