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『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』インタビュー。シリーズ作に敬意を払うと同時に、アニメやストリートなどのポップカルチャーの風を吹き込んだ新機軸のメトロイドヴァニアに | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 ペルシャ神話に着想を得た新作アクション・アドベンチャー『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』。プレイヤーは、若き戦士サルゴンとして呪われたカーフ山を探索し、ガッサン王子の救出を目指して戦いに挑む。

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 シナリオ重視のアクションゲームというシリーズの特徴を踏まえつつ、マップ探索やキャラクターの成長といった要素を加えた“メトロイドヴァニア”として再構築された本作。
 ここでは、本作のゲーム性やシナリオ、アートについて開発者にミニインタビューの形で話を伺った。

ジャック・エクセルティエ氏

ナラティブディレクター

ジャン=クリストフ・アレサンドリ氏

アートディレクター

ムニール・ラディ氏

ゲームディレクター

アートディレクターのジャン=クリストフ・アレサンドリ氏(左)、ナラティブディレクターのジャック・エクセルティエ氏(右)

――主人公のサルゴンはどんな青年でしょうか?
エクセルティエサルゴンは不死隊の中でもっとも若いメンバーです。不死隊はペルシャのエリート戦士であり、多くの戦いで勝利を収めてきました。サルゴンは最後にこのチームに加入しましたが、向こう見ずで怖いもの知らずなところがあり、ときに問題を引き起こすのでまだまだ成長過程にあります。
アレサンドリ私たちはジャックが制作した物語を不死隊メンバーの強力なアイデンティティを作ってきました。ペルシャの歴史の中でこの地域はとてもリッチで多様な文化が存在し、それは不死隊の戦士によって表現されています。
――ストーリーの見どころを教えてください。
エクセルティエこれまでの『プリンス オブ ペルシャ』フランチャイズと同様、今作でも“時間”がとても重要な要素であり、ひとつのキャラクターとも言えます。
 時間の変則により過去の出来事がいまだに存在することがあり、未来の出来事がすでに起きている場合もあります。交差して混合する異なるタイムラインによって、各人は同じストーリーを生きることはありません。このような状況の中でサルゴンと不死隊はどのように戦いを続けていくのか。彼らの結束力がポイントになることでしょう。

――不死隊の仲間はどんな展開でゲーム内に登場するのでしょうか?
エクセルティエ物語の最初に、ガッサン王子の捜索のため、彼らは別々の道を行くことを決断します。別れてはいますが、お互いが情報交換のために定期的に集まります。ときにはプレイしているあいだに出会うこともあるかもしれません。
アレサンドリ物語に合致するキャラクターを作るよう心掛けました。彼らは若く才能ある戦士ですが、同時に成長の過程にあるので、それを反映したキャラクターになっています。パワフルですが弱点もあり、そこから進化していきます。アート面ではモダンな切り口として、古典的な若いペルシャの戦士にストリートファッションなどの新しい個性を取り入れました。
――サルゴンと不死隊のストーリーのほかに、サブストーリーなどはありますか?
エクセルティエメインストーリーの合間には多くのサイドクエストを楽しむこともできます。
 この世界を深く知りたい人にとってサイドクエストは伝承や世界観、各エリアについての情報を深く掘り下げるられるものになっています。シタデルでは多くのキャラクターに出会い、サイドクエストでも多くの出会いがあります。
 メインの物語はシリアスなものですが、サイドクエストはコミカルなものも多く、プレイヤーの緊張感をほぐしてくれるでしょう。
――作品全体を通してのアートのコンセプトを教えてください。
アレサンドリシリーズ作品への敬意を持っていますが、これまでのものにフランス的でモダンな切り口を加える必要がありました。
 私たちはまず古代ペルシャ文化に親しみ、それをベースとして自分たちなりの想像力を膨らませていきました。そこで、スーパーヒーロー・コミック、少年マンガ、アニメなどのポップカルチャーを加えることにしたのです。この新しいビジュアルを古典的なペルシャ文化、伝承にコーディネートしたわけです。
 このふたつのものが完璧にミックスしたものを作ることがゴールでした。
 ペルセポリス(古代の都)の塑像、寺院、宮殿などを参考にファンタジー・ワールドを作り、荘厳で驚くべき伝説の世界に仕立てる必要がありました。また、レベルデザインとアートのふたつを完璧に融合させるのは難しかったです。
 いかに厳格で神々しいもの、細かいところに敬意を払いながら美しいイメージが作れるかということです。レベルデザイン上のきびしい制約があっても、プレイヤーがそれを感じることなく、美しくマジカルなワールドにいられるようにしなければなりませんでした。

――サルゴンがスペシャルアビリティを使う場面やボスの攻撃をパリィする場面などでは、アニメや少年マンガ的な演出が見られますね。
アレサンドリそのような場面ではとくに強いインパクトのあるビジュアルやイメージを使いました。
 ストリートアートにインスパイアされたモダンなパターンや形状、大胆な色彩を取り入れることで、プレイヤーがサルゴンのパワーを感じ、記憶に残るようにしました。
 また、アニメやマンガはいまや私たちの(フランスの)文化の一部になっていると言えます。チーム全員がアニメファンですので、ストーリー展開におけるダイナミズムや、ビジュアルをゲームに取り入れるのは自然だったと思います。『鬼滅の刃』や『ドラゴンボール』は影響を受けた作品のひとつですね。
 アニメには非常に独特なタイミング感覚があると思いますが、できる限りこの感覚をとらえる努力をしました。これは私たちがデザインしている戦闘システムにぴったりだと思ったのです。
エクセルティエまたアニメや少年マンガは感情的に開発チームのメンバーそれぞれが目指すもの……記憶に残るアートや、ペースの速い戦闘、アクションなどに合致していました。ストーリーの語りかたにも合っていたと感じています。
 私たちは小さなチームですので、素早く情報を共有して対応できます。各人のアイデアについて意見交換し、一歩一歩このゲームのワールドを作るという、とてもワクワクする時間を過ごしています。

ゲームディレクターのムニール・ラディ氏

――構想はいつからありましたか?
ラディ2019年11月末から本作の構想を練っていました。ただ、それ以前から『プリンス オブ ペルシャ』を再構築するための多くのアイディアやコンセプトを持っていました。
――新たな『プリンス オブ ペルシャ』が、2Dプラットフォーマー(※)であることに驚きました。このジャンルを選んだ理由は何でしょうか?
※足場をジャンプして進行するようなタイプの2Dアクションゲーム。
ラディまず、ルーツに戻りたいという希望がありました。
 これまでのタイトルをご存知であれば、プラットフォーマーですばらしいストーリーを展開してきたことはおわかりだと思います。
 私たちは『プリンス オブ ペルシャ』らしいステージ作りに挑戦したいという情熱を持っていました。それはかつて、友人と過去作をプレイしたときに感じた、“謎を賢く解けた経験”や“環境を理解してうまく切り抜けた経験”を覚えているからです。ゲーム作りにおいて、ジャンルはストーリーに合致したものを選ぶ必要があります。
 本作はサルゴンを含む7人が敵対的な世界に迷い込むもので、これはメトロイドヴァニアのジャンルに合致していると感じていました。
 ただ、あくまでも『プリンス オブ ペルシャ』のひとつなので、一般的なメトロイドヴァニアにはしたくはないと思いました。
 私とチームは、オープンワールドのような世界構築に関心があったからです。まずは、シリーズらしいゲーム性を理解することがとても重要でした。過去のシリーズ作は2Dであれ、3Dであれアクション、ナラティブ、プラットフォームがその中心となっていますので、アクション・アドベンチャー要素の強いプラットフォームゲームという方向に進んでいくのは自然な流れでした。

――ストーリーとアクションを重視しつつ、エリア探索やキャラクターの成長(能力の獲得)のおもしろさもプラスしている、と。
ラディそうです。このゲームはメトロイドヴァニアなので新しい能力を手に入れれば、それまで行けなかった場所へ進めるようになります。さらに探索を進めて、特定の場所に設置された石像にインタラクトすることによって、エリア間をファストトラベルで移動可能になります。
 そのようなメトロイドヴァニアとしての本作の大きなチャレンジは、壮大な物語をこのジャンルに収めることでした。すべてがきちんとつながるよう長い時間をかけましたが、それは本当に難しかったです。
――アクション面でとくに力を入れた部分はどこでしょうか?
ラディどんなふうにアクションを“魅せるか”というところですね。本作のビジョンのひとつは、過去作のキャラクターのアクションを再構築することでした。
 『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』3部作は非常にシネマトグラフィー的でした。特定のアクションに専用のカットインやアニメーションが用いられたりと、映像としてのおもしろさがありました。そこで本作では、一連のアクションの流れの中で、どんなアニメーションを組み合わせたらよりおもしろく見せられるかという部分に注力しました。
 たとえば、アビリティを使って投擲物を発射し、すぐさま別の位置にテレポートして敵の攻撃をパリィするといった派手なアクションを流れるような一連のものとして演出できるか。プレイヤーに多数の手段(アクション)を用意して、その時の状況に応じて組み合わせてもらうことが重要でした。
――アクションが複雑化することによって、ゲームは難度の高いものになっているのでしょうか?
ラディプレイしていただいたデモ版では多数のアビリティを持っており、本来はすでに多くの仕掛けやシチュエーションの解決策を理解している状態でしたのでやや難しく感じられたかもしれません。通常は各アビリティのメカニックを理解しながら進んでいくので対処は容易でしょう。
 ほとんどのプレイヤーがボスのマンティコアに直面した際、だいたい2~3回のデスを経験すればクリアーできる程度の難易度となっています。このゲームは、『ELDEN RING』や『Hollow Knight(ホロウナイト)』ではありません。本作のゲーム性としては、トライ&エラーではなく、アビリティの組み合わせやアクションで対処法を模索することに重点を置いています。
――なるほど。デモ版をプレイしたところ、テレポートの使用や使いどころがやや難しいと感じました。
ラディデモ版では真にテレポートを使うべき状況が登場しなかったと思います。このアビリティを入手したあと、環境的な障害に直面した際にテレポートで乗り越える場面があります。
 そこからどのように有用に使うのかがわかるようになります。たとえば、背面に弱点があるエネミーに対しては、背後にテレポートすることで簡単に倒せます。それぞれのアビリティを理解するための要素がたくさんありますので、製品版ではもっと簡単にできると思いますよ。

――シリーズの特徴として、プレイヤーを苦しめるトラップがありますよね。それはやはり本作でも健在でしょうか?
ラディそうですね。ときには意地悪なトラップが多すぎると思うこともあります(笑)。
 本作の開発においてとてもクールな体験だったのは、過去作を振り返り、本作にピッタリ合うトラップを選ぶことでした。とくにプレイヤーが慣れ親しんだものといえばスパイク(針山)で、シリーズの象徴的なトラップと言えます。本作にはもちろん、新しいトラップもあります。
 さまざまなアビリティがあり、これらを使った新しいチャレンジを多数用意していますので、ぜひ楽しみにしていてください。

...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202306/13305872.html

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