【本ページはプロモーションが含まれています】

switch

『ピクミン4』先行レビュー。相棒のオッチン様が恐ろしい。美しい弱肉強食の世界と大好きな『2』を彷彿とさせる集大成感にハマりすぎて「終わってほしくない」 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

詳細はこちら

ブログランキングに投票お願いいたします。

 『ピクミン』というゲームの世界が好きだ。たとえば、ピクミンがやられるときの「ピギィーッ!」みたいな悲鳴。あれが好きだ。

広告

 かわいい"ピクミン"たちに指示を出しながら進めていくアクションゲームなのだが、冒険の中でピクミンを失うことはわりとある。何かに踏みつぶされた、食べられた、不慮の事故にあった。原因はいろいろである。
 「ピクミンなんていくらでも増やせる」とわかっていても、いま犠牲になったピクミンの生命はあそこで終わった。それは事実だ。見た目はかわいくても世界観は弱肉強食でドライに対応しなきゃいけない。そのギャップに惹かれてしまう。

『ピクミン4』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)
 そこで『ピクミン4』である。シリーズの新作は新要素を求められるものだが、それでもナンバリングごとにそれぞれ魅力があって、あのシステム楽しかったなぁ復活してくれないかなぁと思うときはある。
 復活した。帰ってきた。これまでの魅力を引き継いで、進化して、2023年7月21日に『ピクミン4』となって戻ってくるのだ。

 『ピクミン4』はサービスもりもりなゲームだ。まだプレイ途中だが、20年以上続いている本シリーズをいまのユーザーたちにどうやったら遊んでもらえるか、その道筋を示すような覚悟を感じる。
 だって、これまでの魅力を引き継いで進化して戻ってきたのだ。かつて『ピクミン』を遊んでいた人、名前は知っているけどプレイしたことがない人、どのターゲットにも『ピクミン』という作品を触ってもらうなら本作だな、と言える。
 「シリーズ最高傑作は『ピクミン2』だろ!」と、絶対に揺るがない自信があって、何ならいまでも『ピクミン2』の思い出に囚われているくらいだが、その想いはついに揺らいだ。

 ピクミンはかわいいけど、環境はかわいくない。あの世界の厳しさは最新作でも健在だった。記事執筆時点では3つ目のエリアまで到達しているが、まだまだ終わりそうな気配がない。すでに中盤なのか、それともまだ序盤の山場を超えていないのか……。
主人公は俺。プレッシャーは特大
 本作のあらすじは“とある惑星に遭難したキャプテン・オリマー。1ヵ月後、彼の救難信号がレスキュー隊の元に届き、一行は救助に向かった”なのだが、オリマーが遭難する流れは1作目でやったはず。もしかして『ピクミン4』はそこから分岐したお話なのか?
 非常に先が気になる展開だ。オリマーの救助に向かったレスキュー隊も消息を絶ってしまい、いわゆる二重遭難が発生しているのでなおさらである。

 「何やってんだお前ら!だらしねえ!」と突っ込みたくなる事態を何とか打開すべく、新米隊員である“あなた”、つまりプレイヤーが出動することになる。もう不安しかない。

キャラメイクにめちゃくちゃ時間かかりました。

 未知の惑星でぼっち探索。
 ぺーぺーの新人がやるにはちょっと荷が重すぎやしませんか!? と不安100%の状態で『ピクミン4』は始まった。
 ……が、その不安は1匹との出会いで即吹き飛んでいった。
 新米宇宙犬のオッチンだ。

 本作ではパートナーのオッチンやピクミンとともに各隊員を助けに行く。このオッチンがかわいいのだ。ぼけーーっとしているけど命令はきっちりこなす忠犬っぷりがすごくいい。
 そういえばPVだと泳げていたような。さっそくどんなものか水辺に行って試してみたところ……。

 ふつうに溺れてる!!
 オッチーーーン! そ、そんな……俺はただ軽い気持ちで……。そういえばよく見ると、PVと比べて体が小さいような。何でできないんだろうと不思議に思いながらゲームを進めていくと、ストーリーの進行にあわせて新アクションが解禁されていく仕様に気づいた。まぁ、お互い新米だし、初めからなんでもできるわけじゃないよなぁ。許せオッチン。
 解禁前のオッチンの強化項目を見ていると、戦う、運ぶ、泳げる、ピクミンを投げられる。え? それをやられたら俺の立場がないじゃん。この犬、あまりにも何でもできすぎる!!
 解禁される要素が便利すぎて、ざっと眺めるだけでも“ほぼ”なんでもできそうなレベルだったので、主人公(自分)の立場が危うく感じた。オッチンが最終形態になるころには「オッチン様!」とか、「ヘヘぇ、オッチンの旦那……今日はどうしやす?」みたいな感じで主従関係が逆転するかもしれない。

よりリアルになった惑星探索。仕掛けもモリモリで没入感アップ
 プレイを始めて真っ先に変化に気づいたのはグラフィックだ。『ピクミン3 デラックス』と比べて、土の色や日に照らされた草木の輝き、影、周りの景色が明らかに美麗。携帯モードでも「おーキレイになったな」と思うくらいには変わっていた。

 そして、直前まで『ピクミン3 デラックス』をプレイしていたからか、妙な違和感があった。何だかワクワク感が増しているのである。まるで小さくなった自分が現実世界を冒険しているような、そんな迫力を感じる。
 これには視点が影響している。カメラの初期位置が従来のシリーズ作品より少し低いのだ。カメラ操作でぐりぐり動かせるとはいえ、過去作品をプレイしている人からすると最初は戸惑うかもしれないが、これがいい。
 水平に近い角度から見ることで、小さいピクミンたちと建築物の大きさの違いがより際立つ。そこには生き生きとした景色が広がっていた。

 もちろんグラフィックの向上にともなって原生生物たちの魅力もアップ。チャッピーのお尻はテカテカだし、ざらついた肌の表現もリアルでたまらない。
 個人的にお気に入りの敵はクマチャッピーだ。生物図鑑で舐めまわすように見た。

 ぼってりした唇。
 チラっと見えている牙。
 チャッピーをよりリアルな顔にしたようなデザインに、ゾワっと寒気を感じる。怖さと気持ち悪さが合わさったようなこの外見は唯一無二だ。耐久力も高く、逃げにくい通路で出会ってしまったときは正面突破が難しい。その手ごわさもヤツの怖さに一役買っており、最新作でよりきれいに、よりキモ怖く、恐ろしくなった。最高だ。

先に進めるか、じっくり回収するか。揺れ動く気持ち
 プレイしていて何よりもうれしかったのは、『ピクミン2』で堪能したオタカラ探しと地下エリアの復活。各所に落ちているオタカラは宇宙船のエネルギーにもなるため回収必須なのだ。
 『ピクミン2』ではオタカラを探して借金を返済するのが目的だった。回収したオタカラにはドルフィン初号機がフィーリングで名前を付け、オリマーは「おそらくこの物体はこういうものなんだろう」と考察。彼は異星人だけに知識や感性が少しズレていて、それが絶妙におもしろい。
 オタカラはお菓子や指輪、電池など「ここはもしかして地球じゃないのか?」と思わせるようなものが多く、未知の惑星の過去へ想像が広がっていく。これが世界に深みをもたらしていた。

 一方、『ピクミン4』ではオタカラ探しを“救助活動”と絡めている。効率よく救助するには自分たちの船を復旧させて索敵範囲を広げる必要がある。だからこそエネルギー確保のオタカラ探しと遭難者捜索を並行して進めなければならない。過去作で好評だった要素の絡め方がうまくて「……そうきたか~!」と唸った。
 そして、地下洞窟の探索も楽しい。避難した遭難隊員がそこで救助を待っている可能性もあるので、気分的にスムーズに潜っていける。

 エネルギーを蓄えて探索範囲を広げ、新たに発見したエリアへ向かうというのが本作のおもな流れ。いまのエリアをじっくりと調べ尽くすか、それともさくっとつぎのエリアに行くべきか。これがまたすごく悩ましい。『ピクミン』は未知のエリアを探索するワクワク感が醍醐味だと思うので、この悩みすら楽しむためのスパイスだ。
 これまでのシリーズタイトルよりやれることが増えており、操作性も向上。かゆいところに手が届くようになった。それはうれしいのだが、ひとつのアイテムだけどうしても常用できなかった。“みまわしドローン”だ。
 みまわしドローンを使うと空中からエリア内をチェックできる。まだ出会っていなかった原生生物“ミウリン”を見かけたときは、このアイテムを封印することに決めた。ドローンではなく、自分で新しい景色を発見したときのドキドキ感を味わいたかったし、それが『ピクミン』の魅力のひとつと思っていたからだ。

ミウリンは初代『ピクミン』から登場。

 先に進む前にルートを構築できるからすごい便利だけど……! 便利だけどやっぱり自分の足でその地に行って体験したい! という個人的なこだわりが強すぎてネタバレアイテムのように見えてしまったのだ。
 とはいえ、さくっと現地のスクリーンショットを撮るときに使いやすいし、行く前に大まかな情報を把握できるのはとてもありがたい。これから本作を遊ぶ人には、ユーザーフレンドリーな要素はどんどん活用してほしいところ。
 自分は……だめだ! クマチャッピーを撮影するために1回だけ使ったが、この原稿を書いているいまも、まだもやもやしている。俺はどうして探索時にみまわしドローンを頼ってしまったのか……!! 『ピクミン』に入れ込みすぎなのだろうが、現実で同じ状況になったら躊躇なくドローンを使うだろうな、とも思う。
楽しいけど、いつか来る別れが……
 この惑星の冒険は決して甘くなく、ときにはピクミンたちが死んでしまうこともある。現時点でのプレイを振り返ると大きなやらかしはまだやっていないが、本作には巻き戻し機能があるので、もしも大量のピクミンが犠牲になってもやり直せばいい。
 ゲーム自体に救済処置はあるけど、使うかどうかは各個人に任せることで難易度をコントロール。それが『ピクミン4』の難易度設計のひとつなのだろう。前述したみまわしドローンの存在もおそらくこれに当たる。
 頭では理解しているのだが、それでもピクミンたちの犠牲を乗り越えてがんばりたい。と、またしても譲れないこだわりで巻き戻しを使わずに進めている。

 いま遊んでいるポイントから推測してもまだまだ終わる気配を感じられないが、もうすでにクライマックスに向かうのが怖くなっている。懐かしの原生生物がいたり、過去作を意識したような要素があったり、集大成感を味わっているからだろうか。終わりを見たくないのである。ずっと続いてほしい。
 ストーリーの目的はあくまで遭難者の救出。それが終わればピクミンやこの惑星ともお別れである。過去作にピクミンを“戦友”と書いて“とも”と呼ぶセリフがあった。惑星生活を重ねるごとにその言葉が深く染みわたる。ピクミンをはじめ、オッチンやレスキュー隊員も日に日に愛着がわいてくるので困った。クライマックスでグッとくる演出があったら泣いてしまうかもしれない。
 いつかはピクミンとの別れが来てしまう。最後はどういった結末になるのか。そして自分はどんな感情を味わうのか。楽しみで仕方ない。

『ピクミン4』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)

...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202307/20310093.html

-switch

ゲーマーのおもちゃ箱
Translate »