ハンバーガーの食材たちがふわりと宙に浮かび、ラーメンの具がビートに合わせて踊りだす。これはグルメ漫画の比喩ではなく、筆者がイッちゃってるわけでも(多分)ない。目の前で文字通り起こったことだ。
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プレイステーション4/5およびPC/Mac向けに配信開始された『Nour: Play With Your Food』は、食とサウンドとゲーム的な操作が融合したインタラクティブ作品なのだ。なお本作の定価は1980円。本日から2週間は発売記念セールとして20%オフになっている。
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ゲームというよりゲーム技術を使ったインタラクティブ作品
謎の“魔法”でさらなるカオスに
インタラクティブな音楽アルバムとして楽しめ
PC版はDJやビートメイカー用のMIDIコンにも対応予定
ゲームというよりゲーム技術を使ったインタラクティブ作品
さて冒頭でわけのわからない事を言われて、「で、それゲームなの?」と思った人も少なくないことだろう。ぶっちゃけ、ゲームではない。本作には約20皿の“ステージ”があるのだが、そこに明確なゴールはなく、好きに遊んで、飽きたら好きなタイミングで勝手に次に行ける内容だ。
じゃあ実際何をするのかと言えば、ボタンを押すと食材が降ってきたりステージギミックが作動したりするので、爽やかでチルいビートが流れる中で「これ押したらどうなんの?」といろいろ押しまくってフードと戯れればオーケー。そういう超絶ユルい体験になっている。
ボタンを押すといろんな食材が出てくるので、ミートグラインダーでゴリゴリしてニュルニュル出すだけのステージ。
ひたすらハンバーガーを積み重ねていくステージなのだが、倒れちゃってなんかすごいことに。
謎の“魔法”でさらなるカオスに
これは必須ではないのだが、ビートに合わせてボタンを押していくとパワーが溜まり、さまざまな“魔法”が使えるようになる。
魔法を発動すると、食材がビートに合わせてダンスするかのように動きだしたり、無重力で浮かんだり、星座のように列を成したり、果ては燃えだしたりする完全なカオスに。「これはちょっとカオスすぎんな」と思ったら効果はいつでも停止可能だし、ステージの全体リセットも簡単にできる。
料理漫画なら「ラーメンの具材が口の中で踊っているようだ!」みたいなことを言うかもしれないけど、本作では意味深にスタイリッシュなアングルで食材が本当に踊る。
タピオカの星座だ!
そのほか、エネルギーを溜めなくても使える道具セクションもあり、包丁で無駄にぶった斬ってみたり、謎の光線銃で食材を無駄にデカくしたりもできる。
これらは使うとゲーム的に高得点になったりするというわけではなく、あくまで遊ぶための道具。子供のように無心に使ってみたり、使わないでみたりするといいだろう。
アイスクリームの上に乗っけるグミをデカくしたら、クラゲが気に入ったらしく持って行っちゃった。
インタラクティブな音楽アルバムとして楽しめ
実は各ステージにはちょっとした隠し演出なんかもあったりするのだが、それに到達するためのゲーム的目標が明示されないので、めぐりあえるかは割と運次第。
ひとつコツがあるとすれば、各ステージのギミックをひと通り確認したらすぐに終わりにしてしまうのではなく、ちょっと長めにダラダラあれこれ試してみること。
本作はフューチャーベース系を中心に結構いい感じのBGMが入っているステージが多いので、「クリアー」を目指すのではなく、インタラクティブな音楽アルバムとしてサウンドに合わせてボケーっとコントローラーを適当にいじってると、「おっ?」という感じのシーンが入ったり、思わぬギミックを発見できていい塩梅になるだろう。
欧米のちょっとオシャレなホテルのロビーとかに行くと、こういう果物入れた水置いてあるよね。
というわけで本作、「フードはアートだ」という信念によって作られた、さまざまな食材の色や料理に紐付いたイメージなどを楽しむという作品になっている。
20面をひととおりプレイするのは最短でやろうと思えばあっという間にできてしまうので、お値段以上の価値があるかは人次第。「発売記念セール中の価格(1584円)なら、音楽アルバムを一枚ノリで買ったと思えばそんなものなのでは」といった感じだ。
まぁお察しの通り人はかなり選ぶし、「食材で遊ぶのはゲームの中で見るのも無理」という人にはあまりオススメできない内容だが(まぁCGなので食材が飛んだり落ちたりしても無駄にはなってないんだけど、筆者も食べ残しは絶対しないタイプなので気持ちはわかる)、なんか感じるものがあるという人はあまり難しく考えずにダラーっとトライしてみるといいんじゃないだろうか。
ステージ開始時には謎の警句が示される。「心に麺を持てば、人生に麺を持てる」そ、そうですね。
PC版はDJやビートメイカー用のMIDIコンにも対応予定
ところで、記者がかつてアート系インディーゲームが集まる海外イベントIndiecadeで本作をプレイした際には、DTM用のMIDIコントローラー(DJ TechTools製のMidi Fighter 3D)で遊ぶ作品として出展されていた。
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それらMIDIコントローラーへの対応予定はどうなったのか開発者のTJ氏に聞いてみたところ、使用しているゲームエンジンのUnityのアップデートにより修正が必要となったことと、優先事項として家庭用ゲーム機対応に集中する必要がでてきたことで、一旦後回しにするよう決まったのだとか。
というわけでPC版でのMIDIコントローラーへの対応予定は依然としてあり、発売後のアップデート対応を予定しているとのこと。インディーゲーム好きかつパッドなどが付いたUSB-MIDIコントローラーをお持ちの人(※)は、PC/Mac版のアップデートを待つといいだろう。
(※何人が必要とする情報かわからないが、16個以上パッドやボタンが付いてるMPC系の機器がオススメ)
...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202309/12316540.html