ユービーアイソフトより、プレイステーション5、Xbox Series X|S、PCにて2023年12月7日に発売予定の『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』。
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本作はジェームズ・キャメロンが監督を務める映画『アバター』シリーズを原作とした、ゲームタイトル。開発は『ディビジョン』シリーズなどで知られる、Massive Entertainmentが務めている。
本記事ではメディア向けの先行試遊会にて体験した開発中バージョンの試遊レビューをお届け。なお、開発途中のバージョンとなっているため、一部製品版とは異なる場合があるとのこと。また、UI(ユーザーインタフェイス)は英語で会話ログのみ日本語となっているが、製品版ではすべて日本語化されている。
今回は、PC版の開発ビルドでプレイ。
自然を駆使し、人間たちと戦え!
ゲームは主観視点で進む、一人称型シューティング(FPS)。プレイヤーはナヴィ族(※1)のひとりとなって、世界を冒険しながら民間軍事会社RDA(※2)と戦っていく。時系列は映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の少し前、とのこと。
※1……映画の舞台にもなっている衛星・パンドラに住む、肌の青い人型の種族。自然を重んじる。
※2……地球人の組織。外星から現れ、パンドラを資源調達のために“侵略”している。簡潔に言うと敵役。
試遊版は一部ミッションを切り取った形で体験できるものだったので、詳しいストーリーについては把握できなかった。事前情報によると、主人公はパンドラで生まれたナヴィ族だが、RDAに育てられたハイブリットな存在。紆余曲折を経てRDAから自由の身となり、自身の故郷であるパンドラを救うために戦っていくようだ。
体験できた内容はメインキャンペーンの一部といくつかのサイドクエスト。そして、オープンワールドを自由に探索することができた。一部の要素は制作途中のためかうまく機能しなかったり、行動できる範囲も限られていたが、約2時間のプレイからわかったゲームシステムを紹介しつつ、感想を述べていこう。
未知に満ちたパンドラを冒険しよう
移動は機動力の高いタイプのFPSといった感じで、ダッシュやスライディング、ジャンプはハイジャンプや二段ジャンプも可能。登れる場所であれば崖に近づくことができればスイスイ登ってくれる。
フィールドにはパンドラ固有の植物が満載で、採取可能なものは回復アイテムやクラフトに使用する素材が手に入る。採取は左スティックとボタンの組み合わせで、“もぎ取る”ような操作を要求される。レアな植物であるほど採取が難しくなるそうだ。
植物ごとにもぎ取る操作が違い、ブチッと取る感じが妙に気持ちいい。
また、植物のすべてが素材というわけではなく、中には攻撃で爆発したり、近づくとダメージを受けるなど、戦闘に絡むものもある。また、踏むと大ジャンプができたりツタが伸びてロープのように使えたりするなど、移動に関する植物も存在する。
触れると最大HPが永続的に増える植物もあった。大事な収集要素になりそうだ。
パンドラには植物だけでなく野生動物も存在。狩猟できるほか、仲よくなったりすることもできた。ときには、RDAに捕らえられている生物を助けたり、身体に機械を埋め込まれていた生物から、機械を抜き取ってあげる要素もあった。
野生動物はゆっくり近づかないと基本逃げてしまうので、怯えさせないように徒歩で近づく。
刺さっているRDAのビーコンのようなものを抜いてあげよう。
幻想的な見た目の動物ではあるが、動く姿はとてもカワイイ。助けると貴重な素材アイテムをくれた。
ミッション地点への道しるべや重要な要素、敵のシルエットなどは“ナヴィの感覚”というシステムを使うと視認可能。ナヴィの感覚はかなり万能なシステムで、分からない生物や敵が居ればスキャンすることができ、その性質を探ることができる。
このように、本作はパンドラの世界で自然の力を駆使しながら冒険をくり広げていくのが基本となっていた。
ナヴィの感覚で見ると、各植物の特性などが見れる。
探索しながら自身を強化
ミッション中では、高低差のある場所を登ったり飛び越えたりしながら探索していくシーンがあり、アスレチック要素も多かった。届く場所ならば基本的にはどこでも登れてしまうので、自由なルート取りができるのが非常に楽しい。ただ、あまりにも自由すぎて「どれが正規ルートなのかわからない」という場面も。
また、ナヴィの感覚はある程度は目的地を場所示してくれるが、どう行けばいいのかは教えてくれないので「もう少し誘導がほしいな」というのが正直な感想。
中心にある、白い柱がナヴィの感覚で見えるマーカー的な要素。地上だとかなり見難いので、いまのところは空中からポイントを探すことがメインになっているように感じた。
迷い果てたあげく、正規ルートを大幅に超えて、浮かぶ山のさらなる上まで到達してしまった。ある意味、視界にある場所ならばどこでも到達できるという意味ではあるのだが。
なお、敵ならば赤くハイライトされるため、戦闘では非常に役立った。
装備は事前に用意されたものを使用していたが、本来は入手や購入または素材を集めてクラフトして集めるとのこと。装備にはレベルだけでなく、アクセサリ的なアイテム“MOD”での強化も可能だ。
クエスト達成などで溜まるスキルポイントでは、スキルツリーを通してさまざまなスキルを取得できる。バトルに使えるものや素材収集に関するものなど、さまざまなスキルが用意されていた。
全体的には探索しながら装備や能力強化で戦力を確保し、ミッションに挑んでいくというゲームサイクルになっているようだ。
ジャンプ台のような植物。乗ると前方に吹っ飛ばしてくれる。
矢や弾薬なども、素材を消費してクラフトできる。
真ん中の蓋のような植物。根の伸びた先に葉があり、触れたり攻撃すると開く。植物はギミックにもなっている。
バトルは立ち回りの自由度が高い!
戦闘ではおもに遠距離武器を使って戦う。メインとなるのは弓で、取り回しの利く短弓と、いわゆるスナイパーライフル的な性能の狙撃にすぐれた長弓が使用できた。また、スタッフスリングという投石杖も使用できたが、具体的にどんな強みがあるのかは、短い体験の中では把握できなかった。
ナヴィ族らしい原始的な武器のほかにも、RDAに育てられた影響からか、アサルトライフルも使用可能。また、一時的なものとしてロケットランチャーも使用できた。ほかにもスタングレネードといった爆発物も使用可能だった。
RDAに見つかると、大勢に追い詰められてしまう。この数を正面から戦うのは、かなりたいへんだ。
ゲーム的には弓はおもにステルス用で、銃は気づかれるがバトルに強い、というような性能だ。敵として出現したRDAの兵士たちは生身で銃撃してくるが、AMPスーツというパワードスーツを操縦している者も存在。彼らに見つかると執拗に追いかけられ、うまく見失ってくれたとしてもしつこく探索を続けるし、再度見つかればまた激しく攻撃してくる。
AMPスーツの敵はとくに厄介で、見つかればみるみるうちに撃たれて倒されてしまうくらいに強い。が、慣れてしまえばスーツの弱点部位を狙い撃つことで比較的簡単に撃破できた。とはいえ立ち回りには慎重さが求められる。ヘリなども存在し、基本的には文明力の高い人間たちの機械と戦っていくことになりそうだ。
しかし背中の光る弱点などを攻撃できれば……。
あっさり倒せてしまったりもしたので、立ち回りによっては見つかろうと案外安全だった。
ロケットランチャーなら……。
ドカンと一撃。携行武器ではなく、使い切りのようだった。
全体的にはステルスもできるし、攻撃的に立ち回るも自由というような攻略スタイルになっていると感じた。体験したミッションの中には拠点を制圧するものが存在し、敵基地をどう攻略していくのか? と考えながら戦うことができた。
ハッキングも可能で、ミニゲームに成功すればミッションを進められるシーンも。また、敵などにもハッキングができ、RDAの自動機銃の動きを止めることも可能だった。敵のAMPスーツにもハッキングを仕掛けることができたが、試遊版では動きが止まるのか破壊できるのか効果はいまひとつ掴めなかった。
ステルスプレイにおいては、生身の兵士は弓矢で暗殺し、AMPスーツなどの機械類はハッキングという感じになるのではないだろうか(もしくは、隙を付いて操縦している人間を撃ち抜くか)。
ちなみに、拳銃で野生動物を倒すと素材が剥ぎ取れず、弓で倒すと剥ぎ取れるという仕組みだった。剥ぎ取る際には、動物たちとの共存精神や尊敬の念を持つ、ナヴィ族らしい感謝の気持ちを主人公がその都度述べる。それゆえに、弓で狩る必要があるというのはなんだか納得してしまう要素だった。
ハッキングは迷路に挑戦するミニゲーム。
うまくいかなかったが、おそらく破壊できると思われる。
翼竜・イクランで空を飛べ
ユニークなのが、翼竜“イクラン”の存在。体験したクエストでは、イクランを仲間にする(正確に言うと選ばれる)内容のものが存在し、自身の能力でイクランを追いかけ続け、最後に絆を結ぶ。イクランには自分で名前を付けることも可能で、体験ではいくつかの候補リストからの選択式だった。
何度も何度も逃げていったイクラン。
苦労の甲斐もあり、ようやく絆を結べたときは、とてもうれしかった。
イクランは飛行可能な騎乗動物で、仲間にしたあとは基本いつでも呼び出せる。空を飛んで移動できるので移動範囲はグッと広がり、本作の移動の要となりそうだ。飛行中は急降下や急上昇なども可能で、快適な空の旅を楽しめた。
もし高所から落下しても、イクランを呼び出せばイクランが受け止めてくれるので、とても頼もしい。また、スキルを上げていけば、さまざまな技を覚えてくれる。
そしてここから、空を自由に飛び回れるようになる。
また、イクラン騎乗中は戦闘も可能で、弓や銃を撃つことが可能。イクランで飛びながら敵ヘリを破壊したり、空中の拠点を制圧したりするミッションもあったので、地上を超えた空中の立体的なフィールド体験が楽しめた。
ただ、イクランの移動速度はそこまで速いわけではない。急降下などを駆使してもスピードが上がったりするわけではない様子で、ただただ空中を飛び続けるだけのシーンもあり、空中移動は飽きやすそうに感じた。いちおう、本作は1度訪れた特定の場所にはマップ画面からファストトラベルで移動することも可能。ただ、もう少し飛行部分に工夫や遊びがあれば、空中移動も楽しくなりそうだ。
ちなみに基地攻略に使うのもアリ。飛び回りながら狙撃するのもいいだろう。
発売が待ち遠しい!
主観視点のオープンワールドタイトルはすでにいくつも存在するが、映画『アバター』の世界の中で冒険できるというのは、やはり唯一無二の魅力。パンドラが舞台であるからこそ、自然を駆使して科学に立ち向かう、という設定もゲーム的にユニークだ。
体験した範囲で言うと、ゲームシステム的には同じくユービーアイソフトの『ファークライ』シリーズにかなり近い印象。素材収集やクラフトの要素、基地をどう攻略するのかの自由度など、プレイフィールはかなり似ていた。同シリーズのシステムが好きな人ならば、きっと楽しめるだろう(ワルに満ちたイカれた世界観が好き……という人は別かもという話)。
ほかの部族と出会うことも。
この基地をどう攻略していくのか考える感じは、まさに『ファークライ』シリーズっぽいところ。
個人的にはアスレチックと探索の要素が非常に楽しく、生えている植物たちはすべて未知のものゆえに、どんな効果があるのか、何があるのか探し回るだけでもワクワクし、体験時間はあっという間に過ぎ去ってしまった(何ならちょっと延長していただいた。ありがとうございました)。
開発中バージョンゆえに不安定な部分や調整不足気味の部分もあったが、しっかりと製品版の発売が期待できる内容になっていたので、筆者もいちファンとして、2023年12月7日の発売日が非常に楽しみだ。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202310/31322168.html