ユービーアイソフトはプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox One、Xbox Series X|S、PC(Epic Games Store / Ubisoft Store)用アクションアドベンチャー『アサシン クリード ミラージュ』を2023年10月5日に発売する。
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本作は『アサシン クリード』シリーズの最新作で、シリーズ15周年の集大成とも言える作品。9世紀アッバース朝のバグダッドを舞台に、前作『アサシン クリード ヴァルハラ』に登場した“バシム・イブン・イスハーク”がマスターアサシンになるまでの姿が描かれている。また“原点回帰”をテーマにしており、シリーズおなじみのパルクールやステルス、暗殺といったアクションがパワーアップしている。
ここでは、本作でワールド&クエストディレクターを務めるSimon Arseneault氏に話をうかがった。
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アサシンらしいアクションを駆使して、数々のアクティビティーに挑戦できる
Simon Arseneault氏
本作のワールド&クエストディレクターを務める。
『ウォッチドッグス』シリーズや前作『アサシン クリード ヴァルハラ』などでレベルデザインを担当。
――本作は最近の『アサシン クリード』シリーズにくらべ、マップがコンパクトになっています。実際の広さはどの程度なのでしょうか?
Simonおっしゃる通りコンパクトなマップになっており、バグダッドの都市部はこれまでの作品で言えば『アサシン クリード ユニティ』の規模、あるいは『アサシン クリード リベレーション』のコンスタンティノープルに近い大きさです。また、都市部を囲むエリアには村やキャンプなどがあり、ほとんどのプレイ時間は都市部または村々で費やすことになります。
9世紀のバグダッドについての資料は現在ほとんど残っていません。唯一残されているのはバグダッドの北西に建つ古い寺院の岩ひとつだけです。残りの部分は14~15世紀のモンゴル軍によるバグダッドの戦いの際に攻撃を受けました。私たちが見られるのは考古学者による描画、当時の描写が含まれる手紙などで、その背景を深くうかがい知ることはできません。従って私たちはできる限りの知識を集めてベストなバグダッドを再構築したということになります。
――マップがコンパクトなぶん、アクティビティが豊富にあり、やれることの密度が高いのでしょうか?
Simonはい。ゲーム内のバグダッドはすべてをより密度の高いものにしていると言えます。さまざまなものがお互いに遠く離れたところにあっても、あまりにまとまっていてもゲームとしてのおもしろさが損なわれると考えます。大きなアクティビティーのあいだには、ある程度の距離が必要です。また、その大きなアクティビティーどうしのあいだにも、小規模なアクティビティーを用意しています。
たとえば、“バグダッドの物語”という市内で見られるストーリーでは、プレイヤーキャラクターや隠れし者とテンプル騎士団の抗争についてというより、9世紀のバグダッドの雰囲気、文化、当時の宗教的な場所などについて述べているもので、バグダッドそのもののストーリーになっており、こういったイベントがいくつかあります。
ほかのサイド・アクティビティーとしては、“コントラクト”があります。これは過去作品へのオマージュとなる小規模なクエストで、人々が隠れし者であるプレイヤーに助けを求めてきます。アサシンの支部へ行って4~5つのコントラクトを受注できます。窃盗、暗殺などの仕事ですが、つねにちょっとした捻りがあっておもしろいです。任務の種類によっては、ステルスのまま遂行し誰も殺さなければより多くの報酬が得られるものも存在します。
これらのコントラクトは、キャラクターを育成するために役立ちます。材料やそれを使った装備をアップグレードするだけでなく、入手したトークンを自身の手配度を下げるために使用したり、賄賂に使ったり、市内でプレイヤーを助けるための人材雇用などに使ったりできます。このふたつが現状お話しできる大きなアクティビティーの例です。そのほかには収集要素ももちろんあります。
――9世紀のバグダッドを作り上げる中で、重要視したポイントや苦労した点を教えてください。
Simonもちろん私たちには9世紀のバグダッドが実際にどんな姿をしていたのかはわかりません。周囲の似たような建造物を参考にベースを作ることはできますが、私たちにとって重要だったのは主要なランドマークや大きなロケーションが多様性に富み、そのロケーション内ですぐれたパルクールを提供することでした。
これはすべての場所でできるわけではないからです。小さな建物でパルクールをすることは難しいですし、2~3階の高さが必要です。大きな宮殿も必要です。私たちは最初から都市の屋根の上、そして一部の建物内部にパルクールを導入することを決めていました。
そして、これは同時に苦労した部分でもあります。大きな建物を作ればそれだけスペースが必要になりますが、都市ですので密度を高めるために、そこをただの空間にしておくわけにはいきません。路地を敷いて地区を作る必要があり、これはふたつ目のチャレンジでした。大きなロケーションの合間をどのように埋めるか。ここには広場や屋上(パルクール・ハイウェイと呼んでいます)があり、ひとつのロケーションから別のロケーションへの複数の行きかたがあります。
ある地点で落下しても別の方法を見つけて戻ることができ、屋上へ到達すればより自由に移動しやすくなります。屋上はプレイヤーにとってプレイグラウンドであり、道路は一般市民や衛兵が通るところです。もちろんある時点では手配システムを使ったひねりを加えていますが、全体としてはこれが私たちの都市建設の主要なポイントでした。
――マップは最初からくまなく巡ることができるのでしょうか? それとも物語の進行に合わせて開放されるのでしょうか?
Simon都市部のエリアとアラムート(アサシン教団の拠点)エリアがあり、都市に戻ったらすぐにくまなく巡ることができるようになります。これは既存のシリーズから取り除いた点です。前作『アサシン クリード ヴァルハラ』は規模が非常に大きく、RPGが中心になり、エリアによって難易度の差もありました。
本作では、規模を小さくしてプレイヤーが自由な探索を楽しめるようになっています。プレイヤーはストーリーの進行によって動かされるわけではなく、自由に行動して収集物やロケーションを見つけ、バグダッドのディテールを探り、都市全域でコントラクトを見つけられます。
――ほかのシリーズ作品と比べると、パルクールをより強く意識している印象を受けました。本作のパルクールやアクションでこだわった点を教えてください。
Simonパルクールは本作のキーとなる柱のひとつです。開発当初からシリーズ15周年へのオマージュとしてパルクール、ステルス、暗殺を強化して導入したいと考えていました。
パルクールについては3つの課題がありました。ひとつはアニメーション間のつながりにも流れを持たせるて、キャラクター自体を軽く感じさせることです。オブジェクトを踏んでいく際のアニメーションがより軽くなっていて、動作を中断することがなく、敏捷性にすぐれ、待つことなしに高所へ登ることができます。
ふたつ目はパルクールの多様性です。エレベーターやコーナースイングなど既存の作品から再登場させたものもありますが、今作の環境に合わせて作り直したり調整したりしました。これによって動きの種類が増えました。またポールをクロスするムーブや、ロープとジップラインなど、新しいものを加えることでバラエティが豊富になりました。
3つ目は特定の場所から別の場所に向かう際のディテールに注意を払うことです。つまりすべてのロケーション間に網の目のようなつながりを持たせているわけです。地上に落下してもすぐに上に戻ることができ、何かを見つければ自然にそこへ行けるようにしています。これがパルクールでもっとも重要な感覚だと思います。退屈でなく、やらなければならないことでもなく、アサシンらしく自由にナビゲートする感覚です。
――本作は敵との集団戦がかなり難しい印象を受けました。これは、建物の構造や人混みなどを利用してアサシンらしいスニーキングやハイディングに重きを置いているからでしょうか?
Simonおっしゃる通りでこれは戦略の一部です。ステルスゲームとして、既存の作品ではステルスと戦闘が核になっています。本作でも踏襲していますが、よりステルスの方向にハンドルを切っています。
主人公のバシムの信念としてはステルスがすべてであり、必ずしも戦闘や乱暴な行為を必要とはしていません。彼はまず“アサシン”なのです。プレイヤーにこのように感じてもらうためには、バランスを取る必要がありました。経験すればするほど、ステルスは肉弾戦より容易な解決方法になります。
Simonバシムは非常にすぐれているので少人数の敵であれば問題ありませんが、ひとつのロケーションを敵に回すと手配度システムがあるので、その場を離れても街全体に追われることになります。その場合はステルスに回帰することです。街に潜伏して戻り、手配書を剥がして、人々にお金を渡して紛れ込んだりして隠れ続ければ、状況はノーマルに戻ります。
――本作では兵士だけではなく、市民の目にも注意が必要ですね。手配度を下げめに手配書を剥がす要素はとてもおもしろかったです。
Simonこれはオマージュのひとつです。近年のシリーズ作でも、プレイヤーが違法な行為、たとえば殺人を犯せば最後まで街全体が追ってきます。これがゲームの伝統的なスタイルでした。私たちはこのフィーリングを発展させて本作に持ち込みたいと思いました。
執拗に街全体から追われるというのはおもしろい感覚です。本作では、これまでに培った要素を違う形でアレンジして、街全体に影響するシステムを作りました。手配書は何十枚も剥がす必要はなく数枚で大丈夫です。しかし手配書が貼ってあれば市民は衛兵を呼ぶため、見つからずに動くことは難しくなりますし、見張りが屋上にも出動するので、屋上での自由な動きは制限されます。
街全体を敵に回し続けると事態は悪化して立ち戻るのが非常に難しくなります。最後には処罰を行う敵(本作でもっとも強いエネミーのひとつ)が出現します。この相手を倒すのは、楽しいチャレンジにはなるかもしれませんが(笑)。
――本作でも現代パート(アニムス)や、ディスカバリーツアーはあるのでしょうか?
Simon本作にはいわゆる現代パートはありません。ゲーム序盤からキャラクターのスピーチの中ではアニムスの一部とのつながりが語られますが、ゲームはバシムの経験に凝縮されたものになっています。
歴史や背景を知るための方法としては、従来のディスカバリーツアーとは別のものを用意しています。ゲームのために行ったすべての調査結果や資料、歴史家による記述などは“バグダッドの歴史”というコンテンツでプレイヤーに提供できるよう努力しています。たとえば、コレクション要素やコーデックスからバグダッドの歴史情報のかけらを集められることで、失われた都市を再構築した際の背景が理解できると思います。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202309/12316187.html