ネオスよりNintendo Switchにて、2024年2月22日（木）に発売予定の『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』。
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本作は漫画・アニメ『クレヨンしんちゃん』を原作としたタイトルで、全世界で50万本以上ヒットした『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」～おわらない七日間の旅～』の続編であるアドベンチャーゲームです（物語などの直接のつながりはありません）。
しんちゃんこと野原しんのすけを操作して、田舎での暮らしを満喫するスタイルは、前作から踏襲されている要素。前作でも『ぼくのなつやすみ』シリーズで知られている綾部 和氏率いるミレニアムキッチンが開発に関わっていたので、そのエッセンスは本作にも感じられます。なお、本作での綾部氏は、スーパーバイザーという立場で本作の開発に関わっています。
本記事では、本作の序盤を遊んでの先行プレイレビューをお届け。試遊範囲は3日目の夜および、物語がまだ動き出す直前くらいまでと、本当に序盤。体験できたのもひと握りの要素でしたが、本作の魅力はたっぷりと体験できました。
『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』先行プレイ。ススだらけのシロを追ったしんちゃんがたどり着いたのはレトロで不思議な町だった
ふたつの町を行き来する不思議な冒険
舞台となるのは、秋田県にある架空の地域。秋田県と言えば、しんちゃんの父ちゃんである、野原ひろしの出身地ですね。ちなみに前作は、みさえ（母ちゃん）の出身地である熊本が舞台でした。
ひろしは会社の仕事で、秋田県へ行くことに。その都合で、野原一家は、ひろしの実家の近くにある“オオマガラナイ村”で古民家を借りて住むことにしました。体験した範囲では、季節は具体的に明言はされていなかったのですが、セリフから初夏あたりなことが推測できます。
しんちゃんは秋田のじいちゃん・銀の介に虫とりや魚釣りなどの遊びを教わりながら、田舎の中を自由気ままに楽しんでいきます。ときには村の人たちとの交流や、新たな友だちと出会うことも。
ある日、しんちゃんの愛犬・シロが真っ黒な姿で帰ってきます。シロはしんちゃんに何か伝えたい様子で、森の中へ誘います。すると、そこには見慣れない電車があったのでした。
電車に乗ってしんちゃんがたどり着いた先には、見慣れない景色が広がる“炭の町”があったのです。昭和レトロにでノスタルジーな雰囲気が広がる炭の町は、どことなく不思議な空気に包まれていました。
そこで出会ったのが、少女・スミでした。スミはシロを通じて、しんちゃんに助けを求めていたのです。
「しんちゃんにこの街を守ってほしい」と伝えるスミ……。炭の町とは何なのか、“守ってほしい”とはどういうことなのか？
しんちゃんは、田舎の村と、炭の町のふたつを行き来しながら、新たな冒険をくり広げていくのです。
細かく進化した田舎体験
前作は田舎の村を舞台に、しんちゃんが新聞記者になりながらも、なぜかタイムループしてしまう夏休みをくり返し過ごすというものでした。物語の規模感的には原作コミックで描かれていたような、SF的外伝タイトルという感じでしょうか（すこし不思議、のほうのSFです）。
本作は現実離れした世界観の炭の町が舞台。そして、より分かりやすい悪役的な存在が登場し、しんちゃんが炭の町を救うことが目的となっているようなので（町の何をどう救うのかはわかりませんでしたが）、前作よりも映画的な物語になっていると感じました。
まず遊んでみて思ったのは、基本的なビジュアルのクオリティーは前作とほぼ同等であること（個人的にはみさえ、ひろしはブラッシュアップされてるように感じました）。
ただ、細かく見るとキャラクターの表情や表現・動きが強化されているなと感じました。よりアニメさながらに表情豊かになった印象です。そのおかげか、キャラクターの顔がアップになってくり広げられるシーンが盛り込まれていて、より演出が多彩になったなと思います（しんちゃんのよくやる、耳にフーって息を吹きかけるやつとか）。
また、背景グラフィックやライティング（光の当たり方）もすごく進化していて、陰影の印象が強くなった気がします。
たとえば、田舎の古民家的な建物って、外の日差しが強くても、屋内はけっこう暗かったりしますよね。あとは、思った以上に木陰て暗かったり。そこがうまく表現されているなと、いろいろなところから感じられます。
個人的には、物語の描きかたが大きく違うなと感じました。
前作は、ゲーム的には仕方ないことなのですが、しんちゃんが主人公として不思議な事件に巻き込まれていくなかで、その事件に迫っているのはプレイヤーの選択で物語が動いている感じが強く、しんちゃんの主体性をなかなか感じられなかったように思います。それもあって、前作は“嵐を呼ぶ5歳児”らしさの部分はちょっと薄かったんですよね。ちょっとおとなしい、しんちゃんって感じで。
本作はナレーターでの物語進行ではなく会話をメイン。物語の導線がよりしっかり印象を受け、グッとわかりやすく、物語に引き込まれました。また、キレイな“おねいさん”のためならウキウキと喜んだり、ギャグ満載の“しんちゃん節”はより強くなったなと思いました。
モジャモジャ頭の青年を見て、ヘアースタイルを気にするじいちゃん。そうそう、しんちゃんってツッコミにもなれるんですよね（笑）。
自然広がる秋田の村
田舎町での暮らしは、より田舎感がアップ。前作の舞台である“アッソー”は確かに田舎な風景が広がる村ではありますが、ゲーム的な都合もあってかけっこう施設が密集していて、そこそこ栄えているような町並でした。食堂もバーもコンビニもカレー屋も、すぐ近くにありましたからね。
ダッシュが“けつだけ星人”なのはもはやお決まり!? ブリブリ～！
オオマガラナイ村は、序盤に行ける範囲には、ほとんど田んぼしかありません。さすがお米の名産地・秋田。ガソリンスタンドすら、ずーっと遠くにあるそうで。そのため、より自然豊かな風景がゲーム画面いっぱいに広がります。
ゲーム的に必要な施設はおそらくもうひとつの舞台・炭の町に集められているので、実現できた要素なのではないかなと感じました。
調べると秋田県はチャンネルが民放3局とNHK合わせて、計5つしかないそうで。
田舎暮らしでのしんちゃんの生活は、前作とほぼ変わりありません。昆虫採集や山菜採り、魚釣りをしながら自然を満喫できます。昆虫は集めることで、物語の中で出会う昆虫大好き・カズコおねいさんが図鑑にしてくれます（魚、山菜、新要素の鉱石も対応）。図鑑を埋めたり、カズコおねいさんが求める昆虫をあげることで、おこづかいをくれます。
地味ながらにうれしい要素として、昆虫の最大サイズがされるようになりました。前作は昆虫の捕まえた数は記録されましたが、サイズの概念は残念ながらなくて。ここは純粋に進化した要素だと思います。
魚釣りも前作同様で、こちらも魚の最大サイズが記録されるように。また、用水路や川の浅瀬におそらくザリガニがいるようなのですが、それは魚用の釣り竿では残念ながら釣ることができず。おそらく、専用の釣り道具がのちに登場するのではないでしょうか。
畑も野原家の住む古民家にあるので、前作にもあった野菜栽培もありそうでした。なお、おこづかいを何に使うのかは、体験した範囲では不明。前作はスタミナ回復アイテムを買うのがメインで、お手伝い達成のために使ったり、カード集めに使いました。
なお、本作はしんちゃんのスタミナの概念がなくなったので、より快適に探索できるようになりました。時間の概念はそのまま存在し、エリア移動のたびに時間が経過。昼→夕に活動し、夜になると、1度晩御飯のために強制的に帰宅。夜時間に家の周りだけ探索可能なのは健在の要素。また前作と異なり、重要イベント中でもゲーム中の時間が自動的に経過する場合とそうでない場合があります。
村の道の一部は子どもたちが塞いでいて、特定の魚や山菜などを取ってくるとその道を通してくれる仕組み。ゲーム的に言えばエリア解放なわけですが、秋田の村だけでどれくらいの広さなのか、今後気になるところでした。
まったく明言されていなかったのですが“はたけ”の看板を誰が書いたのか分かりやすく、それだけで物語が感じられます。
不思議レトロな、炭の町
炭の町は、昭和の日本風ではあるのですが、どこかスチームパンク的な文化が混じった独特の町。建物なども全体的になぜか歪んでいて個性的なのですが、これがアニメ的表現のデフォルメなのか、それとも本当に歪んだ町なのかはわかりませんでした。
炭の町では“白い犬”が繁栄のシンボルとされているので、シロが通ると住民たちは感謝の言葉を述べてくれます。炭鉱で栄えている炭の町ですが、物語の中では絶対的に怪しい謎の男・ダンシャーリが登場。何か悪だくみを考えているように見えるのですが……？ そして白い犬の伝説とは。このあたりも、物語で気になるポイントでした。
炭の町には食堂があり、女将・ヨソイさんに食事のメニューを開発して貰えます。体験した中では、釣ってきたヤマメを塩焼きにすることで、ミッションの達成に使用しました。どうやら開発できるメニューはいくつもある様子。食堂は客足が遠のいているとのことなので、しんちゃんが食材を集めることで、食堂がどんどん繁栄するような遊びがあるようです。
女将が包丁を握って、カッ！ 料理シーンです（笑）。
前作も料理グラフィックがいくつかありましたが（黒糖あんかけラーメンとか……）本作では、よりフィーチャーされたグラフィックが用意されているようです。
また、自称天才発明家・ユーリは、集めた鉱石などを合体させて、さまざまな発明品を作ってくれます。こちらは、街頭テレビを設置するというミッションに使用。おそらく、発明品で住民たちの暮らしを手助けしてあげるような要素になっているのではないでしょうか。
ほかにもトロッコレースなどといった遊びがあるそうですが、体験した範囲では残念ながら登場しませんでした。
街灯と街頭テレビが合体した発明品。へんな発明品が多いようです。
炭の町はまるで時間が止まったような、不思議な感覚になる町。
シロの活躍も楽しみ！
前作との比較を交えてお伝えしてきましたが、ゲーム的な部分はより遊びやすくなりました。ミッションやストーリーに関するものなど、重要な会話を持つ人には頭の上にアイコンが表示されたりと、進行自体が大幅にわかりやすくなっています。
一方で新聞記事といった要素はオミットされたようで、しんちゃんが体験した出来事の絵日記にまとめるという要素は確認できませんでした。ここは少しだけ残念。とはいえ夏休みが舞台ではないと思うので、お決まりの要素が必ずしも必要ではないと思いますが。
気づくと、しんちゃんはまるで夢が覚めたように寝ているのでした。
前作にも忍者のカレー屋が登場し、本作にもカレー屋があります。これはスーパーバイザーの綾部さんが、カレー屋のオーナーだからでしょう。
いちばんのポイントは、気になるストーリー展開でした 本作はいきなり異世界的な炭の町に紛れ込む中で、炭の町と秋田の村を行き来しながら、どんな物語が展開されるのかが本当に楽しみです。
食事風景は健在で、今回は秋田の郷土料理などが登場。きりたんぽ鍋のようですね。
なお、タイトル名にも採用されているように、本作ではシロがフィーチャーされています。シロはしんちゃんの後ろに付いてくるようになり、炭の町などでときおりアイテムを見つけてくれることも。シロとともに、しんちゃんの活躍が描かれていきそうです。
より『ぼくのなつやすみ』シリーズとは全然違った体験が楽しめそうな、『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』。2024年2月22日の発売日が、とても楽しみになりました。
ところで前作は『オラ夏』なんて略されてましたけど、本作は『炭シロ』とかなんですかね？ じゃ、そういうことで～！
...以下引用元参照
引用元：https://www.famitsu.com/news/202312/18326554.html
