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TATSUJINが世界有数のゲーム企業Embracer Groupの傘下に入った理由。「東亜プランのIPをもっと大きく展開していきたい」【TGS2023】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 2023年9月21日~24日にかけて、千葉県・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2023(TGS2023)。

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 会場にて、黒と白を基調にしたシックな色合いがひときわ目を惹くブースが出展されていた。TATSUJINだ。TATSUJINは、1980年代から1990年代にかけて、数々のシューティングゲームの名作をアーケード向けに展開してきた東亜プランのIPを保持する開発会社。東亜プランのレガシーを受け継ぐべく、かつて東亜プランに所属していたクリエイター弓削雅稔氏が2017年に立ち上げた会社となる。社名の由来は、言うまでもなく東亜プランから1988年にリリースされたシューティングゲーム『TATSUJIN』がもととなる(弓削氏は同作の開発者でもあった)。
 今回、東京ゲームショウの開催に合わせて、TATSUJINの親会社であるEmbracer GroupのVIPが来日。TATSUJINの弓削氏を交えてお話をうかがう機会があった。
 スウェーデンに本拠を構えるEmbracer Groupは、100を超えるスタジオを擁するヨーロッパの大手ゲーム企業。傘下には、THQ Nordic、PLAION、クリスタル・ダイナミクス、アイドスなどを持つ。TATSUJINは、日本のゲーム企業としては初めて、2022年にEmbracer Groupに買収されていた。
 Embracer GroupそしてTATSUJINの戦略とは?

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アリ・マンスゥリ氏(写真・右)

Embracer Group Freemode
シニア オペレーション&ビジネス デベロップメント

マーティン・リンデル氏(写真・左)

Embracer Group
シニアアドバイザー

弓削雅稔氏(写真・中央)

TATSUJIN
代表取締役

まずは3タイトルを発表。“30年経ったらこうなりました”というところを見せている
――まずは、Embracer GroupがTATSUJINを傘下にした理由を教えてください。
アリ私がもともと東亜プランのファンだったんです。パートナー企業であるRetro-Bitという会社が往年の名作を復刻させるプロジェクトに取り組んでいたのですが、東亜プランの名作をぜひとも復活させたいと思って、権利がどこにあるか調べてみたんですね。そこで、TATSUJINという会社と弓削さんのことを知りました。それでコンタクトを取ったところ、めでたく許可がいただけたんですね。2019年くらいの話になります。
 Embracer Groupはスタジオごとに運営グループに分けられているのですが、クラシックゲームにフォーカスした運営グループを作ろうという話になります。2022年に設立したEmbracer Freemodeですね。そこで、どの企業のどのIPを取得するかというときに、まっさきに思い浮かんだのが東亜プランでした。クラシックゲームを展開するうえで日本は外せないし、だったら東亜プランだろうと。私みたいな世代の人には高い人気を誇るIPです。
 で、Embracer Freemodeを運営するにあたっては、ライセンスを許諾してもらうよりはIPを所有したほうが展開しやすいという判断になったんですね。そこで弓削さんに相談したところ、弓削さんご自身にも、IPの管理だけではなくて、もっと大きく展開していきたいという考えがおありになって、「だったら我々の考えにも非常にマッチしているし、大きな計画を持っているのであれば、それを実現するためにごいっしょしたい」ということで、傘下に入ってもらうことになりました。
――東亜プランタイトルのどのようなところに心惹かれたのですか?
アリ名作揃いですよね。子どものころから東亜プランのファンでした。とくに好きなのは、海外では『TRUXTON』というのですが、『TATSUJIN』ですね。『ゼロウィング』も好きでした。当時のローカライズは、いまでもちょっとした話題になっていますね(笑)。あとは、『スノーブラザーズ』。私は家庭用ゲーム機向けではなくてアーケード版で遊んでいたのですが、たまらなかったです。この3作はとくに好きですね。
――弓削さん的にはEmbracer Groupから話があったときに、どのように判断したのですか?
弓削いろいろ長いあいだ時間をかけて交渉を続けたのですが、言葉のひとつひとつが、自分の考えていることと全部同じだったんです。グループになることで、その先の未来が明るく広がって見えたんですね。それでワクワクが止まらなくて、グループ会社に入ることを決めて、東亜プランのIPを管理しながら、新しいタイトルを作ることを決意しました。
――それは何年くらいのことなのですか?
弓削2021年ころですね。もともとIPは借りてきて使っていたという経緯はあるのですが、それをEmbracer Groupで取得してもらって、その先どうするのか、ということは決めていなかったんです。Embracerの皆さんが、TATSUJINに任せてくださるということだったので、こんなにうれしいことはありませんでした。
――グループ会社になることで、どのような未来が開けていくと思ったのですか?
弓削いろいろな戦略が考えられます。ここではまだ発表できないのですが、Embracer Groupとしては、それぞれのスタジオの個性を最大限に活かすために、“あまり口出しをしない”という方針があります。そのぶん、私のほうでたくさん考えて、提案して、そのまま実行に移している感じです。
――基本的な方針は、東亜プランのIPを現在に蘇らせることですか?
弓削そこからがスタートですね。
――東京ゲームショウ2023では3タイトル出展していますね。
弓削そうですね。『スノーブラザーズ ワンダーランド』と参考出展の『TATSUJIN EXTREME』、それに『Amusement Arcade TOAPLAN』です。『Amusement Arcade TOAPLAN』は往年の東亜プランタイトルを、スマホで遊べるようにした、いわば復刻版です。『スノーブラザーズ ワンダーランド』と『TATSUJIN EXTREME』は、オリジナルの新作となります。もともとは30年前のIPなのですが、“30年経ったらこうなりました”というところをお見せしています。

――まずはこの3タイトルを……ということですね。
弓削はい。『TATSUJIN』は、社名の由来でもあるように、私が35年前に作ったすごく思い入れのあるタイトルのひとつです。当時徹夜をしてゲームを開発していたのですが、そのときに作っていた感覚としてあった、初心に返るではないですが“とにかくゲームを楽しんでもらいたい”という気持ちをつねに持っていたいということで、会社名をTATSUJINにしたんです。まあ、この年で徹夜はできないにしても(笑)。であれば、『TATSUJIN』は作らないと!と思いました。
 『スノーブラザーズ ワンダーランド』は日本よりも、アジアやヨーロッパなど海外での人気が高いタイトルです。その知名度の高さだったりキャラクターの魅力、設定などを活かすことで、世界中のファンの皆さんに支持していただけるのではないかということで開発を決めました。オリジナルは2Dタイトルなのですが、往年の『スノーブラザーズ』を彷彿とさせながらも、まったく新しいゲームなのだということをお見せしたくて、最新作では3Dにしています。
――30年前の作品をいまに蘇らせるにあたって、ポリシーなどはあるのですか?
弓削東亜プラン時代のときにもよく話していたのですが、いろいろあります。たとえば、「自分のゲームを開発しているときは、ほかのクリエイターが作ったゲームは遊ばないほうがいい」とか。知らずほかのゲームに引っ張られてしまって、自分の個性が薄まってしまうこともありますからね。あとは、“ダメだったところは切り捨てて、よかったところを最大限活かす”などですね。これは東亜プランの代から続く開発ポリシーでもあります。
――開発は内製ですか?
弓削部分的には外部にお願いしているものもありますが、基本は内製です。メンバーには気心の知れたもと東亜プランのスタッフももちろんいますが、年齢が高くなっていますので、最新のゲームのことを知っている、活きのいい若手にも参加してもらっています。

Embracer Groupとしては、スポットをあてていきたい過去のIPは日本に山ほどある
――TATSUJINがグループ会社になることで、今後どのようなことをしていきたいですか?
マーティン我々のほうから「こうしなさい」、「ああしなさい」というよりは、基本的には弓削さんの考えに任せています。弓削さんを信頼して、東亜のIPをお渡しして展開してもらっているので。
 当社側から何か言うとすると、弓削さんを始めとするTATSUJINのメンバーと仕事ができるのをすごく光栄に思っています。とにかくレジェンドですから。
 TATSUJINはもちろんですが、日本ではこれまでたくさんのゲームを作ってきました。いわば豊富なIPが眠っている状態なんですね。Embracer Groupとしては、今後もTATSUJINだけではなく、日本のより多くの企業やクリエイター様と仕事をしていきたいと思っています。
――それは、日本の開発会社と、今後も積極的に仕事をしていきたいということですか?
マーティンそうですね。たとえば、先日国内ではシティコネクションさんがパブリッシングを担当することが発表された『オメガ6 ザ・ビデオゲーム』(仮)や『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』の海外販売は、Embracer Groupが担当します。
 Embracer Groupにはさまざまな業務の企業が傘下に入っていますので、必ずしも買収をしてどういうという形ではなくとも、それぞれの強みを活かした提携なども、積極的に展開する予定でいます。シティコネクションさんは、私たちのパートナー企業的な立ち位置にあたりますね。

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――それにしても、Embracer Groupの傘下の会社にはあまり口出しをしなくて、とにかく自由に任せるという気風は、懐が深いですね。
マーティン表面上からすると、任せっぱなしのように見えるかもしれませんが、買収する前にはお互いの考えが合致しているかどうかとか、かなり長い時間をかけて話し合いの期間を設けているんですよ。「弓削さんの考えが我々の考えにマッチするか」とか、「うまくやっていけるか」とか、とにかく時間をかけてお話をして、「これならいけるだろう」と判断できたところで、ごいっしょしています。
――信頼関係を築くまでに、綿密にやり取りをしているということですね。お互いの相性を見極めるのですね。
マーティンそうですね。お互いが理解しあうまでは慎重に……というのは、Embracer Groupの方針ではありますね。
弓削最初は慎重に打ち合わせをしつつ、だんだん打ち解けていくうちに、「絶対にいっしょにやりたいな」という気持ちになります。
 Embracer Groupの懐が深いという意味では、私からもひと言言いたいのですが、開発をしていて本当にとてもやりやすいです。日本では買収と言うと、ときによくないイメージで捉えられることもあるかと思うのですが、Embracer Groupはそういうことはなくて、我々に足りないところを全部補ってくれます。そのうえで、やりたいことを全部やらせてもらえる。それだけ信頼されているという意識になりますし、「それに応えたい」という気持ちが芽生えますよね。
 その緊張が自分はすごく好きです。それを、Embracer Groupの皆さんは、ご存じなんだと思います。信頼されるということで責任が生まれますから。それがいい相乗効果につながっていくのです。
アリ弓削さんのことは、何よりも人間として尊重しています。同じグループの社員ではありますが、『TATSUJIN』のレジェンドクリエイターとして、ひとりのファンとして、尊敬しています。ご本人はすごく謙遜されていて、レジェンドという印象は受けないんですけどね。
――ちなみに、今回東京ゲームショウ2023に出展した理由は?
弓削東京ゲームショウ2023への出展を決めたのは、Embracer Groupから言われたわけではなくて、私が独断で決めました。TATSUJINという会社と、Embracer Groupがグローバルなビジネスができるという強みがあることを、まず知っていただきたいと思ったんです。
 それで、出すタイトルがなかったらきびしいということで、がんばって作って、やっと出せるようになりました。タイトルも当然のこと知っていただきたいですし、発売近くになったら、また皆さんにお知らせすることになると思います。

――今回発表されたタイトルは、それぞれいつくらいに発売される予定なのですか?
弓削『Amusement Arcade TOAPLAN』はできておりまして、あとは微調整ですね。年内には出したいと思っています。『スノーブラザーズ ワンダーランド』は2024年早々を予定しています。デバッグ作業などはありますが、ゲームとしてはほとんどできています。
 参考出展の『TATSUJIN EXTREME』のほうは、私の肝入りのプロジェクトなのですが、満足がいくまで作り続けるつもりでいます。
――開発状況はどれくらいなのですか?
弓削開発チームの人たちに怒られるかもしれないですが、私的にはまだ20%くらいです。
――まだ、道なかばという感じなのですね。
弓削道なかばです。まだ、やると決めていることがたくさんあるので。来年に正式発表したいと思っています。
――やると決めていることって何ですか?
弓削それは秘密です(笑)。

参考出展だった『TATSUJIN EXTREME』。2024年には正式に発表したいという。

――期待して続報をお待ちしています(笑)。最後に、今後に向けてのメッセージをお願いします。
弓削東亜プランのファンの皆さんは、すごく熱い方たちが多くて、しかもやさしくて真面目な方ばかりです。そういう方たちに応援されてきて、いまがあると思っています。今回、まさにスタートラインに立てたので、がんばって満足のいくものを作り続けたいです。さらには、若いファンの方に喜んでいただけるものをたくさん作り続けていきたいと思っています。
アリ日本には、眠ったままのクラシックIPがすごく多く存在します。そういったIPをなるべく多く復刻して、当時のファンはもちろんですが、新規ユーザーさんに対しても、「こんなにすばらしいIPがありますよ」というのを展開していきたいです。ご期待ください。
マーティン次回お会いするときは、さらにびっくりするようなお話ができると思います。スポットをあてていきたい過去のIPは、日本に山ほどあります。日本には長いゲーム開発の歴史があり、それだけすばらしいIPを生み出しているので、どんなIPが蘇るのか、心待ちにしていてください。

...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202310/05319551.html

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