2024年2月1日に『SILENT HILL 2』リメイク版の新トレーラーが公開されると同時に、KONAMIより配信された『SILENT HILL: The Short Message』(『サイレントヒル:ザ ショートメッセージ』)。対応ハードはプレイステーション5で、価格は無料。KONAMIの人気サイコロジカルホラーゲーム『サイレントヒル』シリーズ最新作を、誰でもすぐにプレイできる。
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本記事では事前に製品版をクリアーまで遊んだプレイレビューをお届けしよう。また、撮りおろしのプレイ動画もぜひチェックを。
※本ゲームにはセンシティブな表現が含まれています。
※ネタバレを含んでいるため、未プレイの方はご注意ください。
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『サイレントヒル:ザ ショートメッセージ』プレイ動画。待望の『サイレントヒル』シリーズ最新作で“新たな恐怖”を体験
『サイレントヒル』シリーズとは?
『サイレントヒル』シリーズは、1999年に発売された初代『サイレントヒル』を皮切りに、続編や関連タイトルが発売された人気シリーズ。
わかりやすい脅威となるモンスター型のクリーチャーは登場するが、洋ホラーと和ホラーを合体させたような、雰囲気重視のホラーゲームであることがシリーズ作品のおもな特徴。精神的にプレイヤーを追い詰めてくるような、“サイコロジカルホラー”な世界観が魅力のひとつだ。
ただ、シリーズ作品としては2013年に発売された『サイレントヒル ブック オブ メモリーズ』が最後となっており、10年以上もの空白期間があった。
KONAMIは『サイレントヒル』シリーズのリブートを計画しており、リメイク版『SILENT HILL 2』が発売予定のほか、『SILENT HILL: Townfall』、『SILENT HILL f』の2作品も開発中であることが発表されている。
そんな中、突如として発表&配信されたのが、『SILENT HILL: The Short Message』。リブート計画の皮切りとして、無料で全編遊ぶことができる。
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KONAMIは2022年10月20日6時より、ホラーゲーム『サイレントヒル』シリーズの新情報を公開する配信番組“SILENT HILL Transmission”を配信。同番組内で『サイレントヒル2』リメイクがプレイステーション5(PS5)、PC(Steam)で発売されることが発表。
3人の少女の短編物語
物語の始まりは、主人公である少女・アニタが友人のマヤに導かれて、とある廃墟マンションに訪れるところから始まる。
ふと目が覚めると、アニタはマンションの一室で目覚める。なぜこんなところで寝てしまったのか、そしてマヤはどこに居るのか? 何もわからない中、アニタはマンションの中をライト代わりのスマートフォン片手に探索する。
主人公のアニタ
メッセージなどで登場するマヤ
マンション内はラクガキだらけで、どこか異質。そして探索を続けていくと、アニタはより怪異的な部屋に入ってしまう。そこでアニタは、親からネグレクトを受けており、手首を切って自殺を何度も図っていたことを思い出す。
そんな中、アニタは謎の怪異に遭遇してしまう。自身の心の中を紐解きながら、アニタ、そしてマヤともうひとりの友人アメリ。この3人の物語が狂気的なマンション内で描かれていく。
ゲーム自体は、半日もあればクリアーできる短編タイトル。マルチエンディングではなく、ひとつのエンディングのみが用意されている。ストーリーのテーマにも関わっているが、短編であることも“ショートメッセージ”のタイトル名に込められているのだろう。
不気味さが際立つ独特のホラー体験
本作は主観視点で進むアドベンチャーゲームとなっている。従来作の『サイレントヒル』シリーズを知っていると意外に感じるかもしれない。また、戦闘は敵から逃げる以外の手段はナシ。鉄パイプなどの近接武器や拳銃などを使ってクリーチャーと戦うシリーズ的要素は採用されていない。
そのため、精神的に追い詰められるようなホラー要素の部分だけが抽出され、体験できるようになっている。戦闘はできなくとも『サイレントヒル』らしさが感じられるあたりが『ザ ショートメッセージ』の魅力とも言える。
筆者はホラーに耐性がかなりあるとはいえ、客観的に見てホラー要素はかなり控えめだと感じた。というより“怖い”のではなく“不気味”さが際立っているように思う。このあたりは『サイレントヒル』シリーズならではの魅力と言えるだろう。
また、マヤが描くグラフィティアートや、マンション内の落書き、そしてクリーチャーの姿なども含めて、全体的には“美しさ”まで感じた。大部分において上品なホラーゲームだ。
遭遇する謎の怪異。
本作は画面全体がある程度明るめで、照明がなくともどこに何があるのか見えるようになっているので、“暗闇を進む恐怖”のようなものはあまりなかった。
いきなり驚かせるような、ドッキリ演出はほとんどなし。画面全体の明るさも相まって、ビックリ系のホラーが苦手な人でも、雰囲気から来る恐怖を感じつつ遊べるのではないだろうか。
ゲーム自体はシンプルで、マンション内を探索しながらストーリーを読み進め、ときどき謎解き要素。そして、怪異との“鬼ごっこ”も発生する。ラスト付近の一部(詳細は後述)を除いては、かなり遊びやすいタイトルだ。
怪異に遭遇することも多々あるが、筆者としてはリアルな“G”のほうが怖かった(笑)。苦手な人もいると思うので、アップでのスクリーンショットは掲載しないが、上記の数倍はワラワラと出現する。
センシティブなテーマ性
アニタが憧れを抱くマヤのほか、友人のアメリからメッセージが届くこともある。物語は、アニタを含む3人を中心に展開していく。ユニークなのは、ふたりは実写で俳優が演じているところで、ゲーム中に実写ムービーが流れたりもする。
詳細はネタバレになるのでお伝えしないが、驚いたのは物語のテーマ性だ。あらすじで述べたように、アニタはネグレクトを受けて自殺を考えていた少女だ。それだけでも踏み込みにくいテーマなのに、さらには“いじめ”といったセンシティブなものや、“SNSでの炎上”など、今風の問題まで扱っている。
友人のアメリからのメッセージ。
アニタとマヤの関係性なども含め、ストーリーを進めていくうちにどんどん気が重くなる。開けてはいけない扉をつぎつぎと開いていくような感覚は、まさに精神的に追い詰められている“サイコロジカルホラー”的な、単純な恐怖とは別軸の怖さがあった。
ただ、これだけはお伝えしておきたい。決して後味が悪くなるような物語ではなく、遊んだのにただ陰鬱になって終わるゲームではなかったので、そこはご安心を(いやでも……うん。いや、語れないな……!)。
ゲーム内では読み物も多く存在し、その内容もかなり触れにくい部分に突っ込んだもの。
無料なのでダウンロードを!
筆者が気になったのはラスト付近のステージ。そこが、難しいのだ。トライ&エラー前提のような作りになっているので、ここでハマってしまう人は少なくないだろう。わかりにくいが、一応ヒントは存在する。“スマートフォン”の関係性に気付ければ、それなりに解きやすくなるはず。
とはいえ、最後以外は全体的には進みやすいゲームなので、『サイレントヒル』シリーズらしい魅力はスムーズに感じ取れるはずだ。
また、やはり“無料”であることが何よりも、ハードルを下げている。ホラーゲームが苦手でも、『サイレントヒル』シリーズを知らなくても、「とりあえず遊んでみよう」が気軽にできるのはなんともうれしいところ。少しでも気になる人は、ダウンロードしてみよう。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202402/01332091.html