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「ここからが新しいえのぐのスタート」2025年初ワンマン直前、VRアイドル・えのぐロングインタビュー | PANORA


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「ここからが新しいえのぐのスタート」2025年初ワンマン直前、VRアイドル・えのぐロングインタビュー
2024年12月28日 18:00 VTuber

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2018年3月のグループ結成後、「VRアイドルを誰でも知っている当たり前の存在にすること、その上で世界一のVRアイドルになること」に挑み続けている3人組VRアイドルえのぐ(鈴木あんず、白藤環、日向奈央)。
デビュー前から所属していた岩本町芸能社の廃業・倒産により、メンバー自らが立ち上げた「えのぐ合同会社」体制がスタートした2024年も精力的に活動。数多くのステージに立ち、2025年1月4日(土)と5日(日)に開催される「enogu Re:1st one-man Live -THE FIRST」に向けて実施されたクラウドファンディング「あなたとつくる!えのぐ 2DAYS ONE-MAN LIVE プロジェクト」では、目標金額の300%を越える3039万5643円もの支援を集めて、大きな話題も集めた。
えのぐ激動の2024年の年末、PANORAでは、恒例のロングインタビューを実施。2024年を振り返りつつ、間もなく開催される2025年最初のライブ「enogu Re:1st one-man Live -THE FIRST」に対する思いなども語ってもらった。
会社員としてやらなきゃいけないことがすごく増えた
──2024年は、さまざまなことが変化した1年だったと思うのですが、特に大きな変化だったと感じることを教えてください。
日向奈央 今年は、独立して活動の方針を一部見直したこともあって、ソロの活動がけっこう増えた1年だったなと思います。歌枠リレーへ参加したり、「ニコニコ超会議2024」(の「超VTuberのうたいばステージ」)に出演したり、グループの代表としての個人活動にも力を入れた1年でした。ただ、コラボの配信や動画収録で、ひなおは、全然上手く話すことができないことに気づいてしまって(笑)。えのぐは、今までコラボをあまりしてこなかったこともあって、お相手のフィールドでは自分を表現することができず、今後の課題だと感じたので、経験を積むためにも、もっとコラボをしたいという気持ちがすごく強くなったし、トークスキルをもっと上げたいと思うようになりました。
白藤環 奈央ちゃんが、活動に関する話をしてくれたので、私は会社的な話をしたいと思うのですが、今年はやっぱり数字との向き合い方が大きく変化した1年だったと感じています。もちろん、今までも動画の再生数だったり、チャンネル登録者数、フォロワー数などの数字は気にしていましたが、昨年までに比べて、かなりシビアに分析して、目標を立てて見るようになりました。また、これはお金の話になってしまうのですが、売上金額とか出演料みたいな経営上の数字は、昨年まで、自分たちでは管理しなくてよかったんです。でも、独立後は、そういった、あまり触れてこなかった数字も自分たちで管理するようになって。数字との向き合い方や考え方は、大きく変化したところだと思っています。
鈴木あんず 環ちゃんも言ってくれたんですけど、今年は自分たちで会社を立ち上げたから、アイドルとしてはもちろん、会社員としても、やらなきゃいけないことがすごく増えて。特に楽曲やグッズの発注だったり、請求書の処理、お問い合わせへの回答などのデスクワークは、慣れないことや分からないことが多く、今でもまだまだなのですが。この1年間でたくさん経験してやれることが増えてきたので、これからもっと頑張っていきたいなと、すごく感じた1年だったなと思います。
──日向さんのお話にもありましたが、今年は3人とも個人のYouTubeチャンネルを開設するなど、個人での活動が非常に活発になった印象があります。日向さんは、トークスキル以外にも刺激を受けたり、特に印象的だったりしたことはありますか?
日向 ダンス関連のコラボにソロで出させていただく機会が何回かあったんですけど、えのぐとはジャンルが違うダンスというか、アイドル振りじゃないポップスやヒップホップ系のダンスとかを一緒に踊らさせていただいて、すごく楽しかったし、勉強になりました。多分、ファンの人も「こういうダンスも踊れるんだ」って、びっくりしてくれたと思います。
あとは、YouTubeで個人チャンネルを設立する前は、3人ともバラバラの所(プラットフォーム)で配信していたのですが、ひなおが配信していたサービスには、アーカイブ機能が無くて。観られるのが、リアルタイムで視聴できる人だけに限られちゃってたんです。でも、YouTubeになったことで、ひなおの個人配信を観に来てくれる人も増えましたし、アーカイブが残るからこそ、日記みたいな、その日あったことを見に来てくれた人たちとわいわいおしゃべりする、みたいな使い方ができて。いい意味で”気の抜ける場所”になっていると思います。

【初配信】日向奈央です!【自己紹介】
──個人配信で、今後、挑戦したいことはありますか?
日向 「アイドル」である自分と、ある意味、切り離して運営できるチャンネルを持つことで活動の幅がすごく広がって、ゲームのコラボなんかもやりやすくなりました。ゲーム関連の配信だと、まだ麻雀コラボしかやったことがないので、もっといろいろなゲームコラボとか、企画のコラボをやっていきたいです。あと、配信ではないですが、来年もまた「ニコニコ超会議」をはじめとする大型のイベントに出られるように、個人での活動も頑張っていきたいと思います。個人で幅広く活動することも、グループに貢献する方法の一つだと思うので。
白藤 外交担当の日向奈央さんには負けるのですが、私も今年、たくさんのコラボや歌枠リレーに出させていただいて(笑)。
日向 あはは(笑)。
白藤 学ぶことの多かった1年だと思っています。特に、ガンダムやロボットアニメの歌枠配信をたくさんしたのですが、それをきっかけにご縁が繋がって、新しい出会いもたくさんありました。

【歌枠】劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開記念!ガンダムSEEDシリーズ縛りでカラオケするぞ~~~~【白藤環/えのぐ】
──ガンダムがきっかけで、友達が増えたのですね。
白藤 はい。やっぱり、ガンダムやロボット作品は、歴史も長いしファンの方の熱量も高くてコンテンツ愛がすごいんだなと思ったし、私は、まだ知らない作品もたくさんあるので、来年もいろんな作品を観たいです。関連作品のゲーム実況にも挑戦したいですね。あとは、配信の話ではないのですが、個人的な活動としては、またMCやナレーションのお仕事をやりたい気持ちが大きくて。このインタビューを読んでくださった方の中に、バーチャルアイドルに任せたいお仕事があるぞという方がもしいらっしゃったら、ぜひオファーをお待ちしています(笑)。いつお声がかかってもいいように、練習してます!
──鈴木さんは、昨年までも、ゲーム実況を行っていましたね。
鈴木あんず はい。私は、けっこう前から個人でのゲーム実況配信をやっていたのですが、今年は配信をする回数が少し増えました。実況するゲームのジャンルも、コアなものからカジュアルに見れるものまで、どうやったら視聴してくれる人たちに楽しんでいただけるか考えて選んでいます。ゲーム配信以外だと、羊毛フェルトでネコやアザラシを作ったり、最近だと朗読配信にも挑戦しています。あと、私も個人で歌枠リレーに誘っていただく機会が何度かあったのですが、なぜかいつもタイミングが悪くて……。一度も参加できていないのですが、参加したい気持ちはすごくあります。

【雑談】羊毛フェルトで新たな友達作り・アザラシ編【鈴木あんず/えのぐ】
──鈴木さんが歌枠リレー配信に参加しているのを観たことが無かったので、あまりそういった企画に乗り気では無いのかなと思っていました。
鈴木 全然、そんなことはなくて。いつも何かしら別の予定とスケジュールが被ってしまうだけなんです。ほんとに悲しい……。
──そのことは、しっかりとアピールしておきたいですね。
鈴木 はい。来年は個人でも、そういった歌枠リレーだったり、いろんな方とのコラボ配信なんかができたらいいなとふんわり思いつつ、歌や声のお仕事にも、また挑戦したいです。奈央ちゃんも言ってましたが、えのぐを知っていただくきっかけは多い方がいいですし、そのために私も、できることを模索しています。
100曲耐久配信を通して、歌唱力も成長できた
──2024年の活動を振り返って、特に手応えを感じていることや、もしあれば、来年以降の課題だなと思ったことなどを教えてください。
日向 さっきの質問でも少し話してしまったんですけど、外部の方とコラボした中で、対人トーク力がすごく課題だなと思っていて。ありがたいことに、こうやってインタビューをしていただける機会は結構多いので、インタビュー力みたいなのは、たぶん初めの頃よりは培われてきたかなと思うんですけど、インタビューって基本的にはターン制じゃないですか。
──言われてみれば、確かに。
日向 でもコラボは「はい、次はひなおが話すターン!」みたいな取り決めがないので、いつも「今、話していいのかな?」とか気を使ってしまって。せっかく振っていただいても、瞬間的に上手い返しとかが全然できないんです(笑)。それに、えのぐの場合、生放送の時でも進行台本を用意しているので、配信の大まかな流れは、ある程度、決まっているんですよね。
でも、他のバーチャルタレントや配信者さんとのコラボだと、例えば最初に自己紹介があって、最後に告知があるってことがとおおまかに決まっているだけで、そのほかは全部アドリブって感じで、一切、台本が無かったりして。それでもみなさんは当たり前にトークできるし、配信を盛り上げることもできるんです。だから来年は、そういう場でも物怖じしないで対等に話せるように経験を積んでいきたいです。これまで積み重ねてきたライブのスキルにアドリブ力が融合したら、今よりもっと表現の幅が広がると思うので。ただもちろん、全ては基礎があってのことなので、歌とダンスも引き続き、スキルアップしていきたいと思っています。
──では、手応えを感じたこともありますか?
日向 11月の誕生祭(「【えのぐ】日向奈央23rd 誕生祭 LIVE」)で、バーチャルインストバンド「YAY(イェイ)」の皆さんとご一緒できたことは、すごく嬉しかったですし、新たなライブの可能性を開拓できたんじゃないかと思っています。ワンマンライブなら生バンド演奏でパフォーマンスする経験は何度もあるんですけど、バーチャルミュージシャンの方とも一緒に何かできたらなと、ずっと思っていて。それが実現したのが「YAY」の皆さんとコラボした6月の「VRide(Vol.10)」だったんです。
こういうことがお互いにわりとカジュアルな方法でできるなら、誕生祭でもお招きして、また一緒にやれたらと思っていたのですが、すごく素敵な形で叶えることができました。楽器演奏をするバーチャルアーティストさんはたくさんいるので、こういう形のコラボが業界的にも増えたら、これまでバーチャルライブにあまり触れてこなかった方でも、興味を持っていただくきっかけになるんじゃないかって思っています。

【切り抜き】NoReason / 日向奈央 feat.YAY 【#日向奈央23rd誕生祭ライブ】
白藤 私も2025年の課題だと思っていたことは、奈央ちゃんが語ってくれたトークの話とまったく同じでした(笑)。ちょっと裏話的な話になってしまうのですが、私たちのトークやMCは、練習量の賜物なんです。何度も繰り返し練習し試行錯誤して、いかに伝えたいメッセージをわかりやすい言葉で的確に伝えるかを追求しています。だから、想定外の流れとかに弱いんですよね。今よりもっと成長するために、いままでの「練習するトーク」に加えて、より柔軟に対応できるように、自分自身をアップデートしたいと思っています。
──では、手応えのあったことは?
白藤 今年、達成できたぞってことで言うと、今年は会社経営が手探りで、今までに経験がないことばっかりの連続だっただから、独立したばかりの頃は、そっちに時間を取られてパフォーマンス面での成長が、例年に比べたらゆるやかになるんじゃないかなと、すごく心配していたんです。
でも、それは杞憂で。例えば、今まで触れてこなかった制作の知識などが深まったことで、「そういう条件なら、こう歌った方がいいよね」みたいな、いままで漠然とやっていたことに根拠を持てるようになりました。一見遠回りでパフォーマンスには関係ないようなことでも、視点を変えてみたら、無駄なことなんて一つもないんだって学んだ1年だったんです。あとは、7月にYouTubeで100曲を歌う耐久配信(【アイドルの本気】「100曲」歌い切るまで終わらない耐久歌枠配信!)をやりまして。その配信を通して、メンタルや疲労しにくい喉の使い方、そして、いろんなアーティストさんの曲をカバーして歌うことで、歌唱の表現力も上がったんじゃないかな、と手応えを感じられました。

──100曲耐久に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。
白藤 100曲耐久配信の1か月前に、あんずがフルマラソン耐久配信(【アイドルの本気】「42.195km」走り切るまで終わらない耐久マラソン配信!)に挑戦していて。それに触発されたというか、私も、自分自身の殻を破ることにチャレンジしたいと思ったんです。それに「100曲耐久配信」って、えのぐや私のことを全然知らない人にも、「なんか面白そうなことやってるな」って観てもらえるきっかけになるじゃないですか。だから、自分自身の成長と、グループの知名度拡大のために、やるしかない!と思って、挑戦しました。
──実際に「初見です」というコメントもたくさんありました。
白藤 元々は、私のことを全然知らなかったのに、あの配信をきっかけに応援してくださるようになった方もいらっしゃるんです。普段、歌わないジャンルの曲も数多く練習したことで歌い方や表現の引き出しもすごく増えたし、100曲を歌い切るために、いつものように120%の力ではなく、少し力を抜いてリラックスした歌い方にも挑戦したんですけど、そういうアプローチの方が魅力的な楽曲もあることにも気づけて、本当にやってよかったです。

鈴木 私は、毎年、ファルセット(通常の声域より高音で歌う唱法)が課題だと言い続けているのですが、今年はそれに加えて、柔らかい歌い方の研究もしていたんです。私は、歌詞の意味とか、曲が作られた背景にあるメッセージを伝え切るための表現力を磨きたいと思っているので、そのための挑戦でした。それで、とある曲のレコーディングのとき、(スタッフに)「ファルセットができるようになってる」とか、「新技が増えてる」と褒めていただけて。そういう意味では成長できているのかも、という手応えをすごく感じられた1年でした。
──柔らかい歌い方の研究は、ご自身で決めた課題だったのですか?
鈴木 はい。私の歌は、「繊細だけど、力強い」と言っていただけることが多いのですが、昨年、改めて自分のパフォーマンスを見直していた時に、ちょっと力強すぎるというか、歌が硬い印象があって。グループのバランス的に2人の歌い方と合わないと感じることが、けっこう多くて。だから今年は、力強くて硬いだけじゃなく、少し柔らかい優しい歌い方も使い分けていきたいなと考えて、ボイトレでは、繊細な曲の練習をしたり、ライブでも、できそうな曲では、優しさもすごく意識して歌っていました。
──その結果、新技ができたと言われたのですね。
鈴木 落ちサビのパートとかで、ちょっと囁くというか、喋っているような吐息多めの歌い方をやったら、そう評価していただけて、「これ新技だったんだ」って(笑)。ファルセットは、前よりもできるようになったのかなと自分でも思っていたのですが、いつもレコーディングをしてくださる方に、そういっていただけて嬉しかったです。だからこれからも、いろんな歌い方を学んで、表現力を鍛えていきたいって思っています。
6周年記念ライブは、すごく特別で大事なライブだった
──2024年に出演したライブの中で、今年最高のパフォーマンスができたと思うライブや曲を教えてください。もちろん、すべてが最高だったという前提の中で、特に選ぶならという形で伺えればと思っています(笑)
日向 今年もいっぱいライブに出させていただいたので、めっちゃ悩むんですけど。ひなお個人の決まったときの嬉しさや思い出も込みで言えば、やっぱり「ニコニコ超会議2024」だと思います。ソロ2曲と全員で歌う曲の全3曲を歌わせていただいたのですが、全員で歌う「千本桜」のピアノバージョンで、イントロのアカペラのところを任せていただいたんです。ひなおのアカペラから「千本桜」が始まるんですよ。すごくないですか?(笑)
──責任重大なパートですね。
日向 小さい頃から大好きで憧れていた「ニコニコ超会議」に出演できただけでも嬉しかったのですが、さらに好きなボカロ曲で、すごい大役を任せていただけたことで、より嬉しかったです。実は、元のキーよりも少し低いキーで、いつも歌ってるキーとは違っていたので、本番まで、かなり時間をかけて練習していました。自分の中での反省はありますが、あのときに出せた100%のパフォーマンスができたと思っているので、すごくいい経験だったし、いい思い出になってます。また一つ、夢が叶いました!
白藤 私もすごく悩みました。えのぐは、常に最新のパフォーマンスでそれまでの最高を更新することに挑戦していると公言しているので、最新のライブが一番……と言いたい気持ちはあるんですけど(笑)。でも、これも思い出補正込みですが、8月の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2024」は、去年(2023年)までの「TIF」とはまた違った気持ちと決意でステージに立てたし、想いの乗り方がやっぱり違ったかなと感じています。
──去年までとは、どのように変わったのですか?
白藤 去年までは、2年連続で「TIFアイドル総選挙」に出馬(参加)していたので、ステージに立つ私たちはもちろん、ファンのみなさんもすごく熱い想いで応援しに来てくれていたと思うんです。でも、今年は、そういった競い合いみたいな企画はなかったので、ある意味、最初にTIFに出演した時のような初心に帰って楽しむことができました。もちろん、自分たちが楽しむだけでは駄目だし、えのぐを知らない人もたくさんいる場所だったから、緊張はしたんです。でも、当日は自分たちのライブパフォーマンスに自信を持ってステージに立てたし、メンバー全員の気持ちが一つになっていて、会心のパフォーマンスができたと思いました。
やっぱり、あんずと奈央ちゃんの気持ちが乗っていると、私も楽しくなっちゃうし、なによりファンの人たちが楽しんでくれているのを見ると、もっともっと力が湧いてくる。今年で5回目の出演ですが、いつまで経っても「TIF」は私たちにとって特別なステージだし、いい思い出も苦い思いでもたくさんある。だからそういう歴史も込みで、今年も印象深いステージでした。

【焼肉】TIF2024お疲れ様でした!!!!打ち上げだああああああ!!!!!!【#えのぐ】
──2019年の初出場から開催された「TIF」にはすべて出演していて、えのぐも「TIF」の常連という印象ですが、やはり特別なイベントなのですね。
鈴木 そうですね、特別です。もちろん私も一つ一つのライブを全部大事にしているし、それぞれに「これはよかった」みたいなポイントが絶対に一つはあるんですけど。でもやっぱり、大きいライブやステージだからこその緊張感とか、「チャンスを掴むんだ!」って気持ちが強いときは、2人も私もすごくテンションが上がっていて。相乗効果みたいな感じで、お客さんの熱気というか、ボルテージもどんどん上がっていくんです。
それをすごく体感したという意味では、環ちゃんが言ってくれたように、「TIF」は特別なステージだと思います。あと特別といえば、5月にZepp Diver Cityでやらせていただいたワンマンライブ「enogu 6th Anniversary Live #2589日目の奇跡」は、すごく特別で大事なライブだったと思います。あのライブのパフォーマンスには、元所属事務所の岩本町芸能社さんへの感謝とか、独立後の不安や期待とか、変わらず応援してくださる方々への気持ちとか……本当にいっぱいの想いを詰め込んでいて。まさにあの瞬間の私たちにしかできない、特別で、最高に楽しい時間だったなという思い出深いライブです。

──前体制で準備してきた最後のワンマンライブだったと思うのですが、また、この大きなステージに戻って来るんだという思いはありましたか?
鈴木 そうですね。やっぱり、Zepp Diver Cityは「TIF2019」で一度立って以降、特別な場所なので、またあのステージに立ちたいし、もちろんもっと大きな場所にも立ちたいなという思いはあります。だから、次のharevutaiでのワンマンライブも大成功させて、そうしてまた一歩ずつ実績を積み上げて、大きなステージにふさわしいアイドルグループになりたいと思います。
──9月30日(月)から11月11日(月)に実施されたクラウドファンディング「あなたとつくる!えのぐ 2DAYS ONE-MAN LIVE プロジェクト」についてもうかがわせてください。目標支援金額1000万円というクラファンを始めるにあたっては、いろいろなことを考えたと思うのですが、スタート時点では、どのような気持ちでしたか?
白藤 他の方が実施したクラファンを研究したり、本当にたくさん時間をかけて準備しましたし、CAMPFIREのページも何度も作り直しました。だから「これなら私たちの気持ちが伝わる!」という自信はありましたが、この規模感でのクラウドファンディングは初の試みだったので、気持ちが伝わった上で、それでもなおファンのみんなに受け入れていただけるのか、正直発表するまではめっちゃ不安でした。
鈴木 うん。
日向 不安だったー。
白藤 だから、「クラファンを実施します」と発表したとき、自分たちが思っていたよりもたくさんの人が賛同して応援してくれたのは、すごく嬉しかったです。でも、その後の実際にクラファンが始まるまでの期間は、もし失敗したらどうしようという気持ちがずっと付きまとっていました。私たちのクラファンは、オールイン形式と言って「目標金額が集まらなくてもライブはしますよ」というフォーマットだったので、クラファンに失敗した時には、今後の活動が継続できないかもしれないという不安がありました。

──要は、ライブ開催に必要な1000万円は集まらなくても、自己資金だけでライブをやりますということですよね。
白藤 そうなんです(笑)。だから、初日で無事に1000万円を達成して、本当に心から安心しました。
──その後、「1300万円」「1500万円」「1800万円」「2300万円」とストレッチゴールも次々と達成し、クラファン最終日の11月11日(月)には、えのぐのYouTubeチャンネルで、12時間の見守り配信が実施されました。なぜ、12時間もの見守り配信を行おうと思ったのですか?
白藤 誰が最初に「12時間やろう」って言ったんだっけ? 
日向 誰だろう? ひなおか環だった気がするよね。
鈴木 うん。
日向 やれることは全部やり切りたいなっていう気持ちで、仮に最後のストレッチゴール(3000万円)を達成できなかったとしても、今までクラウドファンディングを支援してくれた人たちへの感謝をどうしても伝えたくて。だから、見守りと言いつつも、応援や支援をしてくださったことに対するありがとう配信みたいな気持ちで実施しました。最後の瞬間を応援してくれた人たちと一緒に過ごしたいと思ったんです。だから、いろいろな企画を、「あーでもない、こうでもない」と言いながら何日も3人で考えました(笑)

──感謝を告げる12時間だったのですね。
日向 目的は、それだったよね。
白藤 うん。「最後だから、みんなあと少し支援をお願いします!」という配信ではなくて(笑)。シンプルにみんなへ「ストレッチゴールもこんなに達成したよ、本当にありがとう!」という気持ちをしっかり伝えたいなという配信でした。
──クラウドファンディングを発表した時点で設定されていたストレッチゴールは、1800万円までだったので、当初は「もし1800万円まで行けたら、最高に嬉しい」という感覚だったわけですよね。
日向 そうですね。1800万円のストレッチゴールを達成したのも、最終日の1週間前だったので、そこから最後のストレッチゴール(3000万円)まで、さらに1200万円って……。
白藤 正直、最後のストレッチゴールまで達成できるとは思っていなかったよね。
鈴木 思ってなかった(笑)。
日向 うん。
白藤 だから、みんなに感謝を伝えながら、一緒にワイワイ見守ろうかなって気持ちだったんです。でも、最後の30分くらいで、あと少しで3000万円というところまで来ていて。普段なら絶対に言わないわがままなんですけど、「本当にごめんなさい。でも、もうちょっとだけ頑張って欲しいです」って、お願いしちゃいました。
支援金3000万円を突破し、満面の笑顔になるえのぐの3人
──しかし、3000万円を達成してクラファンが締め切られた後、次々とお祝いのスーパーチャットを投げるファンに向けて、「スパチャは投げないで」「もう今日はスパチャはいらない」と言っていたのが、えのぐのみなさんらしいなと思いました(笑)
日向 クラウドファンディングでたくさん支援してくださったのに、さらにスパチャを投げてくれるなんて、申し訳なさ過ぎて。
白藤 もう投げないでーって(笑)
日向 もちろん、スパチャは有難いんですよ。でも、今はいいよーって気持ちでした(笑)
白藤 だから、えのぐは、それから2ヵ月くらいスーパーチャット機能を止めています(笑)
日向 今はこれ以上、みなさんに無理して欲しくないので、スパチャができないようにしました(笑)
まだまだ成長、進化を続けるえのぐから目を離さないで
──クラファンの大成功によって、全編生バンド演奏にグレードアップし、YouTubeでの無料生中継配信も実施される2025年最初のワンマンライブ「enogu Re:1st one-man Live -THE FIRST」は、どのようなライブにしたいですか?
日向 いつも最高のライブにしたいという気持ちが強すぎて、毎回、同じような感じになってしまうんですけど(笑)。今回のワンマンも皆さんのご支援のおかげで、全編生バンド演奏が実現しました。まだ、バンドではあまり聴けてない曲もいっぱいあると思うし、これまでのライブでバンドアレンジしている曲も、また違ったアプローチのアレンジになったりもしていると思います。バンドメンバーさんは、すごいプロの方ばっかりなので、本番のテンションになったら、リハとはまた違った演奏をしてくださるので、どの曲も唯一無二のバンド演奏になるはず。
もちろん、私たちもライブテンションで、いつもと違った歌い方や煽り方になったりすると思うので、このワンマンならではのパフォーマンスを楽しんでいただけるライブになると思います。パフォーマンスリーダーとして、絶対に楽しいライブをお約束します!
白藤 繰り返しになりますが、このワンマンは、皆さんのご支援のおかげで開催できるライブなので、いつにも増して感謝の気持ちを伝えたいですし、えのぐという物語を一緒に描き続けたいって思ってもらえるライブにしたいです。「Re:1st one-man Live」なので、ここからが新しいえのぐの第一歩だと思ってもらいたいし、このライブを見て「えのぐってやっぱり良いな、誇らしいな」と思って欲しい。応援してくださった方には、「応援して良かった!」と心の底から感じてもらいたいです。
やっぱり、アイドルだけでライブはつくれないので。この公演を通して、みんなで一緒にライブをつくる楽しさ、一緒につくりあげた景色の美しさ、そういう“青春”を、実感してもらえるライブにしたいです。
──会場は、池袋にある未来型ライブ劇場「harevutai」ですが、えのぐさんは、「harevutai」のステージに立った経験はありますか?
白藤 はい。ワンマンは初めてですが、対バンライブでステージに立ったことはあります。今までのワンマンの会場より、会場で応援してくださる方々との距離が確実に近いので、新しい演出面の試みも準備しています。ネタバレになっちゃうから、まだ皆さんには言えないんですけど(笑)。今回の公演の”キモ”であり、演出の意図に私たちからのメッセージが込められているので、楽しみにしていただきたいです。
鈴木 「えのぐ合同会社」としては、初めて単独で企画したワンマンライブなので、ここからまたみなさんと一緒に、一からえのぐのライブを作っていけたらと思っていて。今回、皆さんの応援のおかげでたくさんの目標が叶っているので、これまで以上に感謝を込めて、今持っている力を全部出し切って、楽しさでいっぱいのライブにしたいなと思います。皆さんと私たちにしか作れない景色を生み出して、2025年、年始から最高のスタートを切りたいなってすごく思っています。
──キャリアを積んで来たグループのライブタイトルが「Re:1st」で「THE FIRST」であるというのはとても面白いと思うのですが、改めて、どのような思いを込めたタイトルなのでしょうか?
鈴木 これまで積み上げてきたものも当然大事ですけど、「えのぐ合同会社」としては初めて単独で企画したワンマンということで、会場の規模などもいつもとは少し違います。だから、ここからまた新しい一歩を踏み出そうっていう意味もあって。みんなと一緒に、ここから一歩ずつ進んで、私たちと皆さんで、共にライブをつくっていけたらなっていう気持ちがこもっています。全部言ってしまうとタイトルのネタバレになってしまうので、多くは言えませんが……。「1」という数字に、様々なメッセージを込めているので、ぜひライブをご覧いただけると嬉しいです。
──新しい一歩ということで、まだ、えのぐのライブをまだ観たことが無い人たちに向けても「enogu Re:1st one-man Live -THE FIRST」のアピールポイントを教えてください。
日向 まず一つは、恒例の生バンド演奏のライブということ。それに、えのぐは、ライブに懸けるグループなので、歌もダンスも7年間、真剣に取り組んできました。そういう練習がものを言うところでは、他のバーチャルアーティストの方々にも絶対に負けないライブをする自信があります。今回も私たちは、全身全霊を注いで120%の力でライブパフォーマンスをするので、たぶん、これまでバーチャルアーティストの方のライブを観てきた方も、未知の体験ができると思っています。オンラインライブでしかライブを観たことがない人も、ぜひ機会があれば現地に来て、生バンドのサウンドや私たちの生歌、生のパフォーマンスを浴びて欲しいです。
もちろん、配信でも100%楽しんでもらえるライブをお約束するのですが、やっぱり、現地でしか感じられない空気感や熱量とかがあるので。そういう「現場のリアル」を感じてみたいなって人は、ぜひ! このインタビューで「そこまで強気に言うなら行ってみようかな」って人が増えたら嬉しいです(笑)
白藤 今回は、「Re:1st one-man Live」ということで、今からえのぐのライブを観てもらうには、ぴったりの内容になっています。今回、2日間で全3公演あるので、本当にたくさんの曲をやりますし、えのぐは、音楽制作にかなり力を入れているグループなので、様々なジャンルの曲があります。だから初めて観る方も、必ず1曲は刺さる曲があるはず。それが、全編生バンド演奏という豪華なサウンドでお楽しみいただけますので、興味を持っていただけたら、えのぐの熱いライブで最高に楽しい新年を一緒に迎えましょう!
──3公演あるから、どれか1公演だけ観ればいい、というライブじゃないわけですね。
白藤 いやいやいや、えのぐのライブを舐めちゃいけませんよ(笑)
鈴木 あはは(笑)
日向 これまでの(昼夜2公演の)ワンマンもセトリが全然違ったので。「ということは……」って話ですよ(笑)
白藤 3公演あるからって、2曲ぐらいしか違いがないとか思ってもらっちゃ困ります(笑)
──楽しみですね(笑)。鈴木さんもお願いします。
鈴木 えのぐといえば、「ライブ!」と自信を持って言えるくらい、これまでライブに懸けて活動してきているので、えのぐのライブには、一度観たら「もう一度観たい」と思っていただける魅力が詰まっていると思っています。あと、アイドルが好きな方だけではなく、ライブを観るのが好きとか、バンドが好きという方にも、ぜひ観ていただきたいなと思います。
やっぱり初めての人だと、現地に来るのはちょっとハードルが高いなと思う人がいるかもしれないのですが、1月4日(土)の夜公演はYouTubeで無料生中継配信が決まっているので。気になっている方は、まずそれを観ていただいて。楽しいと思っていただけたら、翌日の他の公演も観ていただけたら、めちゃめちゃ嬉しいなと思います。現地に来られる方はぜひ現地に来ていただいて、配信でなら観られるという方は、ぜひ配信で観てください。どちらの参加も心よりお待ちしています!
──最後に恒例の質問ということで、ここまでのお話と重なるところも多いと思うのですが、2025年の目標を教えてください。
日向 今、ボイトレで新たに取り組んでいることもあるし、歌とダンスのスキルアップはもちろんですが、最初の方にもお話しした対人トーク力のアップは引き続き頑張って。もっともっと積極的にコラボもして、えのぐの外交担当として、たくさん人脈を作って、グループに貢献したいなと思います(笑)
──日向さんが、そこまで自分のトーク力を課題だと感じているのは、コラボをした配信者の方々が、基本的にトーク力の高い人ばかりだったからなのかなとも感じています。
日向 そうなんですよ(笑)。本当にフリートークの達人みたいな方々ばかりなので、ひなおももっともっと鍛えていきたいなって思います。

MonsterZ MATE公式YouTube「立花の友達の貴重な〇〇シーン」
白藤 環は、個人というよりも、えのぐの野望を話させていただきたいのですが、私たちが主催している「Beyond the Dimension」や「VRide!」に、その年にご出演いただいた皆さまをお招きするリアル会場での年越しフェスをやりたいと思っていまして。出演してくださったアイドルさんやバーチャルアーティストのみなさま、そして応援してくれる皆さまが一緒になってカウントダウンライブで1年を締めくくって。一緒に新しい年を迎えたいんです。
かつ、そのイベントを通して、出演してくださった皆さまの素敵な個性や活動の魅力が、たくさんの方の目に留まって、思い思いの夢や目標を叶えていく。そんなイベントを本気で実現したいと考えています。正直、すごく難しいことではあるんなんですけど、えのぐと応援してくれる皆さんも含めた「チームえのぐ」の力を結集すれば集めれば、この大きな野望だって叶えられると信じています。2025年は、この目標に向かって、また1年、死力を尽くして戦っていくので、2025年も応援をよろしくお願いいたします。

Virtual Artist Fes「VRide!」Vol.15 @渋谷GRIT 定点カメラ映像
鈴木 えのぐは、毎年毎年、何かしらを乗り越えて成長しているので、2025年もまた何かしらの試練があるかもしれないと、ちょっとドキドキしているんですけど(笑)。何があっても、このメンバーや皆さんと一緒なら、乗り越えられると思っています。2024年は、新しくえのぐを応援し始めてくれた方がすごく増えて嬉しかったので、2025年ももっともっとえのぐの輪を広げて、えのぐという存在を、さらにたくさんの人の心に刻めるように、アイドルとしてはもちろん、社会人としても、たくさんのことに挑戦し続けられたらいいなと思っています。まだまだ成長、進化し続けるえのぐから目を離さないでいてもらえると嬉しいです。2025年もよろしくお願いします。
●ライブ概要・公演:enogu Re:1st one-man Live -THE FIRST・日時:2025年1月4日(土)、5日(日)    4日(土)夜公演 18:30開場/19:00開演    5日(日)昼公演 13:00開場/13:30開演    5日(日)夜公演 18:00開場/18:30開演*時間は状況により変更になる場合あり・料金:1公演/8,500円(税込)+ドリンク代 600円・会場:未来型ライブ劇場「harevutai」・出演:えのぐ(鈴木あんず、白藤環、日向奈央)    バンドメンバー: タイヘイ/ 香取 真人/ 越智 俊介/ 岡島 沙予/ 足土 貴英・主催:えのぐ合同会社・運営:株式会社ハンズオン・エンタテインメン/えのぐ合同会社*本公演は全チケットスタンディング*予定枚数が終了次第、発売を終了
・現地チケット購入ページ(ローソンチケット)・ネットチケット購入ページ(ドワンゴチケット)
(TEXT by Daisuke Marumoto)
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VTuberインタビューえのぐ

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引用元:https://panora.tokyo/archives/99346

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