プレイステーション5(PS5)版『バルダーズ・ゲート3』はスパイク・チュンソフトから2023年12月21日(木)発売予定。世界的に大人気のファンタジーRPG最新作の発売に先駆けて、メディア向けの体験イベントが開催された。
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すべてのコンピューターRPG、ならびにその元となったテーブルトークRPGの祖といわれる『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)の世界を冒険できる本作。テーブルトークRPGと出会ってから30年、ずっと遊び続けてきた筆者としてはじつに気になっており、日本語化を渇望していたタイトルである。
そんな筆者がひと足先に遊ばせていただいた第一の感想は“テーブルトークRPGそのもの”。そのひと言に尽きる。
ダイス(サイコロ)を振る演出などはもちろん、ストーリーの進行や選択肢、解決法の豊富さなどが、ほぼテーブルトークRPGそのまま。
テーブルトークRPGがおもしろかったからこそ、コンピューターで遊べるRPGが生まれた。テーブルトークRPGそのものの魅力さが詰まった本作が、コンピューターRPGとしておもしろいのは当然と言える。
具体的に何がおもしろいのか。そもそも、コンピューターゲームでどのようにテーブルトークRPGの魅力を再現しているのか。プレイリポートに加え、開発陣へのQ&Aセッションの模様も交えてお伝えしていこう。
遺跡に住み着いたならず者集団を壊滅させる寄り道イベントだけでも、1時間以上の大冒険が味わえた。これぞRPG。
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テーブルトークRPGの魅力は選択とアプローチの自由さにあり
本作の魅力を語るために、まずはテーブルトークRPGについて説明させてもらいたい。テーブルトークRPGは、その名の通りテーブルを囲む数人の仲間で遊ぶ、アナログゲームの一ジャンルだ。
メンバーのうち、進行役(ゲームマスター、ダンジョンマスターなど、いろいろな呼び方がある)ひとり以外はプレイヤーだ。進行役は事前に以下の2点を用意する。
ルールブック:そのゲームの世界の決まりごとを定めたもの
シナリオ:今回の冒険でどんな敵が登場するか、どんな人物がどんな依頼を持ってくるかなど、おおまかに決めたもの
コンピューターRPGに置き換えると、ルールブックとシナリオは『バルダーズ・ゲート3』のようなゲームソフトにあたる。世界観や生態系、社会情勢などが細かに書かれており、それらが物語の材料になる。
プレイヤーたちが自分の分身となるキャラクターを作成したら、いよいよゲームスタート。進行役がシナリオの導入として状況を説明し(キャラクターたちはとある街にいる、など)、それを受けたプレイヤーはキャラクターが取る行動を宣言する。つぎは進行役が「そう動いたら状況はこうなる」とレスポンスを返す。この応酬をくり返していくことで物語が進行していく。
進行役は事前に用意したシナリオに沿って状況を説明し、それにどう対応するかはプレイヤー次第。同じシナリオを使っていても、やり取りによってまったく異なる物語が紡がれていく。進行役をゲーム機やゲームソフトに任せ、レスポンスのパターンを絞ったことで生まれたのが、コンピューターRPGというわけだ。
『バルダーズ・ゲート 3』でも場面ごとに選択肢が提示される。“ナレーター”という天の声のような存在は、テーブルトークRPGの進行役そのままだ。
レスポンスのパターンを絞った点が、テーブルトークRPGとコンピューターRPGの大きな違いだ。たとえば、敵モンスターが出現した場合、コンピューターRPGの場合は“たたかう”か“にげる”かなど、限られた選択肢が出現する。
それに対して、人間同士の会話で進めるテーブルトークRPGの場合、プレイヤー側は“気付かれないように回り込んで奇襲する”、“貢ぎ物で丸め込んで戦闘を回避する”など、無限のアプローチ方法を提案できる。
ならず者のあしらい方を考える場面でも、戦闘以外の選択肢が豊富に出現した。ただし、これだけならコンピューターRPGの域を出ていない。なお、筆者はキャラクターを女性にしているため、選択肢も女性のような言葉使いになっている。
筆者がテーブルトークRPGプレイヤーとして感嘆したのは、選択肢の豊富さではなく、アプローチ方法の多彩さだ。たとえば今回のプレイ中、とある礼拝堂の遺跡に立ち寄ったところ、そこはならず者の集団に占拠されていた。入り口の見張りに対しては、戦闘を避けるために説得を試みた。
本作の元となっている『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のルールでは、成功するかどうか確定していないこと(説得の結果や攻撃の命中など)に関しては、ダイスを振って成否を決める。本作でも同様だ。
20面体ダイスをひとつ振り、示された難易度以上の出目が出れば成功。キャラクターの筋力や知力、特定のスキルなどに優れている(あるいは劣っている)場合、出目に修正が加わる。
最初の説得は成功したが、その後でならず者の仲間と偽って礼拝堂の扉を開けさせることには失敗。扉を無理やり開けて突入することもできたが、どうにか奇襲できないかと周辺を探索してみた。
周辺の調べられるオブジェクトはハイライト表示やリスト表示で確認できる。おや、礼拝堂の入口前にひび割れた床板と意味ありげな石が。
吊るしたロープを弓矢で攻撃して切ることで、石が落ちてひび割れた床板をぶち抜いた。これで別の進入路を確保できた。
さすがに方法が派手すぎたのか、この穴から侵入したところには敵の集団が待ち受けており、迎撃で全滅させられてしまった。その後、オートセーブ地点からやり直し、さらに礼拝堂の周辺を探してみると、意味ありげな地下への扉を発見。
手先が器用な仲間に鍵開けをしてもらい、扉の中に入ってみると……まさかの地下迷宮が。
地下迷宮には、ならず者ほど厄介ではないものの、罠や敵モンスターが待ち受けていた。それらを突破して進むと、なんと行き止まりの扉は礼拝堂の側面に通じていた。近くにならず者たちがいる。
このダンジョンはかつての礼拝堂に備わっていた、秘密の脱出路かなにかだったのだろう。
偶然見つけたダンジョンでの冒険。宝物や未知の敵など、ワクワクするものばかりが出てくる。
ギミックを解いて最奥の扉を開けたら、さっき煮え湯を飲まされたならず者たちの側面を突けた。リベンジ開始だ。
もし見張りの説得に失敗していたり、逆に入り口で仲間と偽ることに成功していたりしたら、まったく違った展開が待っていたことだろう。
このように、メインストーリーとは関係ない一地方の一ダンジョンひとつとっても、さまざまな解決法、アプローチの手段が用意されている。
礼拝堂の攻略ひとつ取ってもかなりの充足感があった。世界を救うとかそういったドラマティックな展開よりも、小さな冒険こそがテーブルトークRPG好きには刺さる。
選択肢の多さや依頼を自由に受けられるなど、システム面でテーブルトークRPGらしさを出したコンピューターRPGは過去にも多くあったかと思う。本作ではさらに一歩先を行き、シナリオに対するアプローチの仕方をとことん自由にしたことで、テーブルトークRPGの魅力を見事に再現しているのだ。
怪物化の宿命を背負い、自由で過酷な旅へ
本作にはコンピューターRPGとしてもワクワクさせられる魅力が多い。引き続き、ゲーム面で感じた魅力についてもお伝えしていこう。
なによりワクワクさせられたのは世界観だ。剣と魔法のファンタジー世界であるとともに、さまざまな多次元世界が確認されているSFめいた世界でもある。その世界で暗躍する邪悪な種族、“マインド・フレイヤー”とも称される“イリシッド”に拉致された主人公=プレイヤーは、脳内にイリシッドの幼生を埋め込まれてしまう。
タコのような見た目が特徴的なイリシッド。脳内の幼生が成長すると、宿主は肉体と精神を蝕まれてイリシッドになってしまう。
とある事故によりイリシッドのもとから逃れられた主人公は、そのままあてのない旅に出る。
同じく幼生を埋め込まれた者たちをはじめ、さまざまな人々や事件と遭遇するなかで、幼生を取り除く方法を探すもよし、幼生の力を利用して成り上がるもよし。行き先も選択も、すべてがプレイヤー次第の自由な旅が始まる。
ゲーム中にも登場する7人の“オリジンキャラクター”か、種族などをすべて一から設定して作成する“カスタムキャラクター”のいずれかを選択して、プレイヤーキャラクターとして設定。独自の目的や背景を持つオリジンキャラクターでプレイするのもいいが、今回はカスタマイズキャラクターで遊ばせてもらった。
オリジンキャラクターはノンプレイヤーキャラクターとしてストーリー内に登場する。仲間にするかどうかはプレイヤー次第。
種族ごとに固有の能力があるほか、クラス(職業)ごとの能力も豊富。筋力が低い種族でも前衛になれたりと、禁じ手は存在しない。
プレイヤーは分身となるキャラクターの立場で選択をくり返し、メインシナリオを進行していくのだが、ここにイリシッドの幼生がいいスパイスとして働いている。ときどき選択肢に“イリシッド”とついているものが出現するのだが、これは幼生の力を利用する選択肢だ。
イリシッドの表示がある選択肢を選ぶと、その後の判定の難易度がものすごく低くなり、ほぼ成功する。
幼生の力を多用することでどんな結果が訪れるかは不明だ。なおかつ、どうしても失敗したくないときには頼らざるを得ない場面もあるだろう。幼生の誘惑に逆らうか、それとも活用して思うがままに振る舞うか。テーブルトークRPGのようにキャラクターになりきり、その役割を演じる(ロールプレイ)うえで、非常におもしろい要素だ。
ロールプレイの面で言うと、どの仲間キャラクターと仲を深めるかなどの選択も自由。キャラクターの立場を考えてなりきることで、世界観にどこまでも没入できる。
幼生に寄生されたほかの仲間とのやり取りにも、幼生の扱いに関するものがある。選択肢や親密度次第で、彼らの運命も変わるのだろうか。
戦闘や罠といった障害についても、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』譲りのかなりの歯ごたえを感じた。
移動や攻撃は一見難しそうに見える。厳密にメートル単位で管理されているからだ。だが、実際に操作してみると、“こう移動するとこの攻撃が出せる”といったガイドもあり、それほど難しくは感じない。ただ、敵の強さはシビアで、筆者は3時間弱のプレイ中に3回の全滅を体験した。難度は3種類あるので、難しいと感じた場合はいちばん下の難易度に変更しよう。
シビアではあるが、ちゃんと補助魔法や地形の有利を活用すれば、逆に一方的に勝てることもある。戦闘の内容もまた、アプローチの方法次第で千差万別だ。
各キャラクターの1ターン中の行動回数には限りがあり、たとえば倒れた味方を助けると攻撃行動は取れなくなる。行動をひとつひとつ慎重に選びたいところ。
魔法のシステムも『ダンジョンズ&ドラゴンズ』シリーズに準拠している。正直なところ、『バルダーズ・ゲート』シリーズも含めて未プレイの人には、煩雑に感じられるだろう。
簡単に説明すると、魔法使いが戦闘中に使える魔法は事前にスロットに登録したものだけで、レベル1魔法は3回、レベル2魔法は1回など、キャラクターレベルに応じて使用回数に限りがあるが、基本的には野営地で休憩することで回復できる。
魔法の矢は基本的に100%命中するので、ダメージソースとして非常に安定している。限られたスロットにどれを入れておくか、非常に悩ましい。
魔法はクラスの特徴ともしっかり噛み合い、特化した効果を備えた代物。扱いが難しいぶん、絶大な効果を発揮する。
どんな魔法が存在するのか、どんな組み合わせが有効なのか。そういった模索自体がひとつの娯楽。ファンタジー大作映画の大魔法使いのように、魔法ひとつで戦況を塗り替える、そんなロールプレイを楽しめるわけだ。
床をぬるぬるにして相手を転ばせたり相手を大笑いさせたりなど、変わり種に見える魔法が大活躍することがあるのもこの世界の魅力。
体験イベントは非常に濃密だった。アプローチ方法の豊富さに加えて、ロールプレイのドラマティックな部分を肌で感じる。実プレイ時間は3時間にも満たず、最序盤の礼拝堂までしか進んでいないにも関わらず、この充実感は何なんだ。にわかには信じられない。
本作全体のボリュームはいかほどのものか。考えるだけでゾクゾクする。筆者の想像とは比べ物にならないくらいの、超大作であることは間違いない。
Q&Aで語られた“ロールプレイ”のこだわり
体験イベントの終了後には、開発陣とのQ&Aセッションが開催された。彼らが本作に込めた“テーブルトークRPGの魅力”の再現に注いだ熱意をお伝えする。
Chrystal Ding
Larian Studios社所属のアソシエイトライティングリード。文中ではChrystal。
Graham Ross
Larian Studios社所属のリードシネマティックアーティスト。文中ではGraham。
Nick Pechenin
Larian Studios社所属のリードシステムデザイナー。文中ではNick。
――本作でとくにこだわった箇所、プレイヤーに注目してほしいポイントを教えてください。
Chrystalプレイヤーに自分のキャラクターのアイデンティティーを形成し、何者であるかを創り上げるためのツールを提供することに多くの時間を費やしました。プレイヤーにもっとも注目してほしい箇所は、“どのようにロールプレイ(なりきり)するか”ですね。自分が置かれた状況を感じ取り、どのようにキャラクターを表現するかということです。
Nickシステムデザインチームにとって大きな焦点となったのは、『D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)』第5版のルールをビデオゲームのフォーマットに適合させ、プレイヤーが直感的で魅力的に感じられるようにすることでした。
私たちは『D&D』を象徴するクラスや呪文の強いファンタジー性を守りつつ、プレイヤーに代わって数字を計算し、ボーナスやダイスロールを記録し、プレイヤーが意思決定に集中できるよう、機械に力仕事をさせようと考えました。『D&D』やLarian Studiosのゲームのプレイ経験の有無に関わらず、『バルダーズ・ゲート 3』に安心して飛び込んでほしいと思っています。
Graham『D&D』やRPGの重要な部分は、プレイヤーが物語の可能性を探求できることです。私のチームは、ゲーム内のすべての瞬間をいかに重要と感じさせるように注力しました。とても小さなこと、取るに足らないことでさえもです。
ユニークなプレイ体験を味わってもらうために、一般的なプレイスルーでは“レアケース”と見なされるような瞬間にも、注意と配慮を払いながら開発を進めました。
――日本では『D&D』の知名度はあまり高くはありません。『D&D』や本作シリーズを知らないプレイヤーでも楽しめるようになっているのでしょうか。
Nick『D&D』を未プレイでも、ファンタジーの作品は『D&D』にどこか通じています。『ドラゴンクエスト』であったり『ダークソウル』であったり、ファンタジー作品を遊んだことがある人なら、問題なく本作の世界観も楽しんでいただけると思います。
ちなみに、私の家族はこうしたゲームを知らないんですね。そういった人には『ゲーム・オブ・スローンズ』に近いファンタジーアドベンチャー世界であると説明します。
Graham友人と物語を語り合いながら作っていく、テーブルトークRPGの説明そのものをするのも当てはまるかと思います。
――『D&D』のようなテーブルトークRPGとしての、プレイフィールの再現へのこだわりを教えていただけますか。
NickテーブルトークRPGのコアな部分として、動物と話したり空を飛んだりといった自由な要素をつねに心がけました。もうひとつ、ほかのコンパニオンと旅をしているプレイフィールについても大切に考えました。
Chrystalシナリオ面でも、シングル、マルチのプレイモードを問わずコンパニオンといっしょに旅をしている感覚を大事にしました。思いがけないことが起きたらそのままサイドクエストに流れ、その先にさらに楽しい出来事を用意するのも、プレイフィール再現のうえでこだわった点になりますね。
――メインシナリオを進める以外のおすすめの楽しみかたや開発側が用意した遊び要素などについても、可能であれば教えていただけますか。
Nickいちばんおすすめのプレイ方法は、自分の思うがまま、自分のやりたいようにすること。それがそのままあなたのストーリーになりますので、ぜひ。プレイテストを行ったとき、メインストーリーを追う人が多いと思いきや、人によってまったく異なる遊びかたをしていて、興味深く感じました。どんな順番でどこに行ってもいい、一本道ではない作りになっていますので、ゲームを信じて自分のやりたいように遊んでください。
――世界的にも『バルダーズ・ゲート3』は超大作となっており、全世界のユーザーに絶大な人気を博しています。この大成功において、本作にはどんな魔法(マジック)があったとお考えですか?
Nickまさか6年もかけてひとつのゲームを開発するとは思っていませんでしたし、ここまで好評をいただけるとも考えていませんでした。長いアーリーアクセス期間を経て、多くのユーザーの皆さんからのフィードバックやニーズの調査などがあったからこそ、今作を送り出せたのだと思います。
Chrystalカットシーンなどのシネマティックな部分を充実させたことですね。3人以上の人物が登場してストーリーテリングができるようになったのが、弊社の過去作と比べると革新的だったと考えています。
Grahamテキストのみでの選択肢を示すシーンと、カットシーンとともに選択肢を示すシーンとが、プレイヤーにとって異なる体験になっています。これが成功につながった要因のひとつと言えるかと思います。どんな魔法と問われれば、なんらかのダーク・マジック(黒魔法)かも知れませんね(笑)。
――テーブルトークRPGをプレイしているような自由度の高さと壮大な物語を、どうやって両立させたのでしょうか?
Nickプレイヤーがどこにいるか、身長はどれくらいか、何を着ているか、どんな外見上のカスタマイズを選択したか。それらに関わらず、カットシーンが正常に再生される手法について語るのにいい機会かもしれませんね。おそらくGrahamのほうがうまく説明できると思います。
Grahamシネマティック部門は、ストーリーの分岐要素を通じてやりがいのある体験を構築するために、アートとナラティブへの取り組みに重点を置いていました。その体験は、プレイヤーが選んだアバターによる視覚的な情報が大部分を占めています。重要なのはエンジン内のキャラクターメッシュとリグの基盤を構築することでした。
このゲームには、身長や体型が異なる複数の種族が登場します。外見的なプレイヤーの好みは可能な限り尊重したいと考えています。NPCがキャラクター(のクラスや種族)に反応するような小さなことは数秒で終わってしまうかもしれませんが、ゲームが自分を見ていると感じることに大きな意味があります。それを、驚くほど深く、変化に富んだシステム的なゲームプレイや戦闘と結びつけることで、美しく、ユニークで、人々が評価し、認める自由度の高いものを作り上げることができるのです。
――PC版とコンソール版との違いや、工夫した点などがあれば教えていただけますか。
Nick開発当初からコンソール版の予定はありましたので、PC版の時点からコントローラーでプレイする点については心がけていました。PC版をコントローラーでプレイしたいユーザーも多いので、PCファーストにならないように開発を進めました。
コントローラーで魔法を使うと、その魔法の種類によってコントローラーの発光色が変わったり、海外版ではプラットフォームクロスプレイ(※)が可能になっていたりといった部分が、その実例ですね。PCゲームをコントローラーでプレイしてもらうのはけっこうなチャレンジ要素なのですが、弊社の前作『Divinity: Original Sin 2』などでの開発経験が活き、画面分割でのマルチプレイなどもスムーズに実装できました。
※日本語版ではCEROの関係上、クロスプレイはできません。
――PC版も日本語対応が実施されるとアナウンスされましたが、こちらはプレイステーション5版と同じテキストになるのでしょうか。
Nick同じテキスト内容になるかと思います。日本人プレイヤーの皆さんからも多くのパッションを感じ、母国語でぜひプレイしていただきたいと考えましたので、PC版の日本語対応も決定しました。
――PS5版ではPC版にあった一部の表現が規制されます。ゲーム体験や展開に影響することはあるのでしょうか。
Chrystal仮にフィルターがかかっていたとします。自分の愛する人が隣りに座っていて、このままキスをするという自然な流れが妨げられることがあるものでしょうか。そのように、物語やロマンスが違った体験になることはないかと思います。
――テーブルトークRPGのプレイフィールを再現したタイトルの進化は近年めざましいものがあります。これらの作品群についてはどうお考えですか。
Nickそういった進化はインディーゲーム開発会社で始まり、大きな会社が取り込んで促進しているといった印象があります。新しいテーブルトークRPGやインディーゲームには私たちも着目しており、インスピレーションを得ています。
具体的に最近の進化において注目していた作品を挙げますと、『Solasta: Crown of the Magister』、『Wartales』、『Cobalt Core』などですね。ほかにもSteamネクストフェスなどで気になる新作を探し、プレイしています。
――自由なキャラクタークリエイションのパターンについては、何通りくらいになるのでしょうか。
Nick外見も含めれば数百万にも及びます。ランダム生成をくり返しても同一のキャラクターにならないことからも、それはわかっていただけるかと思います。性能面で大別すれば48種類くらいになりますが、そこに追加される能力や習得する魔法などの設定ひとつで、いくらでもキャラクターやストーリー展開のパターンは広がります。
――システムをよく理解しなければ序盤から苦戦しそうです。ビギナー向けのアドバイスなどあればいただけますか。
Nick最初は難度調整でいちばんイージーなものを選ぶのがおすすめです。キャラクタークリエイションでは推奨される設定にのっとりつつ、見た目や外見にこだわっていただければと。本当にクラス選択に迷ったなら、シンプルなバーバリアンを選択するのもいいかと思います。
――初心者プレイヤーがオリジンキャラクターを主人公に選ぶことも多いかと思います。おすすめのオリジンキャラクターを挙げていただけますか。
Grahamいちばんのおすすめはやはり自分だけのカスタムキャラクターで旅立つことですが、オリジンキャラクターからひとりだけ選ぶとなれば、魔術師のゲイルですね。彼に限らずですが、追うのが楽しいディープな物語が語られます。
Nick私もゲイルですね。魔法使いということで、いちばん世界観に馴染んでおり、“異世界”ものという点でのプレイヤーとの親和性も高いかと思います。
Chrystalみんな我が子のようなものなので、ひとり選ぶことはできません。やはり自分でカスタムキャラクターを作って、世界を楽しんでいただきたいです。
――DLCなどの今後の展開について、公開できそうでしたら教えていただけますか。
Nick公表している部分としては、現在DLCの予定はありません。現在ならびに今後フォーカスしているのは、パッチ等の実装によって改善、向上させていく点ですね。直近の展開については、近日中(※セッション開催時は2023年11月上旬)にアナウンスができるかと思いますのでお楽しみにしていてください。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202312/01325041.html