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『Punch Club 2: Fast Forward』拳ひとつで不遇な世界を生き抜く。戦闘スタイルを極めて最高のファイターを目指すシミュレーション【おすすめゲームレビュー】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 ファミ通.comの編集者&ライターが2023年夏のおすすめゲームを語る連載企画。今回取り扱う作品は、主人公の能力を上げていき世界最強の格闘家を目指していくNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC用ソフト『Punch Club 2: Fast Forward』。

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【こういう人におすすめ】

格闘ものの育成アドベンチャーが好きな人
ワイルドな世界観、微妙に不親切でハードなゲームが好きな人
自分で道を切り拓いて攻略していくのが好きな人

たむ爺のおすすめゲーム
『Punch Club 2: Fast Forward』

プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox OnePC(Steam)

発売日:2023年7月21日配信

発売元:tinyBuild Games

開発元:Lazy Bear Games

価格:Nintendo Switch版は2799円[税込]、プレイステーション5、プレイステーション4版は3080円[税込]、Xbox Series X|S、Xbox One版は2350円[税込]、PC版は2300円[税込

ジャンル:シミュレーション・アドベンチャー

対象年齢:IARC 12歳以上対象

備考:ダウンロード版専売 Xbox Game Pass対応

『Punch Club 2: Fast Forward』ニンテンドーeショップサイト

『Punch Club 2: Fast Forward』PlayStation Storeサイト

『Punch Club 2: Fast Forward』Microsoft Storeサイト

『Punch Club 2: Fast Forward』Steamサイト

『Punch Club 2: Fast Forward』Epic Games Storeサイト
不遇な生い立ちから始まる、ひとりの青年の奮闘劇
 Lazy Bear Gamesという、リトアニアの首都ビルニュスを拠点にするゲームデベロッパーが開発した作品で、シリーズ2作目にあたる本作。前作同様、スポーツ・格闘家を育成していくアドベンチャー兼シミュレーションとなる。前作は父親を殺害されてしまった無名のボクサーとなって、父を殺害した犯人を探すとともに、ボクサーとして登りつめていくというストーリー。1980、90年代を彷彿とさせる世界観で、PC版、iOS、Androidでリリースされ、家庭用ゲーム機にも移植されたほど人気を集めた作品でもある。
 そんな前作の要素をある程度引き継いでいる本作。ゲーム性からストーリーを語る表現・要素は決して強いというものではないが、前作からのある種ダークとも言える世界観は健在。このスパイスが本作のひとつの魅力となっていて、表現ひとつとってもなかなか見ることができない世界を構築してくれているのが特徴だ。綺麗事だけではないある種現実的な表現を加えて、拳ひとつで自分の生きる世界を変えていくという目的にマッチした、独特の世界観・バックボーンを構築しているのだ。
 そして前作同様、どのような道に進むかはすべてプレイヤーの選択に委ねられている。主人公が母親のお腹にいるときに姿を消したという父親を探すことも、人々が噂にする暗黒の拳になることも、はたまたとある企業の極秘事項を暴き世界の救世主になることもできる。
 味付けとしてはやや質素で決して万人受けするような世界観ではないものの、なかなか味わうことのできない尖った趣を楽しめ、かつ一本道ではなく自分が進む道を選ぶことができるというのがまず大きなポイントになっている。

オープニングのワンシーン。過去の悲劇を20年間聞かされ続けてきた青年が、ひとり立ちするストーリー。なかなかにダーク&シュール。

古い時代のようでもあり、近未来的な時代でもある世界。メインストーリー以外のサブクエストのようなものあり、ある程度好きな道を進むことができる。

シンプルながら戦略性のある育成要素と絶妙な難易度バランス
 ざっくりとゲーム進行を説明すると、昼夜時間の概念があるマップ上の複数の拠点を行き来して、拠点ごとに行えるタスクをこなし、プレイヤーを強くしたり、お金を稼いでいったり、ストーリーを進めていったりする。どこに行くのも自由であるが、拠点ごとにオープン時間もあり、また拠点ごとの移動には移動時間が距離に応じてかかってくるため、時間帯ごとの計画に基づく行動が重要になってくる。
 難易度として2種類設けられているものの、開発者が想定するノーマルにおいては非常に絶妙なバランス調整がなされており、適当に過ごしておくだけでもある程度の能力にはなったりお金が溜まったり……というのがまったくない。なんとなく過ごしていてもすぐに八方塞がりになってしまい、お金も貯まらなければ能力向上も一切できないなんてことになってしまう。
 ちなみになにかの行動を起こすときにあるステータスは、幸福、エネルギー、まんぷく、体力の4つのゲージ。適度にお腹を満たし、体力がなくなってきたら休むとしていたとしても、働き詰め、能力アップばかり行っていると、幸福度が0になって動けなくなってしまう。逆にほどほどに過ごしていたらお金も増えていないし能力も上がっていないということが起こるわけだ。
 シンプルなパラメーター育成シミュレーションながら、きちんと考えないと進められないゲーム性、及び難易度になっているところが、骨のあるゲームが好きなものとしては非常に刺さるゲームとなっている。
 さらに加えると、ゲーム内でのヒントやチュートリアルも少な目なので、何をしていくのか、または何が最適解になるのかといったことを、みずからの手で試しながら見つけていくような構造になっている。ゲームのあるべき根源的なおもしろさと個人的に思っている点ではあるが、自分でゲーム攻略の手法や方法を模索してあがきながらも道を切り開いていくことが楽しめる作品になっている。

なにか行動を起こすとステータスが回復したり減ったりし、その変わりにお金を稼げたり、能力を上げられたりする。一方で、その総関係から簡単にそれぞれを増やせない歯応えのある難易度になっている。

複数ある戦闘スタイルとスキルツリーでバトル要素も奥深く
 バトルシステムについては、パワー、スピード、スタミナの3つのステータスが基礎能力を示すパラメーターとなっており、トレーニングしながらそれぞれの値を上げて強化していく。トレーニングには種類があり、どれを主体的に上げるかを選択しながら、能力強化に励んでいくことになる。
 総体的に一気にすべてを上げることができないので、いずれかを優先して能力アップしていき、全体の能力の合計からなる総合力をもってランク戦のようなものを勝ち抜いていくのだが、総合力が仮に高かったとしても試合に勝てるとは言えない作りになっているのが、本作の試合における妙になっている。
 たとえばパワーを重視して強くしていって、試合で相手を圧倒していたとしても、スタミナが低いとみずからの行動だけでスタミナを消費し、またたく間にガス欠状態に。そうしてスタミナが0の状態で攻撃を受けると即ダウンとなり、大ダメージを食らってしまい、たとえ起き上がったとしても再びスタミナ不足で再度ダウン……なんてことになってしまう。そうなると、バランスよく育てなければ……となるわけだが、いざ取り掛かろうとすると時間もかかり、ランク戦もあまりできなくなる。結果的に下から上がることができない……といった負の連鎖、ジレンマのようなことも起こってしまう。
 そのほかにバトルを奥深いものにしているのが、4つある戦闘スタイルとそれぞれに複数用意されているスキル。たとえばテコンドーというスタイルでは、俊敏性ある戦いを行うことができるので、攻撃力は低くとも手数を増やし、また回避性能を上げるバトルを行う。合気道というスタイルでは、じっくりと静の動きで防御を固め、スタミナを温存し、的確な攻撃やカウンターを狙った試合を行う……といった戦いを選ぶことができる。また、それぞれのバトルスタイルごとにスキルツリーが用意されており、イベントや試合などで獲得したポイントを使うことで好きなものを習得できるようになっている。
 こういった、カスタマイズ性、自分の好みの成長や試合を楽しめるのが、本作のいちばんと言っていい魅力となるだろう。
 ストーリーの進行や、その過程、戦闘スタイルなど戦略性をもった選択を行い、歩を進めていく、そんなシミュレーションらしい内容を楽しめる一本だ。

試合はラウンド制となっており、ラウンドごとに戦術やスキルを変えることもできる。単に能力を上げるだけでなく、自分の好みを選びながら戦略を立てて育成していかなければ、なかなか敵を倒すことができない歯応え。

ちなみに翻訳レベルはやや低。合気道が“あー意気道”となっているなど、意図的(?)とも思えるようなものもあるが、そういったところもひとつの魅力となっている。

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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202308/27313274.html

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