サッカークラブマネジメントゲーム『フットボールマネージャー』(Football Manager)。世界中で圧倒的な指示を集める人気タイトルながら、これまで日本での展開は行われていなかった。
広告
そんな『フットボールマネージャー』のシリーズ20周年作であり、最新作となる『フットボールマネージャー 2024』が、ついに日本で発売される。発売日は2023年11月7日、対応プラットフォームはNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam、Epic)、モバイル。
『Football Manager 2024』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp)
『Football Manager 2024』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)
東京ゲームショウ2023 最新ニュースはこちら
『フットボールマネージャー 2024』では、正式に日本語に対応するだけでなく、日本プロサッカーリーグ“Jリーグ”も登場。J1、J2、J3リーグの全60チームが収録されることも発表された。日本のサッカーファンにとってはうれしいニュースだろう。
日本での発売決定を記念して、開発を手掛けるSports Interactiveのスタジオディレクターであるマイルズ・ジェイコブソン氏(Miles Jacobson)が東京ゲームショウ2023の開催に合わせて来日。今回、マイルズ氏にメディアを集めての合同インタビューの機会が設けられた。シリーズ20年目にして日本での展開が実現した経緯、最新作での注目ポイント、プラットフォームごとの違いなど、さまざまな話題が飛び交ったインタビューの模様をお届けする。
マイルズ・ジェイゴブソン
Sports Interactiveスタジオディレクター。文中はマイルズ。
日本進出はJリーグのライセンス取得が決め手に
――『フットボールマネージャー』ブランド20年目にして待望の日本での発売が発表されました。日本で展開されることを決断された要因を教えてください。
マイルズ日本人のフットボールに対しての熱量の高さは知っていて、ずっと前から日本で『フットボールマネージャー』をリリースしたいと考えていました。ただ、やはり日本で展開するには、“Jリーグ”はなくてはならない存在でした。Jリーグのライセンス取得は難航しましたが、やっと交渉も進んできて、ようやく日本でのリリースに踏み切ることができました。
Jリーグは、日本だけでなく世界中で実装が待望されているリーグのひとつです。今回、私が来日するとX(Twitter)に投稿したら「ついにJリーグが実装か!?」とお祭り騒ぎになるぐらい、登場が注目されていました。私自身も『フットボールマネージャー』が正式に日本で展開してJリーグが実装することは、隠しきれないぐらいハッピーなことです(笑)。
――『フットボールマネージャー』は世界的に人気があるタイトルです。世界中のプレイヤーから支持を集めるシリーズの魅力を、改めて教えてください。
マイルズ『フットボールマネージャー』は、52ヵ国の50万人以上の選手データが収録されていて、1500人以上のリサーチャーが集めてきた情報をゲーム内のデータに反映させています。実際のプロのクラブが『フットボールマネージャー』のデータを見て分析し、選手の移籍やスカウティングに活用するという話があるぐらい、正確なデータとなっています。
選手ごとに250項目ほどの能力値が内部的に管理されていて、そのパラメータによってAIが判断して選手を動かします。試合では選手の思考が1/4秒につき1回シミュレーションされ、それが反映されて選手の動きが決まり、試合が展開していきます。
『フットボールマネージャー』は、すべての要素がAIで管理されています。ゲームでよくあるような道筋のあるストーリーラインは何ひとつ存在せず、自分の選択ひとつでそこから先のチームの行く末が変わります。圧倒的なデータ量をもとにしたリアルなシミュレーションが楽しめる。これが『フットボールマネージャー』の魅力だと思っています。
――『フットボールマネージャー』のPC版でゲーム内のテキストを日本語にする“日本語化MOD”も存在します。そのMODを作って日本のコミュニティを盛り上げてきた有志の方々に向けてのメッセージをお願いします。
マイルズそういった方々がいらっしゃるのは認識していて、本当に感謝しています。『フットボールマネージャー 2024』からは正式に日本語でプレイできるようになるので、これまで翻訳してくださっていた時間を、ゲームプレイの時間にあてていただければなと思っています。彼らのこれまでの努力に報いるためだけではないですが、翻訳の質は欧米から発売されるゲームとしてはトップレベルのものを目指して取り組んでいます。翻訳の作業は2、3年前から開始されていて、しっかりと時間をかけて日本語対応させていただいています。
『フットボールマネージャー 2024』は、日本市場でも大きな比率を占めるPS5、Switchでも展開され、プレイ人口も増え、コミュニティも大きくなっていくと思います。今後もコミュニティの中心の柱として、これからもいっしょにコミュニティを盛り上げていただけるとうれしいですね。
――シリーズ誕生から20年の時を経て、ようやく日本での展開となりました。今後も継続的な日本での展開を考えていますか?
マイルズもちろん、今作だけではなく今後も継続して日本で展開していきます。そう考える要因として、韓国の存在が大きいですね。『フットボールマネージャー』において韓国はトップ5に入るほどの売り上げを占めていて、アジアマーケットでも強く展開できるという事例になっています。日本の市場もそれと同じぐらいにしたいなと考えています。
また、『フットボールマネージャー』は現実のスポーツ界の動向も重要視していて、来年の次回作では女子サッカーも追加する予定です。そういったように、毎年何かしらのアップデートや改善を入れていこうと思っています。
――『フットボールマネージャー』での選手の移籍や獲得の要素は、複雑ながらも奥深い要素となっていて、シリーズには欠かせない魅力のひとつだと思っています。最新作において、この移籍の要素でとくに注目してほしいポイントなどありましたら教えてください。
マイルズ前作(『フットボールマネージャー 2023』)の時点でスカウティングの要素が大きく向上しましたが、最新作では移籍のシステムがさらにリアルになっています。AIが管理しているエージェントを雇えるようになっていて、選手がクラブと交渉するのがよりスムーズにできるようになっています。もちろん、エージェントを雇ったらそのぶんお金も必要になりますが……(笑)。
『フットボールマネージャー 2024』では新たにJリーグが追加されることも大きいかなと。いままでなかった日本のリーグが登場され、これまでにはないスカウトの市場が出来上がるかと思います。そういった意味での拡張度合は非常に大きいと思います。
――『フットボールマネージャー 2024』はさまざまな機種でリリースされますが、プラットフォームごとの違いはあるのでしょうか?
マイルズ『フットボールマネージャー 2024』には4つ種類があります。まずは、PC版ですね。スポーツインタラクティブのデータが全部集約され、すべてをシミュレーション可能なのがPC版となります。
次にPS5、Xboxに対応するコンソール版です。基本的にはPC版と変わらないのですが、PC版ではハイエンドで動いているところを一部ダウングレードさせて、シミュレーションがスムーズに動くように調整されています。
3つ目はSwitch版で、『フットボールマネージャー 2024 タッチ』という名称になります。これはオンラインモードを除いた形のものになります。
Netflixのサブスクリプションをしている人を対象に、無料で遊べるのがモバイル版です。『フットボールマネージャー』の入門編としてライトに作られています。シミュレーションとしての魅力を残しながら、操作のしやすさ、取っつきやすさを重視して作られています。
プラットフォームごとに違いを持たせている理由は、どのプラットフォームで遊ぶかによってプレイスタイルが変わってくると考えているからです。PC版であればテレビを見ながらゆっくりとゲームを遊ぶけど、コンソール版だとテレビを使って遊ぶのでゲームプレイに集中しやすくなる。その限られた時間の中でできるだけ楽しんでいただけるように、コンソール版では1シーズンのスピードを若干早めるなどの工夫を凝らしています。
――初めて『フットボールマネージャー』を遊ぶ人にオススメのプラットフォームは?
マイルズシミュレーションをやったことがない人にオススメなのはモバイル版です。Netflixのサブスクリプションアカウントさえあれば無料で遊べるので、そこで『フットボールマネージャー』の魅力に触れていただくのがいいかなと思います。日本ではPSやSwitchの市場が大きいですが、どちらもシミュレーションゲームとして非常に深く作り込まれているので、自分の好きなハードでプレイしただくのもいいかなと。もちろん、そこで『フットボールマネージャー』がおもしろいと感じたら、もっと情報量が多いPC版を遊んでほしいですね。
――普段ゲームをしないサッカーファンや、ほかのゲームファンで初めて『フットボールマネージャー』に触れるプレイヤーもたくさんいらっしゃると思います。そういった方々にどう楽しんでいただきたいですか?
マイルズ『フットボールマネージャー』を陸上競技で表現すると、短距離走ではなく長距離走、マラソンです。このゲームをしっかりプレイして理解するためには、囲碁や将棋などのように時間を使って考えてプレイしていくことが必要になってきます。ゲームを理解するまでに時間がかかると思いますので、まずは自分が知っている強くて大きいクラブを選んで運営していくことがいいかなと思います。
強いチームは資金力もあるので、ほかのチームにいる強い選手を引き抜きやすいという利点があります。まずはそういったチームを運営して、ゲームの流れを理解して楽しんでいただければなと思います。ゲームに慣れてきたら、弱いチームや下部リーグのチームを選んでトップクラブに育てるというプレイをやってみるのがオススメです。
もしゲームを進行するうえで「これはどうすればいいんだろう?」と悩んだら、コミュニティにアドバイスを求めてみてください。協力的な人も多く、質問をすれば助けてくれると思います。今回、『フットボールマネージャー』の日本語アカウントをX(Twitter)で作らせていただきましたが、その狙いは日本のコミュニティの強化にあります。公式アカウントのまわりにいるコミュニティの人たちをつなげ、さらにコミュニティを盛り上げていければなと。
――オンライン対戦機能もあるとのことですが、異なるプラットフォームでの対戦ができるなど、クロスプレイには対応していますか?
マイルズまず、キャリアモードはクロスプレイには対応していません。PCならPC、XboxならXboxユーザーという形でプレイすることになります。
VSモードは、Xbox Game Passアカウントがあれば、XboxとPCのユーザーがいっしょにプレイできます。まだプレイステーションとのクロスプレイには対応していませんが、今後は対戦できるように実現していきたいと思っています。もしかしたら来年くらいには……?
――マニアックな質問になりますが、『フットボールマネージャー 2023』ではプレイヤーである監督が契約更改をするときに年俸を上げるメリットがなく、逆に年俸が低いほうがチームでやりくりできる資金が増えるといった強みがありました。そのあたりは何か調整は入っていますか?
マイルズ変更は予定していません。低い給料のほうが得という考えは間違いではないですが、個人的には違うかなと。クラブからの期待に応えれば、そのぶん年俸も上がる。結果が目に見える形でわかると、「もっとクラブを強くしてやる」と使命感が芽生えてくると思います。
稼いだお金を使って犬を飼ったり、家を建てたりと、私生活に関しての要素を入れている作品もありますが、『フットボールマネージャー』プレイヤーがそれを求めているかというと、答えはノーだと思います。だからそういった要素は入れていません。
――『フットボールマネージャー 2024』では『フットボールマネージャー 2023』からゲームファイルが転用可能と伺いました。データはどこまで引き継げるのでしょうか? たとえば監督として5シーズンプレイしたとして、そのデータをそのまま使用できますか?
マイルズ基本的にすべて引き継げます。シーズンの途中で中断したデータでも、続きからスタートさせることができます。ただ、プレイステーションやXboxのトロフィーや実績などは引き継げません。そこはプラットフォームのシステム的に難しくて……。
――モバイル版はNetflixのサブスクリプションに加入している方のみプレイできるようになっていますが、今後、全プレイヤーがモバイル版を遊べるようになったりしませんか?
マイルズ今後はどうなるかわかりません。去年はApple StoreやGoogle Storeで購入できるようになっていましたが、今回、Netflixと契約することで、それぞれのストアで販売していた購入者の数よりも圧倒的に広い層のプレイヤーを見込むことができると考えています。そこでプレイヤーの裾野を広げることが大事だと思うので、今回はNetflixと契約を結ぶことになりました。ただ、来年はこの契約がどうなっているかわかりません。また来年にインタビューの機会があったら同じ質問をしてください(笑)。
『Football Manager 2024』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp)
『Football Manager 2024』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)
東京ゲームショウ2023 最新ニュースはこちら
...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202309/23317889.html