「にじさんじ、100周年目指せー!」お祭りを締めくくる7周年ライブ「OVERTURE」Nighttime Stageレポート
2025年3月2日 19:00 VTuber
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2月21日(金)~23(日)の「にじさんじ 7th Anniversary Festival(通称にじさんじフェス2025)」期間中、幕張メッセの幕張イベントホールでは、ホールイベントが連日開催された。24日(月・祝)には、後夜祭として、にじさんじ共通衣装で行われる周年ライブ「にじさんじ 7th Anniversary LIVE 「OVERTURE」を実施。主に英語を用いて活動する「NIJISANJI EN」のメンバーによる「Daytime Stage」と、「にじさんじ」のメンバーによる「Nighttime Stage」が行われた。
ここでは、えるさん、アルス・アルマルさん、星川サラさん、甲斐田晴さん、レオス・ヴィンセントさん、ローレン・イロアスさん、風楽奏斗さん、ソフィア・ヴァレンタインさんが全23曲を披露した「にじさんじ 7th Anniversary LIVE 『OVERTURE』 Nighttime Stage」の模様をレポートする。
*「ニコニコ生放送」でタイムシフトを視聴可能。視聴期間は、2025年3月10日(月)23時59分まで
レオスと一緒に異形のまめねこダンサーズも登場
現地も配信も大いに盛り上がった「にじさんじフェス2025」の最後のイベントとして開催された「Nighttime Stage」。出演メンバーは、2018年2月に1期生としてデビューしたえるさんから、2023年1月にデビューし、2024年5月に3Dモデルがお披露目されたソフィアさんまで、さまざまなキャリアのメンバーが集まっている。
ソフィアさんとアルスさんの影ナレの後、ライブ録り下ろしのビジュアルと共に、出演者を順番に紹介するオープニング映像が上映。一度、スクリーンも消え会場が真っ暗になった後、にじさんじ3周年記念プロジェクトで発表された全体曲「Virtual Strike」を歌いながら通常衣装姿の8人がステージに登場した。
最初のフレーズを歌っている中、8人は光の玉に包まれて「にじさんじ共通衣装」の姿に変身。会場からは、大きな歓声が上がった。ステージの左右には、ツインギター編成のバンドが並ぶ生演奏でのライブだ。サビのラップは、レオスさん、星川さん、アルスさん、ローレンさんがカッコ良く決める。
2023年12月の「にじさんじ 5th Anniversary LIVE「SYMPHONIA」」に続く2回連続での周年ライブ出演を果たした星川さんがリードする形となった最初のMCでは、順番に自分の衣装のこだわりポイントを紹介した。ベースとなるデザインは共通だが、メンバーごとの細かなアレンジもされた「にじさんじ共通衣装」。先日公開された担当スタッフたちの座談会でも語られていたが、各ライバーからの要望やアイデアもかなり採用されているらしい。
星川さんと同じく2年連続での周年ライブ出演となるレオスさんは、「2年連続なんで『変わってるところなんてあるの?』って思うかもしれないですけどね」と言いながら、メガネのレンズに光沢感が加わっていることをアピールし、客席を笑わせる。細かすぎるネタだが、技術的にはすごいこだわりだ。
MCパートの終わりに「私が歌わせていただきます」と語り、ステージに一人残るレオスさん。最初のソロがレオスさんなのは少し意外だなと思っていると「一発目ということで、ちょっと私もね、不安なところがあるんですよ。だから、友達を呼んでも良いかな」と、「まめねこダンサーズ」を呼び出す。客席が驚きざわつく中、ステージに現れたのは、体型的には人型で黒いタキシード姿だが、頭部はいつもレオスさんの胸のポケットにいるマスコットのまめねこという奇妙なダンサーたち。
レオスさん自身も「怖いー」と叫んでいる。「でも、一緒に頑張ってきた」というダンサーたちと共にレオスさんが披露したのは、フレデリックの「オンリーワンダー」のカバー。普段から声が大きいことに定評のあるレオスさんだけに、安定感のある歌声は会場へ響き渡り、トップバッターらしく客席を盛り上げていく。その両脇で踊るまめねこダンサーズも頭部の異様さを除けば、身体の動きはキレキレだ。
VRアイドル星川サラがARアイドルの名曲をカバー
レオスさんのソロステージに続いて登場したのは、星川さんと甲斐田さん。さらに、全身が青色と赤色の黒子のカップルも現れて、星川さんと甲斐田さんは、二人を囃し立てながらヤバイTシャツ屋さんの「ハッピーウェディング前ソング」を歌う。ステージの中央に立っているのは、ライバーではなくカップルたちという構図が面白い。ラストは、二人とも舞台袖に下がった後、小さな籠を持って再登場。カップルに花びらを撒いて祝福するという演出も楽しかった。ライブ序盤、ステージに小さな花びらを大量に撒けるのもバーチャルライブだからこそだろう。
えるさんとレオスさんが、アニメ「かいけつゾロリ」のオープニング曲「ハッスル」を元気に歌った後の5曲目は、えるさん、アルスさん、ローレンさん、風楽さんによるボカロ曲「ぼうけんのしょがきえました!」。王様役のえるさんとアルスさんは、豪奢なマントを背負った姿で登場だ。曲の進行と共に背景は変化し、さまざまなモンスターも登場するなど賑やかなステージで、最後のサビの前には、ステージに杖と剣が出現、4人が引き抜いて振り上げると、客席からは大きな歓声が上がった。
星川さん、甲斐田さん、レオスさん、ソフィアさんによるGoose houseの「オトノナルホウへ→」のカバーと、星川さんとレオスさんのMCを挟んだ7曲目は、星川さんのソロステージとなる。歌うのは、「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール」の挿入歌「Ubiquitous dB」。劇中では、大人気ARアイドルのユナ(CV:神田沙也加さん)が歌う曲で、キュートな歌声など高いアイドル性を持ち、「にじさんじフェス2022」での「月ノ美兎&星川サラ&不破湊&ChroNoiRステージ」に出演以降、ライブでの経験と実績を重ねてきた「輝く一番星」にはピッタリの選曲。新体操のリボンのように手の動きに追尾してはためくピンク色のエフェクトも可愛い。終盤、星川さんが立つ円盤状のステージが空中に浮く演出もバーチャルアイドルならではだ。
個性の輝くソロステージが連発!
エデン組のレオスさんとローレンさんがミラーボールにも照らされながら、こっちのけんとさんの「はいよろこんで」を熱唱した後、9曲目では、えるさん、甲斐田さん、ローレンさんがDUSTCELLの「オルターエゴ」を披露。MVのビジュアルに合わせて、椅子に座ったままダークな楽曲をクールに歌う。一方、「Ready Steady」を歌った星川さん、風楽さん、ソフィアさんは、ここまでの10曲の中で最も激しいダンスを披露。ソロでのダンスパートもあり、全員切れ味のある動きを見せた。
11曲目と12曲目では、二人続けてソロを披露。えるさんが歌ったのは、緑黄色社会の大ヒット曲「花になって」。サングラス姿のえるさんが車を運転している原曲MVリスペクトの映像と共に登場した時は、つい笑ってしまったが、その後は、表現力豊かでスケール感のあるボーカルに圧倒された。にじさんじの初代雑談王であり、ものまね&ショート動画の達人でもあるえるさんは、面白いだけではなく歌唱力も高いのだ。きっと、客席の中には、えるさんの歌声に驚いた人もいたはず。たまに行われる(1年くらい無かったこともある)えるさんの歌枠が以前から好きな筆者は、スタンドの記者席から古参ファン面をしながらステージを観ていた。
逆に、筆者が驚いたのが風楽さんのソロステージ。前日に開催された「VOLTACTION 1st LIVE“Dynamic VOLT”」も観られておらず、ライブでの風楽さんを観るのは、初めてだったため、Creepy Nutsの「オトノケ」で会場を熱狂させる姿に圧倒された。ステージを大きく使い会場にアピールしながら、高難易度のラップ曲をクールに歌い切る。舌も身体もどれだけキレキレに動くんだ。
えるさん、風楽さん、ソフィアさんという大ベテラン&若手トリオのMCの後は、またソロステージが続く。まずは、アルスさんがナナヲアカリさんの「ダダダ天使」をカバー。イントロで「見て見て~念願の共通衣装だよ。なんかねー、僕、今日、何でもできる気がするなー」とはしゃぐ姿からすでに可愛い。曲に合わせて装着している天使の輪と羽も「アルスさんって、天使系VTuberだったかな?」と思ってしまうくらい似合っており、パフォーマンスを終えると、女性ファンからの「可愛い~」という歓声が大きく響く。アルスさんの可愛さは、性別や年代も問わず有効なようだ。
14曲目では、ソフィアさんが2月14日に発表したばかりの1stオリジナル曲「ヴェルヴェット」を雪の舞うステージでライブ初披露。まさに、タイトルどおりに柔らかく優しい歌声で、力強さも含んだバラードを情感豊かに歌い上げる。力強いウィスパーボイスという不思議な概念も成立しているのが驚きだ。移動やターンも多く、バラードにしては動きの大きなダンス中も歌声はブレない。イラスト、動画、ゲームの作成など多才なスキルを持ち「(本業の)スパイ以外は何でもできる」と言われがちなソフィアさんに新たな魅力を見せつけられたステージだった。
8人で7周年記念楽曲を披露してフィナーレ
15曲目は、アルスさんとソフィアさんによるCHiCO with HoneyWorksの「可愛くなりたい」。16曲目は、えるさんと風楽さんによるEve × suis from ヨルシカの「平行線」と、デュエットが2曲続いた後は、アルスさん、甲斐田さん、風楽さんが3人でボカロ曲「88☆彡」を楽しく賑やかに歌う。風楽さんと入れ替わりにローレンさんが登場して始まったMCでは、ローレンさんが「88☆彡」の手振りを真似ながら「これやりたかった」と語っていたが、少し気持ちは分かる。
ローレンさんは、そのままステージに残り、ボカロ曲の「シャンティ」をカバー。曲名を発表した瞬間の歓声のボリュームは、この日、最大クラスだった気がする。装飾付きの椅子に座ったまま、観客たちの顔を見渡すようにしながらダークな世界観の楽曲をクールに歌うローレンさん。客席は、ローレンさんのペンライトカラーの真っ赤に染まり、ステージ前には本物の火柱。会場の熱気がますます増していく。
最後にソロのパフォーマンスを披露したのは、甲斐田さん。19曲目として昨年の10月に発表された7thオリジナル曲「水の記憶」を伸びやかな歌声で爽やかに歌うと、客席はライトブルーの光で染まる。ローレンさんの時とは、また違う静かだが深い世界観を感じさせるステージで、会場は広大な海のように美しい光景となっていた。
女性陣4人による超ときめき宣伝部の「最上級にかわいいの!」と、男性陣4人によるTHE ORAL CIGARETTESの「狂乱 Hey Kids!!」の後、本編のラストを締めくくったのは、アルスさん、星川さん、レオスさん、ローレンさん、ソフィアさんが歌うボカロ曲「Flyer!」。ルックスも歌声も絶妙にバランスが良く、まるでユニットのような5人は、キャッチーな楽曲に乗せて、会場の熱気をさらに盛り上げた。
5人の退場後、すぐに始まったコールに応えて始まったアンコールでは、出演者が一人ずつライブの感想を語っていく。それぞれに熱い思いのこもった内容だったが、筆者も気になっていたライブタイトルについて語ったのがえるさん。
「こんなに盛り上がったのに『OVERTURE』って、『序幕』っていう意味らしいから。ここからにじさんじの伝説、まだまだ始まって行くからね。にじさんじ、100周年目指せー!」
長命種のエルフで、今年1月に287歳の誕生日を迎えたえるさんだからこそのスケールの大きな野望に会場も大歓声。また、ライブ前日、失敗してはいけないと思い緊張していたアルスさんが、「VOLTACTION」のライブで風楽さんが転んだシーンを見て「転んだって良いんだ」とリラックスできたというエピソードも面白い。あんなにカッコ良く踊れる人でも転ぶんことあるんだ……。
観客も一緒に記念撮影をした後、全員で歌ったラストの曲は、「にじさんじ」7周年記念プロジェクト楽曲「Arc goes oN」。様々な楽曲や組み合わせで8人の歌声を聴いてきた後だからこそ、奇麗なハーモニーの中でも、それぞれの個性がより際だって聴こえてくる。
パフォーマンスを終え、会場全体に感謝を伝えながらステージを去る8人。最後、アルスさんの「終わりたくないよ~」という声に続き、えるさんの「にじさんじ最高!」という言葉で「にじさんじフェス2025」の全公演が終了した。まだまだ余韻の残る会場に流れた影ナレでは、全員で改めてお礼を伝えた後、「明日もやろう!」「また来週!」という声も。その言葉からファンと同じくライバーたちもこの約2時間半を楽しんでいたことが伝わってきた。
前日の「にじさんじフェス2025」閉会式では、「にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow!」の開催も発表。休む間もなく次々と新しい楽しみを供給してくれる「にじさんじ」が「OVERTURE」の後、さらにどこまで進んで行くのか? リアル人間な筆者の体で追いかけられる限りは追いかけていきたい。改めてそう思わせてくれる5日間の祭典だった。ANYCOLOR, Inc.
(Text byDaisuke Marumoto)
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