2023年6月29日(木)にプレイステーション5版が発売予定のアクションアドベンチャー『プレイグ テイル -レクイエム-』。同作は、過去に『The Crew』シリーズなどを手掛けたフランスの開発スタジオ、Asobo Studioが制作した『プレイグ テイル』シリーズの2作目となるタイトルだ。
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そもそも、みなさんは2019年に日本で発売された前作の 『プレイグ テイル -イノセンス-』をご存知だろうか?
中世フランスを舞台にした同作は、正直言って日本での知名度はあまり高くないタイトルかもしれない。だが、めでたくシリーズ化されたことからもわかる通り、なかなかのクオリティーを誇るステルスアクションの快作だ。
とくに注釈がない限り、以降の写真はすべて前作『プレイグ テイル -イノセンス-』のものとなっている。
スムーズに遊べば20時間もかからずにクリアできる手軽さながら、ゲーム体験自体はかなりの本格派。プレイステーション5とプレイステーション4版がリリースされており、最近ではPlayStation Storeのセール対象品になっていて、コスパは抜群だ。
かく言う筆者も価格に釣られてプレイステーション5版をプレイ。多少の荒削り感はあったものの、「ええやん、ええやん!」となったタイトルなのである。
そして、間もなくリリースされる『プレイグ テイル -レクイエム-』は、前作で評価されたエッセンスはそのままに、各部のクオリティーをブラッシュアップさせたタイトルとなっているのだそう。おまけに前作の物語が終わってからわずか半年後からの物語が描かれるとのことで、比較的最近遊んだ筆者の期待度は爆上がりなのである。
もちろん、どこの馬の骨とも知れぬゲームライターが勧めたとて、「じゃあ遊ぶか」とはならないことも承知している。そこで、前作『プレイグ テイル -イノセンス-』の概要やキャラクターの紹介などを行いつつ、新作の『プレイグ テイル -レクイエム-』を遊ぶのに不足しないだけの知識を得ていただこう、というのが本稿の趣旨となる。
※本記事は、オーイズミ・アミュージオの提供でお送りします。
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ステルスアクションにパズル要素やホラーテイストをまぶしたゲーム性は秀逸。ただし、ネズミ嫌いと集合体恐怖症の方はこの先閲覧注意!
本作のゲームシステムをかなり大雑把に言えば、ハラハラドキドキが味わえるステルスアクションを主軸に据えつつ、要所では姉弟の能力やさまざまな仕掛けを駆使して難局を突破していくゲームと思っていただければいい。
『プレイグ テイル -イノセンス-』では、弟のユーゴや仲間たちを連れ、隠れながら進むという状況が多い。基本的に彼らは戦闘では無力なので、状況を打破するにはアミシアがなんとかするしかない。この緊迫感も良質だ。
主人公は15歳の少女“アミシア”。狩りで使うスリング(投石)術は得意だが、行く手を阻む兵士たちと直接戦えば、あっという間に命を奪われてしまう程度の強さでしかない。そこで、兵士たちに見つからないように隠れ、逃げ、ときには不意討ちやフィールドにあるギミックを活用して邪魔者を排除し、先に進むというのが基本的なゲームのお作法だ。
生き延びるため、スリングで敵の兵を倒さなければならないようなことも。
わずかなミスですぐに死が訪れるので、基本的には慎重な行動が求められる。
なお、前作の『プレイグ テイル -イノセンス-』には主人公のレベルの概念は存在しない。その代わりに、集めた素材でクラフトを行ったり、冒険中に得た知識で作った錬金術(現代の化学)の弾を用いて、敵を倒したり問題を解決しなければならない。つまり、ゴリ押しでは進めづらいので、頭を使うことになるわけだ。
冒険中に入手できる素材は限られている。それをアップグレードに使うのか、特殊な弾に使うのかは、各自の判断次第だ。
アミシアの投石は兜をかぶった兵には無力。そんなときは錬金術で特殊な効果を付与させた弾をぶつけ、敵の兜を脱がせる……といったことも可能。このように、さまざまな効果を持つ特殊弾をスリングで撃ったり、投げたりできる。
そしてこの『プレイグ テイル』シリーズの大きな特徴のひとつとして挙げられるのが、ペスト(プレイグ)の媒介者としても知られるネズミだ。作中では、ネズミが主人公たちの行く手を阻むことも多いのだが……出てくるネズミの数がとにかく大量! 画面がネズミで埋め尽くされる状況も珍しくない。 集合体恐怖症の人なら絶叫間違いなしだろう。
オープニング画面の時点で、ネズミの大群がお出迎え。
いつ消えるかわからない灯火を頼りに、ネズミを追い払いながら進む。ゲーム的視点で見れば、このストレスも後の開放感を得るためのこととわかっているが……なかなかコワイ。
襲われればあっという間に食い殺されてしまうこのネズミたちだが、光と炎には近付いて来ないという特徴もある。それを活かして、松明の火を消し、行く手を阻む兵士をネズミに食い殺させるという作戦で難局を突破する……といったことをしなければならない場合も。少女になかなか残酷なことをさせるなあ、という印象ではあるが、それが生き延びる唯一の術なので、仕方がない(当然、彼女が敵の命を奪うことに悩むような描写もある)。
ネズミの光と火に弱い特性を利用し、周囲にあるギミックを使って脱出路を確保していくような場面も多い。
敵の敵は味方。ネズミをどう利用するかも重要なのだ。
また、同シリーズはレーティングがZ(18才以上のみ対象)になっているのだが、そこにも理由がある。それは、同シリーズの舞台が1348年から1349年にかけての中世フランスだからという点。このころのヨーロッパは、ペスト(プレイグ)が蔓延し、そこかしこに死体が溢れていた時代。冒険中には、腐乱し、積み重なった死体の中を歩いたり、ネズミが食い荒らした人間の死体があったり……といった、グロさが際立つシーンも多い。そのため、必然的にレーティングはZになるわけだ。
死体だらけの戦場を突破するようなシーンも。死の概念がよくわかっていないであろう、ユーゴのセリフにもリアリティーがある。
そんなゴア表現が目立つゲームではあるが、それはあくまで演出手法のひとつ。史実をベースにしつつ、SF(すこし不思議)感をまぶした設定とともに紡がれるストーリーは、姉弟の絆や家族愛、人間の残酷さなどが描かれている。いろいろと考えさせられる部分もあり、このあたりはおそらく続編の『プレイグ テイル -レクイエム-』にも受け継がれていることだろう。
前作から引き続き登場する主要な人物を紹介
先にも述べたように、『プレイグ テイル』シリーズのストーリーは前作から続編へダイレクトに繋がっている。つまり、続編での主人公たちのバックボーンを解説するということは、そのまま前作の物語のネタバレに繋がってしまうということにもなる。前作をプレイする予定がある方は、それを踏まえて続きを読むかどうかを判断していただきたい。
アミシア・デ・ルーン
本作の主人公。1348年時点で15歳。父はフランス王国のギュイエンヌ地方の領主で騎士のロベール・デ・ルーン。母は錬金術士でもあるベアトリス・デ・ルーン。父の手ほどきにより、精度の高いスリング(投石)術を得意としている。また、ユーゴという弟もいるが、謎の呪い(プリーマ・マキューラ)に蝕まれ隔離されていたため滅多に会うことはなかった。
ある日、何の前触れもなく宗教裁判官が自宅を襲撃する。彼らの狙いは弟のユーゴだった。その襲撃によって父のロベールは死亡。命を賭した母の指示によって、アミシアはユーゴを連れ、ユーゴの血に潜んだプリーマ・マキューラ(以下、マキューラ)の進行を止められる可能性がある錬金術師であり医師のローレンシウスのもとへ向かうことになる。
しかし、ユーゴの身柄を執拗に狙う宗教裁判官たちの追っ手は、ローレンシウスの元へも放たれていた。ローレンシウスは失ったが、唯一の弟子であるルカとともに脱出。アミシアたちはマキューラの進行を留める手段を錬金術に見出し、逃亡を続ける。
当初はユーゴに対して弟という実感がなかったようだが、旅を進めていくなかで徐々に姉弟の絆が深まっていく。
アミシアとユーゴはなんとか仲間たちと廃城に身を隠せたものの、そのあいだにもユーゴの病状は着実に進行。ローレンシウスの若き弟子であるルカのアドバイスをもとにユーゴを救うための錬金術を探すが、決定的な状況改善には至らなかった。そんななか、母を捜すために廃城から抜け出したユーゴが宗教裁判官たちに拘束・洗脳され、マキューラの力を使って宗教裁判官らとともに廃城に侵攻してくる。
辛くもユーゴの正気を取り戻すことに成功したアミシアたちは、ユーゴたちをつけ狙う元凶である大宗教裁判官たちに戦いを挑むことを決める。
ユーゴ・デ・ルーン
アミシアの弟でわずか5歳。母のベアトリスは病気のために隔離していると周囲に話していたが、実際はユーゴの血に潜んだマキューラという力を恐れてのこと。幼少時から母の錬金術を使った治療によってマキューラの進行を抑えられていた。
マキューラとは、疫病やネズミをコントロールできる力で錬金術の禁書に記されているもの。特定の血統にのみまれに発現するという特徴があり、その力は世界を変えるものだとされている。それゆえ、その力を我が物にしようとしている大宗教裁判官のヴィタリスに狙われることになった。
ヴィタリスの配下により自宅を襲撃されて以降は、姉のアミシアとともに逃避行の旅を続けることに。旅の途中、数度訪れるとされているマキューラの臨界点(=ユーゴの命の危機)を乗り切ることに成功。その過程で、ネズミを操る力を手に入れた。
一時は宗教裁判官らによって洗脳されるという危機に陥るも、アミシアによって救われる。そして、その力を事件の元凶であるヴィタリスたちに向けることを決める。
ルカ
ローレンシウスに師事していた少年で、宗教裁判官の襲撃によりローレンシウスが亡くなった後はアミシアとともに行動することになる。基礎的な錬金術は身に付けており、ユーゴのマキューラの進行を抑えるために奮闘。また、その知識を活かしてアミシアにいくつかの錬金術を教えることもあった。
頭脳派タイプではあるがアミシアの冒険に同行し、さまざまな手伝いをしたことも。アミシアにとって言わば戦友のような存在で、ユーゴも彼に懐いている。
ベアトリス・デ・ルーン
アミシアとユーゴの母で錬金術師。ユーゴの血に潜んだマキューラの力を知っており、錬金術によってその進行を抑えるべく、さまざまな治療を行っていた。宗教裁判官らに自宅を襲撃された際は、命を賭してアミシアとユーゴを救った。
ヴィタリス
大宗教裁判官というかなり高位の地位を持つ人物。自身の地位と世の中を救うという大義名分を利用し、ユーゴの血に潜んでいるマキューラを我が物にしようと画策。配下にアミシアの家を襲撃させた。ユーゴを捕らえてユーゴの血を自身に投与することでマキューラの力を得られると考えていた。
以上、簡単ではあるが主要人物のバックボーンを紹介させてもらった。当然、新作の『プレイグ テイル -レクイエム-』にも、首魁だったヴィタリス以外は登場すると考えていいだろう。
結局のところ、前作ではユーゴの血に潜むマキューラの力を完全に抑え込む、あるいは消すことはできなかったわけだが、続編ではどのような形で決着がつくのか(もしくはさらに先送りになるのか)も楽しみなところ。また、前作の冒険を経て絆が深まったアミシアとユーゴの兄弟愛や、姉弟に襲いかかる新たな試練がどんなものなのかについても気になるポイントだ。
本稿を読んで、もしも興味を惹かれた方がいたなら、PS5版『プレイグ テイル -レクイエム-』がリリースされる前に『プレイグ テイル -イノセンス-』をプレイしてみてはいかがだろうか。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202306/02304610.html