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『RPGツクール』の最新作『RPG MAKER WITH』開発者インタビュー。ゲームの制作過程やデータを気軽に共有。ゲーム作りの楽しさをますます体験しやすく | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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 1990年に1作目が発売された『RPGツクール』は、誰でもゲームクリエイターになれるゲームコンストラクションツール。プログラミングやプランニングなどの専門知識がなくても、ゲームを制作して公開できる。

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 そんな『RPGツクール』の最新作が、2024年4月11日にNintendo Switchでリリースされる。気になるタイトルは、『RPG MAKER WITH』(以下、『WITH』)。『RPGツクール』から海外版の名称である『RPG Maker』に統一され、そこに「いっしょに」、「ともに」の意味を持つ、“WITH”が付けられている。
 本作では、従来と同様のゲーム制作に加えて、ほかのプレイヤーといっしょにゲームが作れる新要素が追加。最新作が誕生した経緯や注目の新要素などを、開発を手掛けるGotcha Gotcha Gamesの黒田有氏にうかがった。

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※本記事はGotcha Gotcha Gamesの提供でお送りします。

黒田 有氏(くろだ あり)

Gotcha Gotcha Games所属のクリエイター。『RPGツクールMZ』のディレクターに抜擢され、『RPGツクール』の最新作『WITH』の開発にも携わる。(文中は黒田)

『RPGツクール』はゲームを作っている過程も楽しい
――ゲームについてお聞きする前に、まずは黒田さんの経歴を教えてください。
黒田じつは、私自身『RPGツクール』の大ファンで、これまでに1万時間以上はプレイしていると思います(笑)。
――1万時間!?
黒田ビックリしますよね(苦笑)。1万時間と言われても、なかなかイメージしにくいかもしれませんが、1日7時間ぐらい触れ続けて5年ほど経つと、トータルで1万時間になっていました。
――『RPGツクール』好きが高じて、ファンから開発メンバーに加わったと。
黒田はい。ご縁があってGotcha Gotcha Gamesに入社した後、パソコン版の『RPGツクールMZ』(2020年8月20日発売)のディレクターを担当しました。企画の立ち上げから参加して、現在もバージョンアップの開発や企画、進行を任されています。
――『WITH』を開発することになった経緯を教えてください。
黒田パソコン版の『RPG Maker(ツクール)』はコミュニティがありまして、そのコミュニティやSNSで多くのユーザーがスクリーンショットを交えながら、進捗状況を投稿して交流しています。
 私たち開発陣は、ユーザーのやり取りやSteamのレビューなどを拝見していて、『RPG Maker』をどうすればよりおもしろいツールにできるのか、どうすればより多くの方たちに満足してもらえるのか、つねづね考えていました。

ユーザーによるSNSへの投稿例。

黒田『RPG Maker』はオリジナルのゲームを作るソフトで、ゲームの完成がいわばゴールなのですが、完成までの99パーセントの時間はけっこう孤独なんですね。できあがったゲームを遊んだり、発表したりするだけではなく、完成までのプロセスを楽しむのも『RPG Maker』の魅力ですし、重要なポイントです。
 それを再確認できたことと、家庭用ゲーム機でも新しい『RPG Maker』を楽しんでいただきたい思いが、『WITH』開発のスタート地点になりました。
――なるほど。
黒田現在、『RPG Maker』はPCと家庭用ゲーム機で展開しているのですが、PC版はほかのプレイヤーが描いたイラストや作曲した音楽のデータをゲーム内に取り込むことができます。
 この機能がファンの間で好評でしたし、先ほどご紹介したように、コミュニティで交流したり、SNSやYouTubeなどに投稿したりしやすいこともあり、PC版は制作過程を共有して楽しんでいるファンが多い印象です。
 一方で、PCと比べて投稿へのハードルが高い家庭用ゲーム機版は、制作過程を楽しむ環境やシステムが整っていないのではないかと感じました。2018年にNintendo Switch用のソフトとしてリリースした『RPGツクールMV Trinity』のアップデートで対応できないか検討もしたのですが、ファンの方たちに満足していただけるものを届けるのはなかなか難しくて……。
 それで、制作過程を共有して楽しめる新作として、キチンと時間をかけ、ユーザーの皆さんに楽しんでいただける新しい『RPG Maker』をお届けしよう、ということで『WITH』を作ることになりました。
――新作に“WITH”と名付けた理由をお聞きしたかったのですが、ユーザーどうしで共有する、いっしょに楽しむといった思いが込められているのですか?
黒田おっしゃる通りです。タイトルもいろいろなアイデアを出し合い考えましたが、いちばんしっくりきたのが『WITH』でした。インターネットやSNS、YouTubeなどで人と人のつながりや結びつきがどんどん強くなる中で、『RPG Maker』にも時代に合った遊びかたが搭載されていてもいいのではないかと思います。
 もちろん、これまでのようにひとりでゲームを作り上げるのも楽しいですし、私も『RPG Maker』のファンとして、ひとりで完成させる人をリスペクトしていますが、レベル1の初心者がレベル5のプレイヤーの協力を得て、レベル6の課題をクリアーする。そんな楽しみかたが今後の『RPG Maker』にはあってもいいんじゃないかと思います。
――新しい『RPG Maker』を生み出そうとしているのですね。
黒田 完成を目指すだけではなく、ゲームづくりをしっかり楽しんでもらいたい。そして楽しんでもらった結果として、ゲームを完成させる人が少しでも増えればうれしいなという思いが『WITH』には込められています。
“アセットシェアリング”の機能でほかのプレイヤーと共有できる3つの要素
――ユーザーどうしで楽しむ要素についてお聞きします。本作にはどのようなシステムや機能を実装したのですか?
黒田本作には新要素として、“アセットシェアリング”の機能を搭載しています。これまで家庭用ゲーム機版の『RPG Maker』では、完成したゲームしか他者に公開することができませんでしたが、本作では制作途中のマップやデータベースの一部、コモンイベントを公開したり、他者が作るデータをダウンロードしたりできるようになりました。この“アセットシェアリング”によって、ほかのプレイヤーと制作状況を共有しながらゲームを作ることができます。

――SNSやYouTubeを使わなくても、制作状況を公開できるうえに、データをダウンロードできるのはうれしいですね。過去の作品で完成させることができなかった人はもちろん、初心者にとっても参考になりそうです。
黒田少しでも多くの方が興味を持ってくださるように、“アセットシェアリング”でどんなことができるのか、ひとつひとつ分解してご紹介しますね。“アセットシェアリング”は、大きく分けてマップ、データベース、コモンイベントの3つのカテゴリーがあります。
 マップはフィールドやダンジョン、街や宿屋といった、プレイヤーが行動できる場所になります。マップ制作画面では、データベースエディタで設定した建物やタイルを自由に配置し、思い思いのマップを作れるのですが、自分が生み出したマップを公開したり、データをアップロードしたりできます。

黒田アップロードできる数も多くて、公開可能なひとつのアセットの中に最大16個のデータを入れることができ、アセットは最大で64個まで保存できます。この機能によって、マップ作り専門の“マップ職人”が生まれるかもしれませんし、ほかのプレイヤーが作ったマップをダウンロードして、別の作業に専念するといったことも可能になります。
 公開されているデータに「いいね」を付けたり、ダウンロードされた数をチェックしたりできるので、ユーザーどうしで「いいね」によるやさしい交流が生まれて、制作のモチベーションの向上につながればいいなと考えています。
――ステキな考えですね。データベースやコモンイベントでは、どのようなことができるのですか?
黒田データベースでは、アイテムや武器、防具、さらにはスキル、敵キャラクターといったデータを制作してアップロードできます。例えば、デフォルトの回復アイテムはRPGではおなじみのポーションになっていますが、薬草やおにぎり、ハンバーガーといったように、世界観に合わせて多彩なアイテムを生み出せます。マップと同じく、最大で16個までデータが入るアセットを公開できます。

黒田最後のコモンイベントは、宿屋に泊まったり、宝箱を開けたりしたときのような、一連のイベントを制作する要素になります。
 例えば、RPGで宿屋に泊まるときは、店主と「一泊10ゴールドになります。お泊りになりますか?」という会話が発生し、その後に「はい/いいえ」の選択肢が出現して、「はい」を選ぶと、10ゴールドを持っているのかどうかを判断する、内部的なプログラミングが実行されます。お金があるときはHPやMPが全回復しますし、ないときは「お金が足りないよ」というセリフが出て会話が終了するといった感じです。

黒田こういった一連のやり取りをコモンイベントで作って公開できますし、他者の作ったデータをダウンロードして使うことができます。ゲームに登場する多くの宿屋は、お金がないと利用できないことが多いと思いますが、「しょうがないな。今回だけだよ」と、無料で泊めてくれるやさしい宿屋を作って共有するといったことも可能です。
――たとえば、誰かの作った宿屋のコモンイベントをダウンロードして、宿泊後に店主の「ゆうべはおたのしみでしたね」というセリフだけを追加することも……。
黒田もちろんできます(笑)。
――(笑)。コモンイベントの機能は、ゲームクリエイターを目指している人の教材としてもオススメかもしれませんね。宿屋に泊まるとき、内部ではどのような処理が実行されているのか順を追って理解しやすいので。さらに理解できたら、そこからセリフを変更したり、オリジナルの処理を追加したり、自分好みにアレンジしていけるのは魅力的に思えます。
黒田確かに、教材として使えるかもしれませんね。本作にはサンプルを豊富に収録していますし、ゲームの発売に合わせて私たちが作ったアセットも公開する予定です。誰かが制作した例をもとに、どのように作ればいいのか学びながら実践できるので、とくにゲーム業界を目指している方にはピッタリだと思います。
――“アセットシェアリング”の機能を使えば、アイデア次第でいろいろなことができそうですね。
黒田そうなんです。それにこれまでは個人戦だったのが、本作では“アセットシェアリング”を使ったチーム戦も可能になったので、ひとりでは完成までたどりつけなかった人も、ゲーム作りの楽しさを体験しながら完成を目指せると思います。
制作過程が楽しめるように、軽快で快適なプレイを追求
――“アセットシェアリング”が追加されて、大幅にパワーアップしていると感じましたが、そのほかの要素は前作までと変わらないのでしょうか?
黒田基本的にはこれまでのシリーズ作品を踏襲していますが、じつは前作から泣く泣くカットした要素がありまして……。カットしたのはキャラクターのグラフィックを編集できる“キャラクタージェネレーター”の機能になります。
 男性、女性、子どもを選び、顔や髪の毛、目、鼻、口など、18種類の項目の中から好みのパーツを組み合わせてオリジナルキャラクターを作成できたので、濃いファンの方には好評でしたが、あえてカットするという決断を下しました。

“キャラクタージェネレーター”を使って、オリジナルキャラクターを作成している様子。写真は『RPGツクールMV Trinity』(2018年11月15日発売)のもの。

黒田実際にキャラクターを作っているところをご覧いただくと一目瞭然なのですが、選べる項目やパーツの種類が膨大なぶん、どうしても操作が複雑になってしまい、ひとりのキャラクターを作るだけでも相当な時間がかかってしまいます。
 もちろん、キャラクターを作るのが好きな方にとっては、その時間も有意義なものだとは思いますが、今回は完成までの制作過程をより多くの方に楽しんでもらいたいというテーマを掲げて開発しています。
 できるだけ少ない操作でさくさくプレイできるように、“キャラクタージェネレーター”は見送りました。その分、軽快で快適なプレイを実現するためにショートカットの機能を充実させたり、ローディングの時間を減らしたりすることで、画面の切り換えをスムーズに行えるようにすることなどに力を注いでいます。

――本作には、キャラクターやモンスターのイラスト素材が多数収録されています。これらの素材は、“キャラクタージェネレーター”の代わりとして用意したのでしょうか?
黒田お察しの通り、細かくチューニングできない代わりに、128体のキャラクターと130体のモンスターのイラストを収録しました。素材不足を感じさせないように、豊富なバリエーションを用意していますし、発売以降も追加コンテンツとして新たなイラスト素材をリリースしていく予定です。

『RPGツクール』のファンはもちろん、初めてプレイする初心者も必見
――本作で初めて『RPGツクール』をプレイするという方も多いと思います。開発者であると同時に、熱心なファンでもある黒田さんに、オススメの楽しみかたをお聞きしたいです。
黒田大前提として、楽しみかたは人それぞれだと思いますし、答えはひとつではないと思います。私の意見は絶対解ではないと前置きをさせてもらったうえで、初めてプレイされる方と、遊び慣れている方のふたつのパターンで紹介したいと思います。
 本作で『RPG Maker』を初めてプレイするのであれば、まずは『WITH』で制作されたゲームを実際にプレイしてみてください。そのうえで、自分だったらどんなゲームを作るのか、イメージしながら制作すると進めやすいと思います。
 制作に詰まったり、ひとつの作業に集中したりしたいときは、ぜひ公式やほかのプレイヤーが作ったアセットを利用してみてください。他人の力を借りながら、やりたいことを着実に叶えていくといった遊びかたですと、ゲーム制作の過程を楽しみやすいと思います。

黒田つぎに遊び慣れている方ですが、やりたいことやこだわりたいことがある程度決まっているはずなので、こうしたほうがいいですよと、野暮なことは言いません。“アセットシェアリング”で作られたデータや快適になったショートカットの機能などを活用して、思い思いにゲームを制作してください。
――ちなみに、黒田さんは『RPG Maker』でどんなゲームを作っているのですか?
黒田いろいろなゲームを作ってきましたが、初めて作ったゲームがとくに印象に残っています。とにかく秀作を作ろうと考えたのですが、おもしろさの基準はそれぞれ異なるので、自分がおもしろいと思っても、万人受けするとは限りません。それなら多くの人に支持されるゲームを作ろうと考えて、説明書といいますか、チュートリアルを集めたようなゲームを制作しました。
 実際に作るとなるとたいへんでしたが、こんなゲームを作りたいとちゃんと考えれば完成させやすいですし、難しい課題にチャレンジしたことで、ゲーム作りの勉強になりました。ゲームに関して、マイナスなイメージを持たれている方がいるかもしれませんが、どうしたらおもしろい作品が作れるのかを考えたり、ヒット作が生まれた要因を分析して自分のゲームに取り入れたりするのは、ゲーム制作だけではなく、いろいろな仕事や場面で役立つと思います。
――確かに、思考力や分析力など、いろいろな能力を鍛えられそうです。
黒田ゲームを制作することでいろいろな発見も体験できます。ぜひ多くの方に遊んでもらいたいですが、本作はNintendo Switchでリリースするので、家族でゲーム制作にチャレンジするのもオススメです。
 ゲームの発売までアイデアを温めていただいて、発売後はアイデアをもとに作ったデータをアップロードするのもいいですし、データをダウンロードして「いいね」をつけるのでもいいので、私たちといっしょに『WITH』を盛り上げてもらえるとうれしいです!

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...以下引用元参照
引用元:https://www.famitsu.com/news/202312/20328328.html

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