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『ペルソナ3 リロード』最新インタビュー。企画の経緯や「どアップ」で見てほしい3Dモデルのこだわりなど、開発者に現時点で訊けることを総まとめ!【スタッフの半数近くがオリジナル版のファン】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 『ペルソナ』シリーズのターニングポイントにして、いまなお最高傑作に挙げるファンも多いRPG『ペルソナ3』。そのフルリメイク作品である、2024年初頭発売予定の『ペルソナ3 リロード』について、本日公開された最新情報も交えた開発者インタビューをお届けしよう。

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※当記事は、週刊ファミ通2023年6月29日号(6月15日発売)で掲載されたインタビューに、最新情報をふまえた内容を追加のうえ、再構成したものです。

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和田和久(わだかずひさ)

アトラス・ペルソナチーム ゼネラルプロデューサー(文中は和田)

山口拓也(やまぐちたくや)

アトラス・ペルソナチーム ディレクター(文中は山口)

新妻良太(にいつまりょうた)

アトラス・ペルソナチーム プロデューサー(文中は新妻)

貫いたのは“進化”よりも“深化”
――ファンがずっと待ち望んでいたであろう、『ペルソナ3』のフルリメイクがついにお披露目となりました。作り手としても、満を持しての発表だったのではないでしょうか。
和田はい。『ペルソナ3』は、私のようにオリジナル版から開発に携わっているスタッフはもちろん、アトラスとしても非常に大切なタイトルです。そして何より、ユーザーの皆さんが、この作品とキャラクターをとても愛してくださっていて……。
 毎年実施している“アトラスアンケート調査”でも、リメイクしてほしいタイトルとして『ペルソナ3』はここ数年ずっと首位をキープしていました。まさに、皆さんの想いに後押ししていただけたからこそ、本作が実現しています。
――このリメイクには、どのようなスタンスで臨んだのですか?
和田大前提として、『ペルソナ3』の根幹を成すシナリオやキャラクターを改変するようなことはしていません。そのうえで、シリーズの最新ナンバリング作品である『ペルソナ5』や『ザ・ロイヤル』と比べても遜色のないグラフィックと操作性で楽しんでいただきたい。それが今回のリメイクのあるべき形だと考え、開発当初からその姿勢を貫きました。

――和田さんは、ゼネラルプロデューサーとして開発全体を総括するお立場ですね。山口さんと新妻さんは、ペルソナチームのメンバーとしてファミ通でご登場いただくのは初めてということで、自己紹介をぜひ。
山口ディレクターの山口です。『ペルソナ3』のオリジナル版が出た当時、私は純粋にユーザーとして遊んでいる立場でした。アトラスに入社後は、『ペルソナ4』からシリーズに携わるようになり、3Dモデルのキャラクターたちが会話劇をくり広げるイベントシーンの制作などを担当してきました。
 開発全般のディレクション経験はなかったのですが、『3』は個人的にもすごく好きなゲームでしたので、あるとき、そのリメイクを和田が起案していることを知って、自分もぜひ参加したいと手を挙げさせてもらったんです。
和田そして、ディレクターに大抜擢しました(笑)。彼もまた、『3』に対して並々ならぬ愛があったので、それを見込んでのことです。新妻には、プロデューサーとして山口を支えたり、スムーズに開発するための環境を整えるといった役割を担ってもらいました。
新妻本作でプロデューサーを務めている新妻です。私は転職組で、前職でもゲームのプロデュースを担当していました。その当時もアトラス作品は好きで遊んでいて、まさか自分がいまのポジションで仕事をすることになるとは思っていませんでした。
 ちょっと余談になりますが、アトラスの開発現場を見渡すと、みんな、マネジメントよりもクリエイター寄りの気質が強いということを感じます。RPGのパーティーで例えるなら、やたらと“アタッカー”が多い現場だなぁと(笑)。それが作品のクオリティーにも大いに寄与していることは理解しつつ、みんなが心おきなく開発に注力するためにはヒーラーやサポーターもいたほうが良いと思い、本作ではそちらに徹することにしました。

オリジナル版『ペルソナ3』より。『リロード』と比べると、3Dモデルの頭身などがデフォルメされていた。

――アタッカーばかりというのはおもしろいですね。ときには、そんなパーティー内で激論が交わされることも……?
山口ありましたね。アトラスはこれまでにも、過去の作品を現行機種向けにリマスターしたり、さまざまな要素を追加したタイトルを出したことはありますが、グラフィックをすべてイチから作り直すほどのリメイクは、今回がほぼ初めてなんです。
 それゆえ、オリジナル版の要素をどこまで変えるか、変えないか、足すか、足さないか……の議論を、いつにも増して重ねたように思います。本作のスタッフは、半数近くがオリジナル版をユーザーとして遊んでいたので、皆がそれぞれの愛をもって開発に向き合っていたんです。
新妻原則は、オリジナル版に忠実であること。そのうえで、意図があって足したり変えたりしたい部分が出てきたら、それを和田にも説明してOKをもらうなど、山口が精力的に現場をまとめてくれました。
――変わった部分としては、グラフィックの刷新がやはりいちばん大きいですね。プレイステーション2で発売されたオリジナル版を、『ペルソナ5』と同等のクオリティーで再構築するのはたいへんだったのでは……?
山口はい(笑)。キャラクターに関して言えば、3Dモデルや会話中のバストアップイラストなど、現行機種でユーザーの皆さんが期待される仕上がりを実現するべく力を入れました。バストアップはとても表情豊かですし、3Dモデルも、画面をどアップにしてご覧いただきたいくらい細部までこだわりました。

――では、遠慮なく隅々まで凝視させてもらいます(笑)。主人公の3Dモデルを見ると、どことなく凛々しくなった印象も受けますね。
山口『ペルソナ3』の主人公は、歴代の主人公の中でも比較的、中性的なデザインなのですが、そういった独自の雰囲気は活かしつつ、しっかりと男の子らしい力強さも出るように気をつけました。ほかの主人公たちとは違った彼ならではの魅力が出せたと思いますので、注目していただければと思います。
 あと、これは主人公に限らずですが、時を経てさまざまな続編、スピンオフタイトルなどを通じて皆さんの中で各キャラクターのイメージがアップデートされていったりしていると思いますので、単にオリジナル版に忠実であるだけでなく、そういった現在のイメージからも外れないように気をつけました。
――順平のイラストやCGモデルも、パッと見の印象だと、「テレッテッテッテ~」や「お手上げ侍」みたいなセリフを言ったりするお調子者キャラには見えないかもしれません(笑)。
新妻立ち絵やCGモデルだけを見ると、ちょっとカッコよさが目立つかもしれませんが、本作でも順平の“らしさ”はしっかり残っているのでご安心ください(笑)。各種演出の調整面で言いますと、セリフはほぼオリジナルを尊重して変えていないのですが、マンガ的な表現に関しては、頭身が上がったことにより、すべてをそのまま再現しようとするとチグハグな印象になりがちだったので、あの頭身でも違和感がないような調整はしてあります。オリジナル版の雰囲気を残しつつも、よりスタイリッシュになっているかと思います。

――それと、ゆかりのエプロン姿も眼福になりそうです。
新妻あのエプロン姿は本作からのものなので、気がつかれた方も多いかと思います。詳細は今後お伝えしていきますが、本作では寮の中で仲間とプライベートな時間をともに過ごす要素が増えています。料理以外にもいろいろなシチュエーションを用意していますので、ご期待ください。
――本作で追加されているというサイドストーリーですね。個人的には、オリジナル版のときから風花が最推しなので、彼女の姿やサイドストーリーをどアップで堪能したいと思います。
新妻まだ詳細はお話しできないのですが、とあるイベントシーンでは実際にどアップで風花が映るシーンがありますので、風花最推しの方たちには早くそのシーンを見ていただきたいです(笑)。真面目な話をすると、風花独特の柔らかな雰囲気がCGモデルからもよく感じ取れるようになっているので、そういった部分に注目していただけたらうれしいです。
――刮目します!

――それから、『ペルソナ3』で強烈な印象が残っているシーンのひとつとして、真田がペルソナを覚醒させる場面がありました。声優さんの迫真の演技も凄まじかったのですが、本作における声優陣のご様子はいかがだったでしょうか。
山口真田の覚醒シーンもそうですが、『ペルソナ3』はシリアスなシーンが多いので、そういった場面での声優さんたちの演技は鬼気迫るものがあり、圧倒されたのを覚えています。序盤から後半にかけての、それぞれのキャラクターの感情が揺れ動いていく様子も見事に演じられていて、このあたりはオリジナル版や劇場版などを通じて物語を幾度か最初から最後まで演じきった経験のうえで、改めて本作に挑んでいただけたことも影響しているのかなと思います。

――3Dモデルの頭身に合わせて、学園や街、ダンジョンなども再構築されていますね。
山口フィールドも、頭身に合わせて単純にサイズ感を大きくするのではなく、遊び要素や景観としての密度をしっかり感じていただけるように作り込んでいます。
新妻すべてにおいて刷新していますが、見た目の変化がとりわけ大きいのは、“タルタロス”(頂上を目指して探索するダンジョン)ですね。見た目の変化だけではなく、あちこちに探索し甲斐のある要素を散りばめたり、移動中にダッシュできるようにしたりと、ダレることなく楽しんでいただける作りにしています。
――シナリオに関しては、キャラクターのサイドストーリーが追加されるとのことですが、どんな内容になるのでしょうか?
山口本編はいわゆる群像劇ですので、 オリジナル版ではあまり多くを描いていなかった仲間たちの“一方、そのころ……”みたいな掘り下げをする余地が、まだまだあると思ったんです。特定のキャラクターと関係を深めていく“コミュ”(『ペルソナ5』における“コープ”のようなシステム)とはまた違う、新たな要素になります。
――それは楽しみです……! ちなみに、『ペルソナ3』の本編といえば、オリジナル版をベースにさまざまな追加や変更が施された『ペルソナ3 フェス』や、女性主人公が選べる『ペルソナ3 ポータブル』という作品もありました。今回の『ペルソナ3 リロード』は、どういう位置付けになるのでしょうか?
新妻ここは誤解を招かないよう、 きちんとお伝えしておきたいと思います。
 『ペルソナ3 リロード』は、第一にオリジナルの『ペルソナ3』を現行機種向けにリメイクしようとスタートしたプロジェクトですので、『フェス』で追加された本編の後日談や、『ポータブル』の女性主人公は含まれていません。ただし、『フェス』で追加された本編内の要素が『リロード』にいっさい入っていないというわけではありません。
 そこからさらに、先ほど触れたサイドストーリーを盛り込んだり、キャラクターボイスの総量もシリーズ歴代トップクラスにまで増えていたりと、相当なボリュームがあるリメイクになっています。
――ボイスがそこまで増えた理由としては、コミュのランクアップイベントの各段階でボイスをつけたことも大きいのですよね。『ペルソナ3』のコミュといえば、後のシリーズ作品では廃止された“リバース”や“ブロークン”(特別な関係になった一部のコミュ相手と長らく交流せずにいると機嫌を損ねてしまうシステム)といった要素もありました。
山口本作では、ブロークンは廃止、リバースは存続となっています。ただし、リバースに陥る条件も大幅に緩和されていて、オリジナル版のようにコミュを放置するだけではリバースにならないようになっています。ブロークン自体、オリジナル版の時点から余程のことがないかぎりは発生しなかったと思いますし、発生してしまうともうコミュを進められないというのもあまりに酷いかと思い、いろいろ考えた結果、廃止にしました。
――なるほど。ほかには、主人公に“絶好調”や“疲労”といった体調の概念があったのも『ペルソナ3』独自の特徴でした。
山口体調システムも、本作では廃止となっています。『ペルソナ3』らしさが出ていた要素のひとつかと思いますが、カレンダーシステムの中で自分なりに計画を立て、こなしていく遊びかたとの噛み合わせが悪く、両立させようとすると結局セーブやロードをくり返して確率と戦うことになってしまったり、ダンジョン攻略においてもSPはまだまだ残っているのに仲間が帰ってしまい、自分も帰らざるを得なかったりと……。
 そういう思い通りにいかない感じも『ペルソナ3』の醍醐味ではありましたが、ゲームテンポや快適性などを総合的に考慮して本作では廃止としました。
――さらには、『ペルソナ3』だとバトル中の行動を仲間に直接指示できないという仕様もありましたね。
山口本作では『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』などと同じく、最初から仲間に指示が出せるようになっています。もちろん、「判断は任せた」などの方針を設定したうえで行動を任せる機能も残っています。こちらに関してはユーザーさんの好みも分かれるかと思いますので、オリジナル版の雰囲気を楽しみたい方はオート機能の使用も視野に入れつつ遊んでいただければと思っています。

――大小さまざまな見直しをしているのですね。ちなみに、オリジナルの『ペルソナ3』では、最初のプレイでエンディングに到達するまでに、主人公の人間パラメータやコミュのランクをすべてMAXにするのは至難の業でした。この点、『リロード』ではいかがでしょうか?
山口それらの要素を1周目でコンプリートすることは可能です。さすがにオリジナル版ほどシビアではありませんので、そこはご安心ください(笑)。
和田オリジナル版だと、ゲーム内の月日をまさしく1日たりとも無駄にできないバランスでしたよね。じつは、当時の開発チームとしては、1周目で制覇するのは不可能だと思っていたので、それができるスケジューリングをファンの方々が完成させたと知ったときは、我々も「えっ、できるの!?」と驚きました(笑)。
――いつの時代も、ファンの力はスゴいですね……!
山口『リロード』も、何も考えずにプレイしてコンプできるほど緩くはありませんが、感覚的には『ペルソナ5』と同じくらいの余裕はあるかと思います。ぜひ、皆さんなりに有意義な日々を過ごしていただければと。
――自分もそうですが、『ペルソナ3』に思い入れがあるシリーズファンは多いと思いますので、期待しています。
山口ありがとうございます。開発の進捗としては、最後の調整段階に入っていて、長年待ち望んでくださっていた方たちにもきっとご満足いただけるのではないかと、手応えを感じています。開発中、判断に迷うようなことがあったら、アトラスで働いているという立場をいったん忘れ、いちファンとしてリメイクを待つ立場だったら何がうれしいかを考えることもよくありました。スタッフ一同、こうした目線を大切にしながら作り上げてきましたので、ぜひご期待ください。
新妻本作は、企画書の段階から“再誕”というキーワードがありました。つまり、『ペルソナ3』の進化というより“深化”であることを念頭に、チーム全体で取り組んできた作品です。そこは、皆さんの期待を裏切らない掘り下げができていると思いますので、ご注目いただけたら幸いです。
和田こうして皆さんにお披露目できる段階にたどり着けたことを、とてもうれしく思っています。我々としても、早く皆さんにお届けしたいという気持ちでいっぱいです。ずっと待っていてくださった方はもちろん、『ペルソナ3』を遊んだことがない方にも、ぜひお手に取っていただきたいです。これからも、応援をどうかよろしくお願いいたします!

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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202307/04308456.html

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