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『風来のシレン6』発売記念インタビュー。ユーザー目線に立ち返ることから始まり、「これこそ『シレン』だよね」を目指して制作された本作のこだわりを訊く | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 人気ダンジョンRPGシリーズ待望の新作『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』が2024年1月25日(木)に発売。

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 約14年ぶりのナンバリングタイトルとなるシリーズ最新作だ。入るたびに構造が異なるダンジョンを、知識と経験、閃きと運を駆使して踏破するシリーズのおもしろさはそのままに、新たな要素が追加された待望の完全新作となる。
 発売にあわせて開発のキーマンであるおふたりにインタビューを実施。歴代作品の制作にも携わってきた篠崎氏と、若手のまとめ役でもある櫻井氏が語る、14年振りの新作に懸けてきた思いと、新作ならではの注目ポイントを訊く。

篠崎秀行氏(しのざき ひでゆき)

『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』プロジェクトマネージャー(文中は篠崎)

櫻井啓介氏(さくらい けいすけ)

『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』ディレクター・アートディレクター(文中は櫻井)

『不思議のダンジョン 風来のシレン6』の購入はこちら (Amazon.co.jp)
14年待ち続けてくれたファンを強く意識した最新作がついに登場。原点に立ち返った『シレン』の制作へのこだわり
――2023年の“ニンテンドーダイレクト 9.14”で“14年振りの完全新作発売”が発表されてから4ヵ月、いよいよ発売を迎えましたが、ファンからの反応はいかがでしたか?
篠崎ファンの皆さんから、とても好意的に受け止めていただいていたという印象があります。SNSや動画などでそういった反応を見てチームでも共有し、「思った以上にいい反応」と力をもらいました。
櫻井私たちも発表時にはどの順番で『シレン6』の動画が流れるのか知らなかったので、当日は「まだ出ないのか、まだ出ないのか」とハラハラしながら観ていました(笑)。
篠崎残業しながら、「まだ?」と、仕事どころではありませんでしたね(笑)。
――近年、ダンジョンRPGも多様化してきて、“ローグライク”、“ローグライト”などというジャンルも確立してきました。今回の『シレン』はどういう位置づけなのでしょうか?
櫻井今回は既存ファンの方を強く意識しておりまして、より硬派な作りにしています。
篠崎我々が最初に『不思議のダンジョン』を作ったときには、ローグライクという用語さえなかったんですよね。ですから、いまでもとくにジャンルを意識することはなく、『不思議のダンジョン』、『風来のシレン』というゲームとして既存のユーザーの皆さんに「これこそ『シレン』だよね」と、満足していただけるよう考えながら制作しています。
――そのうえで、本作の制作にあたって、注目してほしいところ、こだわったところがあれば教えていただけますか?
篠崎基本的には難しいゲームです。初心者の方が初めて遊ぶときには難しいところがあるのは否めません。ただ、初心者をないがしろにするつもりはもちろんありません。今回はさまざまな場面で、パッと素早くチュートリアルが表示されるようにしました。
――たしかに、ワンポイントアドバイスのような形で軽くフォローしてくれますよね。
篠崎パッと表示されるものに関しては、とにかく軽く読めるものにしています。いちいち長々と説明されては、プレイする方もやる気をなくされてしまいますからね。
櫻井ほかにも図鑑などに注力をしていて、ユーザビリティーの充実を図っています。ゲーム内で情報の検索が完結できる、Wikiいらずのゲームを目指していました。
篠崎手帳が充実しているので、ゲーム内で手帳を出せば、すぐに道具の買い値や売り値も調べられるようになっています。
――未識別のアイテムを、値段から逆算して正体を推理する……というのは『シレン』ならではのテクニックですから、うれしい機能ですね。ほかに注目ポイントはありますか?
篠崎インパクトという意味では、シレンの“ドスコイ”状態や“デッ怪”は反響が大きかったです。ファミ通さんの記事を読んでも、大きいキャラクターは誌面映えしますね(笑)。
櫻井デッ怪については、初めて相対するとびっくりしてしまうかもしれませんが、対処方法は用意されているので、まずは落ち着いてどのように対処するか考えてくださいね。
篠崎あとは、詳細はお伝えしておりませんが、やはり本作でもクリアー後のダンジョンがあって、それぞれにさまざまなチャレンジを用意しています。まずはメインシナリオを堪能して、その後で追加ダンジョンを楽しんでいただけたらうれしいです。

ベテランと若手が融合した開発陣。原点回帰+快適さの向上を実現
――クリアー後の話が出ましたが、メインシナリオのボリュームはどのくらいありますか?
櫻井実際のテキスト量は比較したことがありませんが、遊んでみての長さの体感は『シレン5』くらいはあると思います。
篠崎プレイヤーのスキルによって長さが変わってくる作品ですからね。一発解きしてしまう人もいれば、ものすごく慎重に、少しずつ進めていこうという人もいると思うので、数値化はできないと思いますが、それでもかなりのボリュームはあると考えています。
櫻井ただ今回は、どのように進めればわからないという人のための仕掛けも作りました。
篠崎とぐろ島のマップ上で、そこに進むとイベントが発生するという地点には“!”マークが表示されるようになりました。目標が見えていると、ゲームも進めやすいですよね。また、ルートの分岐や特別な仕掛けも用意しています。
――一発解きも可能なのですか?
篠崎可能です。ただ、シナリオを楽しみたいのなら、ゆっくり何周もしながらプレイするほうがいいかもしれません。
櫻井力尽きたり、脱出したりなどしてふもとからやり直すと、新たにイベントが発生したりします。スーパーファミコン版の『シレン』でも、山頂の村で合成の壺をもらうイベントなどが発生しましたよね。何回もプレイしていくことで、結果的に難度は下がっていきます。原点回帰を意識した仕様ですね。
篠崎あとは村などの中間エリアを多数配置して、初心者の方でもプレイしやすいようにはしています。シリーズ作品では毎回課題となっているのは“初心者には難しすぎて、ベテランには簡単すぎる”ということです。どちらに寄せるかは永遠の課題ですが、何度も遊んでいくごとによりおもしろくなっていく、というところはさらに磨きがかかったものにできたかな、と思っています。
――本作はとくに遊びやすさ、わかりやすさが大きく向上している印象です。前作から引き続き採用の“ライブ探索表示”を始め、さまざまな機能が実装されていますが、遊びやすさについて意識している部分はありますか?
篠崎今回は櫻井を中心にして「『シレン』は何がおもしろいのか?」と、原点に立ち返ってみることから開発はスタートしています。その中で、“まがいもの道具”など“おもしろいが複雑でゲームをやりづらくさせている部分”を見直したり、カットしたりして仕様を変更しています。
櫻井あとは気持ちいいテンポで動けて、攻撃もリズミカルに行える、といった手触りの部分は何度も調整しました。移動速度についても、チーム内でさまざまな意見が出て検討を重ねた結果、オプションとして速度調整を採用することにしました。回復速度もそうですね。『5』の反省で、レベルが上がるにつれて相対的に回復速度も上がるようにしています。
篠崎じつは今回の開発スタッフには、スーパーファミコン版から携わってきたベテランメンバーが多数参加しています。自分たちで「老兵だ!」なんて言っていますが(笑)。
櫻井その中で、若手がリーダーシップを執って、“遊びやすくするにはどうしたらいいか?”ということを徹底的に考えました。
篠崎『シレン』らしさはそのままに、ファンの皆さんの想像を超える作品にするべく、スタッフ一丸となって開発に取り組んだのです。
――この13~14年のあいだに、ファンからもさまざまな要望が寄せられていたと思いますが、そこから採用したものはありますか?
櫻井ユーザーの皆さんが感じていることは、同じ『シレン』ユーザーである開発陣も感じているものなんですよね。とくに今回はユーザー目線に立ち返ることからスタートしているので、自然と皆さんが考えた要素がゲームにも反映されているのではないでしょうか。
篠崎ですので、特定の意見があったから採用したという感じではありませんね。

配信プレイに新たな形を! オンライン対応“パラレルプレイ”
――今回は登場人物が多く、とてもにぎやかな印象です。開発陣で人気のあるキャラクターがいれば、ぜひ教えてください。
櫻井難しいですね……。出てくるキャラクターにはそれぞれ思い入れがあります。
篠崎ただ、アスカに関してはスタッフ間でも人気が高いので入れたというところはあるかもしれません。彼女だけは別格ですね(笑)。櫻井 今回はわりとモンスターといっしょに出てくるキャラクターが多いかもしれません。
篠崎あとは力尽きた後に出迎えてくれるスズナちゃんがかわいくて、テストプレイでも何度もお世話になっていたので、彼女はとても印象に残っております。
――仲間に加える方法はいつもと同じですか。
篠崎そうですね。何かしらのイベントをクリアーすると、シレンとともに行動してくれるようになります。
櫻井アスカは“共鳴”をつけられるのが特徴で、ほかの仲間にも何かしら特徴があります。
篠崎前回までの反省として、『シレン』は自分主体のゲームなので、ついてきてくれるキャラクターが思うように動いてくれず、ストレスを感じる人も多かったと思います。そこで、今回はちょっと強めの設定にしました。
――ここまでさまざまなキャラクターが紹介されていますが、いったいそのうち誰が仲間になってくれるのでしょうか?
篠崎勘のいい方にはだいたいお察しいただけるとは思うのですが、アスカ以外にも複数のキャラクターが仲間になります。発表されているパッケージビジュアルなどをご覧いただけたら、想像しやすいかもしれません。
――大ヒント、ありがとうございます。続いて新要素の内容も聞いていこうと思います。オンラインの“パラレルプレイ”について、オススメのプレイ方法はありますか?
篠崎「さまざまな遊びができます!」と各所で風呂敷を広げてきましたが(笑)、実際のところは自由に使っていただければと考えています。
 たとえば、実況配信などで使えると思っています。「こんな状況になってしまったのだけど、皆さんならどうやって乗り越えますか?」みたいなお題を出してパラレルプレイを始め、視聴者とみんなで遊んでみるとか。同時に遊ぶからすぐレスポンスを返してもらえるし、新たな配信の形が出てくるのではと考えています。
櫻井あとはリレープレイのような楽しみかたもありそうですね。ちなみに、パラレルプレイでは未識別道具はつぎの人にもそのままの名前(識別前)で渡されるようになっています。
――そのあたりはぬかりありませんね(笑)。
櫻井また、細部は当然変わりますが、地理特性は同じなので、同じダンジョンでタイムアタックして楽しんだりとか。開発が想定しているのはそのあたりのやりかたです。
篠崎RTA大会とか、競技にも使いやすいと思います。今回は計算方法の複雑なハイスコアの要素がないため、ぜひタイムアタックで競ってほしいです。 なお、スコアの競争要素を外したのは、チート対策というよりはチート行為そのものをなくすためです。
――一方で、シリーズおなじみの達人の遊び“泥棒”は、何か対策は進んでいますか?
櫻井泥棒はシリーズが進んで手順も固まってきていると分析されていますが、ただやみくもにそれらをできなくするだけでは、プレイする側もストレスが溜まるだけなので、今回はお店によって「このお店ではこのやりかたはできないよ」という仕様にしました。店舗ごとに特定の対策が為されている形です。
篠崎店主側もやられているだけではないぞ、という感じですね(笑)。
――抜け道を探せ、ということですね(笑)。楽しみです! 達人の遊びとしては、過去に異種合成という要素もありましたが、本作でも行うことができるのでしょうか?
櫻井そもそもがややこしいシステムでしたので、全体的に仕組みをシンプルにしてやや縮小しています。過去シリーズでは3種合成のような特殊な合成がありましたが、今回はシンプルなものだけにしています。
篠崎やりすぎると、それをやらなければ進めない……なんてところが出てきてしまうので、本作の大前提である遊びやすさの部分にだいぶ負担がかかってしまうんですよ。ですから、今回はシステム面は極力複雑なところをなくしてシンプルにまとめています。

――夜システムも見直されたのでしょうか?
櫻井夜もなくしました。ゲーム属性がガラッと変わってしまうのはやりすぎたかな、という反省もありまして。それで、近い立ち位置のシステムとして導入したのが、“デッ怪”なんです。通常プレイの延長線で、特定のフロアでは“何か”が起きる……というものになっています。
――遊びやすさに関して、大幅に見直されているのがよくわかりました。そのうえで、これから初めて『シレン』をプレイする人に、オススメの攻略法があれば教えてください。
櫻井まずはとぐろ島全体マップ上で“!”マークが表示されている場所を目指して進んでみてください。そこから、さまざまなイベントが発生して、アイテムが手に入ったり仲間ができたりすることがあるかもしれません。とにかく新しいものを見つけたら、果敢に手を突っ込んでいただくと、ゲームがより楽しめると思います。
篠崎本作が前作の『5plus』と違うのは、“やり直し草”などを使って道具を失わないように進んでいくのではなく、基本的には道具を持たず、おにぎり1個でダンジョンに挑むというところです。
 ゼロから始めてどこまで行けるのかな、というのを気軽に楽しんでいただきたいです。たとえ倒れてもまた気軽に潜っていっていただければ、結果的に少しずつ上手くなっていきますし、ストーリーも進んでいきます。
櫻井ライブ探索など、さまざまなオプションを使えば、より楽しく遊べるのでぜひとも試してみてほしいですね。
――反対に、ベテランプレイヤーに味わってほしいところがあれば紹介してください。
篠崎ゲームの“手触り”については本当に気をつけて制作しています。とくにキーレスポンスには気を配りました。3Dになったことで不安視する声もいただいていますが、かなりなめらかに、60fpsで動くようになっています。また、快適性が削がれるような要素は、慎重に吟味してなくしています。
櫻井あとはクリアー後のダンジョンをどのように楽しまれるか。パラレルプレイという遊びかたも用意しましたし、皆さんの思うがままに楽しんでいただけたらと思います。ちなみに、いわゆる“電ブチ”(電源を落とす行為、もしくはアクシデントで電源が落ちてしまったこと)については、今回は即失敗にならない仕様にしています。
篠崎基本的には、オートセーブが作動していて、数ターン前から再開できるようになっています。この仕様については、直近にリリースされた『5plus』のスマートフォン版から採用していたりします。
――それは便利。でも、1ターンごとにオートセーブ……というのではないのですね。
篠崎開発上の問題でそれは難しくて、数ターンごとに行われるようになっています。
櫻井もちろん力尽きてしまう瞬間の電ブチについては、ちゃんと力尽きた処理がされていますよ(笑)。
――不正は許されないということですね(笑)。それでは、ファンの皆さんへ購入を後押しする最後のひと言をお願いいたします!
篠崎長らくお待たせいたしました。ようやく、14年振りに皆さまのもとへ最新作がお届けできることをうれしく思っています。より長く楽しんでいただければ幸いです。
櫻井3Dになって、処理落ちなどを心配されている方もおられるかもしれませんが、我々も総力を挙げて対策しています。グラフィック全体については、ニンテンドー64版の『シレン2』の正統進化を意識したものになっています。シリーズファンの方は、そのあたりも楽しみにしていただきたいと思います。

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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202401/25331580.html

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