現実はきびしい。でも、イージーすぎてもつまらない。ちょっとやさしいくらいがちょうどいいのだ。
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『ウイニングポスト』は、そのほどよいさじ加減で競馬ファンに親しまれてきた、競馬シミュレーションゲーム。シミュレーションならではの膨大な史実データや、配合理論などの通好みの要素が楽しめつつ、難度は誰でも楽しめるマイルドさ。データ好き、歴史好きの競馬ファンにはピッタリの作品である。
そんな『ウイニングポスト』のシリーズ最新作『ウイニングポスト10 2024』が2024年3月28日にNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、PCで発売される。
1993年の第1作発売以来、最新作『ウイニングポスト10 2024』でじつに31年間続く人気シリーズだが、シミュレーションというジャンルや、画面を埋め尽くすかのような膨大なデータ表示に「これはたいへんそうだな……」と尻込みしてしまう人も多いという。
本稿では、第1作からシリーズを遊び続けてきた生粋のシミュレーション好きであり競馬ファンである記者が、最新作『ウイニングポスト10 2024』を題材に、『ウイニングポスト』シリーズの魅力とその楽しみかた、初心者でも安心の遊びかたを伝授します。
※本稿は『ウイニングポスト10 2024』の提供でお届けします。
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基本的には“おまかせ”。指示は要所要所で出すだけ
『ウイニングポスト』シリーズでは、プレイヤーはオーナーブリーダー(馬主兼生産者)となって競走馬を走らせたり、生産したりしながら競馬界の頂点を目指していく……といっても、厳密なゴールや条件は存在せず、資金繰りに困って破産しなければ何年だって自分のペースで続けていけるようになっている。
1年は52週に区切られていて、1週=1ターンとして時間が進行していく。ターンごとの行動制限はなく、満足いくまで行動が可能だ。裏を返せば、まったく何もしなくてもゲームは進められるので、ラクしようと思えばいくらでもラクできるのも特徴。チュートリアルがひと通り終わるとオート進行機能なんてものも解禁されるので、バンバン飛ばしながらプレイできるのだ。
さて、ここからはプレイヤーがプレイ中に“やること”、“やれること”を説明していこう。
【馬主要素】
本作では、所有馬を調教師に預けた後に毎ターン調教の指示を出す必要はない。基本的には“おまかせ”で、調教師が自動で調教を行ってくれる(ゲームが進むと、調教の方針を指示することは可能)。プレイヤーの仕事は、競走馬の適性や個性、体調に合わせて出走するレースや騎手を変更したり、放牧、引退の指示を行うことである。
じつは、それらの指示でさえも調教師に丸投げできる。むしろ、現実はそうなっているだろう。ただ本作はゲームなので、自分で細かく状況をチェックして指示を出したほうが勝率を上げられるし、楽しい。
なお、調教は自動で行われるが、『ウイニングポスト10』シリーズでは“史実調教”という介入要素が導入されている。詳しくは後述するが、プレイヤーが任意で行える追加の調教のようなものだと考えてほしい。
【生産者要素】
プレイヤーは自分の牧場を所有している。そこで、毎年5月~6月に種付け(配合)して競走馬の生産や、デビューに向けて幼駒を育成していく。牧場ではほかにも、幼駒の育成や放牧中の競走馬に影響がある“牧場施設”の建設、拡張も行える。
一方、毎年特定の月に幼駒や繁殖牝馬などのセール(セリ市)が開催される。それに参加すると、他牧場の幼駒や繁殖牝馬の購入、自牧場の幼駒、繁殖牝馬の売却ができる。セール以外にも、いつでも他牧場を訪れて直接幼駒や繁殖牝馬を購入することもできる(庭先取引)。ゲーム内で好走してくれる可能性が高い有力な史実馬は、この庭先取引がおもな入手手段となっている。
本作ではいかに“強い馬を手に入れる”かが勝負の分かれ目となっているところがあり、この生産者要素はとくに大事。ただ、もちろん“コツ”はあるので、それについては次項で触れていく。
【イベント要素】
人や馬との交流が描かれるイベントが随所に挿入されているのも『ウイニングポスト』シリーズの魅力。競馬場では何かとライバル馬主との会話イベントが発生するし、ほかにもゲーム内で条件を達成すると“知人”との出会いやイベントが起こる。イベントを通じて関係を深めていくと、異性の知人とは結婚することもできるようになる。
なお、結婚すると子どもが生まれ、自分の後継者にできる。また牧場スタッフや騎手としても育てられ、その後海外で騎手、調教師としてデビューしたり、アイドルになる……なんてことも。
【シナリオ】
ゲーム開始時には1973年、1984年、1991年、1998年、2005年、2012年、そして2025年と7つの開始年が異なるシナリオを選べる。2025年を除く6つのシナリオでは、数多くの史実馬が競走馬として登場し(自分の所有馬として購入、生産もできる)、歴史を追体験することも可能だ。史実をなぞったプレイをするもよし、新たな歴史を刻むもよし。好きな競走馬がいる人にはオススメだ。
一方、2025年開始シナリオでは、史実馬は種牡馬、繁殖牝馬だけで現役の競走馬としては登場せず、競走馬はすべて架空馬。“実例”という道しるべがないので、プレイヤーの配合テクニックが試されることになる。そのため初心者がいきなりプレイするにはややハードルが高いが、よく知った種牡馬や実名騎手たちが最初から出てくるので、なじみやすいのもポイントか。ゲームに慣れてきたら遊んでみてほしい。
人によってプレイスタイルは異なるが、だいたいゲーム内の1年に2~3時間、世界の頂点を狙うのに20~30年くらいはかかるので、4、50時間くらいは優に遊べる作品である。ただ、それだけじっくり遊ぶタイプのゲームなので、まずは1本“お試し”で遊びやすい1973年シナリオなどをプレイしてみて、その後“本プレイ”に挑むのがいいかもしれない。
オススメは、自分の好きな年代の“ひとつ前”の年代のシナリオを選ぶこと。数年プレイしてある程度牧場が豊かになり、万全の体勢になればより楽しめるはずだ。
序盤の進めかた。金のお守りで有力史実馬をゲットすればラクになる
やること、やれることがふんだんに用意されている本作。それだけにチュートリアルもボリューミーで、序盤はいったい何をしたらいいかわからないという人もいることだろう。ここでは、序盤の方針などを紹介しよう。
最初の馬主登録では、牧場の開設場所と牧場長、このふたつ以外は好きに選んでいい。牧場は種付けや種牡馬収入が有利になる静内や新冠、浦河など牧場や種牡馬、繁殖牝馬が多い場所を選び、牧場長も初期能力が高めな駒野みのりか橘もえぎ、牧野良夫らから選びたい。なお、牧場長はゲームが進むと10年ごとに交代させられるようになるので、施設が充実してきたらビジュアルや将来性重視で変更するのもありだ。
初期設定が終わって1年目は、秘書から定期的に“目標”が指示される。基本的にはそれに沿ってプレイすればいい。もっとも、最初はレースに出せる所有馬が少なく、ほとんどやることがない。1~2年目は所有馬の出走するレースを決めたら、あとは秘書の指示通りに進めていればオーケーだ。
また、初めて『ウイニングポスト』シリーズをプレイするという人や、『ウイニングポスト9』シリーズや前作『ウイニングポスト10』のセーブデータがない人は、各機種で配信される体験版をプレイしておくといい。体験版をプレイすると体験版ボーナスとして、“金のお守り”と所持金5億円がもらえる。それを使って1年目の3月以降に、庭先取引で有力な史実馬の幼駒や繁殖牝馬を購入するのだ(0歳馬は5月以降)。
たとえば、1973年シナリオなら1歳馬のカブラヤオーやテスコガビー、0歳馬のトウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス(4月の出産前ならその母であるソシアルバターフライ、ワカクモ、ダーリングヒメ)など。史実でも活躍した有力馬を手に入れられれば、あとは放っておいてもとんでもなく活躍して資金や新たなお守りを稼いでくれるのでその後のプレイがグッとラクになる。
完全初プレイでお守りがない人は、最初にもらえる馬でお守りを獲得していくといい。オススメは夏に行われる“サマーシリーズ(2000/マイル/スプリント)”。これを制覇すれば“銅のお守り”を獲得できる。
本作では、お守りを使って購入した素質馬がデビューしてから、つまり3年目くらいからが本当の勝負となる。それまでは、“史実調教”などを試してみたりしてゲームに慣れることを心掛けるといい。
5~6月に行われる種付けも、満足いく配合ができるようになるには種牡馬、繁殖牝馬がある程度揃ってからになるので、序盤は深く考えなくていい。基本は配合評価と爆発力でソートして、それらふたつが高い組み合わせを配合するのがオススメ。
一方、セールで幼駒や繁殖牝馬を買ったり、牧場施設を建設するのにはかなりの資金が必要となる。何も考えずに序盤からバンバン使っていると、すぐに所持金がなくなってしまいゲームオーバーになる恐れも。セールではムリする必要はないし、牧場施設も序盤では獣医施設と観光施設を建てておくといいくらいで、あとは3年目以降にエースが活躍しだしてからでも遅くはない。
じつはこれらが最重要! 序盤から役立つTIPS
先に「あまりすることがない」と書いたが、その中でも“やるべきこと”、“知っておくべきこと”が存在する。それらの超基本事項&テクニックを紹介しよう。
所有馬の“馬具”を“オート馬具”に設定する
馬具には気性を抑える効果があるものも。所有馬はすべてオート馬具を実施しておこう
調教師に指示できるようになったら、騎手を有力騎手(できれば◎以上の能力持ち)にチェンジする
騎手選びは“得意ウマソナ”や特性にも注目して行おう。また“主戦騎手”の設定も忘れずに。ただし、有力騎手は仲よくなっておかないと他の競走馬に乗ってしまうことも
レースは基本的に“調子◎”で出走させる
レース直後でもないのに調子のグラフが下向きになったら“放牧”で1週間休ませる
調子が下がってしまったら、短期放牧に出すとふたたび上向きになる
疲労は△以下になったら要注意。3週間以上の放牧に出して回復させる
また、以下の要素はどうしても勝てないときに試してみるといいだろう。
勝てないGIに出すよりは、勝てるGII、GIII、オープン特別へ
作戦指示で結果が変わることも。得意戦法でなくても、相手の作戦によっては勝ち目が出てくる
慣れてきたら意識すること
ウマーソナリティやアイドルウマップなど、本作には独自のシステムも登場する。これらを意識して活用できるようになると、勝率も上がる。ただ、所有馬すべてで実行しているとかなりの労力が必要となり、またいずれもすぐに効果が出るわけではない。そのため、エース級の2~3頭くらいだけ気をつけていればいいだろう。
史実調教は馬の成長にプラスアルファをもたらすもので、デメリットは体力の消耗くらい。使用回数は翌月に持ち越されないので、回数が残っているときはすべて使い切らないともったいない。
史実調教では大成功確率にも注意しよう。大成功を引き当てると、大きく成長できる。
ウマーソナリティも、活用すればもともとの能力以上の力が発揮できるようになる。各ウマソナの成長もしくはマイナスを消すために必要となる行動は、それぞれの“ウマソナ一覧”に書かれている。ムリのない範囲でそれを狙った行動をするといいだろう。
本作からの新要素“アイドルウマップ”は、出走するレースや作戦の選択など、各分野の人々が期待している通りの行動をすることでメリットが得られるというもの。愛馬が活躍して“競馬ブーム”が起きたときの育成への恩恵は大きく、とくに“個性”がたくさんついている馬がいれば積極的に狙っていきたい。1973年シナリオではふつうに進めればゲーム開始1年目の春にハイセイコーによる競馬ブームが発生するようになっているので、まずはそこで効果を実感してみよう。
競馬“シミュレーションゲーム”の肩書きは伊達ではなく、過去50年以上もの中から多数の史実馬(レース中は実況がその名を読み上げてくれる!)や実名騎手、調教師が登場していたり、2024年度の最新レースが反映されていたりと、競馬ファンにとってはたまらない要素が詰め込まれている『ウイニングポスト10 2024』。
やれることが多く、一見とっつきづらそうに思えるが、基本的な知識さえ押さえておけば気軽に遊べるゲームでもある。まだシリーズをプレイしたことがない人は、ぜひプレイしてみてほしい。まずは各機種で配信中の体験版を試してみるといいだろう。
...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202403/14336633.html