2023年8月9日より開幕となった『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)のシーズン18“リザレクション”。今シーズンでは、新レジェンドは登場せずシーズン4“アシミレーション”で初参戦したレヴナントの能力調整、デザイン変更など大幅なリワークが行われた。
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リワークされたレヴナントについて、メディア向けのグループインタビューが実施。開発秘話や調整意図など開発者に興味深い話を聞けたので、ぜひチェックしてほしい。
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Evan Funnel(エヴァン・ファネル)
『Apex』のゲームデザイナー。(文中はエヴァン)
Jaclyn Seto(ジャクリン・セト)
『Apex』のライター。(文中はジャクリン)
レヴナント本来の姿である殺人ロボット感を実現
――レヴナントのリワークでは、なぜ既存の能力をベースに調整するのではなく、新たに機動力のある能力に変更したのでしょうか。
エヴァンこれまでのレヴナントはどちらかというとエリアコントロールをするようなプレイスタイルが多くて、殺人ロボットという設定とは大きくかけ離れていると感じました。しゃがみ移動でこそこそと動き、いきなり現れるといった戦術はありましたが、私の想定とは少し違ったものでした。
今回のリワークでは真正面から攻めてくるといった、恐ろしいレヴナントをデザインしたかったのです。リワーク後のレヴナントは戦いかたも変わっていますし、ターゲットを絞って容赦なく襲ってくる。そしてこのレヴナントの攻撃性に、パーティーメンバーも付いていくことによっていい攻撃力になるのではないかと考えています。
リワーク後は私たちが本来考えているレヴナントの形、感覚にフィットしていると思いますし、いままでのレヴナントのプレイパターンを変えることに成功したと考えています。
――戦術アビリティのチャージ時間についてです。パスファインダーは移動距離によってクールタイムが変わるかと思いますが、レヴナントはなぜ変わらないのでしょうか。
エヴァンレヴナントの戦術アビリティはクールタイムが変わらないように意図的に設計しています。アルティメットを使うことでクールタイムが減少しますし、アルティメットを使ってキルをした場合はリフレッシュもします。いつでもすぐに何度でも使えるようにしてほしかったからです。
いずれにせよ、これをたくさん使うことで移動も楽しくなりますし、戦闘中にはウルト中にキルすることですぐにリフレッシュするといった、新しい戦術的要素が生まれてくるのではないかと考えています。
――レヴナントのリワーク作業はどのくらいの期間で行われたのでしょうか。
エヴァン私たちが考えるレヴナントの設定とリワーク前の能力がうまくフィットしていなかったので、相当な時間をレヴナントのリワークに費やしてきました。リワーク前に持っていたアビリティをベースに改善する施策を取ってきましたが、それらはうまくいかず、一新するといった方向性になりました。
レヴナントの調整は暗殺者的な要素をプレイスタイルにも組み込むため
――レヴナントのリワークは、キルコードといったストーリーとともに展開されました。今後もしほかのレジェンドのリワーク作業を行う場合は、今回と同様にストーリーと付随してのリワークとなるのでしょうか。
ジャクリン今回、ストーリー部分をいっしょに組み込んで導入し、それを実際に試してみたところ、とてもいいストーリーとリワークができたと思います。つぎに同じような機会があったら、こういったストーリー要素を盛り込んでいければなと思います。
――以前、リワークの理由について現在の対戦環境にうまく適応できていなかったといったことを話していました。移動系のアビリティを持っているレジェンドのほうがプレイヤーから見て価値が高く、ピックもされやすいだろうという認識を開発では抱いているのでしょうか。
エヴァンレヴナントは、リワークして移動系の能力に変更を行ったわけですが、これは別にピック率を高めるために施した変更ではありません。私たちが考えるレヴナントの設定である“怖い”、“襲ってくる”、“油断をしたらすぐにやられるような暗殺者”的な要素をプレイスタイルにも組み込みたかったからです。具体的には、レヴナントのアビリティでライフが少ない敵を特定して一気に距離を詰めて倒す、どこに隠れていても追い詰めるようなレジェンドにしたかったんですね。
スカーミッシャーに変更した理由は、戦いに自由に参加したり離脱することが前よりしやすくなったからです。リワーク後のプレイスタイルは、アサルトクラスのようにチームをリードして戦闘に入っていくというわけではなく、スカーミッシャーとしてライフが低い敵を特定して倒す、またはチームからひとり外れてしまった敵を特定して倒すといったプレイスタイルがフィットしていると感じました。
――『Apex』は、ストーリーとゲームコンテンツがうまく絡み合っているという点が魅力で、今回のレヴナントのリワークもとくにすごくよく絡み合っていたと思います。こういうのは大抵、先にゲームのコンテンツ内容が決まってからそれに合わせてストーリーチームがストーリーを作っているものだと思っているのですが、逆にストーリーチームのほうから働きかけてゲームコンテンツを作るみたいなことはあるのでしょうか。
ジャクリンじつ、ストーリーチームのほうからもいろいろなアイデアを出したりはします。それは私たちだけではなくて、関係者やほかのチームからのアイデアの働きかけ、提案というのもあります。
たとえば、デザインチームがストーリーチームにアイデアを提案することもありますし、その逆もあります。お互いの提案やアイデアからインスパイアされるような関係を持っていると思います。
エヴァンジャクリンの言った通りだと思いますが、能力のアイデアから入って、ストーリーを考えていく方法もありますが、もちろんその逆もあります。ストーリーチームのほうから素晴らしいアイデアがきて、それをいろいろと検討する過程で、この能力がフィットしているのではないかとか……。本当にたくさんの時間をかけて検討をして、最終的にひとつにまとめるということが多いですね。
今後のイベントで旧バージョンのレヴナントが出る予定はない
――今後のイベントなどで、サプライズ的に旧バージョンのレヴナントが登場することはあるのでしょうか。
エヴァン現時点では旧バージョンのレヴナントを出すようなイベントは計画していません。
――アルティメットのフォージシャドウは現在、身に纏う影にパスファインダーのグラップリングフックや味方のアークスターが刺さったまま移動できるなど特殊な当たり判定が確認されているそうですが、これは意図した実装なのでしょうか。
エヴァン味方のアークスターがフォージシャドウにつけられる現象はバグです。つぎのパッチで修正予定です。
このアビリティについては、さまざまな新しいクリエイティブな使用方法をプレイヤーがされていますが、つねに私たちもひとつひとつ確認しています。
開発段階では1vs1の決闘を行うウルトだった
――レヴナントのスキンについてです。新型の色違いスキンは存在せず、旧型のスキンの色違いスキンしかないと思いますが、今後デザインが新しくなったレヴナントの色違いスキンが登場する予定はありますか?
エヴァンいままで登場していたレヴナントのスキンは、基本的に旧バージョンのレヴナントをベースにしたものでした。リワークされてレヴナントも新しくなりましたから、今後のスキンは新しいバージョンをベースにしたものになります。
――現在のものになるまで、レヴナントのリワークに関してはどのような仕様やアビリティが検討されていたのでしょうか。
エヴァンいまの能力に決まるまでは、壁走りなどさまざまなプロトタイプを試しました。ただ、本当に特定の限られた状況でしか使えず非効率だという結論にいたり、最終的に壁絡みでは実際に実装されているウォールクライムのほうがもっと便利という結論になったのです。
そして、戦術アビリティについては一気に距離を詰めるというシャドウパウンスですね。これは、比較的最初からずっとアイデアとして持っていたもので、最後までほぼ変わることはなかったです。
それから、アルティメットはいくつか異なるアイデアを試したことがありました。ひとつ例を出すと、1vs1のデュエルを行うというアイデアがあったのです。これは、レヴナントがひとりの敵を対象にしてターゲットだけを特別なエリアに連れて行き、そこで1vs1の決闘みたいなことを行うということです。そして、勝者だけがまた元に戻って戦闘を続けることができるということも検討して試してみました。でも実際、いきなり特別なエリアに連れて来られた側としてはどうなっているか読みにくい部分がありましたし、実装も難しいということになりました。そして、一番大きかったのは特別なエリアに引き込まれた敵側は、それに対してまったくカウンタープレイがなかったことです。ですから、最終的にこのアイデアはボツになりました。
それで、いま実際にリワークして実装されているような、私たちが考えるレヴナント本来の姿、つまり対象を絞って一気に距離を詰めて倒すというアサシンのプレイスタイルに落ち着いたわけです。
――今回のレヴナントのリワーク作業の最中に大きな飛躍、ターニングポイントになった瞬間があればお聞きしたいです。
エヴァンレヴナントはシーズン4でファンタジーの世界観を持って導入されました。初めて登場したときのトレーラーでは、ガラスを割ってローバの家族を殺してしまうといった、非常に怖い闇の暗殺者という描写がされていて、やはり改めてその原点に戻りたいという気持ちがありました。
リワークされたレヴナントは非常にアグレッシブになっていますし、とにかく一度対象に絞られたらもう逃げることができないといった存在になっています。そのためファンタジーな世界観に戻すこと、これがいちばん大きなターニングポイントでした。
――アップデートで全体的にレジェンドのアルティメットアビリティのクールタイムが増えているパターンが多い中、ジブラルタルとレイスはクールタイムが減少しています。この調整意図ついて教えてください。
エヴァン基本的には全体的なバランスを見て考えています。アビリティによっては非常にパワフルなものもありますので、そういったアビリティのクールタイムを低く設定してしまうと、それがあまりにも頻繁に使われ過ぎることもあります。
そのため、全体のデータを見て、今回はジブラルタルそしてレイスのクールタイム減少ということになりました。基本的には、現環境やどれくらいの頻度で使われているのかといったデータから調整しています。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202308/15313179.html