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『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』インタビュー。新たなパンドラを作り上げる各開発陣へ映画との違いからこだわりの要素までを訊いた | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 ジェームズ・キャメロンが監督を務める映画『アバター』を題材としたゲーム『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』。映画で起きた出来事の後の誰も見たことがないパンドラの西部辺境を舞台にした、一人称視点のアクションアドベンチャーゲームだ。

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 プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC向けに、2023年12月7日に発売を予定している。
 発売に先駆け、アメリカ ロサンゼルスで映画を手掛けたライトストーム・エンターテインメントのスタジオツアーが行われた。そこで本作の開発陣へのインタビューを実施したので、その内容をお届けする。

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Dylan Cole

映画『アバター』シリーズのプロダクションデザイナー。『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』では監修に携わる。

Magnus Jansen

『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』クリエイティブディレクター。

Chella Ramanan

『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ナラティブデザイナー。

Jennifer Bartram

『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ナラティブコーディネーター。

Ditte Deenfeldt

『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ゲームディレクター。

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ライトストームの美学をゲームに反映。パンドラの再構築、ゲームならでは体験を実現した

――ゲーム制作はMassiveと連携を取っていたかと思います。舞台となるパンドラを拡張するに当たり、ライトストームとしてとくに大事にした点を教えてください。
Dylanパンドラを作るのは地球を作るのと同じように多様性に満ちています。パンドラを形成する植物、浮遊する山々、スケール、環境的なエッセンスなど……。カギとなるものをいかに保持するか、そして各バイオームをいかにユニークに作るかが重要と考えています。
 映画の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』では、ほかのバイオームも登場しているので、映画と同じプロセスを踏んでいくのは楽しいことでした。とくにナヴィ(※)は意識して制作しており、ナヴィのそれぞれの集団の外見には対象性は求めておらず、非対象な美しさがいいと思っています。自然な流れがあり、すべてが相互にそしてエイワ(※)につながっていることが大事です。
※ナヴィ:パンドラに住む種族の名称。地球人と似た容姿を持つが、地球人よりも身長が高く、青い縦じまの皮膚が特徴。
※エイワ:パンドラ全体に張り巡らされた、すべての生命体が繋がっているネットワーク。
――Ubisoft側からはどのようなオーダーがありましたか?
DylanUbisoftからは、さまざまなアイディアが提示されました。こんなクリーチャーやバイオームを入れたい、こんなゲームプレイ要素は入れないようにしたいと。
 爽快なゲームプレイのアイディアが出てきたら、ライトストームではそれをいかにパンドラらしくするかを考えました。映画と同じようにすべてのデザインは基準となるものに合わせて作るため、ゲームで実装するものを映画に取り入れたとしても満足できるようなものにするということです。
 Ubisoftは私たちの考えかたを深く理解し、とても素晴らしく本作を作り上げてくれたと思います。
――パンドラを作るということに対して、ゲームと映画それぞれでアプローチやプロセスが似ている部分と異なる部分はありましたか?
Dylan映画では“ストーリーで伝える”という点に焦点が絞られます。台本、キャラクターを追っていく中で、明確にストーリーを語ることが重要と考えています。
 一方でゲームでは、プレイヤーによる探索、発見、インタラクティブ性が中心になります。映画ではキャラクターが植物と接触するのを1度や2度は見るかもしれませんが、ゲームではその要素に大きな意味があります。私はどうしてもシネマティックにものを見るので、セットや撮影のための設営、そのシーンをどうカバーするかを考えていましたが、Massiveとゲームを制作する中で、インタラクティブ性により注目するようになりました。
 ゲームは映画とは違い、プレイヤーがその場所でしばらく生きているという感覚があるため、私にはとても興味深いことでした。
 逆にデザインについては、考え方はまったく同じです。リアリティはできる限り追求しなければなりませんし、このユニバースに属していると感じてもらうために多様性も考慮しなければなりませんでした。

――ライトストームにはQAチームがあり、実際にゲームをプレイしながら監修をしたのでしょうか? それともUbisoft側がプレゼンをしながらそれを監修をしたのでしょうか?
Dylanこちらがコンセプトアートとアイディアを決めた後、Ubi側からウォークスルーやビデオのプレゼンがありました。5~10分ほどの長さですが、非常に丁寧なナレーションが付いていて、途中で止めてなにかを指差したり描いたりして説明してくれました。これは最も効率の良いやりかただったと思います。
 私がプレイしても道に迷うだけですし、ビルドを共有するのは手間がかかります。実際2日前まで本作をプレイしたことはありませんでした。
 視覚的にとても素晴らしいことは知っていましたが、私自身も多くゲームプレイしていなかったので、皆さんと同じようにプレイするのをワクワクしています。すべては、アイディアの提示、スケッチ、コンセプトアート、3Dモデルの微調整、ビデオウォークスルーというリニアなプロセスで進めました。
――このゲームで一番気に入っている部分はありますか?
Dylanほかとはまったく異なるバイオームで、オープンな場所であるアッパープレインズです。ジャングルや雨林から離れて、ひらけた水平線を見るととても新鮮です。
 アッパープレインズには私の大好きなクリーチャーもいて、とくにパンサーの姿は素晴らしいです。風を切る非常に強いしぐさ、赤いアクセント……とにかくさまざまな生物もいるアッパープレインズでプレイすることをいちばん楽しみにしています。
――映画ファンが見て興奮するような要素、おすすめポイントはありますか?
Dylan映画を見たときのような不思議な感覚ですね。映画でも新しい場所、生物、部族に出会った時には新鮮な発見の喜びがありますが、これをゲームで再び感じることができます。見たことのあるものをプレイできるというのはありますが、私は新たな発見の喜びがあり、映画のファンであればもっとも楽しんでもらえると思います。
一人称視点へのこだわり。「皆さんの目で広大なパンドラの自然を見てほしい」

――このゲームを制作することに至った経緯を教えてください。
Magnusクリエーターとして、ふたつの理由がありました。まず私はゲームの没入感やバーチャル空間が好きで、幼い頃にプレイした一人称視点のゲームには特別な思い入れがあります。
 “映画の舞台となるパンドラのゲームを作る”というアイディアが提示された際に、すでに映画で没入感が十分感じられるものでした。そのため一人称視点でパンドラの世界へ行けるというのは、さらに高度な没入感のある体験を作りたいという私の情熱に完全に合致。プレイヤーに“この世界にいる”と感じてもらいたいというゲームメーカーとしての私の野心とピッタリでした。一人称視点のゲームは私がこの業界の仕事を始めた理由であり、最初に手がけたゲームでもあるため、この情熱が第一の理由です。
 また、『アバター』は友愛、環境保護の肯定、責任感、希望、弱者のために立ち上がって戦うなど、さまざまなテーマを持っています。ふたつめの理由として、最初に本作について考え始めた頃、これらの意識は自分の家を維持的に守るという意識をよりパワフルにさせました。
 このふたつは私たちには本作を作ることができることを示し、力を与えてくれました。
――広大なパンドラをオープンワールドにするにはどの部分から手をつけたのでしょうか?
Magnus『アバター』がゲームになるにあたって、何か新しいものを作らなくてはいけないと考えていました。まずはパンドラの新しいところへ行くため、イメ―ジスケッチを始めました。私たちには新しいものを作れる余裕がありましたので、映画から入っていく必要はなく、ゲームならではの新しいものを作るように努力したのです。
 新しいものを作るに当たり、主なふたつの恩恵がありました。まずは「こんなものは見たことがない」という驚き、そしてふたつめは映画から離れているからこそ、映画を観ていない人でも楽しめるという点です。本作では映画とは違った、まったく新しいストーリーやキャラクターが展開されるのですからね。
 ゲーム作りのスタートは西部辺境と呼ぶ新しい大陸を作ることでした。地質学、雨林、乾燥した草原、霧、そしてどのナヴィの部族がそこから来ているのか。そしてそこで育ち住んでいる部族はどんな姿をしているのかなど、基礎から作りました。
 しかし、私たちはストーリーも作ってビデオゲームを作っているので、シナリオライターたちはこれに並行して、ストーリーはこうなっているのでどうやったらある施設の上の方から外へ出られるか、この途中で部族と話して云々と考えるわけです。まず映画ファンそしてプレイヤーには親しみのある雨林から始めることにしました。ああ、見たことがあるなと思えるところからスタートして、そこから新しい項目へと移行します。
 本作はワールド作成からスタートしてストーリーに移行し、どんな旅を構築したいかを考えながら作っていきました。親しみがありつつも、新たなサプライズが必要なのです。
――先ほどもお話があったように新しいものを作るのは大変だと思います。その点にプレッシャーを感じたりすることはありましたか?
Magnusもちろん作業量は大変でした。まずはライトストームのエキスパートと同じレベルにならなくてはいけないと思い、作品に対してもっと学習することから始めました。
 そのため最初の数年は学校に行っているような感覚でデザインのルール、RDAのデザインガイド、どうやって工場を建築するのかなどを学習しました。それらを学べば、ライトストームに依存しながら制作する必要がなくなるからです。最初からいいものが作れれば、ライトストームの助けを借りてさらに良くしていくことができます。これがなければうまくいかなかったと思います。
 プレッシャーに関しては、私はあまり感じませんでした。彼らは質の高いものを求めていて、MassiveとUbisoftもまったく同じ考えだったからです。同じ姿勢で取り組まなければこのレベルに達しなかったと思います。

――アクションというジャンルにした理由を教えてください。
Magnus本作はアクションアドベンチャーですが、キャッチフレーズは“アクションアドベンチャーオープンワールドゲーム”です。ただのアクションアドベンチャーゲームは、メインミッションを進行しながら、方向性や音楽、ストーリーで盛り上がります。
 しかし、オープンワールドではそれらが終わって次のメインミッションに行って下さいとなっても、無理に行く必要はありません。狩りに行ったり、サイドクエストをやったり、日の出を見に行ったりとプレイヤーには別の選択肢が多く用意されています。オープンワールドは自然体験を通して新たな感覚をもたらしてくれるのです。
 パンドラにはクリーチャーもいますし危険なところですが、敵意に満ち溢れた場所ではありません。一旦動きを止めて美しい景色を楽しむことができます。プレイヤーは最初は何も知らないので危険な場所に踏み込んでしまうかもしれませんが、学んでいくうちに自然とのハーモニーに身を委ねることができるようになります。オープンワールドだからこそ、アクションから離れて自然を楽しむことができるのです。
――ナヴィの身体能力はすぐれています。通常のアクションゲームと比べ、動きにこだわったポイントはありますか?
Magnusキャラクター視点の高低差など色々ありますが、プレイヤーのためのプレイグラウンドを作ることが重要でした。動きと敏捷性はキャラクターだけではなく、つねに環境との関係性の上に成り立っています。
 敏捷性に優れたナヴィをきちんとコントロールできるのは素晴らしいですが、ワールドにあるさまざまな場所や物を利用するということも大切です。90年代のゲームのようにジャンプパッドなどのオブジェクトを駆使して進んでいくなど、ゲームニーズがたくさんあります。
 地上にいるときの動きもおもしろいですが、クリーチャーなどに乗っている時はほとんど違うゲームのような動きになります。ここでの機敏性は、渦巻くように何かの下をくぐったり、スタイリッシュなターンをしたり、止まってホバリングしたりとクリーチャーをコントロールできる自由が楽しめます。同時に相手は動物なので、本能的に山にはぶつからず回避したりと、動物たちの動きにも力を入れています。
――ナヴィの身長は高いですが、一人称視点は視点が高すぎず、違和感のないものになっています。このあたりはどのように調整を行っているのでしょうか。
Magnus一人称視点のゲームを作っているので、カメラはとても重要な要素です。身長が高いナヴィの一人称視点の開発は最も難しかったことをお話ししましょう。
 プレイヤーがキャラクターに話しかける際、相手がナヴィであれば彼らは同じサイズなのでほかのゲームと同じように視点になります。しかし、人間と話す際は、彼らは背が低いので相手は見上げるようになってしまいます。そこで映画のワンシーンでもあった、ナヴィを少し屈ませて人間と話すようにしました。フレンドリーでない人間に対しては屈むことなく、攻撃して飛び去ることもあります。人間の環境ではプレイヤーは屈む必要があり、その要素がお気に入りでもあります。
 現在、VR版の予定はありませんが、一人称視点でパンドラへ行ってもらうというゴールは達成したかと思います。
――とくにこだわった点や見てほしい点を教えてください。
Magnus飛行するクリーチャーと、その生物との絆には注目して欲しいです。飛ぶだけではなく、撫でたり、餌を与えたり、魚釣りを教えたりと豊富なアクションを用意しています。
 その生物はゲーム序盤のミッションで仲間になり、絆を継続的に深めていって、独自のスキルや装備を入手することもできます。プレイヤーの皆さんにこの絆を体験してもらえることにとてもワクワクしています。名前を付けたり色を選ぶこともでき、本当の意味で自分だけの相棒になります。
 そのほかにも野生動物との交流は外せません。動物の群れが寝ているところへ静かに近づくと、そこへ捕食動物が来て狩りを始めたりとさまざまな自然の様子を見ることができます。私にとってこれは非常にパワフルな自然体験なので、ぜひ皆さんの目で確かめてみてください。
パンドラの動植物について記載した“狩りの手引書”は必見

――本作ではどのような物語が描かれるのでしょうか?
Chella先住民族の物語が描かれます。自分たちの文化や家族から引き離された苦悩、ワールドで自分の場所を見つけ遺産とのつながりを再構築する苦労、植民地侵攻との戦い、産業による破壊から自分たちのワールド、先祖の土地を保護する努力。さまざまな人々とのつながりを再構築する試みが主なテーマになっています。
 トラウマを抱えていた場所からの解放や希望の場所への旅、プレイヤーが自分自身を見つけて、理想のナヴィになることを助けるつながりを構築する旅でもあります。
――映画とリンクしている物語やクエストなどはありますか?
Chellaありません。映画の主人公であるジェイク・サリーの行動に触れていたりと、映画との小さなつながりは見つけることができます。しかし、本作の舞台は新たな土地である西部辺境であり、そこには誰も行ったことがありません。
 映画とは異なるものであり、映画をゲーム化したものではないので。新しい部族だったり、パンドラの未開の土地などすべて新しいものです。
――本作の主人公は孤独な存在であるようです。彼がゲームの物語を通して家族や友人のような仲間との絆を育んでいくという要素は大きいのですか?
Chella主人公は完全に孤独というわけではありません。プレイヤーとしてパンドラに来たときには、ほかの人たちはベースに残ってやるべきことをやっているので、ある意味ひとりで冒険に旅立つことになります。
 最初は孤立した状態にはなりますが、ストーリーが進んでいきながら部族や新たな家族の場所へ向かうのです。
――本作の舞台は、パンドラのどのような地域になりますか?
Chella映画の世界からは離れた場所になりますね。
――本作にアバターは登場するのでしょうか?
Chellaはい、アルマというキャラクターは母親のような存在のアバターです。レジスタンスのリーダーでもあります。
――パンドラの生態系やナヴィの伝承・文化を知ることのできるような機能はありますか?
Chella非常に大きなものがあり、多数のものについて説明が“狩りの手引書”に記載されています。これには長い時間をかけて制作しました。

――世界の構築や物語について、ライトストームとどのような部分で連携しましたか? また、ライトストーム側からのオーダーはありましたか?
Chella神話、食べ物、衣服、動きなどすべての資料を送り、連携しました。キャラクターやストーリーもそうです。
 とくに職業の名前についてはかなりこだわりがあったようです。私たちは職業のひとつである“異種学者”を提示しましたが、“異種生物学者”にして欲しいと細かい指定がありました。
――本作の動植物はゲームオリジナルの物が多いのでしょうか? ライトストームの監修のもと、制作されていると考えていいのでしょうか?
Chellaごく小さなものから大きなものまで、約50種の新しい植物と約50種の動物が入っています。単なるオブジェクトに見えるものでもひとつの小さなクリーチャーであり、名前、背景のストーリー、ナヴィがどのように使うかも分かります。
――主に人間の言語(英語や日本語)で物語などが展開されていくかと思いますが、ナヴィ語は登場しますか?
Chellaナヴィ語はあちこちで登場します。より多く使われる場面もありますが、音声の録音などでより多くの時間が必要となり、俳優にストレスがかかります。ナヴィは数多くいますし……。
 しかし、ナヴィ言語のフレーバーは入れたかったので、ここではナヴィ語が必要だと思ったところには使いました。ナヴィ言語を作ったポール・フロマー博士と密に連携を取り、チェックしながら進めました。
 ちなみに、ナヴィ同士で話している時はナヴィ語で話しているという前提です。私たちには英語で話しているように見えますが、実はナヴィ語を喋っているのです。
――とくにこだわった点、とくに見てほしい点を教えてください。
Chella物の説明を記載した図鑑は“狩りの手引書”と呼ばれていて、膨大な量の情報を見れます。ナヴィの名前についての説明、ある植物の行動の詳細な解説などの民族植物学、生物学を幅広くカバーするよう努力を重ねました。ぜひ皆さんに“狩りの手引書”を読んでいただきたいですね。
Jennifer取るに足らない小さなものから始まってどんどん大きくなっていくクエスト、そこに登場するキャラクターを想いを込めて書きました。プレイヤーに取ってキーとなる関係を持つキャラクターです。それらのキャラクターたちとは、とても悲しいストーリーが描かれるので泣いてしまう人も多いですが、ライターとしてはうれしいことです。人を泣かせることができればうまくいったと感じられるので、多くの方が泣いてくれることを期待しています(笑)。
身長が高いナヴィの視点を一人称へ落とし込むのはさまざまな技術が必要。映画と同じように動きも制作

――なぜ『アバター』を題材としたゲームを作りたかったのでしょうか。
Ditteパンドラは本当に素晴らしいワールドであり、ゲームプレイに素晴らしい機会を提供してくれます。私は根っからのゲームデザイナーなので、プレイヤーにさまざまな機会を提供できるワールドが欲しいと思っています。
 このワールドはダイナミックで敏感に反応しますし、プレイしていると楽しいことに満ち溢れています。これがまずシンプルに第一の理由です。映画とそのワールドの反応の良さを使って、どんな楽しいゲームプレイが作れるかをいかに考えました。
――アクションゲームというジャンルにした理由を教えてください。
Ditte本作はアクションアドベンチャーです。アクションはもちろんありますが、探索や冒険、それ以外の要素も盛り込んでいます。映画はアクション映画ですので、映画のようにゲームの中でもど派手なアクションを期待するのは当然でしょう。
 このゲームのクールなところであり、私の好きなところでもあるのは、探索や冒険の途中でキャラクターに出会い、自然に触れ、クリーチャーを見つけ、そこにアクション、コンバットが加わってダイナミックな体験ができるところです。
――パンドラをオープンワールドにするのは気が遠くなるような話ですが、どのように世界を構築していったのでしょうか?
Ditteおっしゃる通り大変な作業で、とにかく基礎から積み上げていきました(笑)。どのようにプレイヤーに楽しんでもらうか、雨林から草原、森林までがどのように変わるのか、どんなタイプのクリーチャーや植物があるのかなどを検討して世界に色々加えていくわけです。
 これらがすべていっしょになって、プレイヤーに素晴らしい経験を生み出すのです。
――最初に手をつけたのは世界の構築からでしょうか。それとも物語からでしょうか?
Ditteどちらも同時進行で進めました。ストーリーはプレイヤーキャラクターにつながっていますし、プレイヤーキャラクターは出会う部族にもつながっています。そして部族はワールドにもつながっています。
 そのため、すべてを同時に制作していく必要がありました。最も重きを置いたのは、ナヴィと人間ふたつの世界の子どもであるプレイヤーのストーリーです。

――ナヴィの身体能力はすぐれています。通常のアクションゲームと比べ、動きにこだわったポイントはありますか?
Ditteこれはとても重要な部分でした。プレイヤー自身が自分はパワフルで敏捷性に優れている、背が高いと感じられることが大事です。
 動き回る際に余裕があり、スムーズな操作感を心がけました。キャラクターのコントロールにはとくに多くの時間を費やし、操作が快適で余裕がありスムーズになるよう努力しました。優秀なスペシャリストたちが集結し、動いた時にしっくりくるというこの1点にフォーカスして努力を重ねました。
――ナヴィの身長は高いですが、一人称視点は視点が高すぎず、違和感のないものになっています。このあたりは調整を行っているのでしょうか。
Ditteナヴィのスケールを考慮して、しっくりくるまでカメラの調整を何度も行いました。ナヴィがいても人間のいるところでは人間に合わせなくてはいけないのです。正しいサイズになるまで試行錯誤をくり返します。
 人間がナヴィの隣に立つととても背が高いことがわかりますよね? ゲームでこのスケールの感覚を捉えようとしているわけですが、そこには技術と調整が必要です。プレイヤーに自分が背が高いと感じてもらうことはとても重要でした。
――ヒットボックス(当たり判定)はナヴィの体に合わせた独特なものになっているのでしょうか?
Ditteすべては巨大なナヴィに合わせています。私は長くナヴィサイズで仕事をしてきたので、いまはそれが普通だと感じてしまいます(笑)。
 しかしプレイヤーに危害を加えるものもたくさんあります。敵となるRDAとの戦いで撃たれたり、動物や植物に襲われたりします。ナヴィであるが故に、環境の中でさまざまな危険が待ち受けているのです。
――キャラクターの動きや表情などの制作は映画と同じような手法(パフォーマンス・キャプチャー)が用いられているのでしょうか?
Ditteパフォーマンス・キャプチャーと従来からのアニメーション手法の両方をミックスして使っていますが、シーンを演じる俳優を使い、映画と同じタイプのパフォーマンス・キャプチャーを行いました。
――パンドラでは野生動物も存在するとのことですが、イクランと同様に、トルーク、ツラックは絆を結んで乗ることはできますか?
Ditteゲーム中で乗ることができるのはイクランとダイアホースです。イクランは特別なものでずっと一緒にいたい動物です。一方、ダイアホースはふつうの馬のようなもので特別な要素はありません。
――スカイ・ピープル側の戦闘機やロボットなどの兵器にも乗れたらおもしろそうですが、操縦することはできますか?
Ditteサイズが合わないので無理ですね。プレイヤー(ナヴィ)が大きすぎます(笑)。
――本作はシーズン制やDLCなど長期的な運営を予定していますか?
Ditteはい、シーズンパスとふたつのDLCを予定しています。シーズンパスには追加ミッションやクールな装備が入っています。最初のDLCは2024年夏にリリースしますが、新しいストーリーやキャラクターなども登場します。
――とくにこだわった点、とくに見てほしい点を教えてください。
Ditteほかの一人称視点のゲームとは違う感覚を味わえる点はぜひ注目して欲しいです。自分がパワフルで敏捷だと感じ、ワールドを動き回る際に自然で動きやすいと感じてもらえるはずです。これを実現するのは難しいことなので、実現できたことを誇りに思います。
 バンシーでもうひとつの層の探索ができるのもクールです。自然の中での体験をするユニークな瞬間もありますし、非常にクールな動きもあります。RDAとの戦闘でのアクションとの対比として、自然と対峙する平和で穏やかな体験もあるので、多くのプレイヤーの皆さんに楽しんでいただけると思います。

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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202311/28325269.html

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