2023年6月6日に発売を迎える『ディアブロ IV』。『ディアブロ』と言えば、1996年に発売され、ハックアンドスラッシュというジャンルを切り拓いた名シリーズだ。初代『ディアブロ』の発売から約2年後にようやく生まれた筆者でも名前を聞いたことがあるくらい有名である。
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恥ずかしながら筆者はこれまで『ディアブロ』シリーズをプレイしたことがなかった。「そんなもんでゲームライター名乗ってんじゃねえ!」という怒号が飛んできそうな話だが、事実としてそうなのだからしかたがない。
でも、興味はあった。本当である。だからこそ、編集者からの「いっしょに『ディアブロ IV』の先行プレイをやってみない?」という誘いにふたつ返事で了承した次第だ。そんな『ディアブロ』初心者の体験記にお付き合いください。
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シリーズ未経験でも、この物語は“沁みる”
多様なクラスに柔軟なビルド! 無限に広がるスキルの世界に没頭
「いいアイテム出た!」に対して「おめでとう!」や「許さねえ」が飛び交うマルチプレイ
もちろんソロでも楽しめる ひとりで向き合うアイテム収集の世界
シリーズ未経験でも、この物語は“沁みる”
本作のストーリーは非常に重厚。“サンクチュアリ(人間界)”を生み出した大いなる悪魔・リリスの復活に端を発する戦いが描かれている。先述した通り、筆者は『ディアブロ』シリーズ未経験なので過去シリーズの事情は知らないのだが、そんな人間でもしっかりとハマった。
なお、『III』以前のシリーズの物語は以下の記事にまとめられているので、併せて読むとより深く『ディアブロ』の世界を楽しめるだろう。
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『ディアブロ IV』シネマティックトレーラー | 深淵より…
オープニングで描かれるリリスの再誕は、おぞましくもどこか神聖な雰囲気を感じさせる。こんなヤバい存在と俺は戦うのか……? と、プレイヤーに軽い絶望感を与えてくるムービーに、筆者はひたすら圧倒されることに。
繭のようなものからリリスが産まれる。恐ろしさと美しさが共存する奇妙なシーンだ。
ストーリーを進めると、『ディアブロIV』が持つ、仄暗く退廃的な雰囲気がビシビシと肌で感じられる。美しくも神々しい、強大な悪魔であるリリス。人間たちは彼女の甘い言葉に唆され、つぎつぎと自分を見失っていく……。そんな中、主人公はリリスを止めるべく立ち上がる。
天界と地獄のはざまで生きる人間たちの苦悩が描かれる濃密な物語。少しずつ歩みを進め、さまざまな人と話すたびに、その壮大な世界へと引きずり込まれる。
各章でしっかりと盛り上がりが用意されており、ストーリーを進めるモチベーションも維持しやすい。
ストーリーの序盤をプレイしただけでも、『ディアブロ』が持つ“ダークファンタジー”らしい息吹の虜になった。サンクチュアリなどの『ディアブロ』の用語もキャラクターとの会話の中で自然に説明されるので、シリーズの経験の有無に関係なく、ストーリーは十分楽しむことができるだろう。
各地にある街の雰囲気もとてもいい。暗い部屋の中でパチパチと火を灯す暖炉の明るさ……いい……。
「装備の名前がかっこいい!」と、ストーリーとは関係ないところでも感動したりもしていた。なんにせよ、初心者でもしっかりと楽しめるのはたしかである。
多様なクラスに柔軟なビルド! 無限に広がるスキルの世界に没頭
今回は編集者たちと3人でパーティーを組んでプレイした。パーティーの編成は、“バーバリアン”、“ネクロマンサー”、“ソーサラー”の3クラス。
筆者はバーバリアンを選択。ほかにも“ドルイド”や“ローグ”といったクラスがある。
筆者の選択したバーバリアンは近接攻撃特化のクラス。敵の攻撃をものともせずに突撃し、両手の斧と背中のデカ斧、デカハンマーで相手をカチ割るアタッカーだ。
オッス! オラ蛮族! 筆者はいわゆる脳筋なので、こういった近接攻撃クラスが大好物である。
敵を倒すとレベルが上がり、レベルが上がると新しいスキルが取得できる。ポイントを払ってスキルツリーを進めていく形式だ。
クラスの特徴はおもにスキルに表れる。バーバリアンはもちろん、ほぼすべてのスキルが近接攻撃だ。
ただ、近接攻撃といってもその種類は多種多様。“出血”と呼ばれる継続ダメージを主軸にした戦いかたがあれば、一撃の威力を高める“オーバーパワー”を使って大ダメージを狙うのもいい、ひとつのクラスでもさまざまな戦いかたが楽しめる。
出血ビルドでは、本来は数秒間に分けて与える出血ダメージを一気に叩き込める“ラプチャー”を使うのが非常に爽快。デカいダメージは気分がいい。
筆者は自身の攻撃速度を上昇させる“フレンジー”を主軸に、与えるダメージと移動速度を強化できる“バーサーク”状態を維持しながら立ち回る戦法を好んで使っていた。敵に張り付いて攻撃していると、どんどん脳が筋肉になっていくのが実感できる。ああ、楽しい、オレ、アクマ、タオス……。
戦いの雄叫びを上げながら敵の中心まで突っ込んでいく蛮族。筋肉は裏切らない! マッスルは正義!
そんな筆者の横では、大量のスケルトンを召喚して悪魔を襲わせるネクロマンサーや、連鎖する雷でザコ敵を一掃するソーサラーの姿が。そう、バーバリアンという1クラスだけでもいろいろな遊びかたがあるのに、まだほかに4クラスもあるのだ。
しかも、スキルビルド次第で同じクラスとは思えないほど多彩な戦法を味わえるからたまらない。なんてこった、無限に遊べるじゃねえか……。
スケルトンの軍勢を引き連れるネクロマンサー。たまに敵かと思ってびっくりする。
そして、スキルの振り直しがとにかく楽なことも紹介させていただこう。振り直しの対価としてお金を消費するものの、序盤のレベルが低いうちは非常に低く設定されている印象だ。「これ、強いかも!」と、心ゆくまで試行錯誤を楽しむことができた。
雷を打っていたソーサラーが、ちょっと見ないうちに炎のビームを発射していた。何そのビーム。俺も撃ちたい。
「いいアイテム出た!」に対して「おめでとう!」や「許さねえ」が飛び交うマルチプレイ
本作の大きな魅力としてトレジャーハント要素がある。日本語訳は“アイテム収集”。要素を簡単に説明すると、下記の通りだ。
敵を倒すと装備がドロップする。
ドロップする装備に等級があり、同じ種類の装備でもそれぞれステータスが違う。
何が落ちるかはランダムである。
つまり、“いい装備がドロップするかは運次第”ということ。そのため当然、プレイヤーのあいだでドロップアイテムに差が生まれる。そしてマルチプレイをしていると、そういう差がまたおもしろいわけで……。
大量に落ちた装備品を漁る。いいものが落ちる人も、そうでない人もいるのである。筆者はそうでない人。
「うわ! なんか強そうなの出た!」、「俺ノーマルのやつしか出てないんだけど!?」みたいな会話がつねに巻き起こる。ときには賞賛し、ときには文句を言いながら、お互いにわちゃわちゃ敵を倒しながら進み、ドロップした装備を見ては一喜一憂をくり返すのである。
「いいアイテムぜんぜん出ないんですけど!」なんて言いながらドロップした装備を並べて見せあってみたりもする。
高い等級の装備をドロップしやすい“トレジャーゴブリン”を、血眼になって追い回すの図。
いっしょに遊んでいた編集者たちは、筆者が“レジェンダリー”の装備を手に入れたときは喜んでくれた。こちらからは仲間がいいアイテムを拾ったら羨みと妬みの言葉でお返しをした。
これはある種の“マルチプレイの原風景”。シリーズ経験の有無に関わらず感じることができる根源的な楽しさがそこにはあった。強欲の悪魔と化した筆者に付き合ってくれた編集者が楽しかったかはわからないが……。
もちろんソロでも楽しめる ひとりで向き合うアイテム収集の世界
編集者たちとひとしきり遊んだ後は、ひとりでも冒険に出てみることに。目的はもちろん“レアリティーの高い装備”を集めることだ。
ひとりでの冒険。なんだか心細い気持ちもあるが、自由である。
会話を気にする必要もないので、お気に入りの音楽や動画を片手間に流しながらゲームをプレイ。目に付いた敵を片っ端から薙ぎ倒し、気になった洞窟に押し入り、街の人から受けたクエストをこなす。そして出たアイテムを見て喜んだり、ため息をついたりしながら、また別のところへ向かう……。
黙々と敵を狩り続ける。……ああ、これはこれでまた楽しい。ひとりで静かにプレイに没頭するのもマルチプレイとは違った趣きがある。アイテムを集めていると、すぐに時間が過ぎていく。でもやめられない。「あとちょっと……」が際限なく続く。
さて、ここまで述べてきたように、『ディアブロ IV』の遊びつくせないおもしろさは確かに感じることができた。ソロであろうとマルチであろうと、そして『ディアブロ』初心者であろうと、すべてを貪欲に呑み込まんとする深い深い『ディアブロ』沼が、確かにそこにあったのだ。筆者はまだその深い沼のほとりに立ったばかりだ。何時間かかるか見当もつかないが、発売後は沼へと飛び込んで本作をとことん遊びつくしたい。
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202306/05304954.html