視界をすべて覆うような広大な砂漠。人間などちっぽけな存在と言わんばかりの巨大な敵。荒れ果てた世界を思うままに滑走し、乾いた空気を全身で味わう――。
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3人称視点のアクションRPG『Atlas Fallen』(アトラス フォールン)の話である。
この記事は『Atlas Fallen』の提供でお送りします。
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メインビジュアルやPVを拝見したときの第一印象は「砂の大陸で巨大な敵と戦う、いわゆる“狩りゲー”だな!」。ハンターとしての魂がうずき、Focus Entertainmentが2023年12月14日に発売したプレイステーション5(PS5)版をプレイしてみることに。
何やら思っていたのと違う。戦闘の迫力がたまらないのは当然として、狩りに特化しているわけではなかったのだ。ほかの要素も押し寄せてくる。いい。すごくいい。
壮大な神々の戦いにまつわるストーリー、砂の大地を駆け巡り探索するワクワク感。アクション寄りの狩りゲーというよりも、世界観やストーリーが重厚なRPG寄りの3Dアクションという印象だ。
ということは、「それなら戦闘の難度はそこまで高くはないのかな」と思うじゃないですか。
理由は後述するが、さくさくとやられまくる筆者。
ボス級の敵と対峙するたびにひりひりした緊張感が付きまとうのである。「オラ、ワクワクしてきたぞ」。国民的キャラクターっぽく呟いてみたものの、早くストーリーの続きを見たい焦りもあってなかなか倒せない。ああ、続きが気になる!
だが、本作ではそんな筆者にピッタリの救いの手が用意されていた。フレンドを招待して、ふたりでの協力プレイが可能なのだ。
今回は反射神経がわりと終わっている筆者が、物語も難度もがっつり重厚な本作にマルチプレイで立ち向かった模様をリポートしていく。
マルチでの戦闘はめっちゃ楽だし爽快感は体感で倍以上。
残酷な砂の世界も、ふたりで冒険すれば怖くない
本作の舞台となるのは、どこまでも砂に覆われた不毛の世界。この世界で人々が生きるには、強大な支配神“セロス”に隷属するしかない。
プレイヤーはかつてセロスに反旗を翻した混沌の神“ニャアル”や騎士団の痕跡を辿る。強大な力を秘め、砂や大地をも操る“ガントレット”を武器に、セロスの支配に立ち向かっていくことになる。
ガントレットは変幻自在に武器を生成可能。メイン武器とサブ武器による攻撃はボタン操作で簡単に出せて、即興の連続技(コンボ)もつなげやすい。ゲームを進めると空中で複数回のダッシュ移動が可能になり、華麗な空中コンボも決められる。
ハンマーや斧の形態を取る“デューンクリーバー”は最初から使用可能。一撃の威力が高く、攻撃範囲も広い。
鞭や短剣に変形する武器“サンドウィップ”。威力は低いがリーチが長く、ボタン長押しの攻撃でワイヤーのように敵に引っ掛けると、その敵のところへ急接近できる。
リーチは非常に短いものの、素早い連撃が可能な拳武器“ナックルダスト”。ボタン長押しで、強烈な溜め攻撃をくり出せる。
こうした武器の使い分けと同じくらい重要なのが“サンドスキン”だ。この能力は一瞬体を砂で覆い、敵が赤く光る攻撃タイミングに合わせることで無効化し、その敵を一定時間硬直させる。ボスは複数回決めないと硬直しないが、かなり頻繁に止められると思っていい。
ほかのゲームで言うところの“パリィ”であり、連続で決めれば相手を一生殴り続けられ、無敵感と爽快感をこれでもかと味わえるわけだ。
一部サンドスキンで弾けない攻撃もあるが、ダッシュ移動で避ければ問題ない。サンドスキンもダッシュも、ボタンひとつですぐ出せる。
そう。“決め続ければ”である。じつは筆者はパリィが大の苦手。『モンスターハンター』シリーズでは敵に近寄るリスクを真っ先に捨てて遠距離武器を持ち、『エルデンリング』では大楯でガードばかりしていたほどに。
攻防の主軸はサンドスキンによるパリィ。これが苦手な筆者はばったばった倒れるばかり。
本作では序盤から複数の敵に囲まれるシーンが多い。こうなると筆者はサンドスキンを出すタイミングがわからなくなる。敵が赤く光る攻撃の予兆を出してくれるとはいえ、なかなか集中できない。
だが、難易度は下げたくない。負けてはいけない何かに負けた気がするからだ。
いつでもメニューから難易度を変更できる。最低難度でも十分にアクションは楽しめるので、ストーリーの続きを早く見たい人には難度を下げるのがおすすめなのだが……。
そこで思い出した。本作ではフレンドを招待して協力プレイが可能なのだ。ならばと編集者に頼みこみ、アクションゲームの経験が豊富なライター・友野辰貴さんを助っ人に呼んでもらった。
ここからは助っ人の友野辰貴さん(文中では友野)と筆者カイゼルちくわ(文中ではちくわ)の会話形式メインでお届けします。
筆者から見れば「私が来た!」状態。これは勝ち申した。
友野よろしくお願いしますー。なるほど、ストーリー進行にそのままマルチプレイで合流できるんですね。
ちくわ自分より先に進んでいる人の世界にも入れるみたいですなぁ。で、戻るときにこの世界の進行度を持ち帰るかどうかを選べると。
マルチプレイ終了時に、自分のセーブデータを上書きするかどうか、あるいは破棄してセーブした時点のデータに戻るかを選択できる。上書きすると自分が経験していない各イベントがスキップされる可能性もあるので要注意。
友野アイテムはどちらかが取るとふたりとももらえる仕様ですね。
ちくわ探索を手分けしてもデメリットや独り占めは発生しないと。あ、でもメインストーリーの大事な場面は、ふたりが進行場所にそろわないと始まらないっぽい。
友野そもそもホスト任せで寄り道とかしてると、せっかくのストーリーがわからなくなりますよ。
複数ギミックを起動させるクエストのときには、手分けができて非常に楽。
マルチプレイ名物、ホストが真面目にストーリーを進めているときに画面に映り込んで暴れるゲストプレイヤーの図。
最初は荒廃した孤独な世界だと思っていて、それはそれでロマンがあるから好きなのだが、ふたりでプレイしてあることに気付いた。これはバディものだ。ロートルとルーキーがわーわー言い合いながら事件を解決していくみんなが好きなやつ。
フィールドはセミオープンワールドなので非常に広大だ。アイテムを拾うと両者のインベントリに入る仕様によって、相手のことを気にせずふらふら探索できるのはストレスがなくて便利。
単独行動をするように広い範囲を動き回れば移動ルートも見つけやすい。自分勝手なようで、でもその行動が相手のためになるところもバディものっぽい。
本作の世界はどこまでも広大。でも、ふたりで旅すればさみしくない。
さっそく道に迷い、助けてもらう筆者。いつの間にあんなところまで移動したんだ……。
ふたりで戦えば殴り放題。もはやパリィ要らず
こうして広大な砂の世界を、ふたりで突き進むロートル(筆者)とルーキー(友野さん)。当然その先には、筆者を何時間もリトライ地獄に叩き落とした手強い敵が待ち受けている。
いざボス戦。筆者はボス戦のたびに10回単位でやられ、やり直していた。
友野では、いきますか。まずは取り巻きの処理を優先しますね。
ちくわあ。楽。
友野さんが地上で敵を集めてくれたので、空中にいる筆者を攻撃しようとする敵がいない。
ちくわこ、これはパリィどころの話じゃねぇ! 殴り放題祭りだ!
友野こっちは防御と回復寄り(のカスタマイズ)なので、ある程度はダメージを受けても平気です。
ちくわ最高か。
サンドウィップで敵を殴り放題。パリィとかもういらないんじゃないか。
ここでひとつ解説すると、本作では敵との戦闘を続けると“躍動力ゲージ”が溜まっていく。一定まで溜まると発動するパッシブ(自動発動)能力を、本作ではプレイヤーが自由に組み替えられるのだ。
躍動力ゲージを消費することでさまざまな技や相手を怯ませる必殺の一撃“粉砕”をくり出せる。友野さんの場合はあまりゲージ消費技は使わず、ゲージを溜めて防御&回復のパッシブ能力を発動させていくスタイルを取っている模様。
画面左下、赤い体力ゲージの下にある水色のゲージが躍動力ゲージ。ゲージが溜まると、その下にあるアイコンの能力がすべて自動で発動する。
パッシブ能力や技を宿した“エッセンスストーン”を躍動力ゲージの下にどう並べるかで、プレイヤーごとに戦いかたが大きく変わる。
この緑色のフィールドは範囲内の全プレイヤーを急速に回復してくれるというもの。本当にありがたい。
ちくわしかも交互に怯ませる技を出せば、延々と相手を無力化できるじゃないですか。これはもう目をつぶってても勝てる。
友野そんなに殴り続けているとそっちにターゲットが……。
気付いときにはもう遅かった。やっぱりダメだったよ……と思いきや。
友野あ。味方を起こせますよ。“偶像”ってアイテムを消費するっぽいな。
ちくわ助かります! ん? 偶像と体力が最大の状態で復活しました。
完全復活。ちなみに偶像(画面右下の緑色のアイコン)のストックは、敵を殴り続けると補充されていく。
こうなると、あとは一方的な戦い。ふたりで怯ませてはボコボコにするくり返し。気持ちいい!
ちくわというかいまのボス戦、私ほとんどサンドスキン使ってなかったですよ。なるほど、マルチプレイではもはや防御など不要ということか。
友野そのぶん、こちらがパリィしまくってたんですけどね。
ちくわ本当にありがとうございます。
あとで録画データを見せてもらったところ、友野さんは華麗な連続サンドスキンで敵の攻撃をつぎつぎと受け流していた。本当に同じゲームかこれ。
ちくわ私、(躍動力ゲージ周りのカスタムは)攻撃力特化にしていたので。そりゃ狙われたらあっという間ですわ。
友野ふたりでプレイするならタンク役とアタッカー役みたいな役割分担もできますね。実際にしてましたし。
戦闘では攻撃と防御がどちらも大事なのは言わずもがな。それを分担できればさくさくと敵を撃破でき、そのぶんストーリーに集中できる。
いっしょにプレイするフレンドを何人も集めるのはたいへんだが、ひとりなら手間も少ない。野良パーティーが苦手な人からしても、フレンドなら意思の疎通も計りやすいので安心してプレイ可能だ。
バディを信じろ! 突然の激戦と命のリレー
筆者たちはその後も、立ちふさがる敵を(おもに友野さんが)なぎ倒してストーリーを進めていく。せっかくさくさく進めるんだからと、今回は探索やサブクエストは放置。ソロではありえないスムーズさで、メインストーリーを進めていった。
セロスを信奉する教団なども出てきて、主人公を取り巻く状況はより複雑に。いいスピードで物語が重みを増していく。
それはさておき、真剣な話をしているときほど画面に映り込んで暴れたい我ら。
ちくわここまで楽だと、防具の強化とかも不要なんじゃないかなぁ。
友野いやでも、門のところですごい敵と戦うみたいなクエスト目標が出てますよ。
ちくわ大丈夫大丈夫。パリィ成功すればノーダメージなんですから。
門のボスが唐突に出現。
ちくわ明らかに強そうなやーつ!
友野いままでのボスより格段にでかいですね。まずは攻撃パターンを……。
友野さん、ボスの連撃1回で体力満タンからダウンへ。
友野理解しました。これヤバイやつです。
ちくわうん、知ってた。起きてー! 助けてー!
決死の思いで友野さんに駆け寄って蘇生させる。
ちなみに筆者の場合、連撃ではなく一撃くらうだけで体力の半分弱が消し飛ぶ。やめて。
友野ちゃんと体力ゲージは削れてます。勝てない相手じゃないですよ。
ちくわですね。ビビるな、突っ込めー!
友野大丈夫、攻撃はこちらで受けますので倒れたら蘇生してください!
唐突に始まる命のリレー。お互いに蘇生し合って殴り続ければ、復活時に偶像も補充されるので、いつかは勝てる。永久機関の完成である。これが信じ合うバディの力だ!
突っ込んだら当然あっと言うまに瀕死。空中ダッシュ連打で慌てて離脱。
蘇生と怯み攻撃をお互いにくり返し、少しずつ体力ゲージを削っていく。すごい死闘感、そして共闘感。
我らバディの息の合った波状攻撃にはどんな強敵もかなわないのだ。
友野勝てた!
ちくわこの満足感はやばい。
友野ソロで進めてたら“装備をちゃんと強化してからまた来てね”って感じのボスだったはずなのに、
ちくわマルチプレイの力は偉大。ちなみに、マルチ中はプレイヤーそれぞれが難易度を個別に設定可能みたいですから、私が難度を下げていればもっと楽だったかもですね。
友野先に言ってください。
難易度を下げるとこのとおり偶像の最大ストック数が増え、受けるダメージ自体も減る。いっしょに遊ぶフレンドと難易度を揃えなくても、自分に合ったレベルで遊べるのだ。
友野何だかんだで、いまの戦闘はふたりで協力している感がかなりありました。
ちくわパリィが苦手な私でも、ちゃんと役に立てているんだという実感があって、めっちゃ楽しかった。
友野実際、相手をよろけさせたりしてくれるだけでも全然ありがたいですからね。
最初は全面的に頼り気味だったが、慣れてくるとちゃんと自分も攻撃に参加したり、援護したりできているというわかりやすい達成感があった。
ちくわ多人数のマルチプレイだと乱戦になるから、誰が活躍したかわかりづらいんですよね。ふたりならちゃんと活躍の実感が持ててよかった。
友野パリィや防御、回復や防具強化などの大事さも、いっしょにプレイしたことで学んでもらえたでしょう。これでもうソロに戻っても大丈夫ですよね。
ちくわで、つぎに助けてもらうマルチプレイの日程なんですが。
友野まったく学んでない。
門の前にいたボスの戦利品として、見たこともないくらいグレードの高いエッセンスストーンが手に入りました。やっぱりいま戦うボスじゃなかったんだ。
難度を素直に下げるのもいいが、あえて歯ごたえをしっかり残したい人、あるいは少人数ならではの共闘感を味わいたい人には、ぜひ本作のマルチプレイをおすすめしたい。
今回のふたりのように、PS5のパーティー機能などでわいわいと通話しつつ楽しむのもいい。より一層、バディものドラマのような一体感を味わえること請け合いだ。
製品概要
商品名:Atlas Fallen(アトラス フォールン)
対応機種:プレイステーション5、Xbox Series X|S(デジタル版のみ)、PC(Steam)
発売日:2023年12月14日(木)
価格:8030円[税込]
ジャンル:アクションRPG
プレイ人数:1人(オンライン時1~2人)
メーカー:Focus Entertainment
CERO表記 : C(15歳以上対象)
※日本語字幕はアップデートすることで利用可能となります。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202312/28329708.html