『レッド・デッド・リデンプション』Switch版レビュー。オープンワールド西部劇アクションの名作を携帯して遊べる時代に。『アンデッド・ナイトメア』も遊べる完全体 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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　2023年11月9日にプレイステーション4（※）およびNintendo Switch向けにパッケージ版が発売される『レッド・デッド・リデンプション』。2023年8月17日には両ハードでダウンロード版が配信されているので、すでにプレイしている方は多いかもしれない。

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※プレイステーション4版はプレイステーション5への後方互換に対応。

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　『レッド・デッド・リデンプション』はロックスター・ゲームスより2010年に発売された、西部劇をテーマにしたオープンワールドのアクションゲームだ。それを現行機に合わせてリマスター（リニューアルに近いかも）したのが、今回のバージョン。
　全世界で2300万本のセールスを記録したメガヒットタイトルであり、VGX Awardsなど170を超える賞を受賞した名作が、現行機でも遊べるようになったわけだ。
　本記事ではパッケージ版の発売に合わせて、多くの人が気になっているであろうNintendo Switch版をプレイしたうえでのレビューをお届けしよう。

ゲームスタイルは西部劇版『GTA』
　物語の舞台となるのは、1910年代のアメリカ南東部とメキシコ。ゴールドラッシュを起因にした大開拓時代の香りが残る広大な大地を、ガンマンが馬で駆け巡りながら冒険をくり広げる。まさに西部劇をテーマにしたタイトルだ。
　主人公である元ギャングのジョン・マーストンが、政府に家族を人質に取られて汚れ仕事を押し付けられるところからストーリーは始まる。紆余曲折を経てさまざまな人物たちと交流しながら、かつての仲間だったビルの痕跡を追いつつ、人質となった家族との再会を目指して荒野を旅していく。

　ロックスター・ゲームスの作品ということもあり、本作は『グランド・セフト・オート』（以下、『GTA』）シリーズの西部劇版と言っていいだろう。広大なフィールドを自由に冒険しながらミッションをこなし、バトルをくり広げたり、さまざまなミニゲームを楽しめたりと、全体的なプレイフィールは近い。
　とはいえ、ワルの成り上がりを描いているわけでもないし、ノリやストーリー、世界観はいたって硬派でマジメ。いちおう悪人にもなれるが、ゲーム的な意味は薄く、どちらかというと正義のガンマンを目指すことを推奨されていると感じる。“悪党になる”という『GTA』らしいポイントがあるわけではないので、ご注意を（非道なこともできるが）。
　また、現代を舞台にしたクライムアクションゲームは多く存在するが、西部劇かつオープンワールドのゲームはひと握りの存在で、そのジャンルの中でも金字塔と言えるのが『レッド・デッド・リデンプション』シリーズだ。西部劇へのオマージュたっぷりで描かれる体験は、唯一無二と言ってもいい。
　2018年には、続編となる『レッド・デッド・リデンプション2』が発売されている。続編ではあるが、こちらは1作目の前日譚（10年以上前の開拓時代）が描かれており、『2』を遊んだ人なら、今回のリニューアル版をプレイするとストーリーがより深く楽しめることは間違いない。まだ『2』を未プレイという幸運な人は、本作から続けてプレイしてみてほしい。

オリジナル版よりも解像度がアップ
　リニューアル版の仕様は、ほとんどオリジナル版と同じ。違いとしては一部翻訳の表記が異なるテキストや固有名詞があったりするが、当時のままの楽しさを体験できる。
　映像表現は当然ながら強化されており、Nintendo Switch版、プレイステーション4版ともに30FPSで最大1080pの画面解像度を実現。プレイステーション4 Proならば最大4K解像度になり、PS5での後方互換機能を使用した場合はフル4K解像度で出力可能で、最大60fpsにも対応する。
　ちなみにXboxハードでも4K出力が可能。Xbox Series Xなどによる後方互換機能を使ってオリジナルのXbox 360版をプレイすればオーケーだ。

オリジナル版では首吊り岩という地名だったが変更されている。『レッド・デッド・リデンプション2』もこちらの表記だったので、合わせた形だろうか。

　ダウンロードコンテンツの追加シナリオ、またはパッケージとして発売された『アンデッド・ナイトメア』も同梱。さらに、当時に特典アイテムとして配布された黄金銃や榴弾ライフルなどの武器、追加衣装などのアイテムも本作に収録されている。
　『アンデッド・ナイトメア』のオリジナル版は2011年に発売されたもので、ロックスター・ゲームスでも珍しいゾンビものという番外編。くわしくは後述するが、そのボリュームに当時は“『アンデッド・ナイトメア』をクリアーしてこそ『レッド・デッド・リデンプション』は真に完結する”と言われたものだ。
　そんな『アンデッド・ナイトメア』が収録されているだけでも、今回の移植には意味があると言ってもいいだろう。

　なお、オンラインプレイの要素だけは完全に削除されている。対戦や協力ミッションなど、独自の体験ができたオンラインモードがないのはやや残念なところではあるが、こちらは現在サービス中の『レッド・デッド・オンライン』を楽しもう、ということだろう。
　『レッド・デッド・オンライン』はスタンドアローン版もあるので、『レッド・デッド・リデンプション2』を持っていなくともプレイできる。気になる人はチェックを。

『レッド・デッド・オンライン』公式サイト

Nintendo Switch版について
　公式で“リマスター”と謡っているわけではないが、ほぼほぼリマスター版と言えるのが今回のバージョン。スペック的にNintendo Switch版が本当に実現可能なのか正直不安だったが、オリジナル版と遜色なし……それどころか、きれいなグラフィックに驚かされた。ロード時間が長いわけではなく、動作も快適。
　それもそのはずで、オリジナル版はプレイステーション3とXbox 360で発売されたタイトルであり、なんかもう気づいたら10年以上前のタイトルなわけで。しかも、当時からグラフィックの美麗さが評価されたタイトルだ。筆者としては、思い出補正もあるだろうが、当時と同じ感覚でゲームを体験できた。

　Nintendo Switch版ならではの要素として、やはりテーブルモードや携帯機モードで遊べるのはうれしいところ。場所を選ばずに荒野の冒険が楽しめるのは大きい。超遠距離で撃ち合う場面が多いので、本体モニターで敵を視認するのが難しいことも、あることはある。とはいえ、敵へのオートエイム機能があるので、ふつうに遊ぶぶんにはさほど問題はないだろう。
　また、ハードの機能としての実績・トロフィーはないが、Nintendo Switch版のみゲーム内に実績機能が追加されている。やり込み要素はしっかり残されているので、ご安心を。

Nintendo Switch版版専用となるゲーム内実績。

荒野を生きる自由なゲームシステム
　ご存じの方も多いだろうが、ここからはゲームの解説を。ジョン・マーストンを操作しながら、ミッションポイントに向かってミッションをこなしていくのが基本の遊びかただ。
　そのあいだに、さまざまなサブミッションが発生し、ときには突発的なイベントが始まることもある。たとえば道を歩いていると、暴漢に襲われている市民が急に登場したりするのだ。このとき、助けるか助けないかはプレイヤーの自由。
　このランダムイベントがワクワクする要素で、思わぬところで意外なシチュエーションに出くわしたりと、広大なフィールドの探索を飽きさせないような作りになっている。プレイヤー＝ジョン・マーストンの行動によって“名誉”や“名声”などのステータスが変化するのも楽しい。

街を歩いていると、いきなり決闘を申し込まれる。ガンマンらしいイベントだ。

荒野で狩り対決に挑まれたり、勝利すると賭け金をもらえるギャンブルイベントが発生したりと、いろいろな“出会い”に遭遇する。

ストーリーが進行すると街で新聞が売られるようになり、事件が記事化される。ストーリーを補強し、没入感をアップさせるアイテムのひとつになる。

　フィールドは馬に乗って移動することになり（馬車などにも乗れる）、心地いい操作感でフィールドを疾走できるのは楽しい要素のひとつだ。何もないような荒野を移動することも多いが、馬のおかげで退屈しにくい。
　銃撃戦ではリボルバーガンやライフルなど、さまざまな銃器を使用可能だ。さらに大きな特徴として“デッドアイ”という能力があり、これを発動することでゲーム内の時間の流れがスローモーションになる。敵の動きが遅くなっているあいだに多数の敵を早撃ちで倒すという、映画さながらのアクションをくり出せるのだ。

　また、本作らしいユニークな要素として、マカロニ・ウェスタンでおなじみの“投げ縄”が登場。投げ縄は人間に向かって放つことが可能で、捕縛したり引きずり回したりと、多彩な使い道がある。縛った敵を線路に……なんて、まさに映画さながらのプレイもできる。
　投げ縄は馬を捕縛する際にも活躍する。野生の馬を捕まえれば自身の愛馬にできる。馬にもステータスが設けられており、種類も豊富なので、自分の好きな馬を見つけるといいだろう。
　ただ本作では、オリジナル版で特典アイテムだった“軍馬”がデフォルトで使用でき、しかもその性能はトップクラス。最初から軍馬で進めればいいのだが、自分で捕まえた馬なら愛着もひとしおだ。

馬に縄をかけると、自分の馬として飼いならすことができる。

ロデオさながらに乗りこなせば飼育可能に。

　野草を集める“採取”や野生動物から素材を取る“狩り”は、サブ的な要素でありながら重要度が高い。とくに、多数の動物が登場する狩りは、出現する場所を探してハンティングに挑めるのが楽しい。お金稼ぎや成長要素にもつながっているので、時間を割く価値もある。

採取も重要なポイントのひとつ。

狩り。鳥や鹿、熊なども狩れる。

　お尋ね者たちを捕縛（または殺害）して報酬をもらう“賞金稼ぎ”要素もある。ガンマンというイメージにピッタリのコンテンツだ。単純に倒してしまってもいいが、捕縛のほうが賞金が高い。足を撃って動けなくしたところを投げ縄で捕縛するなど、正義のガンマンらしい立ち回りも可能だ。
　ほかにも、本格的なテキサス・ホールデムを楽しめる“ポーカー”や“蹄鉄投げ”などのギャンブルに挑むことも可能。一部のギャンブルは、とある条件を満たすことでイカサマもできるのがニクいところ。

賞金首の張り紙。うーん、西部劇っぽい。

足を撃って動きを止めて……。

縛って馬に乗せる。あとは保安官に引き渡そう。

ギャンブルは息抜きにも最適だ。

ゾンビと西部劇が合体！
　前述の通り、外伝的な要素である『アンデッド・ナイトメア』も収録。ネタバレになるので詳細は控えるが、物語の時系列は終盤ごろ。ジョン・マーストン家に突然ゾンビが現れ、ジョン以外の家族が謎の疫病に感染して生ける屍になってしまう。
　ジョンは家族の治療法を探すために街へ向かうが、すでに街はゾンビに占拠されており……。といった、まさかまさかの西部劇×オープンワールド×ゾンビのドラマがくり広げられる。

　おおまかなシステムは本編と同じだが、街の安全度の概念や、たいまつでゾンビを燃やす、聖水を振りかけるといった独自の攻撃も登場。銃弾が本編よりもかなり貴重となるので、節約しながら戦うサバイバル的要素が強くなっている。また、ゾンビ化した強力な馬を愛馬にできるのも、『アンデッド・ナイトメア』ならではのポイントだ。
　シリアスな本編と比較すると、全体的な雰囲気はコミカルな仕上がりになっており、ゾンビ映画好きにはたまらないシーンや演出も満載。データは独立しているので単体でも楽しめるが、本編に登場したキャラクターが多数登場するため、ぜひ本編クリアー後に楽しんでほしい。

オリジナル版未プレイの人にこそオススメ
　オリジナル版を遊んだことがある人でも、現行機で遊びたいなら今回のバージョンを買ってもいい。ただ、何か違いがあるわけではないので、どちらかというと未プレイの人にオススメしたい。
　徒歩での移動部分は少しだけ改善というか、操作性がアップしているように感じた。オリジナル版の歩き方はリアリティーを重視しているのか小回りが利きにくく、走って止まるときに慣性が働いて瞬時に止まれなかったのだ。移植の再現度による違いかもしれないが、ここがキビキビ動くようになっているのは好印象。
　全体的にはオリジナル版を踏襲。ファストトラベルをするのに、いちいち焚火を作ってからファストトラベル移動する仕様（ほかにも方法はあるが）や、ミッション受注にゲーム内時間が関わるなど、いまのプレイヤーはちょっと古さを感じる要素があるかもしれない。

時間帯によってはミッションやお店を受注（利用）できない。リアリティー重視なのはわかるが、いちいちどこかで時間をつぶさないといけない。

拠点を訪れた際、最後に拠点から離れてキャンプするのはお決まりのムーブ。

アイテムでキャンプをすると、ファストトラベルが可能となる。なお、騎乗中を使用可能。

若干手間がかかるファストトラベルは『GTA』シリーズにもあるが、やや古い印象が残る。

　また、狩りでは動物から素材を剥ぎ取る際、ぎ取り用のモーションが逐一入る。このあたりはスキップできたりと、やや現代向けに調整してほしかった部分も残る（スキップできなくはないが、裏技的な方法）。

動物を剥ぐモーションが毎回発生するので、狩りに集中しているとテンポが悪く感じる。なお、馬に乗ったまま、倒した動物に乗っかり、降りながら剥ぎ取りを行うことでモーションをスキップできるという小技がある。

　とはいえ、オリジナル版そのままの魅力と衝撃が味わえることには変わらない。荒野のガンマンとして生きていくゲーム性と、不器用な男の生きざまを描くジョン・マーストンのドラマを、遜色なく楽しめるのは確実だ。
　2010年当時はCERO Z指定（18歳以上のみ対象）で遊べなかったケースもあるだろう。2023年になったいまなら気にせず遊べる人も多いはず。本作が実現した西部劇オープンワールドが放つ輝きは色あせていないと断言できるので、この機会にぜひ、手に取ってほしい。

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...以下引用元参照
引用元：https://www.famitsu.com/news/202311/01321991.html