「仕事の時間だ、621。『ACVI』をキーボード&マウス操作でプレイした感想をレビューしろ」
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そういえばあったなぁ、そんな操作設定。「マウスとキーボードの操作感が気になっているPCゲーマーも多いはず」。たしかに。
フロム・ソフトウェアより2023年8月25日に発売された『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン)(以下、『ACVI』)。プレイステーション5(PS5)、プレイステーション(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)向けのタイトルだ。
世界中でいままさに熱狂を巻き起こしている、ロボットアクションの最新作。筆者ももちろんお仕事での先行プレイから継続して、めちゃくちゃ楽しませていただいている。
良好な操作レスポンス、すべて構成が異なり飽きの来ないミッション、予想の斜め上を行くボス機体たち。すさまじく鮮烈で楽しいゲーム体験の連続に、うれしさとともに脳が焼き切れそう。
いまがいちばん熱いタイトルだからこそ、さらなる遊びかたを模索したい。そこで、PC版ならではの“キーボード&マウス操作”でプレイした感想を傭兵仲間の皆さんに共有したい。『アーマード・コア』シリーズの操作方法といえば、ゲームパッドを限界まで駆使することで有名だ。果たして指は足りるのか。
先に結論を簡単にお伝えしておくと、かなり便利で快適。とくにロボットアクションやシューターをディープにプレイしている人には、“置き”などの独自のテクニックがやりやすくなると言えば魅力が伝わるだろうか。
人によっては操作方法を変えるだけでも劇的に動きが変わり、エースパイロットに生まれ変われるかもしれない。
なお、今回のケースでは、筆者がPCゲームでキーボード&マウス操作に慣れていることによる影響が大きい。同操作に不慣れな人は同じ感想を抱かない可能性が高い点は、事前にご了承いただきたい。
目次閉じる開く
想像以上の反応速度、指と目から光が逆流する
対AC戦でも大活躍だが、ここで異変が……。
マニュアルエイムとの併用でまさかの大躍進
操作方法の選択やキーアサインも、アセンブルの一環
想像以上の反応速度、指と目から光が逆流する
今作『ACVI』は『アーマード・コア』シリーズでは初めての、PCでプレイできるタイトルだ。当然、キーボード&マウスでの操作が可能となっている。
筆者はPCゲームのほとんどはキーボード&マウス操作で遊んでいるのだが、本作はPS5のパッド“DualSense”をPCにUSB接続してプレイしている。これまでのシリーズすべてをパッド操作で遊んできたため、そもそもパッド以外で遊ぶ発想が出てこなかったのだ。
本作ではパッド操作にも複数のプリセットが用意されており、カスタムキーアサインも可能。現状、操作に関しては不満はまったくない。
シリーズで染みついた経験とPCゲームで染みついた経験、どちらが勝るのか。実験の時間だ、621。
まずは最初のミッション“密航”を、一度クリアーしたミッションを再度プレイできる“リプレイミッション”で試してみる。このミッションでは機体が初期状態のものに固定されるので、パッドのときとの比較にもってこいだろう。
レビュー用のプレイや画面撮影のときも含めれば、親の顔より見た仕事の時間。
一歩動くより前にまず驚いたのは、やはりというか何と言うか、マウスでの視点操作だ。パッドの場合は右スティックで操作するわけだが、マウスだと狙った方向にぴたりと狙った分だけ動く。
ただし、パッドでのFPSプレイに慣れている人だと、これについては逆に感じる可能性も高い。
もともとPCでFPS/TPSを遊んでいる筆者からすると、スティック操作以上にスムーズかつ細かに動かせた。微細に震えるように動くこともあり、多少は慣れが必要かもしれない。
そのFPS慣れによる、悪いクセも出てきた。一般的なFPSではメイン武器を左クリックで発射するが、本作では左クリックは左腕武器に割り当てられている。ということは……。
遠くの敵をライフルで撃とうと思ったら、左腕のブレード(近接攻撃)が暴発。
とはいえ、武器の暴発程度は大きな問題ではない。FPSタイトルでもメインが近接武器、サブが射撃武器というキャラはよくいるので、すぐに慣れることはできた。
そもそも本作には“ターゲットアシスト”機能がある。オンにした場合、カメラ視界の一定範囲内に敵が入ってさえいれば、武器の照準が自動で敵に向く。操作が多少おぼつかなくても、大雑把に視界を向けるだけで問題なく戦えるのだ。
FPSで言えば、キャラ5~6体分くらいの範囲にエイムアシストが働くようなもの。こう書くとめちゃくちゃ強く見えるなこれ。
このターゲットアシストのおかげで、エイムの感覚はパッドとそれほど変わらないように思われた。だがもう少しプレイを続けると、マウスによる攻撃と同時に視界を動かしやすいという利点がわかってきた。
敵と射撃戦をしながら、あるいは“アサルトブースト”で前方にかっ飛びながらでも、カメラ操作がしやすいのだ。このメリットは“密航”のボス、初心者の壁である“チュートリアルのヘリ”こと惑星封鎖機構大型武装ヘリとの戦闘で如実に表れる。
アサルトブーストの進行方向は、視界を動かすことで調整できる。マウス操作だとこれが細かにやりやすい。
ブレードをチャージしながらのアサルトブーストでの肉薄。対ヘリの定石だ。
また、マウスの感度を上げることで、スティック操作よりもはるかに速い視点移動が可能になるのもいい。マウス操作感度を最大の10に設定すると、あまりに速すぎて制御しきれないほど。つねに一瞬で振り向ける“クイックターン”と同等か、それ以上の速さでカメラが動く。
ロボットアニメでピーキーな新機体に乗り換えたキャラが「このじゃじゃ馬め!」と悪態をつきつつも大活躍する、あの感覚を味わえる(と思う)。
機体の反応速度がよすぎてパイロットが扱いきれなくなる展開。ロボットアニメとかでよくあるやつだ。
例に挙げたヘリ戦をはじめ、上空にいる敵の真下に入ったときなどに、スティック操作だとカメラが追い付かないことがある。マウスで感度を上げて操作すると、このストレスはほとんどなくなった。
マウス&キーボード操作が好きなPCゲーマーとして、これは書いておこう。マウスならではの視点移動のやりやすさは『ACVI』でも健在だった。
マウス操作ならヘリが頭上に来ても、しつこく視界に捉え続けられた。
対AC戦でも大活躍だが、ここで異変が……。
大型の敵に対しては有効だったわけだが、こちらが乗っているのと同じ“アーマード・コア”(以下、AC)と同サイズ程度の、小型の機動兵器が相手だとどうなるだろうか。実験の時間だ、621。
結果は上々。キーボード&マウス操作で、パッド操作と同じS評価を一発でたたき出せた。こちらが高速で動き回る軽量タンク脚や軽量逆関節二脚を使っていても、カメラで敵をつねに補足し続けられる。
金策として撃破されまくっている、ミッション“テスターAC撃破”の訓練生君で検証。同じ金策扱いを受けて、のちに亡霊と化したキャラがシリーズ過去作にいたなぁ。
むしろカメラで追いかけるという点に関しては、操作のしやすさと速度もあり、パッド操作より優れているかも。
では、相手も速いとどうだろう。NPC機体と戦う“アリーナ”で、それなりに高機動の相手を選んでみた。
結果、こちらも問題なし。むしろパッド操作のときは上空や背後に移動されて「どこ行った」と探し回ったものだが、マウス操作ならそんなときもすぐに補足できた。あれ? マウスとキーボード、じつはめっちゃ便利なのでは。
ただ、このアリーナでの戦いのあたりで、ふたつばかり困った変化が起きた。操作の面ではなく、筆者自身の体にだ。
まず、単純に目が疲れた。いや若者たちよ、呆れた顔をしないでほしい。一定以上の年齢になると、眼精疲労はマジでシャレにならないのだ。心のなかで『AKIRA』の金田さんが、「ピーキーすぎておまえにゃ無理だよ」と言い始めている。
飛び回るACやさまざまな光源を目で追いつつ、つねに震えるカメラ視界をにらみ続けると、おっさんの目には直撃ダメージが入ってスタッガー状態になってしまうのだ。いまは休め、621。
そしてもうひとつ。筆者は肩武器のミサイルを愛用しており、両肩にミサイルを装備していることが多い。複数の敵をロックオンする“マルチロック”を行なうためには、攻撃ボタンを長押しする必要がある。
キーボード操作のデフォルト設定では、肩武器のボタンはQキーとEキーだ。そして移動操作には、WASDキーを使う。もしいまあなたの目の前にキーボードがあるなら、以下のことを同時に試してほしい。
左手小指を“クイックブースト”用のshiftキーに添える
左手親指をジャンプ用のspaceキーに添える
AキーとSキーを押しっぱなしにして左後方に移動
EキーとQキーを同時に長押ししてダブルマルチロック
指がああああああ!
そう。左手の指がねじれるわ足りないわといった状態になる。マルチロックまで加わると、気分はもはやツイスターゲームだ。先ほど触れた眼精疲労も合わせて、指と目から光が逆流する。
正直、ここで「あかん、この記事は企画倒れだ」と一回は思ったが、そういえば本作にはキーアサイン機能があるのだった。キーアサインで押しやすい設定に調整してみると、指がねじれる事態は簡単に回避できた。
筆者は肩武器の攻撃ボタンを、マウスにふたつあるサイドボタンに割り当てた。これで4つの武器すべてを右手で操作できるので、分かりやすさもアップ。
ついでに、マウスの感度は最大の10から8に落とす。これでも十分にカメラを速く動かせて、なおかつ目への負担も軽減。
両肩・両手の4つの武器をマウスに設定すると、左手は移動、右手は攻撃(+カメラ操作+エイム)と使い分けることになる。
射撃しながらミサイルを撃つ際はマウスを右クリック長押ししながらサイドボタンを連打するなど、右手はやや忙しいが、少し遊べば慣れるレベルだとは思う(この辺の感覚は人それぞれ)。
マニュアルエイムとの併用でまさかの大躍進
ここで筆者は、パッド操作だとまったく使っていない拡張機能“マニュアルエイム”のことをふと思い出した。初見時には「ごりごりの競技FPSじゃないんだから」と言って無視した機能だ。
アリーナで集めたOSTチップで解禁できる、OSチューニングの各種項目。マニュアルエイムはそのひとつだ。
この機能をオンにすると、先にも触れたオート照準機能がカットされる。つまり、射撃はつねに敵のほうではなく、画面中央のターゲットサイトのところへと放たれるようになるわけだ。一般的なFPSとほぼ同じ射撃感覚になる。
画面中央のターゲットサイトの左右に縦線が入っているのが、マニュアルエイムがオンになっている印。敵に近づいてもターゲットアシストはいっさい働かない。
FPSと同じ感覚ということで、これまでFPSで培ってきたエイム技術を機体戦力に上乗せできるのが、この機能の最大のメリットと言える。
オート状態だと攻撃は発射の瞬間に敵がいる地点に向けて放たれる。弾の自動追尾性能がなかったり低かったりすると、相手が通り過ぎた後の空間をむなしく弾が通り過ぎることが多い。
反面、マニュアル操作なら、敵の移動先の予測と弾速を加味し、予測射撃を命中させることも可能になる。いわゆる“偏差撃ち”と呼ばれるテクニックだ。
オートだと照準が追いつかない素早い相手にこそ、マニュアルエイムの可能性が光りそう。
ライフルなどでの予測射撃は玄人向けだが、広範囲に爆発が広がるグレネードやバズーカならどうだろう。実際に“多重ダム襲撃”ミッションで試したところ、これが非常に有効に働いた。
とくに際立ったのは四脚使用時だ。上空でホバリングしつつ、両肩に二連装グレネード、左手にバズーカを持ったスタイルのときは、予測爆撃がはかどって仕方ない。言わば置きグレ(※)し放題”である。
※置きグレ:敵が来そうな位置を予測して爆発物を投げ込むテクニック。“グレネードを置いておく”という意味。
上空からなら地面に向けて撃ちやすいので、予想した敵の進路に爆発を“置く”ことで、先読みでダメージを与えられる。筆者も昔は『バーチャロン』でよく置きレーザーを撃っていたものである。
また、同ミッションでは複数の敵が密集して並んでいる。そこをグレネードで狙う場合、自動照準だと敵に照準が合うためほかの敵を爆発に巻き込めないことが多かった。
マニュアルエイムならこのお悩みも解消可能。敵付くの地面を狙うことで、爆発範囲の調整がスムーズに行きわたり、一発でより多くの敵を倒せた。
敵に検知されていない状態で攻撃するとダメージが増加する。マウス操作の繊細な動きと併せて、マニュアルエイムでの遠距離爆撃はかなり有用に感じる。
あとひとつ、マニュアルエイムはいつでも任意でオン/オフ可能という点にも注目したい。予測射撃が難しい高速の敵に対してはマニュアルエイムをオフにしておき、多くの敵をグレネードでまきこみたくなったら即座にオンにするなど、簡単に使い分けられる。
FPSの観点で言えば、キャラ5~6体分に及ぶ範囲のエイムアシストと、頭部などを精密に狙い撃てるアシストオフの状態を、ゲーム中にメニューなどを起動せず、ボタンひとつで切り替えて使い分けられるということだ。先述の“置き爆撃”などのマニュアルならではのテクニックと、便利なオートエイムの両方の強みを制限なく活かせる。
“多重ダム襲撃”では、数多くの動きが遅いエネミーと戦う道中ではマニュアルエイムをオンにし、ACと戦うところではオフにして回避に専念。このスタイルが快適だった。
操作方法の選択やキーアサインも、アセンブルの一環
キーボード&マウス操作をひととおり試してみた感想としては、ぶっちゃけてしまうと“プレイヤーしだい”といったところ。筆者はPCゲームのキーボード&マウス操作に慣れているので操作方法をスムーズに転換できたが、適性はプレイヤーごとに異なるものだ。
とはいえ、“キーボード&マウス操作もけっこう悪くない”というのは事実。PCで長くFPSをやってきたプレイヤーは「ゲームパッド操作は苦手だからやらない」という判断をしなくていい。
どちらの操作のほうが絶対的に攻略しやすい、という要素は確認できなかった。どっちの操作でも慣れしだいで、等しくヘリは撃破できる。
ここで思い出してほしいことがある。本作『ACVI』は、機体のパーツを選ぶ“アセンブル”こそが攻略において最大のカギだ。
いろいろと操作方法を試しているうちに、操作方法を選んだり、自分がプレイしやすいようにキーアサインを変えたりすることもまた、パーツ選びと同じアセンブルの一環だと感じた。機体のみならず、プレイしているハードすらアセンブルの対象と言える。
機体の脚を逆関節にするかタンクにするかなど、アセンブルも突き詰めれば“自分がプレイしやすくする”ための調整。操作方法の選択もその一部ではないだろうか。
現段階でも筆者には、指や目への負担が少なめなパッド操作のほうがやりやすいミッションや、キーボード&マウスでの正確な狙撃がほしくなるミッションについて、思い当たる節がある。どうしても突破できないときは、アセンブルのように操作方法を切り替えて挑戦する機会も出てきそうだ。
どの操作方法やキーアサイン設定も、人それぞれに合う可能性がある。機体のアセンブルだけでなく操作方法のアセンブルも、本作に慣れてきたと感じたとき、操作に違和感を感じ始めたときなどに、ぜひ試してみてほしい。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202309/05315604.html