サッカークラブマネジメントゲーム『Football Manager(フットボールマネージャー)』の最新作『Football Manager 2024』が、11月7日にNintendo Switch、プレイステーション5、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam、Epic)、モバイル向けに発売された。
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※本記事はセガの提供でお送りします。
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シリーズ20周年作である本作では、正式に日本語に対応し、日本プロサッカーリーグ“Jリーグ”も登場。J1、J2、J3リーグの全60チームが収録され、大きな注目を浴びている。
本記事では、そんな『フットボールマネージャー』好きなスタッフを集め、本作の魅力や内容について好きに語ってもらった。
通常のサッカーゲームとの違いや『フットボールマネージャー』にハマること間違いなしなサッカー好きの傾向など、シリーズプレイヤーにしかわからない作品の魅力を未プレイの方にもわかりやすく掘り下げていく。
※体験したバージョンには、権利者による監修中の情報も含まれています。現時点ではデータが正確に反映されておらず、一部のクラブや選手のアセットデータが表示されない場合があります。
野村一真(元電撃オンライン編集長)
『フットボールマネージャー』歴10年以上。シリーズ累計で約10000時間はプレイしているファン。『フットボールマネージャー』の前身にあたる作品『Championship Manager』からプレイしている。文中は野村。
北口徒歩2分
『フットボールマネージャー 2018』からデビュー。シリーズ累計500時間プレイ。もともとサッカー少年であり、現在はコンサドーレ札幌を応援している。文中は北口。
目次閉じる開く
サッカー好きなら絶対遊ぶべき1作『フットボールマネージャー 2024』を語る
人材マネジメントにも役立つかもしれないリアルな移籍システム。フロント企業、サポーター、選手に挟まれながらベストチームを作る監督シミュレーション
遊び方はほとんど無限大。実際にプロサッカークラブを指揮したいあなたが求める1本がここに
初プレイ必見。最初は任せながら、どんどんやれることを増やして理想のクラブ運営を
サッカー好きなら絶対遊ぶべき1作『フットボールマネージャー 2024』を語る
――最初に簡単なサッカーに興味を持ったきっかけや過去シリーズのプレイ状況を教えてください。
野村サッカーは昔から好きで、とくに海外サッカーを好んで観ています。テレビでたまに放送されているのを見て、サッカー雑誌を買ってどっぷりハマっていきました。
サッカーゲームについては、『プロサッカークラブをつくろう!(以下、サカつく)』(※)を遊んで、より骨太のシミュレーションを遊びたくなり、『フットボールマネージャー』の前身にあたる作品『Championship Manager』を遊んでいました。
※『プロサッカークラブをつくろう!』:セガが発売するサッカークラブ経営シミュレーション。1996年に発売されて以来、20作以上が世に送り出されている。チーム運営をはじめ、選手育成などを楽しめる。
北口自分は、中学の部活でサッカーを始めたのがきっかけです。部員の数も少なかったので、11人も必要ならどこかポジションが空いているだろうと目論んで入部しました(笑)。そのまま中学、高校とサッカーを続けて、海外サッカーを見るようになり、雑誌を買うようになりました。その流れで『サカつく』をはじめとしたサッカーゲームもプレイしていました。『ウイイレ』(※)メディア大会優勝というちょっとした経歴もあります。
『フットボールマネージャー』を始めたのは5年前くらいで、『フットボールマネージャー 2018』をSteam(PCゲーム配信プラットフォーム)のセールか何かで買ったのがきっかけでした。『2018』のプレイ時間は468時間です。リアルサッカーで言うと、北海道出身なので、北海道コンサドーレ札幌を応援しています。最近はJリーグをよく見ています。
※『ウイイレ』:コナミデジタルエンタテインメントより発売されていたサッカーゲームシリーズ『ウイニングイレブン』の略称。2021年9月以降の発売作品は『eFootball』と名称が改められている。
――プレイ状況はいかがでしょうか。
野村プレイスタイルの話にもなってしまいますが、スペインの3部相当、第1ディビジョンAです。スペインリーグはリーグの形式がいろいろ変わったのですが、いまは3部のデポルティーボ・ラ・コルーニャ(※)をメインに遊んでいますね。
※デポルティーボ・ラ・コルーニャ:スペインの自治州であるガリシア州に本拠地を置くクラブチーム。
北口デポルって、いま3部なんですか!?
野村そうですよ。
北口しばらく海外サッカーを観ていないあいだにそんなことに。デポルティーボといえば、2000年ごろは“スーペル・デボル”と言われて、スペインのトップチームのひとつだったんですよね。元日本代表の柴崎岳さんも一時期所属していましたよね。どうしてデポルティーボで始めたんですか?
野村過去の栄光をもう一度取り戻すというか、昔強かったチームを再建するみたいな遊び方が好きなんです。
北口自分も、『2018』の時は同じようなことをしていました。『2018』では、ドイツのブンデスリーガの3部のクラブから始めたんですよね。イメージですが、トップクラブってすでに強いし、プレイヤーの介入が必要か? って思ってしまったことも理由のひとつです。
「3部リーグからやるか」と息まいて始めたものの、最初は選手が弱いので、まったく勝てませんでした。なので、邪道と言われるかもしれませんが、セーブ&ロードを繰り返して、優勝を目指すプレイをしていました。
最終的には、“UEFAチャンピオンズリーグ”(ヨーロッパ各国から成績上位のチームを集めた世界最高峰の大会)でレアル・マドリードを倒して優勝するまでやりました。試合時間が意外にかかって、設定によっては15分くらいかかるんですよ。なので、4回やり直すだけで1時間かかります。プレイ時間は約500時間ですが、もしかしたらもっとやっているのかも。
最新作では、Jリーグが導入されたこともあり、コンサドーレ札幌ではじめました。さすがにセーブ&ロードは控えています(笑)。ただ、それでも優勝できたので、「もしかして俺は名将なのでは?」と勘違いしながら楽しく遊んでいます。
――ふたりから見て、『フットボールマネージャー』とはどんなゲームですか?
北口端的に言えば、本当にサッカーの監督になるゲームです。海外チームや日本チームの監督になり、優勝を目指していきます。
サッカーの監督になるゲームと言うと『サカつく』が有名ですが、『フットボールマネージャー』はさらに監督要素を濃くしたものですね。『サカつく』は、わかりやすいUI、かわいらしい秘書など、サッカーを知らない人でも楽しめるような、キャッチーな要素がいくつもあります。一方で『フットボールマネージャー』には一切それがありません。自分はシリーズ初期のことはよく知らないのですが、いわゆる試合画面がなかったころもあったとか。
野村試合画面はすごかったですよ。よく監督がホワイトボードにコマを置いて作戦を指示するじゃないですか。あのコマみたいなものが画面で動くだけだったんです。いまもそのカメラモードがついていて、遊ぶとわかると思いますが、あまりにも硬派です。
北口本当に硬派ですよね。ゲーム画面も、メールボックスのような画面ですべてが進んでいきます。「コーチと会議しますか?」、「SNSの反応はこんな感じです」、「前回の試合の結果は?」みたいなメールが届くのでそれを読み、日々を進めていく、超硬派なゲームです。
――昔は、日本語版がなかったと聞きました。
野村そうですね。いまはセガがパブリッシャーですが、ずっと日本語版がなく、日本人は泣きながら有志が作るMODに頼っていました。それがなんと本作では、日本語に対応したんですよね。しかも、Jリーグも入ってくれたし、日本勢は大興奮ですよ。
――かなり硬派な『フットボールマネージャー』のおもしろいポイントはどこだと思いますか?
北口できることがすごく多いところですね。例えば、戦術を幅広く決めることができますし、選手の獲得ひとつにしても、条件を細かく指定して交渉できます。交渉も、試合の出場時間、試合に出場する際の報酬、ゴールを決めたときの報酬、優勝したときの報酬などを細かく設定できるんです。チームの資金力と相談しながら、ギリギリを攻めて交渉するんですが、「合意できません」と言われて頭を抱えることもあります(笑)。
あとは、試合前の記者会見にも出られますね。テレビとかでよくあるやつで、「つぎの試合には優勝がかかっていますが、いまのお気持ちは?」みたいな質問に答えます。こういう監督シミュレーターみたいな要素がものすごく強い作品ですね。
野村ほかにも、コーナーキックやフリーキックのセットプレイの動きを指定できるのもいいですね。コーナーキックのときは、右足でけるか左足で蹴るかで、カーブが変わるんです。本作では、どういうカーブのボールを蹴るのか、選手の動く位置も指定できるんです。真実かはわかりませんが、ジョゼ・モウリーニョ(※)がこのゲームを遊んでいるという噂もあります。
※ジョゼ・モウリーニョ:元・サッカー選手であり、現監督。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグという3つの国際タイトルをすべて獲得し、異なるふたつのチームを欧州王者に導くなど、素晴らしい戦歴の数々を残している名将。
北口そういうニュースがあったんですよね。最近だと、日本代表の伊東純也選手が所属するスタッド・ランスのスティル監督が、『フットボールマネージャー』を遊んだことがきっかけで監督を志した、みたいな報道もありました。
野村監督シミュレーターと言われると難しく聞こえそうですが、すべてを自ら決める必要はないんですよ。リアルの監督にもいろいろなタイプがいますよね。戦術をガチガチに決める監督もいれば、選手のやる気を出して、コーチの考えを尊重するタイプとか。『フットボールマネージャー』でも、自分で決めたいところは決めて、後はお任せすることもできます。
北口そういう意味では僕のプレイスタイルはモチベータータイプかもしれません。調子のいい選手を使うとか、ある程度の采配は決めますが、基本的にはコーチの評価を見てスタメンを選択しています。
反対に、凝ろうと思ったらどこまででもできて、試合中にもフォーメーションを変えられるので、1点取ったら戦術を変えて、それに適した選手に変える、みたいなこともできるんですよ!
野村そうそう。サッカーの戦術に詳しい人もすごく楽しめると思う。
――監督の仕事って、戦術の指定だけではないのですね。
野村『フットボールマネージャー』でプレイヤーは全権委任監督なんです。人事権も移籍の権限も持っている監督なのですが、本作はサッカー経営シミュレーションではありません。移籍に関係する以上、経営の一部に参画しているだけです。スタジアムの拡張やユニフォームの売り上げなどにはかかわらないんですよね。
『サカつく』では、スタジアムの拡張がありますよね。お金を稼いでスタジアムを拡張して、売店を作って、チケットの値段を変えて、みたいな経営も楽しめます。そういった要素は、監督としての仕事ではないので、本作にはないんですよ。あくまでチームを補強して高みを目指していくような感じです。
そういった要素の代わりに、NPCで構成されている理事会との関わりがあります。選手だけじゃなくて理事会との折り合いも考えていく。コーチの人数を増やしてください、と理事会にお願いするとかね。
北口現実のスポーツでも監督が移籍に関与できるかどうかは、契約によるんですよね。おそらく、フロントが連れてきた選手でどう勝つか、という監督が多いと思いますが、一部には人事についてもある程度コントロールできる監督もいる。『フットボールマネージャー』は後者のタイプなので、移籍などにも携わっていけるんです。
人材マネジメントにも役立つかもしれないリアルな移籍システム。フロント企業、サポーター、選手に挟まれながらベストチームを作る監督シミュレーション
――ゲーム中では、どんなできごとが起こるのでしょうか?
野村プレイ中は、そんなに激しいイベントは起こりません。あるのはケガや選手の覚醒くらいかな。
北口ケガはあるあるですね。シーズンが始まったあとの監督のおもな仕事は、ケガをしないように選手をケアすることと、ケガをした選手の代わりをどうするか考えること。それと、「もっと試合に出たいので移籍させてください」と言う選手をなだめることですね。だから、このゲームを遊べば人材マネジメントを学べるかも。野村さんはリアルでも管理職なので、現実でもゲームでもマネジメントをしているという……。
野村ははは……(笑)。でも試合で勝ったり、いいことが起きたりすると選手の士気が上がるのは仕事といっしょですね。
北口不満を募らせると士気も下がりますし(笑)。
野村自分のチームだと、スペインの3部チームなのに、トップクラスの能力を持つ選手が在籍しています。若いときに力をつけてほかのクラブに行った選手が、クラブ愛で地元に戻ってきてくれているんですよ。そういうのも大好きですね。
北口おもしろいですよね。外国のリーグでは、外国人枠がゆるいところもあるので、そういうチームを選んで、日本代表選手を数多く採用して、疑似的に日本代表みたいなチームを作るのも楽しそうです。
ただ、選手はお金を積めば必ず来てくれるわけではなくて、クラブの格を気にする選手もいるんですよね。
野村格が低いと、全然有名な選手が来ないですよね。
北口自分が遊んでいるJリーグでも、強い選手にオファーを出しても、昔から強いチームのほうが格が高いので、そっちに行っちゃうんですよ。「掘り出し物だったのになぁ」って。
野村「好きな選手を好きなように集めて、最強のチームを作ろう」みたいな遊び方は、元来強いチームじゃないとできないんですよ。採用するにも、移籍金などに資金力も必要になります。だからこそ、どのチームでも好きなだけ好きな選手をというのはできません。そういうゲーム性なんです。
――移籍ひとつにしてもかなりリアルですね。
野村今期に契約が切れる選手がたくさんいるときは、移籍金の予算を減らして、給与予算にあてがわないと、よい選手がいなくなってしまう(笑)。貧しいクラブだと、選手の契約期間を把握して、更新の期間だけ、余剰に給与予算をあてがう必要もあるんです。言ってしまえば、ここが『フットボールマネージャー』でいちばん重要と言っても過言ではないです。
契約期間を見て、まだまだ契約期間が長い選手の場合は、移籍でしか獲得できません。つまり移籍金がかかりますよね。しかし、選手によっては、今シーズン末で契約が切れる選手もいます。そういう選手は、来シーズンまで待てば、移籍金なしで契約できるんです。貧しいクラブは、契約期間を見極める工夫も必要になってきます。
北口クラブの顔みたいな存在の選手もいるじゃないですか。第一線で戦い続けるのは厳しいけど、精神的支柱であり、このクラブといえばみたいな選手。そういった大事な選手はゲーム内でも扱いが難しくて、ぞんざいに扱うとサポーターに怒られるんですよね。
プレイヤーは雇われ監督の立場なので、フロントが提示する目標と、サポーターが提示する要望の折り合いをつけながら、与えられた予算の中で最大限の仕事をするゲームなんです。理事会も自分たちの戦力のことはちゃんとわかっていて、弱いチームの場合は、最初から目標が残留だったりします。
Jリーグは実力が僅差なので、コンサドーレ札幌で優勝することもありますが、ヨーロッパのトップリーグで、弱小チームを使ってノーリセットで優勝するのはかなり難しいでしょうね。弱小チームを使うなら、現実路線の遊びに近くなります。
野村自分のプレイ状況だと、3部リーグでトップと成績がよいので、監督の仕事ぶりを喜んでくれています。成績が悪いと、悪口を言われることもあります。移籍で取った選手に対して、SNSで「本当に活躍できるの?」と小言を言われることもよくあります。この辺はリアルですよね。監督の気持ちもサポーターの気持ちもわかる(笑)。
――そういう声も聞きながらチームを組み立てていくのは、かなりリアルですね(笑)。
北口SNSの反応はかなりリアルですね。リアル志向というと難しく考えてしまうかもしれませんが、じつは簡単にする方法もあって、自分のクラブに合いそうな選手をお任せで探してくれる方法もあります。ポジション関係なく役に立ちそうな選手を探してリストアップしてくれて、その中で自分が気に入った選手を選ぶ、みたいな。
野村デポルティーボなどの小さいクラブは予算が限られているので、スカウト網を全世界に広げるのが難しいです。というのも、クラブに資金力がないので、国外まで見に行く予算がないんですよ。なので、スペインの範囲でスカウトの設定ができます。その中からリストアップしてくれるので、「この選手いいな」と思った選手は、リスト機能があるので、そこに入れておくと便利ですね。
――凝るところは凝って、任せるところは任せられるのはいいですね。
北口そこは本当に良ポイントです。いい意味でゲーム自体にも大きな抑揚がなく、安定したトーンで進んでいくので、やめどきを見失いますね。ヒーリングミュージックを聴いている気分に近いです。作中にBGMはないんですけど(笑)。
初めて遊んだ人は、「バグかな?」と思うかもしれませんが、ここは言っておきたい。本作に音はないです。ちなみに、試合になったら急に効果音が流れ始めるので、そこは注意。人によっては好きなBGMをかけながら遊ぶのもいいかもしれませんね。
――というか、それほど細かい選手状況が把握できると、相当国内外のサッカーに詳しくなりそうですね。
野村よく言われているのは、“『フットボールマネージャー』のファンは各クラブの若手に詳しい”ということ。安くて成長する選手を採用したいので、たくさんの若手選手の情報をゲーム内とかで確認するんです。そのゲームで見た選手がのちに現実で活躍する、みたいな現象も起きますよ。
――おお。『フットボールマネージャー』にハマってから、リアルのサッカーを観戦するのも楽しそうですね。
野村まさにその通り。本当にオススメです。逆もしかりでサッカー観戦が好きで『フットボールマネージャー』を始めるのもおもしろいですよ。リアルでもゲームでも、すごい潜在能力がある若手選手もいるんですよ。世界中に『フットボールマネージャー』専門のリサーチャーも1400人以上いるそうです。そのリサーチャーが若手選手の能力を判定して、ちゃんと毎シーズン反映されます。
例えば、メッシ(※)という有名選手がいるじゃないですか。自分は、メッシが11歳くらいのときから目をつけていたのですが、メッシが初めて『フットボールマネージャー』にユースとして実装されたのが、14~15歳くらいのときだったかな。
※メッシ:リオネル・メッシ。プロサッカー選手。数多の記録を保持しているほか、バロンドール――世界年間最優秀選手――を歴代最多の8回かつ、4年連続で受賞している。2023年現在、インテル・マイアミCF所属。
その当時のメッシとプロ契約してちゃんと育てていくと、現在ほどじゃないにしろ、まぁまぁ強い選手になりました。それが、翌年、翌々年になると、もう圧倒的にゲーム内でも強くなるわけです。メッシのデータが更新されていくし、リサーチャーが実績に基づいて評価していくから。リアルとシンクロして見ていくと、本当に楽しいですよ。
日本の三笘薫選手で言うと、ここ1、2年で活躍している選手で、アップデートのたびにすごく成長していますよ。ゲーム内のステータスを見ても一流選手なのがわかります。
北口選手を見て詳しくなるのはいいですよね。こういうデータは本当にすごい力が入っていて、眺めているだけでも楽しいですよ。
遊び方はほとんど無限大。実際にプロサッカークラブを指揮したいあなたが求める1本がここに
――ふと気になったんですが、『フットボールマネージャー』にゲームクリアーは存在するのでしょうか?
北口明確なクリアーはなく、いわばプレイヤーの目標を達成すればクリアーでしょうか。僕の場合は、コンサドール札幌のJリーグ優勝を果たしているので、つぎはアジアのトップクラブが集まる“AFCチャンピオンズリーグ”の優勝を目指しています。それに優勝したら、コンサドーレ札幌編はもうクリアーかな、と思っています。そんな感じで、自分で目的を決めて遊ぶのが大切です。
目標で言うと、監督のステップアップもできます。Jリーグの目標を達成したら、次はフランスのクラブで監督になるためにオファーを出して、フランスで活動する、といった具合です。最初のクラブは好きに決められますが、その後に渡り歩くこともできるんです。
野村解任されたり、逆に引き抜きされたりということもあるんですよね。ちなみに、自分から辞任することもできます。辞任すると、別のクラブの監督に応募できる。その際は自分のキャリアと見合ったクラブを探して、オファーを出せます。
その後は面接がはじまります。「こちらに要望はあるかな?」、「どうして3部リーグからレベルを落として4部リーグに?」といったような、リアルな面接が行われます(笑)。
北口ドイツの3部でやっていたとき、1部リーグからオファーが来たこともありました。遊び方として、成り上がりみたいな遊び方をするのもいいかもしれません。
――『フットボールマネージャー』楽しめるのはどういう方だと思います?
北口単純に『サカつく』プレイヤーだったり、『サカつく』より濃い監督ライフを送りたい人だったり、スポーツシミュレーションゲームが好きだったり、戦術に興味がある人とかですかね。スポーツファンもいろいろなタイプがいますから。
野村海外はもちろんJリーグもJ3まであるんですよ。なので、J2やJ3のチームをJ1に昇格させて最強のチームにするみたいな遊び方も楽しいと思います。戦術に興味がある人なら、実際に強いクラブを指揮してみたらどうなるか、ぜひ試してほしいですね。
北口あまり戦術に詳しくない人でも、フォーメーションをなんとなく決めて選手の調子に応じて変えていけば、意外となんとかなったりしますよね。
――あまりサッカーに詳しくはないけど、いろいろな選手を集めてマネジメント面を楽しみたい人は、戦術をお任せにしてしまうのはアリですね。
北口そうなんですよ。正直、突き詰めていくとあまりに細かすぎて、自分でもよくわかってないことがあります。「細かく動かしたいけど、どこをどう設定すればいいんだろう?」って。上手な人は、そのあたりの工夫がうまいですよね。
野村遊び方を考えるとキリがないですよ。リーグも数多くあるじゃないですか。その国の中にプレイできるリーグが少なくとも2つ以上、だいたい4つくらいあるわけです。
イングランドはリーグがありすぎて、どこから遊ぶかで全然プレイ内容が違うわけで、本当に無数の遊び方があります。弱小クラブを育てて上位リーグを目指すでもいいですし、監督としてキャリアを伸ばしたいなら、キャリアを伸ばしていく、みたいな遊び方もオススメですよ。
北口自分の場合は、1年進めるためにはおおよそ20~30時間くらいかかります。プレイしていると、移籍期間に時間を割くのがおもしろくなって、試合じゃないところにすごい時間をかけてしまうんです。条件をいろいろ変えてみて、取るか、取らないか。「今シーズンの新戦力どうしよう」、「キーパーの選手がいなくなるけど、新しいキーパーどうしよう」とか考えますね。
野村2番目以降のキーパーを探すのは大変ですからねえ。
北口キーパーは、基本一番手の選手しか出ません。でも、ケガしたら困るから、どのチームも3人ほどゴールキーパーを用意するんです。とはいえ、2番目のゴールキーパーですら出場機会がそこまでないのに、3番目のキーパーにもなると確保するのが難しい。にもかかわらず、ごく稀に1番目のキーパーがケガ、2番目のキーパーがレッドカードで退場、なんてことになり、つぎの試合は3番目しか出られません、なんてことにも……。
3番目のキーパーとはいえ、プロとして最低限の実力が欲しいわけです。しかし、「自分は第3ゴールキーパーでいいです」なんて選手はゲームとはいえ、ほとんどいないわけですよ。「第3ゴールキーパーになるくらいなら、下位のリーグでも試合に出られるチームに行きたい」と思うのがサッカー選手ですよね。そうなると、条件に当てはまる選手を探すのに、時間をかけてしまうんです。でも、じつはそんな時間が楽しくもあるんですよね。
――本当にデータもそうですが、そういった人の動きなどの再現性も高いですよね。
北口選手以外のユニフォームやエンブレムも、すべてではないけど、基本的に再現されていますからね。
野村“戦歴”と言って、各選手のキャリアが見られるのも見逃せませんね。過去の試合や所属の経歴が見られるんですよ。これがサッカーマニア的にはたまらないです。クラブ情報を見て、主な歴代選手を見るのもいいですね。
北口プレイを長くしていると、自分のプレイが反映されることもあるんです。自分のチームに引き入れた選手がほかのチームに行って、スター選手になっているとか(笑)。
野村他にも、クラブの戦績をグラフで見られるといったように、データベースが細かくてサッカー好きにはたまりません。
北口ゲーム内で10年くらい進めた後に、オールタイムベストイレブンを見て、振り返って思い出に浸ることもありますね。
野村私のプレイスタイルで言うと、バスク地方(スペインとフランスにまたがった地方)のチームでやった場合、自分のチームをバスク出身の選手で固めます。例えば、レアル・ソシエダ(※)で遊ぶ時は、バスク縛りで遊びますし、さらに縛ると、ソシエダがある州の選手で染める。ユースしか使わない、みたいな。自分は監督のプロフィールに「サン・セバスティアン出身」と添えるわけです。
※レアル・ソシエダ:スペインのバスク州のサン・セバスティアンに本拠地を置くサッカークラブチーム。
北口かなりロールプレイですね。楽しそう。
野村ユースを育てたいという気持ちがあるので、そういう遊び方を好みますね。
初プレイ必見。最初は任せながら、どんどんやれることを増やして理想のクラブ運営を
――このゲーム初心者が最初にはじめる時に、チュートリアル的にどういうチームを選ぶのがオススメですか?
野村難しい問題ですが、まずひとつ言えるのは、自分が好きなクラブや気になるクラブ、好きな選手がいるなら、そこから始めるのがいちばんいいと思います。どのリーグを選んでも、苦労するところは苦労します。
基本的にはよく観ているクラブで始めるのがいいと思いますが、どこも贔屓クラブがないのであれば、お金持ちのクラブを選ぶのもいいですね。イングランドの1部リーグなどは、放映権料がすごく高く、ほかのリーグに比べて移籍に使えるお金が潤沢にあるので、移籍しやすくなります。
北口自分も同じ意見で、好きなクラブで始めたほうが絶対にいいです。逆によく知らないクラブを選び、そこから興味を持って選手やチームを知っていくのもありなんですが、最初は選手の顔や名前がわかっていたほうが、リアルとのつながりがあっておもしろいですよ。
ただ、始めた後でいいので、各国のルールはしっかりおさえておきたいですね。出場選手についていろいろと決めがあって、たとえばイングランドの1部リーグは労働許可が必要とか、そういうのがちゃんとあるんです。J1リーグだと、東南アジアの一部の国の選手は日本人として扱うとか。
野村ルールを細かく知っていれば、ちゃんとした移籍補強ができるので、プレイする場合は国ごとのルールは読んでおきましょう。もちろん、これらは実際のサッカーに準拠しています。サッカー好きなら、勉強にもなりますよ!
――あまり考えずに移籍させていたら、試合に出せないなんてこともありそうですね……。
北口全然ありますよ。自分もなったことがあります(笑)。
――初プレイの方にアドバイスするとしたら、どんなことを教えますか?
野村全般的にスタッフに指示を委任できるので、最初は任せましょう。AIが優秀なので、チーム構成やチーム運営を信頼してお任せできるようになっています。練習はアシスタントマネージャーに任せても、全然問題ありません。移籍も任せていいし、スカウティングも任せていい。そういう遊び方で始めてから、気になるところは自分で手を加える、慣れてきたら自分でカスタマイズする遊び方が入りやすいと思います。
北口選手への指示も、「この選手は危ないのでマークしたほうがいいですよ」と言われたら、言われた通りポチっと押すだけでやってくれます。この人の言うこと的外れだと思ったところだけスルーすればいいんです。
野村それでいいと思います。こだわろうとすると、セットプレイや戦術を超細かく設定して、より戦術マニアとして立ち回れます。慣れないうちは、スタッフに委任してAIに任せながら遊んでみて、気になるところを自分で設定するようにすると、いつの間にか沼にハマっています。
北口知っているクラブで始めたほうがよい理由にもつながりますが、チームを選んだときに、このチームでどういう戦術でいくか、とある程度決めることになります。自分が知っているチームなら、「4-4-2で、ゆっくり攻める……」と想像できるじゃないですか。自分の思い通りのフォーメーションで、というのもいいですが、最初は既存のチームの状態ではじまるので、フォーメーションを知っていたほうがスムーズにいくんです。
野村『フットボールマネージャー』を始めたころを思い出しますね。
北口一応、チュートリアルでひと通り教えてくれますが、シミュレーションゲームって、最初に教わってもよくわからないじゃないですか。細かい部分はプレイしながら調整すればいいと思います。
――なるほど。サッカー好きの方なら最初は知ったチームから始めるとよさそうですね。
野村それから、来シーズン版の『フットボールマネージャー』はエンジンが変わることがアナウンスされているので、もっとグラフィック面が高性能になりますよ。なので、本作は実質的にいままでのエンジンで開発された最後の作品になります。そういう部分も含めて遊んでおきたい方がいれば、ぜひプレイしておいてほしいですね。
――ちなみに、これまでは“キャリアモード”をメインで話していただきましたが、ほかにもいくつかモードがあるんですよね?
北口そういう話は聞いたことがありますね。
――なんで伝聞系なんですか(笑)。
野村単純にほかのモードを遊んでいる時間がない(笑)。こっちは理想のクラブを作るので手いっぱいなんです。
北口僕もずっと“キャリアモード”を遊んでいるので……(笑)。でも、“ファンタジードラフト”や“オンライン対戦”というモードがありますよね。あとは、オリジナルクラブを作るモードとか。
野村自分もずっと“キャリアモード”で遊んでいますが、今回はそろそろ別のモードをプレイしてみるのも楽しそうです。
――最後に『フットボールマネージャー 2024』が気になっている人たちにひと言ずつお願いします。
野村自分がサッカーファンであればあるほど、リアルとゲームをリンクさせながら遊ぶと、すごくおもしろい。たまらないです。そういう遊び方がオススメです。とくに今作は家庭用機版も出るので、気軽に手に取りやすいかなと。
北口自分はコンサドーレ札幌で始めましたが、リアルのコンサドーレ札幌と活躍を競うのもまた一興です。おもしろいのは間違いないので、もっといろんな人に遊んでほしいですね。
野村最後に言っておくと、自分はデポルティーボファンではなく、生粋のバルサファンです。次点でベティス。俺の中には緑の血が流れていると言っても過言ではありません。
北口みんなが遊んで、売れて、セガは来年も日本語版を出してくれ!
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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202311/09323165.html