ロック×エレクトロ×ボーカルハーモニーで突き抜けた! VESPERBELL、2ndワンマンライブ「RUMBLING」レポート
2025年1月21日 20:30 VTuber
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2025年1月16日に渋谷Spotify O-EASTにて、RK Musicに所属する2人組ボーカルグループ・VESPERBELL(ヴェスパーベル)が2ndワンマンライブ「RUMBLING」を開催した(アーカイブページ)。
VESPERBELLは2020年6月7日にYouTubeにて活動をスタートし、3~4年ほどの活動でオリジナルアルバムやEPとして楽曲をリリースし続けてきた。その中で2024年は、7月24日にワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビューを発表。自身のビジュアルを一新して、11月22日にメジャーファーストEP「RUMBLING」をリリースするなど、まさに「時は熟した」といわんばかりな怒涛のアクションだった。
そんな新作EP「RUMBLING」にあわせた今回のライブは、レコ発・リリースパーティという流れとしてみることもできるが、なによりも「メジャーデビューを祝うライブ」という意味を見出していたファンもいたはず。ところが実際に見せてくれたのは、インパクト溢れる歌声・ハーモニー・サウンドが交わったハイボルテージに突き抜けた鮮烈なるパフォーマンスであった。
では、その一部始終を追いかけてみよう。
物々しいムービーから壮大かつハイボルテージな開幕へ
冬の寒い空気から逃げるように渋谷Spotify O-EASTへ入る。ステージを見ると、原子炉やエネルギー炉を思わせる映像と「ゴォン……ゴォン……」という不穏な駆動音が流れ、物々しいSFな世界観を感じさせてくれる。渋谷O-EAST常設の618インチ(約15m)の背面LEDビジョンを全面に押し出した演出は、客席側から見るとかなりの迫力だ。
会場が暗転すると、ビジョンにはメッセージの英文が打ち込まれていき、宇宙都市のなかから宇宙船がエンジンを吹き上げて出発していった。1曲目「鳴動」。暗いステージのうえ、ヨミとカスカのシルエットがモチーフカラーの青・オレンジに彩られ、その存在をアピールする。
運命を遮って 感情がscreaming
閉じ込めた願い 解き放て胸の鳴る方へ
2人のボーカル、スネアのドラムロール、ヘビーなギターサウンドがドンッ!とぶつかるイントロ。白いスモークがステージ上に炊かれ、青とオレンジの照明が会場を一気に染めあげ、壮大な出足から一気に会場のボルテージをあげていった。
お立ち台に足をかけ「オイッ! オイッ!」と煽る2人、それに応えるように会場からも歓声とハンドクラップが生まれる。アイマスクをかけて目線を感じさせない2人のビジュアルもあり、妖しさ倍増といった面持ちだ。
続く2曲目「Hurt」と3曲目「ignition」では、ヘビーなギターサウンドとヨミとカスカのパワフルなボーカルががっつり。2人の煽りに呼応して盛り上がっていく会場では、「オイッ!」と叫ぶコールがとまらない。もしもここがロックフェスなら、モッシュやダイバーが起こっていてもおかしくないくらいだ。
「改めまして! VESPERBELLのヨミです!」
「カスカです! みんな楽しみにしてたぁ!?」
2人は挨拶から会場の盛り上がりを褒めて、高いテンションのままで4曲目「Noise in Silence」へ。特徴的なリズムパターンのドラミングがキーとなった楽曲だが、しっかりと観客はグルーヴについていっているのが感じられた。
ダークかつ妖しいムードを漂わせるダンスポップ「羽化」、歪んだシンセサウンドとギターサウンドがリードしていった「Trust me」、そこから再びアグレッシブなバンドサウンドを基調にした「EX MACHINA」へ。
VESPERBELLの楽曲は、どれをとっても高いインテンシティ・緊張感をたぎらせた楽曲が揃っている。圧力あるサウンド、それに負けないボーカルががっつり組み上がって生まれる高圧な空間は、ロックバンドのそれに近しい。
そこにSF感あるムービー(しかも超大画面!)&激しく明滅する照明演出などが混ざると、ふっと力や集中を切らしてしまうとあっという間に置いていかれそうなほど。観客側にある程度高い集中力や緊張感を求め続ける序盤のパフォーマンスは、セカンドワンマンとは思えないほどに見事だった。
「今日はね、暑すぎてタンクトップ姿にして帰れるくらい盛り上げいくからよろしくな!」とヨミがMC中に語っていたが、有言実行していこうとばかりにここからさらに畳み掛けていく。
DJ MIXのメドレーから圧巻&怒涛のパフォーマンス
グリグリと鳴るベースサウンドが印象的な「inspire」に始まり、ポストロック的なダブルギターの単音リフの絡みがリードする「Revelation」、そこから鍵盤の入りから2人のボーカルが爽やかさを感じさせる「Twilight」、最後にはラウドなギターサウンドとギターリフがアゲにアゲる「或いは虚空に夢を視る」へ。
2022年にリリースされたファーストEP「革命」に収録された4曲を、DJとして活躍するKSUKEがリミックスしたという”RUMBLING MEDLEY”。DJリミックス独特の繋ぎかたとスピード感、なにより約8分間で初期曲が4連打をされたことで観客のなかにはノックアウト状態になったひともいただろう。
ヨミとカスカもフルパワーで歌っていることもあり、さすがにすこし息が上がっている様子。だがそんな空気も「バテてないよー!」と大声ではねのけ、ここでスペシャルゲストとしてKMNZを呼び込んだ。
ステージの左右後ろに避けると、スクリーン上の地面が一気にさがり、KMNZの3人が上へとせり上がって登場する。ポーズをキメて現れた3人に歓声が湧き、先日のKMNZワンマンライブと同じく5人でのコラボ歌唱パートへ。しかも楽曲はVESPERBELLのなかでも屈指の支持率をほこる「RISE」だ。
しかもこの場で、ヨミ・カスカ・TINA・NEROの4人がボーカル部分を、LITAがラップパートをメインにした歌唱となっており、このライブで初めて歌唱された形であった。SFチックなステージから下がっていく3人を見送り、「さみしいね」と2人ともしんみり。
「後半戦になってまいりました!立ちっぱなしの叫びっぱなしでそろそろ疲れたかと思うけど、そんなシンドさもふっとばすくらいの美声を響かせていきますよぉ!次行っちゃいたいとおもいます!」
天井知らずのボルテージ&テンション 観客も別世界へ……?
そこから「Imperfect」、そして「Bell Ringer」を披露していくVESPERBELL。特にライブということもありベースサウンドがより強調された「Bell Ringer」は、ラウド・ロック×EDMらしい超高圧なサウンドスケープとなって会場を包む。
ハスキーで太い歌声のヨミ、軽やかながら芯のある歌声のカスカ、2人の声で突っ切っていき、そのままスッと音が消えると、あまりにぶち上がったパフォーマンスに観客が呆気にとられ、拍手や歓声が遅れてしまったほどだった。
この日の会場となっている渋谷Spotify O-EASTには約15mの巨大ビジョンがあり、そのLEDビジョンを使用してSFらしさ全開のムービーが流れていたわけだが、この規模・距離で見ていると”圧倒””圧巻”の一言だ。この2曲でもかなりのインパクトをもって流れており、まさしく「どこか別の世界へ連れて行ってしまった」かのようですらあった。
「バリ盛り上がり!なんですが、あと2曲になりました。こうして「BELLS」(VESPERBELLのファンネーム)を目の前にして話せる機会は少ないので、いろいろ話したいと思います」
「改めて来てくださってありがとう。ライブを開催するにあたってサポートしてくれたすべての方に感謝します。音楽活動をするなかで支えてもらってばかりのわたしが、唯一恩返しできるこの”ライブ”という場所を、どれだけ大事にしているかは今日の『RUMBLING』で伝えられたかと思います!」(ヨミ)
「私たちはもっと進化して、音楽の世界のなかで生きていきます。そのなかで周りの環境も今よりもっと変わっていくと思います。そのなかでも自分のなかで変わらないものがあるからこそ活動を続けられると思っています。今後もよろしくお願いします」(ヨミ)
「このライブを開催するのに携わってくれたすべての人に感謝します。昔から1つのことに熱中して本気で頑張ることが苦手だった自分ですが、音楽に、ヨミちゃんという最高で最強の相方に出会えて、なによりこんなに多くの人に愛されて今日という日を迎えられたことは、本当に幸せだと思っています。この気持ちを忘れずに、今後も活動を続けていきます!」(カスカ)
感極まって言葉に詰まり、涙声で互いの会話に頷くヨミとカスカ。感謝を伝えながら深々とお辞儀をし、歓声と拍手が起こる。
そんな感動的なムードから歌い始めたのは、彼女らにとっても初期の曲にあたる「VERSUS」だった。
スローな入りからグッと盛り上がっていくこの曲を披露、AメロからBメロ、そしてサビと段階的にサウンドに厚みが増し、サビやラスト付近でギターが被る瞬間に大きな声と力強さを発していく姿は、まさしくエネルギーの塊となっていた。
本編最後に歌う曲は「To The world」、同じくスロー&ラウドなサウンドに歌声にパワーが必要とされる1曲だ。大型ビジョンでは、宇宙船が星の成層圏を突破し、宇宙の星々のなかへと飛び出してく壮大なるムービーが流れ、壮大なるイメージを観客へと訴える。そんなこの曲は最後にこのような言葉を歌い上げる。
結局強い魂が導いてくれる
全部 全部 自分に勝つことなんだ
高く聳え立つ この最果てとなり
パトス握りしめて
情熱は嵐を巻き起こし 傷を癒やした
それは奇跡なのか それとも真実か
答え探しの旅へ To the world
まっすぐな言葉と形容。本来聞き手へと向けられる言葉は、この日この瞬間においてはデビューから数年をかけてメジャーデビューを果たしたVESPERBELLの2人そのものを歌っているようにみえた。
アンコールから戻ってきたヨミとカスカの2人は、メジャーデビューが決まってから今日までのことを振り返りつつ、今年の目標をそれぞれ語り始める。その表情や声の調子からは、ある程度の達成感とバイタリティの高さをうかがい知ることができた。
アンコール最後に披露したのは「RAMPAGE」のKSUKE Remix。原曲にはほとんどないガバキックのようなハネるキックサウンドにシンセサウンドが混ざり、よりサイバーかつ凶悪さを増した1曲。最後の最後までブチアゲていく興奮のなかで、セカンドワンマンライブを終えたのだった。
2025年6月にははやくもサードワンマンライブが決定している彼女ら2人だが、ロックもエレクトロも入り混じったハイボルテージなサウンドと2人のパワフルなボーカルの絡み合い、ノンストップかつ息つく暇すら与えないライブパフォーマンス、バーチャルシンガーシーンという枠を飛び越えていきそうですらある。
●セットリスト1.鳴動2.Hurt3.ignition4.Noise in Silence5.羽化6.Trust me7.EX MACHINA8.RUMBLING MEDLEY9.RISE feat. KMNZ10.Imperfect11.Bell Ringer12.VERSUS13.To The world14.Eclipse*アンコール15.RAMPAGE(KSUKE remix)
(TEXT by草野虹、Photos by Sotaro Goto)
●関連リンク・アーカイブページ(Za-N)・VESPERBELL・RK Music
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引用元:https://panora.tokyo/archives/100692