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『NEEDY GIRL OVERDOSE』が100万本売れるまで。販売本数の50%以上が中国、セールで約64万本を販売【CEDEC2023】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 2023年8月23日(水)~25日(金)にかけて開催された、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC2023(Computer Entertainment Developers Conference 2023)”。本稿では、8月25日に実施されたセッション“インディーゲームが100万本売れるまで :『NEEDY GIRL OVERDOSE』の販売データから”の模様をお届けする。

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 本セッションでは、リュウズオフィス代表取締役の小沼竜太氏が登壇。『NEEDY GIRL OVERDOSE』の販売データをもとに、インディーゲームを全世界で100万本売り上げるに至った施策が紹介された。

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インディーゲームを全世界で120万本販売するために行った施策
 小沼氏が代表取締役を務めるリュウズオフィスは、ゲームを作る以外のあらゆるマーケティングサービスを行うことををモットーに、ゲームのマーケティングやプロモーションのサービスを提供する会社だ。

 『NEEDY GIRL OVERDOSE』では、販売本数の最大化をミッションと定め、パブリッシングサポートとして日本、中国、北米、欧州におけるマーケティングやプロモーションを実施。
 また、プラットフォーマーであるSteamのvalveやNintendo Switchの任天堂との窓口、セール戦略の設計などを行った。

 小沼氏がパブリッシングサポートを行った『NEEDY GIRL OVERDOSE』は、ワイソーシリアスより2022年1月21日にSteam版が、同年10月27日にNintendo Switch版が発売されたマルチエンディングアドベンチャー。
 最強のインターネットエンジェル(配信者)を目指す、承認欲求強めな女の子・あめちゃんとの生活を描く物語が楽しめる。全世界累計販売本数は120万本以上に記録している。

本作は日本ゲーム大賞2022の“ゲームデザイナーズ大賞”受賞候補作にもノミネートされた。

 そんな本作は、日本のインターネット文化に精通するクリエイターのにゃるら氏が企画・シナリオを務める作品。日本にフォーカスした作品であったため、小沼氏は日本国内がおもな市場であると考えていた。
 しかし結果的に、発売後(2023年7月27日)のデータを見てみると、販売本数の50%以上を中国が占める結果となった。これは当初予測をしていなかったことだという。

 この結果については、情報の初出以降、また発売直後のユーザーの反応を観察し、当初とは方針を大きく転換して、中国語国圏に注力しつつ、言語圏別の販売数にも注目して随時施策を提案、実施したことが要因のひとつ。
 また、Steamの季節セールに加えて、パブリッシャー独自のセールを提案し、それに付随するプロモーション施策を行ったことも挙げられる。

 ゲームの情報の初出は、インディゲームの情報を日本語、英語、中国語で全世界に向けて発信する番組“INDIE Live Expo”でお披露目。
 2020年11月7日の放送で情報を公開し、同時にSteamのストアページを公開。その際、1日で約4000件程度のウィッシュリスト登録が行われた。

 情報初出のタイミングでストアページを開いておくことは非常に重要だと語る小沼氏。公開した瞬間、Steamのヘビーユーザーがウィッシュリストに追加してくれる可能性が非常に高いからだ。

 発売前日までのウィッシュリスト数を見てみると、販売本数のトップであった中国は日本を下回っていた。
 先ほど、日本をおもな市場とする小沼氏の戦略を裏づける数字が記録されていたが、発売翌には一気に中国が日本を上回った。発売1ヵ月後には、中国のウィッシュリスト数が14万件と、日本の2倍以上を数字を記録している。

 また、本作の主題歌『INTERNET OVERDOSE』は、中国の動画配信サイト“Bilibili”で860万再生を記録。
 このふたつの現象を踏まえて、より販売本数を増やすために中国向けの施策を充実させることとなった。

ウィッシュリストを見て注力エリアを決定。独自セールでは多彩なプロモーションも実施
 具体的には、中国向けの生放送や、ヒットした主題歌の中国版の歌詞を公開。
 これらをはじめとしたさまざまな施策を展開したことにより、中国での反響はさらに大きくなった。現在では“Bilibili”で関連動画の再生数が6000万回を超えている。

 発売以降のウィッシュリストのデータを見てみると、発売直後はもちろん、発売以降も毎週数千から1万程度、継続して増加している。またSwitch版の発売の2022年11月下旬、多言語対応を行った2023年の6月下旬では突出してウィッシュリストに追加されている。
 なお、Switch版の発売タイミングでは、Steamでは初の20%オフのセールを実施。多言語対応のタイミングでは50%オフのセールを開催した。

 もっとも多く瞬間的に販売されたのは、2023年6月4週目~5週目。多言語対応とSteamでの50%オフセールを行ったタイミングだ。
 ウィッシュリストと販売本数の推移のグラフを重ねてみると、ウィッシュリストが伸びたタイミングで販売本数も増加。数字が伸びている時期は、Steam主催による季節の大型セールやそれ以外の独自のセールへの参加、パブリッシャセールを実施したタイミングと重なっている。

 季節の大型セールと独自セール時の販売本数を比べてみると、前者では26万本、後者では38.3万本を記録。セールを行っていない期間では57.3万本を販売し、合わせて121万本を達成。
 Steamにおいてセール時に売り伸ばすということはよく言われているが、実際にその通りだと小沼氏は語る。結果としても、セールタイミングで約53%と全体の過半数を販売している。

 セール時の販売本数の内訳としては、パブリッシャー独自のセール時のほうが販売本数が多いことに注目してほしいと小沼氏。季節の大型セールはもちろん、独自のセール時にもしっかり注目を集めることが販売本数を増やすためのプロモーションとして必須である。
 そのため、独自のセールのタイミングでは必ず何らかの施策を実施。例えば、本作の生放送番組をYouTubeで全5回実施し、合計150万再生以上を記録。独自のセールといっしょにこういった施策を行うことで注目を集め、販売本数の増加に繋げた。
 そのほか、“INDIE Live Expo”への追加出展や新PVの公開、ネットミームをパロディ化したWEBCMの公開など、多彩な施策を展開した。

 まとめとして、小沼氏はインディーゲームにおいては海外市場は重要であると語る。しかしながら、実際にどの地域のユーザーから反響があるかは蓋を開けるまではわからないとのこと。
 実際、本作でも中国語圏で強い反応があるとは当初は考えていなかった。また、韓国語圏でも予想以上の反応の強さがあり、急遽韓国語への対応を決定して実施した経緯もあったという。
 あらゆる地域で大規模なプロモーションを行うということは非常に難しいことではあるが、ウィッシュリストの推移など、実際にユーザーの反応を見ることで必要な施策が見えてくるとのこと。そうしてユーザーの反応をつぶさに見て注力エリアを決定し、必要に応じた柔軟な方針転換というのが非常に重要であるそうだ。
 そして、Steamが行う季節の大型セールに参加するというのはもちろん、独自セールも大切。とくに独自セールの場合は、セールタイミングに合わせたプロモーションの設計と実施が重要とのこと。そうした総合的な取り組みによって、全世界での販売数を最大化させることができると語った。

 最後に、Steamで公開されるゲームタイトルは右肩上がりで上昇し、2023年7月27日時点で8万3000本を超えていることを挙げ、世界中のパブリッシャーがSteamに可能性があることを理解していると強調。
 その中で、インディーというある種、柔軟に動ける組織体であればこそ、柔軟に展開していくことが重要だと語ってセッションを締めくくった。

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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202308/27314696.html

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