RIOT MUSIC・Vシンガー松永依織、初の生バンドライブ「Awaken Now」レポート 「ずっとずっと夢だった」
2024年2月16日 19:36 VTuber
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「RIOT MUSIC」のバーチャルミュージックレーベル「Blitz Wing」所属アーティスト松永依織さんが、2月10日(土)にVeats Shibuyaで「松永依織バースデーライブ2024 Awaken Now」を開催。2020年9月にデビューした松永さんにとって、3度目のワンマンライブで初の生バンド演奏による公演だ。会場で感じた、生の音の響きと熱気を含めてレポートしていく。
念願となる初の生バンドライブ!
松永さんと今回、サポートバンドを務める「STRIX」のメンバーが登場する前に、まずは、DotnoiさんによるDJタイム。RIOT MUSICのオリジナル楽曲やカバー曲のプレイにより、オールスタンディングで声出しOKの会場は、すでにライブ本編が始まっているかのような盛り上がりを見せる。記者席は2階のため、会場の構造上、1階の客席エリアの様子は、前方の半分くらいしか確認できなかったのだが、視野に入る観客のほぼ全員が、曲ごとに色を変えながらペンライトを振っていた。
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「次、DJ、最後です」という予告の後、流れたのは松永さんの4thオリジナルソング「フルスロットル!!!!!!」。DJタイムで客席のテンションは早くも全開になった後、ステージ上の暗幕が開かれ、本日の主役が登場した。
ステージ上、向かって左にベースのENAさんとドラムのisamuさん、右にギターのRayさんとキーボードの匠さんが並び、中央に設置されたモニターの中では、目を閉じた松永さんがマイク片手にスッと立っている。「行くよ」という第一声の後に続いて、披露したのは、イントロのギターを聴くだけで、多くの人(オタク)のテンションが高まる定番アニソン「God knows…」。低音から高音までの広い音域と力強さを求められる曲だが、松永さんは悠々と歌い上げ、開演前から盛り上がっていたファンのテンションはさらに高まっていく。続く2曲目は、高速で複雑なメロディーを聴くだけで、歌唱と演奏の難易度の高さが想像できるUNISON SQUARE GARDENの「Phantom Joke」。
オリジナル曲を8曲も持っているアーティストのワンマンライブで、開幕からカバーが2曲続く構成には少し驚いたが、まるで自身の曲のように難易度高めの曲を歌いこなしていく松永さんのパフォーマンスに、すぐ惹きつけられていった。
3曲目は、この日、最初のオリジナル曲「我儘コンフリクト」。カバーの2曲で感じた魅力にキュートさも加わったボーカルが印象的だ。いきなりクライマックスのような3曲を連続で歌いきると、「来てくれて、みんな本当にありがとう。どう? 楽しんでる?」「どれどれ……。あ、グッズ、付けてんじゃん」などと、友達に対するようなフランクさでファンたちに語りかける松永さん。彼女のワンマンライブの会場を訪れるのは、初めてだったのだが、最初に驚いたのは、生で聴いた力強くもキュートなボーカルのインパクト。
次に驚いたのが、客席のファンとの距離感の近さだった。MCでの客席とのやり取りを観ていると、良い意味でバーチャルシンガーのライブに来ているという意識は薄くなり、4人のバンドマンの真ん中に「松永依織」という一人の女性ロックシンガーが立っていることをはっきりと感じられた。ステージ上での実在感は、もちろんパフォーマンス中も薄れることはない。モニターの中の松永さんの滑らかな動きも、その印象をより強める要因になっていた。
ライブタイトル曲の「Awaken Now」を初披露!
4曲目から10曲目までは、カバー曲のゾーン。オリジナル曲を披露することにはこだわらず、生バンドライブとしての盛り上がりを最優先に考えたことが伝わってくるようなセットリストで、ライブ映えする楽曲が続く。5曲目と6曲目に披露したLiSAさんの「ROCK-mode」と「oath sign」は、特に松永さんのボーカルとの相性抜群で、力強いパフォーマンスは前半のクライマックスだった。
また、9曲目の「ギターと孤独と蒼い惑星」と10曲目の「星座になれたら」は、ガールズバンドが主人公の大人気アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」の劇中曲。この2曲のパフォーマンスも生バンドライブならではの魅力と、カッコ良さと可愛さを兼ね備えた松永さんの歌声の魅力が全開だった。
MCを挟んだ11曲目からは、オリジナル曲のゾーン。メロディアスな導入から大きな広がりを見せていく「永遠の場所」をしっとりと歌い上げた後は、ロックシンガーとしての松永さんの魅力が詰め込まれた楽曲「Crossed Identity」を熱唱。さらに、まるで生バンドの演奏と共に歌うために作られたような新曲「Awaken Now」を初披露。「みんな初めてなんで、好きなようにブチ上がってください」という言葉に従い、イントロからペンライトを激しく突き上げていた客席の盛り上がりは最高潮に達した。
オリジナル楽曲として九つ目の初披露を終えた松永さんが、「次でラストです」と楽しい時間の終わりを告げると、客席からは嘆きのブーイング。「勝手にもっと歌っちゃう?」という言葉に客席は大いに湧いたが、「最後の曲の前に、ちょっとお話し聞いて」と可愛く語りかけ、最後のMCを始めた。
「本当にマジで、ずっとずっと夢だった生バンド演奏でのワンマンライブ。やっぱ、最高に楽しいね。全然違う! 現地でのワンマンライブは今回で3回目なんだけど、今までの全部のライブを越えるためにもいつもより命賭けて、フルスロットル以上に私にできることを全部やってきました。それが少しでも身になって、君たちに私の熱が、気持ちが届いていたらとても嬉しいです」
感極まったのか、途中で一瞬だけ涙ぐんでいるような雰囲気もあったが、すぐに立て直して言葉を続ける。
「今回、このライブを通して少しでも君の力になれたら、少しでも音楽って楽しいなって思ってくれたら。そして、日々、辛いこともたくさんあると思うけど、乗り越えられる力になれていたら嬉しいです。いつもは、私が君に力をもらっているから、その恩返しができていたら嬉しいな! 最後はラブ&ピース、一緒に叫びましょう」
アンコールでも「UNISON SQUARE GARDEN」の名曲を熱唱
歌声と同じく、熱さと強さに可愛さも感じるメッセージの後、披露したライブ本編最後の曲は、サンボマスターの代表曲「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」。女性バーチャルシンガーのライブでサンボマスターのカバーを聴けたことに少し驚いたが、松永さんは、デビュー4か月後の2021年1月に自身のYouTubeチャンネルでこの曲のカバー動画を公開している。きっと、自身にとっても、ファンのとっても思い入れの濃い曲なのだろう。「女性ボーカリストがサンボ?」という驚きは、見当違いだったと思わされる熱と音圧が伝わるパフォーマンスだった。
その後のアンコールで披露したのは、オリジナル曲「大衆性ロマン」と、UNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」のカバー。最後の最後まで一貫して、生バンドでのライブにおける楽しさを重視したセットリストで、松永さんが今やりたいことを詰めこんだライブだったことを確信した。
会場のVeats Shibuyaは、オールスタンディングのライブハウス。客席のファンと軽口を叩き合うような距離感の近さは非常に好印象で、またこんな雰囲気のライブを楽しみたいと感じたが、同時に松永さんのパワフルな歌声は、もっと大きな空間ではどんな風に響くのだろうという想像も広がる。「ずっとずっと夢だった」生バンドとのワンマンを実現した気鋭のボーカリストが、今度はどのような夢を実現するのかを楽しみにしたい。
(Text byDaisuke Marumoto)
●関連リンク・松永依織(公式X)・松永依織(公式YouTube)・ 「松永依織バースデーライブ2024 Awaken Now」(公式サイト)
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引用元:https://panora.tokyo/archives/80664