推しを殺したい、早く退場させたいと思ったことはあるだろうか。オタクならふつうはないだろう。DC映画好きな筆者だってそう思うことは一度もなかった。ゲーム『スーサイド・スクワッド』をプレイするまでは。この記事は、バットマン大好きな筆者が、バットマン殺しを決意する物語だ。少しだけ自分語りにお付き合いいただきたい。
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※本稿は『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』の提供でお届けします。
逆立つ金髪の宇宙人、海賊王を目指すゴム人間、感謝の正拳突きをしてくる協会の会長、受け継がれた超パワーを使うNo.1ヒーロー、無限の概念を現実に落とし込む呪術師などなど。バトルマンガにはそれぞれ最強と言えるキャラクターたちがいる。
最強たちで打線を組んでオールスターチームを脳内で作るのは、オタクなら誰もがやったことがあるはず(あるよね?)。そんな最強チームを倒す、ヴィラン(悪役)チームを君は作らなくてはならない。
しかも、選べるのは序盤~中盤あたりに出てきた敵キャラだけ。印象深い敵なら望ましい(サ○ザー様とか、ホル・○ースとか、アー○ン一味とかあのあたり)。最終決戦で主人公陣を苦しめるようなラスボス・ライバル的存在は残念ながら禁止カードだ。
「は? 無理じゃね?」と思った方。その通り。ハッキリ言ってかなりの無茶振りだし、死にに行くようなもの。残念ながら『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』では、そんな無茶振りを言いわたされるうえ、拒否権もないときている。そういうゲームだ。
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イカれたバンドメンバーを紹介するぜ
ジャスティス・リーグ
ジャスティス・リーグはDCコミックスが誇る最高&最強のヒーロー集団。
超高速で走れる最速の男フラッシュ、自由自在に物体を構築し操作できるグリーン・ランタン、神の力や武器を使いこなすワンダーウーマン、世界一の名探偵であり卓越した格闘技術を持つバットマン、そして神にも等しい力を持つ切札スーパーマンといったヒーローたちがチームを組んでいる。ジャンプ主人公が同じ世界でチームを組んでいるみたいなものだと思ってほしい。
とくにスーパーマンはヤバい。超パワーに超スピード、透視もできて、どんな距離でも聞こえる超聴力も持っていて、口から吹雪は出すわ、目から熱線(ビーム)も出るわのやりたい放題。
街全体の音は余裕で聞こえているので犯罪を計画している時点でバレるし、人質をとっても弾丸より速いので関係ない。核爆弾を食らわせても死なないうえ、山の1個や2個を消すのは朝飯前。「もうあいつひとりでいいんじゃないかな~」を素で体現したようなやつだ。
「じゃあスーパーマンなんとかしたらいけんじゃね? たしか弱点あったよね」と思ったそこのあなた。たしかにスーパーマンに的を絞れば万が一どころか億が一くらいの確率でどうにかなるかもしれない。だがもうひとりの壁が待っている。それが……
バットマンだ。ただの変態コスプレ野郎と侮るなかれ。じつはジャスティス・リーグ内でも一番気を付けなければならない男だ。
単純な力はジャスティス・リーグの中でも最弱。正面から戦えば勝てるかもしれない。でも彼は絶対に正面から挑まない。分析して弱点を見つけ、恐怖で相手を縛り、弱点をついて仕留める。勝てる勝負しかしない超厄介なタイプなのだ。それヒーローとしてどうなの?
しかもこいつは有り余る財力で装備も豊富。こちらがどんな新装備、新能力を身に着けてもつぎの瞬間にはそれを超えてくるのが関の山だ。だいたいバットマン自身ふつうの人間なのにメタヒューマン(超人)をボコボコにできる時点で察してほしい。
スーパーマンがカードパワーでゴリ押すカードゲーマーなら、バットマンはどんな敵でもメタを張って相性のいいデッキを組んでくるタイプ(しかも金に物を言わせて)のカードゲーマーといったところ。スーパーマンが最強なら、バットマンは最凶なのだ。
しかも、こいつらちょくちょく喧嘩するくせに、人類の敵と判断したなら容赦なく組んでくる。レーダーチャートが全方位天井を貫通している完璧超人ふたりでもキツイのに、地上最速の男と緑の宇宙警察、ゴッドパワー持ちのアマゾン族も付いてくる。なんなら作品によってはアトランティスの王、機械人間のサイボーグあたりもセットドリンクみたいに付いてくる。
結論「あいつらを倒せだなんて、無茶言うな」。
スーサイド・スクワッド
いっぽう“スーサイド・スクワッド”。本作における主人公側だ。
彼らは刑期短縮の恩赦をもらうため、そして首の爆弾で殺されないためにミッションをこなす犯罪者集団。というかろくでなしの荒くれもの。国の機関“アーガス”の危険な任務を命懸けでこなすチームだ。
今回のメンバーは、卓越した近接戦闘が売りのハーレイ・クインに……
ジョーカーの元恋人。かなりのイカれっぷりだが一応ふつうの人間。博士号を取得するなど意外にも賢さに定評がある。
DCコミックス界指折りの狙撃手・暗殺者のデッドショット……
驚異的な射撃の腕だがふつうの人間。世界一の暗殺者デスストロークによく比べられ、世界二位と言われることを気にしている。
ブーメランの達人“キャプテン・ブーメラン”……
自己中心的、ゲス、ぬいぐるみフェチのホームレスとさんざんな言われよう。でもブーメランの腕は一級品。
力自慢の超人(というか超サメ?)キング・シャーク……
父親はサメの神。水中なら無類の強さを誇るがなぜか地上で戦いがち。凶暴そうだし実際凶暴だが、本を読み教養を蓄えるなど知性もしっかりある模様。
そもそもこいつらヒーローに負けたから収監されていたわけで、ライバル(あるいはラスボス)的なヒーローに比肩するキャラでもない。
だいたい全員銃を持ってはいるけど、スーパーマンもフラッシュも弾丸より速い。どうやって当てればいいんだよ。ひとりにいたってはブーメランだし。ハーレイお得意鈍器攻撃も鋼鉄の男(スーパーマンの異名)やワンダーウーマンみたいな超人には効かない。
狙撃した相手が後ろにいるという恐怖……。
正面突破はヒーローで無理。搦め手はバットマンで無理。命令に逆らえば首の爆弾が爆発。本作の舞台のメトロポリスって地獄だったんだなぁ。
悪人に許された唯一の手段も……
悪役(ヴィラン)に許された唯一の手段がある。非人道的な作戦を使うことだ。
人質、無差別テロ、大量破壊兵器、生物兵器など非人道的であればあるほどいい。そうして生まれる隙をつく。最強ヒーローチームを倒すにはそれしかない……そう思っていた時期が筆者にもあった。
そもそもなぜ国の命令でヒーローを倒さなくてはならないのか。それは彼らが宇宙人(ブレイニアック)の洗脳で闇堕ちしたからである。
バットマン、グリーン・ランタンがみずから進んで市民を捕まえ、改造し、兵士への改造手術をするほどのイカれっぷり。主人のためなら仲間や一般人殺しもいとわない。というかスーサイド・スクワッドのメンバーが霞むぐらい人を殺している気がする。いまの彼らなら「人質? 大量破壊兵器? 生物兵器? こっちは困んないし使えばいいんじゃない?」ぐらいは言ってきそうだ。
ここで話は変わるが筆者はDCコミックスの中でもバットマンが一番好きだ。強い信念を持ちどんな敵にもあきらめず戦ってきた闇夜の騎士。1丁の拳銃が彼から両親を奪い、そのトラウマと復讐心がブルース・ウェインをバットマンにしたという背景もグッとくる。彼は復讐から生まれ正義に目覚めた男なのだ。
画像は『バットマン:アーカム・ナイト』のもの。
夜な夜な街にくり出し悪党をぶちのめす。昼のブルース・ウェインの顔はあくまでバットマンの活動のため。仮面の下の素顔とよく言うが、バットマンは仮面をつけた姿こそが本当の素顔なのだ。
英雄的行動ではなく現実的手段で目的を達成するダークヒーローの先駆け的存在。彼のヒーロー人生を体現した名言「私は報復、私は夜、私はバットマン」は、数あるセリフの中でも一番のお気に入りで、いまでもこれを聞くために『バットマン:アーカム・ナイト』をプレイしたくなる。
そんな大好きなバットマンが闇堕ちする。初プレイ時、「闇堕ちしたとはいえ『アーカム』シリーズのバットマンがまた見られるなんてなぁ」なんて悠長に考えていたが、バットラングを一般人の首に刺す場面で心がザワザワ。
「嘘だよね。偽物だよね。オウルマンとかなんでしょ」とすがるように待ち構えると、あのバットマンが闇堕ちを象徴する紫の目で現れ、崩れ落ちそうになった。辛かった。あのブルースがなんでこんなことに……。残されたバットファミリーのことを考えると涙を禁じ得ない。アルフレッドやロビンたちはいまのバットマンを見てどう思っているのだろうか。
絶望は予兆もなくやってきた。あろうことか、バットマンが銃口を向けてきたのだ。両親を奪った銃を忌避し続けてきた、あのバットマンが。それは、それだけはあってはいけないだろ。ブレイアニックはそこまでバットマンを侮辱するのか。このとき決意が固まった。「早く殺してあげることが弔いだ」と。
まるっきり無理というわけではない……のかも
悪党がヒーローたちをぶっ飛ばす。制作陣も「さすがに無理じゃね?」と思ったのか、序盤にパワーアップ(?)イベントも用意されている。ジャスティス・リーグの本拠地“ホール・オブ・ジャスティス”でガジェットがもらえるのだ。
ハーレイはバットマンのグラップルとドローン、キャプテン・ブーメランはフラッシュの能力の源“スピード・フォース”を再現したガントレットを装備して、目には目を歯には歯をスピードにはスピードを作戦。デッドショットはジェットパックで空を飛べるようになり、キング・シャークは自力で大ジャンプできることが判明した……。
えっ? それだけ? って思っただろうが残念。本当にこれだけ。機動力は大幅に上昇したが戦闘力はまるっきり変わっていない。「これでどうやって戦えばいいんだ」状態である。
とはいえ嘆いても仕方ない。勝つビジョンはまったく見えないが死にたくないので玉砕覚悟でヒーローと戦うしかない。ヒーローの人殺しを止めるためにもヒーローを殺さなくては。勝ち目のない戦いにどう挑むのかはぜひ本編で。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202403/27338081.html